真・恋姫†無双 刀蜀・三国統一伝 第九節・軍議と呉の歪 二国会議編
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まえがき コメントありがとうございます。皆様、一ヶ月ぶりでございます。カラオケで歌いすぎて喉が潰ingのsyukaです。皆様、歌い過ぎにはご注意を。さて、今回は蜀呉会議がようやく進みます。前回は恋ちゃんのお腹具合により中断しましたので。それではごゆっくりしていってください。

 

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 ・・・おはようございま〜す。いつもよりちょっと早く起きちゃいました。なぜかと言うと、ご主人様が隣ですやすや眠っています。

 

「ご主人様の寝顔、可愛いなぁ♪」

 

 昨日の夜は久し振りにご主人様と同じ部屋だったから・・・ふふっ♪私はあんまり眠れなかったんだけどね。最近はずっと百合ちゃんと薔薇ちゃんがご主人様のお部屋にいたから・・・手、出してくれても良かったんだけどなぁ。私、魅力ないのかな。

 

「ご主人様の馬鹿・・・。」

「なんだ、お前がいじけるとは珍しい。」

「きゃっ!?」

 

 いきなり鈴さんが私の隣に!

 

「び、びっくりした〜。 もう、驚かせないでよ〜。」

「驚かせたつもりはないのだがな。 しかしどうした? 珍しく悩みでもありそうな表情をしているではないか。」

「私、顔に出てた?」

「うむ。」

「そっかぁ。 私、昨日久しぶりにご主人様と一緒の部屋だったのは知ってるよね。」

「そうだな。」

「だから、この機会は逃せないなーと思ってさりげなーく・・・ほんとにさりげなくだよ? その・・・色仕掛けとかやってみたんだけど。」

「頑張りも虚しく気付かれなかったということか。」

「うん。」

「一刀も大概鈍感だからな。 いっそのこと全裸で待機していた方が早いのではないか? 流石にそこまですれば嫌でも気づくだろ。」

「ぜっ、全裸!? 私、痴女じゃないよ!?」

「そのようなことは分かっている。 そのくらい強引でなければならないという事だ。」

「それは・・・そうかもだけど、雰囲気がないというか・・・その〜・・・。」

「思春期の乙女だな。」

「思春期真っ盛りだもん。」

 

 ご主人様も私の気持ち、気付いてくれると思うんだけどなぁ。

 

「とりあえず、私愛紗ちゃんたちのお部屋に行ってくるね。」

「了解。」

 

・・・

 

 やっと出て行ったか。寝たふりをするのも大変だな。

 

「・・・桃香、出て行った?」

「うむ。 というより、やはり起きていたか。」

「まぁね。 朝から頬つんつんされてたら流石にね。」

 

 俺が昨日寝たあともちょいちょい横で何か言ってたからな。俺もあんまり眠れてないと桃香には言うまい。

 

「先日お前が言っていたことだが・・・本当に実行するのか?」

「うん。 雪蓮と水蓮にも話はつけておいたよ。」

「手が早いな。」

「この手の話は早いうちにしておいたほうがいいからね。」

「それもそうだな。 とりあえず、お前たちには私と燼も同行する。」

「ありがと。」

 

 鈴と燼さんが同行してくれてくれるのはありがたいな。

 

「あれ? うーちゃんと零ちゃんは?」

「零には伝えてある。 漆に言うと絶対についてくると言って聞かないからな。 そのためのお守り役を零に任せてある。 こういう役は静空が適任だが、今回は仕方ないからな。」

「・・・なるほど。 想像に難くない。 燼さんでも抑止力になってくれそうだけどね。」

「あいつは漆に甘いからな。 零にたいしても同じことを言えるが、燼はあの二人を妹のような存在として見ている節がある。」

「俺から見てもそうだよ。 可愛い妹が増えた気分だったし。」

 

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 零ちゃんの空気感も独特だけど、恋で慣れてるしね。うーちゃんはお転婆娘というか、まだ幼いからなぁ。鈴々が二人いると思えば・・・鈴々ほど食欲旺盛ではないけど。

 

「零はしっかりしている子だからな。 安心して任せられる。」

「なるほど。」

「では私は燼ともう一度話をつけておくからな。 お前は会議の時間までゆっくりしておくと良い。」

「分かった。 燼さんにもよろしく言っておいてね。」

「承知した。」

 

 鈴は俺の額にキスをした後、何事もなかったかのように部屋を出て行った。

 

「・・・不意打ちはずるいって。」

 

 あぁ・・・これは顔が真っ赤だよなぁ。顔が火照って体温が二、三度上がったみたいだ。

 

「・・・火照り冷ましに散歩でもしよ。」

 

 寝台から体を起こし、着替えてから俺も部屋を出た。

 

・・・

 

 城内の庭をのんびりと散歩する俺。やっぱり違う国なだけのことはあり、新鮮な気持ちになれる。鍛練場の方に耳を傾ければ甘寧さんの声が聞こえてくる。隊の調練をしているのかな?

 

「つ〜かま〜えた♪」

「雪蓮・・・どんな登場の仕方なのさ。」

「あれま、反応が薄いわね。」

 

 木の上から降ってきた雪蓮が抱きついてきた。最近多かった不意打ちで耐性が付いたのかあまり驚かなくなったんだよね。主に鈴のせいだけどさ。

 

「雪蓮はあんなとこで何してたの? 今日の朝は政務だって昨日冥琳が言ってたけど。」

「休憩よ、きゅ・う・け・い♪ ずーっと部屋に閉じこもっててもつまんないじゃない?」

「それはそうだけど。」

「私なんかのことより、一刀は何してたのよ?」

「散歩だよ。 眠気覚ましがてらね。 というか、ここからなら雪蓮気づいてたんじゃないの? 俺が庭に出てくること。」

「どうしてそう思ったの?」

「この木の高さ、位置を考えると俺の部屋って丸見えだから。」

「せいか〜い♪ たまたま一刀が部屋を出たのが見えたから、通りかかるのをこうして待ってたってわけ。」

「そんなことだろうと思ったよ。 あ、昨日の夜に話したことだけど・・・」

「そんなに心配そうな表情しなくても大丈夫よ。 私と母さんと一部の人間できちんと改めて決めたから。」

「良かった・・・凄く安心したよ。」

「うちの問題もどうにか解消できそうだもの。 個人的には桃香が寂しがりそうなのが心配ね。 他の子もだけど。」

「そうなんだよねぇ・・・ちょっと離れるだけなんだけど、俺が一番さみしいかも。」

「私が一緒にいるんだから寂しさなんて感じさせないわよ♪」

「そう言ってくれると少しほっとしたよ。」

 

 そう言うと雪蓮はくすっと微笑んだ。

 

「一刀が寂しがり屋っていうのは本当だったのね。」

「・・・誰がそんなことを?」

「こっちにきた子が口を揃えて言ってたわよ?」

「・・・。」

 

 俺、寂しがり屋なのか?実感はないんだけど・・・母さんや婆ちゃんもそれらしいこと言ってた気がする。

 

「確かに構ってもらえないのは寂しいけど・・・そんなに露骨に出てたかな?」

「一人でいるの、好きじゃないでしょ?」

「まぁ、誰かと一緒にいた方が良いかな。」

「だからいつも女の子と一緒に寝てるのね。」

「ぶっ!? た、確かにそうだけどそんなことまで・・・。」

「桃香がぼやいてたわよ? ご主人様と最近一緒に寝てないーって。 だから部屋割りを一緒にしてあげたの。」

 

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 部屋割りを決めたの、雪蓮だったのか。ま、桃香と相部屋っていうのも久し振りだったからいいけどさ。

 

「しぇ〜れ〜ん〜〜〜!!」

「あ、冥琳〜もう休憩終わり?」

「休憩など与えた覚えはないがな。 それと一刀、おはよう。」

「おはよ、冥琳。 冥琳は今お仕事中?」

「そうだ。 どこぞの怠け者が政務をほっぽり出して逃げたしたから、私がこうして探しに来たのだ。 まったく、昼前には終わらせなければならない分だ。 後々泣きついてくるのが目に見えているな。」

「そんなこと言って〜、冥琳ってば優しいからなんだかんだ手伝ってくれるのよね♪」

「お前の仕事が終わらなければ私が仕事をできないからな。」

「もしかして、そんなに量が多いの?」

「そうなのよ〜。 一日でよくこんなに集まったわねってくらいになるの。」

「一つ付け加えておくと、こいつが仕事中にいきなり姿を眩ませるから前日、前々日の分と溜まっていく。 と言ったほうが正しい。」

「雪蓮、仕事は溜めない方がいいよ。 うちの軍師たちも戦の後とか毎回、死屍累々になってるから。」

 

 詠のとこは全然溜まんないんだよね。朱里たちのところがすごい量に・・・三人分で割り振られてるからか、彼女たちの身長を越す高さの竹簡が積み上げられる。俺も手伝うけどあれ、全然減ってる気がしないんだよね・・・。

 

「ぶ〜っ、一刀は冥琳の味方なの〜?」

「いや、冥琳の味方とかそういうのじゃなくて・・・」

「気にするな。 こう言えば一刀が手伝ってくれるとかそういう甘い考えを持っているだけだ。」

「あ、バレた?」

「まったく・・・」

「そんなに眉間に皺寄せてると、綺麗な顔が台無しよ?冥琳♪」

「そう思うのならお前はしっかり自分のすべきことを果たせ。 それなら私は何も言わん。」

「だって〜、竹簡の処理よりお年寄りのところに行って話を聴いたり畑仕事する方が面白いんだもん。」

「子供かお前は・・・。」

「面白いことはいつまでやっても面白いもの♪」

「はぁ・・・。」

 

 半ば諦めたような表情を浮かべる冥琳。

 

「一刀、くれぐれも雪蓮を甘やかしてくれるなよ? これ以上になったら私でも手が付けられん。」

「大丈夫だよ。 雪蓮も目に見えないとこで頑張ってくれてるはずだから。」

「それは分かっている。 目に見えるところでも仕事をすれば私も何も言わん。」

「だって、私が普通に仕事しても面白くないじゃない?」

「面白いかどうかという話ではない!」

「きゃ〜♪ 冥琳が怒った〜♪」

「・・・楽しそうだね。」

 

 くすくすと笑う雪蓮に怒ってもまったく・・・と呆れたように微笑む冥琳。主従の関係や付き合いの長さだけでこうはならないだろう。

 

「っと、散歩の途中だったんだ。 俺はそろそろ行くね。」

「じゃあ私も」

 

 がしっ。

 

「お前は仕事が終わってからな。」

 

 首根っこを掴まれる雪蓮。

 

「えー! 冥琳のけち。」

「お前が仕事をするのならけちにでも何でもなるぞ。」

「あ、あははは。 それじゃ雪蓮、頑張ってね。 冥琳、また後で。」

「あぁ。」

 

 俺は冥琳と雪蓮に別れを告げ散歩を再開した。・・・雪蓮の政務、手伝ったほうが良かったかな?

 

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「・・・何も聞かないのね。」

「なんのことだ?」

「私と一刀がさっき話してたことよ。 冥琳には言ってないもの。」

「あぁ、そのことか。 今聞かずとも、後の会議で分かるのだろう? それに、お前だけならともかく一刀も了承済みのようだったからな。 悪いようには転がらないだろうと考えているから心配はしていないさ。」

「流石冥琳、話が長引かなくて済みそうだわ♪」

「私より蓮華様や小蓮様がどういう反応をするかを心配しておけ。」

「そうなのよね〜。 シャオはともかく、蓮華よねー・・・あの子、頭固いもの。」

 

 大体あの子が言うことは把握してるんだけど・・・性格上折れるとは思えないのよねぇ。

 

「ま、いざとなったら冥琳にも蓮華の説得手伝ってもらうわね。」

「内容次第と言っておく。」

「私は冥琳のこと信じてるから♪ じゃあ私もそろそろ市に・・・」

 

 がしっ。

 

「政務が終わってからな。 話を煙に撒こうとしても無駄だ。」

「あっ、やっぱり?」

 

・・・

 

昼食後、俺たちは前日に引き続き謁見の間に集まっていた。前回に話が進んでおたこともあり、あっという間に方針が決まった。

 

「ではまとめると、曹魏は海上での戦の経験がないことから風土の影響を受けやすい。」

「そうだ。 つまり風・・・東南の風が吹きさえすれば自ずと勝機は見えるはずだ。」

「時の運が戦の鍵を握るんですね・・・ご主人様! 私が頑張ってお祈りして風を吹かせます!」

「・・・うん、頑張って。」

 

 風を起こすって、頑張ってどうにかなるのか?いや、史実の諸葛亮も赤壁の戦いで拝風台で祈祷して東南の風を起こしたって言うし、頑張れば起きるのかな?頑張れ、朱里!俺もお祈りするからね!

 

「相手は船で侵攻してくるということは、弓矢が必要ですね。」

「そうだな。 千五百は用意すべきだろう。」

「二千じゃ。」

「二千ですか・・・これから準備して間に合うでしょうか。」

「間に合わせねば戦には勝てぬ。 何が起きるかわからぬ戦じゃ、数は多いに越したことはない。 それと、火矢を使った方が効率がいい。」

「なるほど。 兵に当たらずとも船を狙えば着火し、沈めることも可能。 という訳ですね。」

「そうじゃ。 こちらには儂に黄忠、厳顔がおる。 弓の扱いに長けておる儂らが弓兵を指揮すれば勝機もぐんと上がるというものだ。」

「分かりました。 では急ぎで弓の増産に取り掛からせましょう。」

「残りは全体の指揮ですが、ご主人様と雪蓮さんに・・・」

「待って、朱里。」

 

 話を進めようとした朱里にストップをかける。

 

「指揮のことなんだけど、今回は俺と雪蓮じゃない人にやってもらうから。」

「へ?」

「そこからは私が話すわ。」

「よろしく。」

 

 雪蓮が一歩前に出る。

 

「今度の赤壁での一戦、蓮華と桃香に全体の指揮をとってもらうわ。」

「・・・。」

 

 どういうことか把握できていない子たち・・・ほぼ全員なんだけど、言葉が見つからず困惑している。

 

「姉様、それはどういう・・・」

「今回は一刀と私たち・・・私と母様と母様の配下の祭以外、戦線から抜けてるから。」

「・・・は? 何の冗談ですか、それは。」

 

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 それはそうだろうな。主力とも言える愛璃や美紅が戦場に出ないと言うのだから。戸惑うのも仕方がない。

 

「冗談なんかじゃないわ。 それに、考えあってのことよ。 これは一刀と私たちで話し合ったことだから、決定は揺るがないわよ。」

「そんな・・・私は何も聞いていません! それに、赤壁戦は孫呉の未来を決めると言っても良いほどの大戦です。 呉王である母さんや姉さんたちが出ないなんて・・・」

「大丈夫よ。 私たちがいなくても蜀の子たちも一緒なんだから。 桃香も指揮の経験はないだろうけど、軍師の子たちも手助けしてくれるわ。」

「しかし・・・」

「甘ったれるな!!」

 

 孫権さんの次の言葉は水蓮の一喝によって遮られた。おおぅ、あまりの声量に鼓膜が痺れたぞ・・・。

 

「蓮華、お前は指揮を任されることの意味を分かっていない。 次代の王として呉を引っ張っていかねばならないお前がその調子でどうする! 今経験せねば私や雪蓮がおらぬ未来、此度以上の戦が起こるときにお前は指揮をとれるか? 私は出来ませんと言って小蓮や冥琳に任せ、お前は後方に下がっておるか?」

「そんなこと・・・!」

「それならやってみろ! 重要な局面でのお前の采配一つで呉がどう転ぶか決まる。 その重圧に耐え切ってみせよ!!」

「っ・・・。」

 

 孫権さんは有無を言えずに、そのまま謁見の間出て行ってしまった。甘寧さんも失礼します。と一言おいて孫権さんを追いかけていった。

 

「まったく・・・蓮華の頭の硬さはどうにもならぬか。 穏、明命、亞莎、一応ついて行ってやれ。」

「は〜い。」

「御意!」

「は、はい!」

 

穏と明命、亞莎も孫権さんの後を追った。それよりも、水蓮はきっついこと言うなぁ。まぁ事実だし、頭に入れておかないといけないことだから言っておかないといけないんだろう。けど、この案を提示したのは俺だから・・・

 

「ご主人様・・・」

「桃香ごめんね、相談もなしに決めちゃって。」

「私も頑張るけど・・・自信ないよ〜。 側にご主人様がいないだけで心細いのに・・・」

「うちは俺以外、皆いるから大丈夫だよ。 朱里、雛里、明里、桃香の補佐をよろしくね。」

「は、はい!」

「ですが、ご主人様がいないと心細いのは私たちも一緒です・・・。」

「ですからその・・・頭、撫でて下さりませんか?」

「くすっ、いつになく甘えん坊だな。」

 

 朱里の頭を軽く撫でる。擽ったそうにしつつも嬉しそうだ。

 

「えへへ♪ これで頑張れます!」

「朱里ちゃんばっかりするいです! ご主人様、私もお願いします。」

「はいはい。」

 

 それから明里に雛里も頭を撫でてあげた。桃香に恋に鈴々にも。

 

「恋、頑張る。」

「突撃! 粉砕! 勝利なのだ!」

「よーし! 皆! ご主人様はいないけど、呉の人たちと一緒に曹操さんたちを追い払っちゃおう!」

 

 桃香もモチベーションが上がったみたいだな。これでこっちは大丈夫そうだ。

 

「雛里ちゃんたち、いいなぁ。」

「ん?」

 

 呉陣営の子たちの方を向けば美々と愛璃さんが俺の方に視線を送っている。

 

「どうしたの?」

「いやぁ、その〜・・・」

「美々は一刀くんに頭を撫でられていた雛里ちゃんたちが羨ましいんですよ。」

「ちょっ!? 愛璃様〜!!//」

 

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 顔を真っ赤にして狼狽える美々。なんか初々しいな。というか愛璃、よく美々の考えを読めるよね。付き合いの長さからかな?

 

「そんなことだったらいくらでもしてあげるのに。」

 

 俺は美々の頭をくしゃっと撫でる。

 

「美々、今度の戦は今まで以上に苛烈なものになるだろうけど、とりあえず応援してるよ。 それと、無事に戻ってくるようにね。」

「は、はい!」

「うん。 その元気があれば大丈夫。」

「えへへ♪ 元気だけが取り柄ですから♪」

 

 こういう子が部隊を引っ張るだけで士気が高まるというものだ。蜀だと鈴々や翠あたりがそうだな。

 

「あの・・・一刀さん、一つお願いしてもいいですか?」

「お願い?」

「その・・・一刀さんのこと、・・・お、お兄ちゃんって呼んでも・・・いいですか?」

「・・・。」

「もしかして、迷惑でしたか?」

「・・・いや、そんなことないよ。 単純に少しびっくりしただけ。 うん、その呼び方でも構わないよ。」

 

 お兄ちゃん、か。鞘香にもそう呼ばれてたな。懐かしい。鈴々にもお兄ちゃんって呼ばれてるか。流琉は兄様。ついでに蒼は兄貴・・・いや、これはまた別物か。

 

「良かったわね、美々。」

「は、はい♪ その・・・お兄ちゃん、不束者ですが、よろしくお願いします!」

「うん、改めてよろしくね。」

 

 ちょっぴり心がほっこりした気分だ。

 

「じとーーー。」

 

 ・・・背後から幾つもの視線を感じる。愛紗やら桃香やら軍師の子たちやら。

 

「一刀様のお人柄は相変わらずですね。」

「なぁ、おにーちゃんとはなんだ?」

「普通は同じ親からの生まれである年上の男性を意味します。 つまり家族ですね。」

「おやはちがうのにおにーちゃんなのか?」

「実際は違いますが、彼女が一刀様を自分の兄のように感じている。 ということから呼称を『お兄ちゃん』にさせてくれ。 と言っているのですよ。」

「ふむ・・・われもかずとのことをおにーちゃんと呼べば喜ぶかの?」

「えぇ。 喜ばれると思いますよ。」

 

 端の方で管轤さんとうーちゃんが何か話してるけど・・・うーちゃんが面白いものを見つけたときのような表情をしてるのは何でだ?

 

「美々もやるわね。 あぁやって一刀の好感度を着実に上げる戦法ね。」

「いや、特に考えはないと思うが。」

 

「愛紗ちゃん、私たちもご主人様のことお兄ちゃんって呼んだほうがいいかな?」

「桃香様!? そんな・・・ご主人様はご主人様です。」

「だって、鈴々ちゃんはお兄ちゃんって呼んでるよ? 私と愛紗ちゃんもご主人様の義妹なんだからそう呼んでもおかしくないよね?」

「ですが・・・私がご主人様を・・・その、お・・・お兄ちゃんなどと・・・〜〜〜〜〜〜〜〜////」

「愛紗よ、そのようなことで照れていては恋の戦に出遅れるぞ。」

「せ、星!!//」

「愛紗、顔が真っ赤なのだ〜!」

「お館様はお館様で十分ではないか。」

「焔耶よ、呼称を変えるだけで雰囲気が変わるのだ。 お前にも身に覚えがあるだろうに。」

「それは・・・確かに。」

 

 いつの間にか軍議が終了していた。今はもっぱら雑談タイム。しかし孫権さんたちがこの場にいない。場を離れた孫権さんについていった甘寧さん。穏たちが付いてるから無茶な行動に出ないとは思うが・・・心配だな。俺は謁見の間を離れ、孫権さんを探しに外へ出た。

 

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あとがき 読んでいただきありがとうございます。更新が一ヶ月遅れるとは予想だにしませんでした。仕事がある日は家に帰ってきたら爆睡安定コースですので・・・。二国会議、とりあえず終わりました。次回は蓮華に一刀が接近します。王様モード解除なるか、乞うご期待!それと、愛紗にお兄ちゃんとか呼ばれたら悶絶して死ねる自信がある私です。それでは次回 第九節:蓮華の悩み/魏王との交渉 でお会いしましょう。

 

説明
何でもござれの一刀が蜀√から桃香たちと共に大陸の平和に向けて頑張っていく笑いあり涙あり、恋もバトルもあるよSSです。
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コメント
読み返してたら本当に戦の指揮とってなかったのよね桃香・・・。経験不足過ぎるのにどう相手していくのか見ものですね(madao)
久々の更新待ってました!!これから、戦の準備。そして、みんなからお兄ちゃんとよばれるのですねw(Fols)
みんなで一刀をお兄ちゃんって呼んだら一刀は悶え死にしそうな気も…ああ、さすがにお姉様方は無理があるか。(mokiti1976-2010)
『甘ったれるな!!』って、言葉を「冥琳」に迷惑を掛けまくっているアンタら全員に返してやりたいよ。(劉邦柾棟)
一刀にどんだけ妹が増えるんだよw(nao)
愛紗に「お兄ちゃん」・・・死ねるなw 次回蓮華のデレ期待します!(レヴィアタン)
思えば一刀は兄属性も持っているんでしたねww(本郷 刃)
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真・恋姫†無双 一刀 桃香 愛紗 水蓮 雪蓮 美々 冥琳 刀蜀伝 

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