インフィニット・ストラトス 受け継がれる光の絆 Episode.21 決闘U −デュエルU−
[全1ページ]

シャルルが女だと発覚し、一夏が巨人だとわかった翌日の朝、一夏、シャルルは共に教室に向かっていた。

「そ、それは本当ですの!?」

「う、嘘はついてないでしょうね!?」

 

教室からセシリアと鈴の声が廊下まで届いた

 

「本当だってば!月末の学年別トーナメントで優勝したら織斑君ととデュノア君と交際――」

「俺達が何だって?」

「「「きゃぁぁぁぁっ!?」」」

 

一夏が話かけたら女子達が驚いた

 

「で?何の話なんだ?俺達の名前が出ていたみたいだけど」

「う、うん?そうだっけ?」

「さ、さあ?どうだったかしら?」

「じゃ、じゃああたし自分のクラスに戻るから!」

「そ、そうですわね!私も自分の席に着きませんと」

 

まっていた女子達が蜘蛛の子散らすようにその場を離れていく

 

「一体何なんだ?」

「さあ?」

 

(ど、どうしてこのようなことに…)

 

 窓側の席に座る箒は平静を装いつつも内心頭を抱えていた。

というのも実は寮の部屋の引っ越しの後、一夏の部屋に行き本人に学年別トーナメントで優勝したら付き合って貰うと宣言したからである。

 

あの場には二人以外居なかったはずだがもしかしたら声が大きくて誰かに聞かれたかもしれない。

 

それが紆余曲折とあって先程の噂となったのだろう。

 

『学年別トーナメントの優勝者はこの学園の男子二人のいずれかと交際出来る』

 

一夏だけでなくシャルルが巻き込まれている辺り間違いない

 

噂は学園中の殆どの女子生徒が知っており、上級生がクラスの情報通に確認に来ていたくらいだ。

 

具体的内容としては、

 

『それは一年生のみか』

『他学年の優勝者も含まれる場合、交際したい相手がダブったらどうするか』

 

といった内容である

 

ただでさえセシリアや鈴という強力なライバルがいるのにこうなっては周りの『意識しているが行動に出れない』女子生徒達が意気込み、一夏争奪戦が大変なことになってしまう。

 

(いや、優勝だ。優勝すれば問題ない。だが・・・)

 

箒は昨日の事を思い出した。一夏が巨人だとわかった時、自分は悩んだ。今の一夏は自分達を守りビーストと戦う事を優先している。仮に優勝出来たとしても一夏と付き合えるかどうかわらない。

 

(今の一夏は、あの時の私とは正反対だ)

 

それは箒が小学四年生の時だった。

 

小学四年生の時、剣道の全国大会でも箒は優勝候補であった。

 

だがその大会当日、姉の束の所為で引っ越しとなり大会不参加で優秀を逃してしまったのだ。

 

束が発表したISは兵器への転用が危ぶまれ、政府の要人保護プログラムによって政府主導の転居を余儀なくされた。

 

一夏からの手紙も『居場所が特定の第三者にわかると困る』情報漏洩防止という名目から政府の圧力で返事が出来なかった。

 

そして気付けば両親と別居となり元凶である束は行方を暗ますという顛末である

繰り返される監視と聴取で心身共に参っていた箒が剣道を続けていたのも同じく剣道をやっていた一夏との繋がりを感じての事だった。

 

だが実は違った。それは『只の憂さ晴らし』に過ぎなかった

 

 ――誰かを叩きのめしたい

 

その頃の箒の太刀筋はそれを物語っていた

太刀筋は己を映す鏡。それは古くから謂われてきた言葉であり、まさしくそうであった

 

そしてその後の全国大会で優勝し、決勝戦で負かした相手が涙を流しているのを見て自己嫌悪と絶望に

陥った

 

 ――私は何をしているのだろうか…。

 

それは只の暴力だった。思いも信念も無い、強いとは言えないモノだった。

 

 ――こんなのは、本当の『強さ』ではない…。

 

『強さ』とは、こんなモノではない。それは自分がよく知っているはずだった。

 

 

(今度こそ、私は……『強さ』を見誤らずに勝つ事が出来るだろうか……)

 

箒は一夏がネクサスとしての戦いを思い出した。ペドレオンの火球からネクサスは自分の身を挺して守ってくれた。ペドレオン、バグバズンの時も何度倒されても立ち上がって、立ち向かって行った。

 

(一夏は・・・アイツは真の強さを知っている)

 

箒は自分の弱さに悲しんだ。

 

「私は・・・アイツの力になりたい」

 

 

放課後・場所は第三アリーナ

 

「あら?」

「早いわね」

「てっきりわたくしが一番乗りだと思っていましたのに」

「あたしはこれから学年別トーナメント優勝に向けて特訓するんだけど」

「わたくしもまったく同じですわ」

 

二人の間に見えない火花が散る。どちらも目指すは優勝。お互いに譲れない戦いである。しかし二人には他に理由があった。

 

(昨日、あんな事聞いたんだから)

(少しでも強くならなくてわ)

 

昨日の一夏の話を聞いて二人は少しでも力になる為に強くなる事を決めたのだ。

 

「この際どっちが上か、この場ではっきりさせておくのも悪くないわねえ(そうよ、少しでも)」

 

「よろしくってよ。どちらがより強く、優雅であるかこの場で決着をつけてさしあげますわ(そうですわ、少しでも)」

 

「「一夏(さん)の力になる為に!」」

 

ISを展開して二人がぶつかり合う、しかしそれは二人の間に割って入った砲弾により邪魔される。

 

「「!?」」

 

砲弾が飛んできた方向を見ると・・・

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ・・・」

 

そこには漆黒のISを装備したラウラ・ボーデヴィッヒがいた

 

「中国の『甲龍』にイギリスの『ブルー・ティアーズ』か。・・・ふん、データで見た時の方がまだ強そうではあったな」

 

「何?やるの?わざわざドイツくんだりからやってきてボコられたいなんて大したマゾっぷりね。それともジャガイモ農場じゃそういうのも流行ってるの?」

「あらあら、鈴さん、こちらの方はどうも共通言語をお持ちでないようですから、あまりいじめるのはかわいそうですわよ?」

 

しかしそんな言葉を向けられてもまったく動じず、冷ややかな目で彼女達を見下すように見る。

 

「貴様達のようなものが、私と同じ第三世代の専用機持ちとはな・・・。数くらいしか脳のない国と、

古いだけが取り柄の国はよほど人材不足と見える」

 

ラウラの言葉はそれだけで止まらなかった。

 

「それともなんだ。あの男の力になる為にでも強くなるつもりか?所詮アイツは化け物だ」

 

ここまでコケにされ一夏を化け物呼ばわりして彼女達は黙ってられるほどお人よしではない。

彼女達はISの装備の最終安定装置を外す。

 

「今なんて言った?あたしの耳には、一夏をバカにしたように聞こえたけど?」

「この場にいない人間の侮辱までするなんて、その軽口二度と叩けぬようにしてさしあげますわ」

 

二人の目には怒りの炎が灯っていた。

 

「とっとと来い」

「「上等 (ですわ)!」」

 

 

 

「一夏、今日も放課後特訓するよね?」

「ああ、もちろんだ。今日使えるのは第三アリーナだから行くぞ」

「うん」

「今日は使用人が少ないと聞いている。空間が空いていれば模擬戦も出来るだろう」

「そうだね」

「私も付き合うぞ」

 

一夏、箒、シャルルがアリーナに向かっていると近づくにつれ、なにやら慌しい様子が伝わってくる。

 

「第三アリーナで代表候補生三人が模擬戦やってるって!」

 

走っている生徒も多い、どうやら第三アリーナで何かが起こっているようだ。

 

一夏は嫌な予感が胸中を駆け抜けて走り出す。

 

「おい!一夏!」

 

少し遅れて箒達が向かうと

 

「鈴!セシリア!」

 

アリーナのステージに爆発が起こり、その中からISを展開した鈴とセシリアが吹き飛ばされる様に出てくる。

 

機体は所々破損し、アーマーの一部は完全に破壊されていた。

 

 ブアッ!

 

そして爆発の後そこから漆黒のISを纏ったラウラが飛び出してきた。二機に比べると損傷は圧倒的に軽微である。

 

「このおっ!」

「無駄だ」

 

鈴が衝撃砲を撃つもラウラは回避もせず右手を前に突き出すだけで、砲弾が届くことは無かった。

 

ラウラは衝撃砲を何らかの方法で無力化した後、肩からワイヤーで接続されたブレードを射出、複雑な軌道を描き鈴の右足に絡み付いてソレを捕えた。

 

「そうそう何度もやらせるものですかっ!」

「ふん……、理論値最大稼働のブルー・ティアーズならいざ知らず、この程度の仕上がりで第三世代型兵器とは笑わせる」

 

セシリアがスターライトmkVで狙撃しつつビットで視界外攻撃援護を行うもその両方を躱しさっきと同じように、今度は両手を交差させ突き出すと見えないナニカに捕まったようにビットが静止した。

 

動きが止まったラウラをセシリアは狙撃するも肩のレールカノンで相殺され、狙撃態勢で止まってしまっているセシリアにラウラはワイヤーブレードで捕獲した鈴を振り子の原理でぶつけた。

 

その後ラウラは爆音と共に一瞬で二人との距離を詰める。

 

そして両手首からプラズマ刃を展開、ワイヤーブレードを六つ射出して三次元的強襲で鈴に襲い掛かる

 

鈴は双天牙月を分離させ二刀流で凌ぎながら衝撃砲の準備を行う。

 

「この状況でウェイトのある空間作用兵器を使うとはな」

 

衝撃砲は発射される前に実体砲で吹き飛ばされ、そのままプラズマ手刀で鈴の胴体を突こうとするが割って入ったセシリアがスターライトmkVを盾代わりにし近距離で弾頭型ビットを射出した。

 

 ドカァァァンッ!!

 

「無茶するわね、あんた…」

「苦情は後で。けれど、これなら確実にダメージが……」

 

自殺行為ともとれる近距離でのミサイル攻撃。当然二人は爆発に巻き込まれ床に叩きつけられたが、煙が晴れたそこには殆どダメージを負った様子のないラウラが佇んでいた

 

「終わりか?ならば――私の番だ」

 

そこからは一方的な暴虐。瞬時加速で地上へと移動、近距離で砲撃、ワイヤーブレードで二人を捕獲しひたすら殴り付ける。シールドエネルギーは残り少なく操縦者生命危険域に達する。

 

「所詮あんなヤツの為に強くなるなんて無駄だったんだ」

「一夏さんを・・」

「バカに・・・するな・・」

 

 

「・・・めろ」

「一夏?」

「どうしたの?」

一夏が何か呟き、箒とシャルルが心配そうに聞いてきた

 

「やめろおおおおおっ!!!」

 

一夏はそう叫ぶとボイスレコーダーを取り出した。

 

「まずい!」

「皆!耳塞いで!」

シャルルが叫ぶとそこに居た全員が耳を塞いだ。一夏はボイスレコーダーをONにした。

 

 キイィィィィィィィィィン

 

音がなるとアリーナの刑法が鳴った。

 

《異常事態発生。アリーナのシールドを解除します》

 

刑法が鳴るとアリーナのシールドが解除された。一夏は白式を展開しラウラのラウラの所に向かった。

 

 

「これで止めだ」

ラウラがセシリア、鈴に止めをさそうとしたその時

 

「うおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!!」

 

「!!!」

止めをさそうとしたその時、一夏のキックがラウラに直撃した。そしてセシリアと鈴はワイヤーから開放された。

「二人とも、大丈夫か?」

「一夏さん・・・」

「また、助けられちゃったわね・・・」

一夏は二人を抱きかかえ箒達の所へ向かった。

「箒、シャルル、二人を頼む」

「一夏はどうするの?」

「ラウラと戦う。早く二人を。もうすぐ3分たつ」

「うん、わかった」

「行って来い」

箒とシャルルは一夏から二人を受け取った。するとアリーナのシールドが復帰した。

「キサマ!」

振り向くとラウラが立ち上がっていた。

「ラウラ、お前に聞きたい」

「何だ?」

「お前にとって強さとは何だ。力とは何だ。何の為に戦う」

「私にとって強さとは名誉を手に入れる為のもの。力とは全てをひれ伏す為のもの。そして戦いとは私自身である為のものだ!」

ラウラの答えに一夏はため息をついた。

「ラウラ、お前の答えを聞いて解った。お前は俺に勝てない」

「何だと!?」

「お前の答えから思いと言う物が感じられなかった」

「ならばキサマにとって強さ、力、戦いとは何だ!?」

「俺にとって強さとはけして諦めない事、力とは心、そして戦いは皆を守る為だ」

「私のと何が違う!!」

「俺とお前の違い、それは・・・」

 

 シュンッ!

 

突然、一夏が消えた。

 

「!!」

気づくと、一夏はラウラの懐に居た。

 

 

「立ち向かうと言う、心だああああああぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

一夏の振った雪片がラウラを直撃し、ラウラは吹き飛んだ。

 

「くっ!」

ラウラは体勢を立て直しレールカノンを放つが、一夏はパーティクル・フェザーで打ち落とした。一夏はマッハムーブでラウラの後ろに回りこみ、蹴りを打ち込んだ。ラウラは地面に倒れたが、直ぐに立ち上がった。

「このっ!!」

ラウラはプラズマ手刀で突っ込んで来た。一夏は左手を前に出した。すると一夏の体が赤く輝いた。その時、接近してきたラウラの動きが止まった。

「キサマ!停止結界が使えるのか!?」

「違う、オーラミラージュだ」

一夏が使ったのはネクサスの敵の動きを封じる技、オーラミラージュである。

「喰らえ!」

一夏は右腕のアームドネクサスでパーティクル・フェザーを連射しラウラを吹き飛ばした。一夏はすかさず雪片のエネルギー刃を伸ばし、セービングビュートでラウラを縛ると地面に叩きつけた。

「がはっ!」

叩きつけられて衝撃が伝わって来た。

「止めだ!」

一夏は雪片からエネルギー刃が形成させ、スラスターから粒子が放出された。

 

「そこまでだ」

そこに千冬が現れた

「模擬戦をするのはいいが、アリーナのシステムを狂わされた上にそのまま戦闘を続ける行為までは教師として黙認出来んのでな。この戦いの決着は学年別トーナメントでつけてもらおうか」

「し、しかし教官」

「…警告は一度までだ」

「っ、了解しました…」

「わかりました」

「では、学年別トーナメントまで私闘を一切禁止する。解散!」

 

 

現在地・保健室

 

アリーナの一件から一時間が経過しており保健室のベッドでは保健医の先生によって打撲箇所に包帯を

巻かれた鈴とセシリアが居た。

「別に助けてくれなくてよかったのに」

「あのまま続けていれば勝っていましたわ」

「・・・あの状態でどこにそんな勝算があったんだ?」

「だ、だからあのまま続けてれば勝て――」

「どうやって?」

「「うっ……」」

一夏に突っ込まれ二人は黙り込んだ。

 

「二人とも挑発てたけど、何を言われたの?」

シャルルが聞いた。

「・・・一夏の事を化け物呼ばわりしたから」

「それが許せなくて・・」

「二人とも・・」

一夏はその時の気持ちが解った。

「確かに他人から見れば化け物だけど、二人が俺の為にしてくれた事は嬉しいよ」

「べ、別に・・」

「そう言うわけでは・・」

二人は顔を真っ赤にした

「はい、ウーロン茶と紅茶、とりあえず飲んで落ち着いて、ね?」

「ふ、ふんっ!」

「不本意ですがいただきましょうっ!」

シャルルが二人に飲み物を渡す。二人はそれを貰い飲んだ

「まぁ、二人が無事でよかった」

「一夏・・・ありがとう・・」

「あ、ありがとうですわ・・・」

「別にいいよ。俺の為に強くなろうとしてくれたならなおさら」

「でも借り作っちゃたわよ」

「借り?」

「忘れたのですか?あの時も助けてくれたではないですか」

「あの時・・・あぁ、あの時か?」

一夏はペドレオンの時、助けたのを思い出した。

「別に借りなんて――」

 

 

 ドドドドドドドドドッ!

 

一夏が最後まで言う前にものすごい音が廊下から響いてきた。

そして、段々とこちらに近づいてくる

 

 ドカーン

 

ドアが吹き飛んだ。別に効果音とかそういうわけじゃなく、文字通りドアが吹き飛んだ

 

「織斑君!」

「デュノア君!」

生徒達が一夏達を見つけると包囲して手を差し出す

 

「な、なんだ?」

「ど、どうしたの?み、みんなちょっと落ち着いて」

「「「「「これっ!!」」」」」

混乱する二人に女子達が差し出したのは学内の緊急告知文が書かれた申込書だ

「えっと・・・なになに?」

「『今月開催する学年別トーナメントでは、より実践的な模擬戦を行なうため、二人組みでの参加を必須とする。なお、ペアが出来なかった場合は抽選により選ばれた生徒同士が組むものとする。

締め切りは』―――」

 

「ああっ、そこまででいいから!」

 

そして女子達の手が一斉に伸びてくる

 

「私と組もう!織斑君!」

「私と組んで、デュノア君!」

(マズイ・・・)

一夏は心の中で呟いた。シャルルの正体は男ではなく女の子でもし、女の子と組んで、正体がばれてしまっては大変だ。

「ごめん。俺シャルルと組むから諦めてくれない?」

一夏が女子達に向かってそう言った。それを聞いて女子生徒達は愕然とした表情を取る

 

「まあ、そういう事なら……」

「他の女子と組まれるよりはいいし……」

「織斑君とデュノア君の掛け算ごほんごほんッ、もとい男同士ってのも絵になるし……」

一部変な声がした

 

そして数分して女子達は去って行った。

 

「一夏っ!」

「一夏さんっ!」

セシリアと鈴がベッドから飛び出してきた

「あ、あたしと組みなさいよ!幼なじみでしょうが!」

「いえ、クラスメイトとしてここは私と!」

二人はベッドから飛び出し一夏に掴み掛かってくる

 

「ダメですよ」

 

そこに山田先生がやってきた

 

「お二人のISの状態をさっき確認しましたけど、ダメージレベルがCを超えています。当分は修復に専念しないと、後々重大な欠陥を生じさせますよ。ISを休ませる意味でも、トーナメント参加は許可出来ません」

「うっ、ぐっ……!わ、分かりました……」

「不本意ですが……非常に、非常にっ!不本意ですが!トーナメント参加は辞退します……」

二人は悔しそうに呟いた

 

 

 IS基礎理論の蓄積経験注意事項第三

 

ISは戦闘経験を含む経験を蓄積することで、より進化した状態へと自らを移行させる。その蓄積経験は損傷時の稼働も含まれ、ISのダメージがレベルCを越えた状態で起動させると、その不完全な状態の特殊エネルギーバイパスを構築してしまう為、それらは逆に平常時での稼働に悪影響を及ぼすことがある。

 

 

「二人とも、体を休めることも大事な事だぞ」

「で、でも・・」

「いざと言う時ビーストと戦えないぞ」

「「う・・・」」

「シャルル、俺用事あるから先帰っててくれ」

「うん。わかった」

一夏はそう言って保健室を後にした。

 

 

夜・寮

「ただいま」

「あ、お帰り一夏」

一夏が部屋に帰ってきた。

「何処行ってたの?」

「ちょっと整備室に。それよりシャルル、リヴァイヴちょっとかしてくれ」

「え?いいけど」

シャルルは待機状態のリヴァイヴを一夏に渡した。一夏は椅子に座るとコードを取出し、パソコンとリヴァイヴに接続した。そして一夏はUSBメモリーを取出しパソコンにさした。

「何してるの?」

シャルルが覗くとパソコンの画面に銃が映っていた。

「一夏、これ何?」

「ディバイトランチャー。対ビースト用の武装。モードはビームサブマシンガンのディバイトガンナー、ビーム砲のディバイトランチャーになる」

「もしかして整備室に行ってたのて・・・」

「コレを作ってたんだ。よし、インストール完了」

一夏はリヴァイヴからコードを抜いた。一夏はリヴァイヴをシャルルに渡した。

「これで使えるから」

「うん。で一夏、他にも作ったの?」

「あぁ。セシリアと鈴の分も作った。それから」

一夏はシャルルにハンドガンを渡した。

「何これ?」

「ディバイトシューター。ビーストに遭遇したら使え。小型のビーストなら2、3発で倒せる」

「でもISあるけど?」

「ISが使えない時にでも使え」

「うん、わかった」

シャルルはディバイトシューターを閉まった。一夏はエボルトラスターを取り出した。

 

 ドクン、ドクン

 

エボルトラスターが点滅していた。

「ビースト?」

「あぁ、ちょうどいい。シャルル、ついてこい」

「うん」

 

 

 

一夏とシャルルは森の中にいた。

「来るぞ」

一夏がそう言うとビーセクタが3体飛んで来た。

「見てろシャルル」

「うん」

一夏はブラストショットを取出し構えた。バレルをスライドさせ衝撃弾を撃った。衝撃弾はビートセクタ1体を倒した。

「シャルル、やってみろ」

「うん」

シャルルはディバイトシューターを取り出した。ビートセクタ1体に狙いを定めトリガーを引いてビームを撃った。ビームはビートセクタに直撃した。

「よし!」

シャルルは安心した顔をした。

「油断するな!来るぞ!」

一夏が叫ぶと残り一体のビートセクタが飛んで来た。シャルルは横に転がり、立ち上がりビームを撃った。ビームはビートセクタに命中した。

「は〜」

シャルルは腰が抜けたかのようにその場に座り込んだ。

「大丈夫か?」

「うん。やっぱり難しいや」

「最初はそうだ。その内慣れる」

「うん。一夏」

「何だ?」

「腰が抜けて立てないや」

「しょうがないな」

一夏しゃがみ、背中をシャルルの方に向けた。

「え?」

「乗れよ、早く」

「・・・うん」

一夏はシャルルをおぶると立ち上がった。そして歩き出した。

 

寮に戻ると、一夏はシャルルをおぶってるのを見た生徒が何人もいた。

 

それから数日、学年別トーナメント当日。

一夏とシャルルは更衣室にいた。二人はモニターで対戦表を見ていた。

「まさか・・」

「いきなりとは・・」

二人はモニターを見て呟いた。モニターに映し出された対戦表は

 

 

 一回戦 織斑 一夏&シャルル・デュノア VS 篠ノ之 箒&ラウラ・ボーデヴィッヒ

 

説明
無い
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
1649 1611 1
タグ
ウルトラマンネクサス インフィニット・ストラトス 

ジークさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com