真・恋姫無双 〜虎と狐の三国演義〜 |
弐之六 『 終わりと始まり 』
「ただいま。そっちはどうだった?」
単独での仕事を終えて行きと同じ様に空から戻って来た狐燐は開口一番にそう尋ねる。一応戦闘行為そのものが終わっているのは空から確認済みである。
「おかえり狐燐。こっちは被害は全体の半分てとこね。術に掛かった者達が突然自害したせいで予想以上に被害がでたわ」
「ごめん。僕がもう少し早く終わらせていれば」
「いいのよ。彼等だっていつかは死ぬ。その覚悟を持っていたはずだから」
そう言った雪蓮の顔は幼い頃には見たことのない凛々しいもので、その目には強い意志が宿っているように感じて、思わず見蕩れてしまう。
「それで、狐燐の方はどうだったの?火の手も上がっていたみたいだけ。」
「あっ、うん。そのことなんだけど。皆の意見も聞きたいし、報告は戻ってからでいいかな?」
「ん〜、そうね。いつまでもこんな所に居るわけにもいかないし。いいわ、お互い報告は戻ってからにしましょうか」
それから後始末やら、部隊を再編成したりして程なくして帰路に着くことができた。(主に冥琳が指揮していたが)
――江都
城に戻ってすぐ、留守番で残っていた穏も加えて今回の賊討伐での戦果と被害を報告し合うこととなった。
雪蓮達の方は簡単に聞いていたけど詳細を聞いても目新しい情報は無かった。
「では、最後に単独行動に出ていた狐燐の報告を聞こうか」
冥琳に呼ばれて全員が注目する中、狐燐へと順番が回ってきた。
「結果だけ言えば作戦そのものは成功したよ。術者は一応始末できたからこの一件はこれで収束すると思う。ただちょっと気になる事もあってね。」
「?歯切れが悪いな」
「そういえば、意見が聞きたいって言ってたわね」
「うん、実は僕が術者を追い詰めた時にそいつ…自害したんだ。多分その直後くらいに雪蓮達の方でも術の支配下にあった人達が自害したんだと思う」
「なるほどのう。彼奴等の突然の奇行はそういうことじゃったか」
狐燐の報告で直接賊と戦っていた三人はどこか納得しているようで、留守番していた穏は状況を把握するためか今のところ聴きに徹している。
「で、狐燐はそのことで何か思うところがあるのね?」
「うん、そもそも今回の一件で最初に感じた疑問は何で賊のなかに術者がいたのかって事なんだ。しかもその術者はどうみても本来なら術なんて使えるような奴じゃなかった」
「つまり、その者に術を授けた黒幕…第三者がいると言いたいのか?」
「そういうこと。さらに言えば授けた術に細工してたと思う」
「それで一斉に自害したわけか。目的は口封じか」
流石に頭脳派は理解が早い。祭さんは首傾げてるけど今は話を進めようっと。
「一番の問題はその黒幕の目的がわからないってこと。術に細工を施せるほどの人物で、そうまでして口封じするって事は何かしらの目的があるはずなんだと思うんだけど…」
「現状では情報が無く結論が出せないか」
「うん。ちょっと不謹慎だけど、同じような事が起こればすこし位は何か分かるかもしれないけど。」
今のところ、黒幕がうごかなければ何も出来ない状況だ。
「とりあえず、この件はこれで終わりですかね〜」
「もしくは、始まりかもね。」
〜〜〜その日の夜…
狐燐が仕事を終え部屋に戻ると
「おや、お邪魔していますよ」
ずず…
「遅かったね」
部屋で勝手にくつろいでいる道化と虎がいた。
≪同刻・山中≫
一人の男が死んだ賊に近づき胸元を漁っていた。
程なくして血で汚れた冊子を引っ張り出すとそのまま闇の中に消えていった。
あとがき
昨日はどうやらクリスマスとかいうやつだったらしいですね。ツナまんには関係無いのでPS3のガンダムバトルオペレーションやガンダムブレイカーに籠りつつ執筆してました。
次回から〜虎と狐〜は黄巾編に突入します。その前に拠点を一本挟みますが…
ではまた次回!!!
説明 | ||
賊討伐終了…そして次回からは黄巾編突入 注:オリ主作品です。オマージュもあります。 |
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コメント | ||
雪月さん>コメントありがとうございます。確かに更新は早いですがその分一話一話が短いんですよねぇ(汗(ツナまん) 更新おつさま ちょっと見ないとどんどん更新されてますね 私には出来そうもないので、とても羨ましい限りです 今後とも更新楽しみにしております(雪月) |
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