真・リリカルなのは 第十一章 機動六課設立編 第六十二話 誘い込まれた運命 |
火の海に沈んだクラナガン
美しい街並みは紅蓮の炎によって焼かれ、その姿を消した
燃えていない所は無いと思えるぐらいに燃え盛り、クラナガンを焦がす
この中で逃げ遅れた人達を探すのは非常に困難である
黒い煙が空を覆い、魔導師達は高く飛ぶ事が許されず、低く飛べば火に焙られる
歩くと言う選択肢もあり得ない
クラナガンは首都なだけあって、とてつもなく広いのだ
歩いて探すのは時間の無駄と言える
一様ほとんどの人が避難出来たのだが、所々民間人の亡骸が燃えているのが見える
六課メンバーは唖然としてしまう
何と言う残酷な風景だろうか?
燃え盛る炎は、全てを奪い去ろうとしていた
はやての指揮の元、急いで消火活動が行われた
しかし、火の手が強く、中々消える気配は無い
しかも、ガジェットが襲来して来たのだ
はやて「何が目的でこんな事を…………」
はやてはスカリエッティの顔を思い出し、憎しみに駆られそうになる
はやて(いや、落ち付け……………今が一番落ち着かなアカン時や)
はやては深呼吸をする
熱い酸素が自分の肺に入るのがわかり、その痛みが目の前の景色が現実だと言う事を教える
はやて「良し、なのはちゃん!! フェイトちゃん!! ガジェットの一掃を任せるわ!!! 残りのメンバーは消火活動に専念や!! 負傷を発見した場合はシャマルに連絡せえよ!!」
はやての命令通り動く六課メンバー
なのはは西に、フェイトは東に向かい、ガジェットを一掃する
はやて(スカリエッティ…………捕まえたら1発殴ったる)
目の前の景色を見ると、どうしてもスカリエッティに対しての憎悪が目を覚まそうとする
はやて(ええい!!! 落ち付けいってるやろ!! ウチは総隊長!! 冷静に物事を考え、分析し、指示を出さなアカンねん!!!)
何度も自分に言い聞かせ、落ち着こうとする はやて
この状況の中で冷静さを保とうとするのは、成長の証だろう
嘗ての彼女だったならば、他のメンバーを放っておいて、炎の中に突っ込み、民間人を探し回っていただろう
本当は今でもそうしたい
しかし、それは時間の無駄なのだ
その事をしっかりと認識出来た事が、彼女のトップとしての相応しい所だろう
はやて(本来やったらウチが消火するけど、ウチの技は強力すぎるからな……………)
嘗て、空港で大火災があった時、消火活動を行い、一瞬で鎮静化させた はやて
では、何故今行わないのか?
理由は簡単だ
このクラナガンに住んでいる人は、8割ほどが魔法を使えない人達だ
つまり、バリアジャケットを羽織えない人達だ
バリアジャケットを羽織っていない状態で、はやての技を受ければ、いかに非殺傷とはいえ、大怪我をする可能性がある
しかも、これ程の大火災である
はやてでも、少し強めに技を発動しなければならない
逃げ遅れた民間人が居た場合、その人を殺しかねないのだ
はやて「これだけ広い街や…………逃げ遅れた人が居っても不思議やない」
カイト君…………はよ来てや
カイトの魔力変換の1つである流水ならば、被害を出さずに消火できるだろう
カイトも全力疾走で、こちらに向かっているが、何せ距離が遠い
まだ、少し時間が掛かるだろう
一方、なのははガジェットを順調に破壊していった
砲撃でガジェットを一掃しているのだ
東に向かったフェイトも順調そうだが………………
フェイト「プラズマスマッシャー!!!!!!!」
黄色い閃光が、ガジェットを飲み込み、消し去る
フェイト「まだまだ行くぞ!!!」
バルディッシュ【カートリッジロード!】
フェイト「トライデントスマッシャー!!!!!!!!!」
次々とガジェットを破壊していく フェイト
そして、残りのガジェットは撤退を始める
フェイト「っ!! 逃げる気か!!! させない!!!!」
フェイトは追撃する
彼女は、はやてと違って冷静さを保てていなかった
もし何時もの彼女なら、ガジェットを追うという失態を犯さなかっただろう
ガジェットはただの機械である
感情などない
感情が無いと言う事は、恐怖心もないと言うことだ
つまり、撤退するはずがないのだ
現に今までガジェットが撤退したことはなかった
全て破壊しなければならなかったのだ
そのガジェットが撤退する……………間違いなく罠である
フェイトを誘い込んでいるのだ
そうとは知らず、ガジェットを追い詰める フェイト
フェイト「一機も残さん!!!!」
バルディッシュを振るい、最後のガジェットを切り裂いた
フェイト「良し………何だ!?」
安心したのも束の間、フェイトは結界らしきものに閉じ込められた
フェイト「これは…………結界か?」
クアットロ「そんな所ですわ」
フェイト「何者!!!」
フェイトの目の前に現れたのは、4人の女性
そして、その内3人は知っている
クアットロ、チンク、ディードの3人だ
そして、もう1人はディエチ
ヴィヴィオを保護した時に居た戦闘機人だが、姿はバレていなかった
フェイト「お前達は!!!」
すぐさまバルディッシュを構え、戦闘体勢に移る
そして、ここで漸く理解する
罠に嵌められたと……………
フェイト(私とした事が、冷静さを見失うなんて)
これじゃあ隊長失格だ……
そして、クアットロが口を開く
クアットロ「お久しぶりですわね〜 フェイトお嬢様」
お嬢様を強く発音しているのは、恐らく挑発の類いだろう
クアットロ「あなたを連れ戻しに来ましたわ」
フェイト「……………………」
フェイトの紅い瞳が、クアットロを射抜くかのように睨み付ける
クアットロ「お〜 怖い怖い。そんなに殺気を飛ばさないでほしいですわ〜」
フェイト「黙れ…………結界に閉じ込めてしてやったりと思っているかもしれないが、相手が悪かったな。私が4人共捕まえる」
クアットロ「クククククククク、やる気満々ですねぇ〜 私達のお話を聞くつもりも無いようですし〜」
フェイト「当たり前だ……………スカリエッティは敵、憎むべき敵だ!!!!」
クアットロ「いいえ、違います。ドクタースカリエッティは、あなたの父親です。フェイトお嬢様」
クアットロのこの発言が始まりの合図だった
フェイトは即座にクアットロの後ろに回り込み、バルディッシュ(鎌)の刃をクアットロの首に添える
フェイト「殺しはしない……………だが、それ相応の痛みを味わってもらう」
ザシュッ
クアットロ左肩を裂く フェイト
すると、クアットロは霧のように消えていく
フェイト「仕舞った!!」
幻影か!!!!
気づいた時には既に遅い
ディエチが、ISによるエネルギー砲をフェイトに抜けて放っていた
フェイト「クッ」
しかし、スピード自慢のフェイト
これぐらいは躱せる
ディード「ツインブレイズ!!」
エネルギーブレードで、背中を斬られる フェイト
フェイト「グッ」
チンク「恨みは無いが、これで散ってもらおう!!」
ナイフを投げる チンク
フェイト「っ!!!」
フェイトは咄嗟にバルディッシュで弾く
それは失敗だった
チンク「IS発動!! ランブルデトネイター」
投げられたナイフが爆発し、フェイトは爆風に煽られる
ディエチ「次は外さない!!!」
再びエネルギー砲を放つ ディエチ
バランスを崩していたフェイトは躱す事が出来ずに、
フェイト「うわぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
直撃してしまう
地面にうつ伏せで倒れる
チンク「上手くいったようだな」
ディエチ「ああ」
チンクとディエチは任務完了だと思っているが…………
フェイト「負けて…………たまるか」
フェイトは立ち上がる
チンク「ヘヴィバレルが直撃したのにも関わらず、立てると言うのか!?」
チンクは驚く
ディエチのエネルギー砲は、なのはの砲撃にも劣らないほどの破壊力があるからだ
クアットロ「…………………」
クアットロは、立ち上がろうとするフェイトを、まるでゴミを見る目で見下す
クアットロ(チッ この程度では倒せんか…………出来そこないのクローンの癖に)
ドクターはあの女の体を欲している………
クアットロ(クククククク、殺さない程度に嬲ってあげる)
フェイトに襲い掛かる狂気の魔の手
他のメンバーは、フェイトを救いだせるか?
そして、クラナガンは復興出来るのか?
次回はフェイト以外のメンバー視点です
お楽しみに〜
説明 | ||
暗躍するクアットロ その狙いとは? |
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