インフィニット・ストラトス 受け継がれる光の絆 Episode.23 影 −シャドウ− |
学年別トーナメント一回戦の途中、上空から一筋の光線が降ってきた。それと同時にアリーナの警報が鳴った。
「これは一体・・・」
「解らん。それより状況は?」
真耶はキーボードを操作して検索した。
「これは・・」
「どうしました?」
「システム55%ダウン!ほぼ麻痺しています!」
「何!?」
千冬は驚いていた。あの光線でシステムが麻痺したのだ。
「一体何が・・」
千冬と真耶はノイズが走ってるモニターを見た。
一方、一夏達は突如降ってきた光線で動きを止めてた。
「一夏・・」
「わからない。でも、気を付けた方がいい」
一夏達は煙が立つ方を向いた。すると
「ッ!!」
突如、煙の中から光弾が一夏に向けて放たれた。一夏はそれを雪片で防いだ。
「誰だ!」
一夏は叫ぶと煙が晴れ、そこにいたのは・・・、
人間サイズの何かであった。
色は赤と黒で、目は黒であった。そして胸には黒いクリスタルがついていた。
「お前は誰だ・・」
一夏が問う
『ファウスト』
人間サイズの何かはファウストと名乗った。
『貴様の影だ』
「俺の影?」
『お前と言う光が、私と言う影を生み出したのだ』
「俺の光が・・・」
「じゃまだあああああああっ!!」
ラウラがプラズマ手刀を展開してファウストに突っ込んだ。だが・・・
ガシッ
「何っ!?」
プラズマ手刀をファウストは片手で止めてた。
『丁度いい。貴様に用があったからな』
ファウストはラウラの胸に手を当てた。
『貴様の闇、使わせて貰うぞ』
ファウストは手から闇を放った。
「う、うあああああああっ!!」
放たれた闇がラウラを侵食して行った。左目の眼帯が外れ、金色の瞳が現れた。闇がシュヴァルツェア・レーゲン全体を包み込んだ。
(認めん!私はあの男を認めん!)
ラウラの心は一夏への憎しみで染まっていた。
(力が欲しい・・・。奴を倒す力が!!)
願うか・・・?汝、自らの変革を望むか・・・?より強い力を欲するか・・・?
(あぁ欲しい。奴を完膚なきまでに叩きのめす力が!!)
ならば望め・・。その憎しみで・・。その闇で・・・。
(よこせ・・・比類なき最強を・・・唯一無二の絶対を・・・完全無欠の力を・・・私によこせ!!)
Damage Level・・・D.
Mind Condition ・・・Uplift.
Certification・・・・Clear.
≪Valkyrie Trace System Darkness≫・・・・・boot.
ラウラを包んだ闇が晴れるとそこにいたのは、黒と赤の色のISだった。顔はフルフェイスでファウストに似ていて左目が金色だった。そしてその手に持っていた武器は、
「雪片・・・!」
一夏が呟く。そう黒いISが持っていたのは姉、千冬の刀、雪片であった。
「お前!ラウラに何をした!!」
『コイツの中の闇を利用させてもらった』
「闇だと・・!」
『そう、憎しみと言う闇を。貴様にはコイツの相手をしてもらう。さらばだ』
ファウストはそう言うと黒い霧に包まれ消えた。
するといきなり黒いISが光弾を放ってきた。一夏は下がりながら光弾を避けた。ISは連続で放って来たが一夏はパーティクル・フェザーで相殺した。
「くそっ!どうすれば・・」
一夏が考えていると、
・・助けて・・・
「っ!」
突如、一夏の耳に誰かの声がした。
・・助けて・・・マスターを・・
(今のは・・)
「一夏!」
シャルルが一夏によってきた。
「シャルル、ちょっと力貸してくれ」
「・・何するの?」
「声がしたんだ。『助けて』て声が。たぶんあのISからだ」
「じゃあ・・」
「あぁ、俺はラウラを助ける」
一夏はシャルルにそう言った。
「僕は何をすればいい?」
「相手が雪片を振り下ろした所をランチャーで撃って弾いてくれ」
「うん、わかった」
シャルルは頷いた。
「一夏!」
箒が一夏の前に立った。
「箒・・行ってくる」
「あぁ、必ずボーデヴィッヒを救ってこい!」
一夏は頷き雪片を構えた。
「っ!!」
一夏はマッハムーブで敵に接近した。敵は一夏の接近に反応し、雪片を振り下ろした。雪片が一夏に当たろうとしたその時、
ドカンッ!
突如、弾が飛んできて雪片が弾き飛ばされた。弾が放たれた方を見ると、シャルルがディバイトランチャーを構えていた。
「一夏!今だよ!」
「うおおおおおお!!」
一夏は相手の腹部を雪片で切った。一夏は雪片を投げ捨て両手を切れ目に入れ、開いた。中には闇に囚われているラウラがいた。一夏は手を伸ばした。
「ラウラ!」
一夏は名前を叫んだ。
「お前は強くなりたいんだろ!千冬姉のように!闇に飲み込まれるな!こんな事で千冬姉を悲しませるな!」
しかしラウラは目を覚まさない。一夏は脳裏に浮かんだ言葉を叫んだ。
「諦めるな!!」
一夏の声が届いたのかラウラを目を覚まし、手を伸ばした。一夏はその手を掴むと、黒いISの中からラウラを引っ張り出した。一夏はラウラを助け出すと黒いISから離れ、箒達の所に向かった。
「二人とも、ラウラを頼む」
「一夏はどうするの?」
「俺はまだ助けなきゃいけないんだ」
一夏は敵の方を向いた。
『カエセ・・・ウツワヲ・・・』
それを聞いて一夏は拳を強く握り占めた。
「人間は・・・お前の道具じゃねえ!」
一夏は両腕を合わせるとエネルギーを溜めた。そして/型に広げ十字にクロスさせ光線を撃った。
これが最初の適正者、真木舜一がなったウルトラマン・ザ・ネクストの必殺技、エボルレイ・シュトロームである。
「うおおおおおおおおおおおおおっ!!」
一夏はエボルレイ・シュトロームを撃ち続けた。
(倒すのはあの中の闇だけ。それ以外は破壊はさせない!)
エボルレイ・シュトロームを喰らい敵は苦しんだ。
『ワタシガ・・コノ・・・ワタシガ・・・コンナトコロデ・・・』
敵は光の粒子となり消えていった。そしてその中からレッグバンドが現れ地面に落ちた。シュヴァルツェア・レーゲンの待機状態である。一夏は近づいてレッグバントを拾った。
・・・ありがとう
するとどこからか声がした。一夏はそれを聞いて笑顔になった。
「あぁ。お前のマスター、助けてやったぜ」
そう言うと一夏はシャルル達のもとへ戻った。
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