真・恋姫†無双―二つの呂旗―
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真・恋姫†無双―二つの呂旗― 第二十一話「物量作戦」

 

 今俺と恋は漢中に来ている。蜀の大兵力に正直攻めあぐねいていたが、大々的な攻撃は今の所は無く、それは不気味なほどの静寂だった。

 

 一刀「・・・帳。こちらの兵力は呉と合わせてどのくらいだ?」

 

 帳「そうですね・・・報告によるとこちらは130万、呉の方は30万が限界のようです。張三姉妹のおかげもありますが、こちらも五胡と同盟を結べているのが大きいですね。」

 

 一刀「兵力差は40万か。将の質は?」

 

 帳「言わずもがな、我等が上でしょう。武、智、どれをとっても上です。さらに五胡の兵もこちらに入ってますから兵の質は錬度、士気ともに異常なぐらい高いです。ほわほわ言っていますが・・・」

 

 一刀「俺も公演の時はほわほわ言ってるよ?」

 

 帳「ま、私もですが・・・」

 

 一刀「言うよね〜」

 

 帳「はい、恋様でさえ緩やかにほわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜って言うぐらいですから。」

 

 一刀「美羽の公演も順調なんだろ?」

 

 帳「はい、そっちはうはうは言ってます。」

 

 一刀「仕方ないよ。俺もうはうは言っちゃうもん。」

 

 帳「ですよね〜」

 

 二人「うはああああ、うっう、うはははは〜〜〜〜〜!!」

 

 愛紗「それは美羽の公演のときにしてください。正直五月蠅いです。」

 

 二人「・・・はい。」

 

 愛紗「では、ご主人様。軍議に向かいましょう。桃香様を止めるために。」

 

 一刀「ああ、お仕置きにお尻ペンペンだな。」

 

 愛紗(あれ?羨ましいって思うのはおかしいのだろうか?)

 

 どう見ても変態思考です。超有難うございました。

 

 こうして俺たちは軍議の間に向かって行った。

 

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 軍議の間には今回の侵攻作戦に参加する将が勢ぞろいしていた。

 

 一刀「さて、それでは軍議を始める。まずは北方からの進軍を前線指揮する呂北だ。と言っても知らない人間はいないだろうからな。今回の軍議は蜀の殲滅に当たる為の会議になる。基本骨子は三方向からの侵攻による3面作戦になる。まずは李儒から蜀の兵力、将の数など敵内部情報を伝えてもらう。李儒は前に。」

 

 帳「はい。まずは敵総兵力は200万弱、向こうさんも三面作戦を感じ取ったのか兵力を3分割しているようです。こちらにはざっと90万ですね。次にこちらにあてがわれた将は大将に厳顔を置き、((閻于|えんう))、姜維、孟獲、張飛、呉班、呉蘭、雷銅、張任、軍師に((??|しょうえん))です。」

 

 一刀「そうか・・・兵力もさることながら将も一角の者達ばかりか。ではこちらの陣営の再確認を軍師の賈?からよろしく頼む。」

 

 詠「北方後方指揮をする賈?よ。呂北同様知らない人はいないと思うから挨拶はこれくらいで。まずは部隊指揮をする将を一覧で上げるわね。大将は言わずもがな呂北よ。此処から順不同で呂布、馬超、馬岱、関羽、趙雲、馬騰、張遼、楽進、華雄、高順、そして・・・公孫賛よ」

 

 一同「え??」

 

 詠「・・・・突っ込みは無しよ。私も驚いてるんだから。」

 

 公孫賛「・・・ぐすん」

 

 一刀「えと・・・公孫賛。一ついい?」

 

 公孫賛「なんだ?」

 

 一刀「同盟?」

 

 公孫賛「私は漢の将だぞ!?国は同じだからな!?」

 

 一刀「・・・・おう。」

 

 ぽんっと俺は手を合わせて驚きを表した。だって・・・忘れてたんだもん(作者も)

 

 羽入(さーせんw)

 

 公孫賛「い、いいもん!こうなったら覚えてもらうためにもこの場を借りて真名を預けるぞ!私は白蓮だ!皆に預けるからな!!」

 

 こうして半ばやけで公孫賛は俺たちに真名を預けてくれた。うん、こんな事になるならちゃんと覚えてやらんとな。ごめんよ、白蓮。その後皆も白蓮に真名を預け合った。

 

 詠「そ、それじゃあ後方支援の将を報告するわ。全体の指揮を執る軍師は私、補佐に陳宮、情報収集、伝令等足を使う仕事は帳と以下間諜部隊。そして喜びなさい・・・軍食は典韋が担当してくれるわ!!」

 

 一同「おおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 流琉「あ、あの・・・本当に私は戦わなくていいのですか??」

 

 詠「流琉、食事は大事な士気の元よ。特にここには大喰らいの恋が居るんだから。季衣以上なのはあんたも知ってるでしょう?」

 

 流琉「・・・納得しました。」

 

 恋「・・・・(ぽ」

 

 一同「褒めてないからな?」

 

 恋「・・・このやり取りも懐かしい。」

 

 一刀「ほんとにな。」

 

 詠「こほん、では気を取り直して。私達は言うなれば本隊よ。他の2面は遊撃になるわ。曹操、孫堅は北東から、呉はそのまま東側から攻めてもらう事になってるの。勿論隙あらば敵の中腹まで食い破ってもいいって言ってあるわ。」

 

 一刀「さて、これで敵味方の内情は分かった訳だ。」

 

 帳「もう一ついいでしょうか?」

 

 一刀「どうしたの?」

 

 帳「はい、蜀で内偵調査をしていました所どうやら蜀内部で派閥争いがあるようなのです。」

 

 一刀、詠「はぁ?こんなときに???」

 

 帳「そう仰りたい気持ちは分かります。」

 

 詠「ふ〜ん、私としては好機だから嬉しいんだけど??」

 

 愛紗「ふむ。帳、誰が派閥を率いてるか分かるか?」

 

 帳「はい。諸葛亮と鳳統です。」

 

 愛紗「なに?・・・確かに可能性はあるか。」

 

 一刀「愛紗、心当たりがあるの?」

 

 愛紗「はい。朱里に関してはかつての私のように桃香様に心酔してる故に、逆に雛里は現実を見据えているので・・・その点で対立してるのかと。」

 

 一刀「なるほど・・・鳳統ちゃんがちょっと心配だな。」

 

 愛紗「はい、元々気の弱い所があるので。」

 

 一刀「・・・しかし、今考えても仕方ないな。詠、今回の進軍経路はどう進む?」

 

 詠「実際成都とは漢中を落とした事で目と鼻の先なんだけどどうやら複数の経路に何かしらの仕掛けを作っているみたいなの。」

 

 一刀「仕掛け?・・・もしかして石兵八陣か?」

 

 詠「そう言うの?知らないけど・・・石積みがなされたものだって言ってたわ。」

 

 一刀「ああ、間違いない。どれぐらいあるんだ?」

 

 詠「・・・聞いてあきれるくらいよ。南江、剣閣、梓潼、綿陽、綿竹、三台に確認済み。ちなみに他の地方からも報告があるわ。面倒だから言わないけど・・・」

 

 一刀「はぁ・・・兵力に物を言わせて大量に建設したんだろう。皆、石兵八陣の効力方だが・・・」

 

 詠「石積みを壊すんでしょ?」

 

 一刀「分かってたのか?」

 

 詠「ふん、これ見よがしに積んでるんだものすぐわかるわよ。」

 

 一刀「ま、そうなるよな。孔明・・・焦ってるな。」

 

 詠「それが隙になるんだから良いじゃない。さて、陣形は基本鶴翼で当たるからそのつもりでね。それじゃ各自石兵八陣の対処法を兵に伝えつつ出陣準備を整えなさい。良いわね?」

 

 全員「御意!」

 

 こうして俺たちは漢中を発ち成都へと進軍を開始した。

 

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 以降鳳統視点

 

 此処は成都の王の間、現在朱里ちゃんが桃香様に最終報告をしている。

 

 諸葛亮「それでは桃香様私はこれより万が一の為の準備に取り掛かります。雛里ちゃんは置いて行くので何かあった時は相談して下さい。」

 

 劉備「うん、分かったよ。朱里ちゃん、無理だけはしないでね。話し合いは難しくても被害を抑える事はちゃんと考えなきゃだからね?」

 

 諸葛亮「はい、分かっています。」

 

 鳳統(朱里ちゃん、万が一の準備って何?また私に黙って何してるの?)

 

 諸葛亮「それでは私はこれで。」

 

 劉備「・・・雛里ちゃん、大丈夫?」

 

 鳳統「はい、大丈夫です。それより桃香様、現在董卓軍は三面作戦を決行するようです。朱里ちゃんの予想は的中と言えるでしょう。」

 

 劉備「そうだね。これなら朱里ちゃんの策で打ち破れそうだね。」

 

 そう、朱里ちゃんの策は確かに悪くない。だけど私の予想では負ける。9割9分負ける。朱里ちゃんは分かって無いんだ。

 

 鳳統「桃香様、私達は負けます。」

 

 劉備「え?えぇ!?どうして??」

 

 鳳統「考えても見てください。董卓軍には名軍師と名高い賈?さん、周喩さん、荀ケさん、その三人が認める陳宮さん、程cさん、郭嘉さん、呂蒙さん、陸遜さんが居て、武官は守将軍呂北さん、飛将軍呂布さん、軍神愛紗さん、魏武の大剣夏候惇さん、神弓夏候淵さん、江東の虎孫堅さん、小覇王孫策さん、覇王曹操さん、神速の張遼さん、上げればキリがありません。さらに部隊では大盾隊、連弩隊、西涼騎馬連合、白馬義従、まだ聞きますか?」

 

 劉備「・・・泣いていいかな?」

 

 鳳統「その余裕もないでしゅ。」

 

 劉備「え?朱里ちゃんはそれに勝とうしてるの?」

 

 鳳統「・・・はい。」

 

 劉備「えと・・・私また間違った?」

 

 鳳統「ですね・・・」

 

 ああ、やっぱり気付いてなかったのかこの人は。

 

 劉備「・・・そっか・・・よし、雛里ちゃん私は前線に出る準備をするね。もうこれ以上被害を出さないためにも早めに終わらせなきゃ。」

 

 鳳統「・・・」

 

 桃香様の言いたい事は分かる。前線に出れば自然と決戦の形になる。だけど・・・朱里ちゃんはおそらく辞めない。この戦いを・・・自分が生きてるうちは終わらせない気なんだ。

 

 鳳統「・・・助けて・・・」

 

 誰か朱里ちゃんを助けて・・・

 

 

 

 以降朱里視点

 

 董卓軍は兵数は少ないはずだ。南蛮、山越をうまく丸めこんで兵を出させたこれで兵力は問題ない、呉を討てなかったのは誤算だけど、200万の大兵力があればどうにか押し返す事が出来るはず・・・後はあの砦を完成させて・・・

 

 諸葛亮「ふふふ、たとえ大軍を用意してもあの陣を越える事は容易じゃない。足止めをして水計、火計、人海殲滅、投石、あらゆる方法で兵力を減らしあの砦に残した50万の兵を使って呑みこめば・・・石兵八陣、此処に成った。です。」

 

 それにしても雛里ちゃんは何であんなに反対するんだろう。桃香様の理想を叶えるために私達が背負わなきゃならないのに・・・

 

 諸葛亮「さて、急いで行かなきゃ。白帝城完成まであとちょっとなんだから・・・」

 

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 以降一刀視点

 

 現在順調に俺たちは進軍中。石兵八陣も周辺の伏兵もとにかく詠の神算と俺と恋の勘でことごとく殲滅していた。残るは綿陽の石兵八陣のみとなった。

 

 一刀「それにしても此処の陣は結構広いな。」

 

 恋「・・・見飽きた。」

 

 霞「ま、そないなこと言ったってやらなきゃならんもんは仕方ないやろ。」

 

 幽香「ああ、此処を抜ければ念願の成都に到着だからな。」

 

 愛紗「ご主人様、右翼の琥珀殿、翆、蒲公英、左翼の白蓮殿、星、凪、奈々世の配置が完了したようです。」

 

 一刀「そうか、帳の報告では周辺の兵は物の数じゃないらしい。おそらくこれは完全に足止めだけが目的らしいな。さて、向こうの物量が勝つか、こっちの質量が勝つか。勝負と行くか。」

 

 全員「は!」

 

 一刀「皆!これより俺たちは最後の石兵八陣を切り崩す!兵を一人も逃すな、敵に俺たちの報告をさせるな!情報を制してる俺たちに敗北の2文字は無い!!つまらない流れ作業も此処で終わる、成長の無い王から益州の民を救いだすぞ!」

 

 全兵「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 一刀「全軍・・・・進め!」

 

 俺の号令により兵が専用の木槌やらなんやらを抱え、振り回し石積みを壊しながら進軍して行く、連弩を持った部隊は敵兵を見つけるとすぐに射かけて殲滅する。それを繰り返してやっと最後の石兵を抜けた所に劉備軍90万、いやこれまで伏兵などを殲滅してる分数は減っているようだったので目測だが70〜80万だろうか?その大兵団が目の前に広がっていた。

 

 一刀「まさか、劉備自ら前線に立つなんてな。」

 

 愛紗「おそらくですが・・・決戦を望んでいるのでは?」

 

 一刀「・・・諸葛の旗が無い。警戒は必要か。」

 

 帳「ご報告。」

 

 一刀「どうした?」

 

 帳「・・・諸葛亮が成都より少し南に位置する所に大要塞『白帝城』を建設。そこで籠城の構えを見せているようです。」

 

 一刀「はぁ!?王が決戦を望んでいるのに何でそんな事を??」

 

 いや、それよりも位置がおかしいだろ・・・考えたら駄目だと思うけど・・・確か益州と荊州の境目近くじゃなかったか?

 

 一刀「劉備は知ってるのか?」

 

 帳「内偵によると知らないようです。」

 

 一刀「・・・仕方ない。さっさと終わらせて諸葛亮の所まで食い破るぞ。」

 

 愛紗「桃香様の説得などはお任せください。」

 

 一刀「ああ、任せる。頼んだよ?」

 

 愛紗「はい!」

 

 さて・・・どう転ぶか楽しみだな。あれ?俺楽しんでる?はは、武人の性・・・か。業とも言うかもな。

 

 一刀「全体に通達!これより俺たちは蜀王劉備と決戦に挑む。俺は舌戦に出るが、その間に前線は鋒矢の陣を敷き一気に切り崩す。後方は鶴翼を維持させろ。良いな?」

 

 伝令「は!」

 

 一刀「行ってくる。」

 

 恋「・・・・行ってらっしゃい。」

 

 そのまま俺は舌戦の為に単騎で前に出る。その動きに呼応して劉備もなんと単騎で出てきた。無警戒だなぁ・・・

 

 劉備「呂北さん・・・」

 

 一刀「や、劉備さん。今回の武力侵攻の意味は分かるね?」

 

 劉備「はい、私の不徳がこのような形になったのは自覚してます。」

 

 一刀「そうか、ならば無条件降伏してくれないか?」

 

 劉備「それは出来ません。」

 

 一刀「なぜ?」

 

 劉備「私は王です。皆の命を背負っています。それだけなら無条件降伏もします。けど私の理想について来てくれつ人達の命を背負っているんです。簡単に降伏なんてしたらそんな人達を裏切ってしまう。なのでまずは戦いましょう。」

 

 一刀「・・・変わったね。」

 

 劉備「そうでしょうか・・・」

 

 一刀「唯一つ変わって無いのは・・・ちゃんと情報は整理しなよ?」

 

 劉備「え?」

 

 一刀「諸葛亮は何処に居る?君の後ろで何を準備してる?君自身を苦しめる算段をしてるかも・・・いや、その意図が無くてもおそらく君の首を絞めてる。それに気付いてほしかったな。」

 

 劉備「たとえそうだとしても私は朱里ちゃんを信じてます。だから後ろを振り向きません。あなた達に勝って私達の力の証明と存在の証明をします。」

 

 一刀「そうか、ならばもう何も言うまい。守将軍、飛将軍、神速、軍神、西涼の狼、錦馬超、陥陣営と名だたる物の餌食になるがいい。」

 

 劉備「あ、あの〜・・・」

 

 一刀「ん?なんだ?」

 

 劉備「お、お手柔らかに・・・」

 

 一刀「すると思ってる?」

 

 劉備「で、ですよね〜。うぅ・・・」

 

 ・・・ちょっといじめすぎたかな?しかし、孔明が劉備の元から離れるとはな。鳳統から詳しい事情を聴くとするか。

 

 こうして俺たちの戦いの幕は切って落とされたのだ。

 

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 真っ先に戦端を開いたのは右翼の馬騰隊だった。

 

 西涼の騎馬連合はそのまま敵を殲滅して行った。

 

 当たる将は魏延、呉蘭、張任だ。

 

 魏延には蒲公英が、呉蘭には翆が、張任には琥珀が当たる事になった。

 

 敵は半数以上が五胡の兵のようでこれは好機と琥珀が兵に独自に動いてよしと号令を出したのだ。

 

 これはまさしくハマった。

 

 五胡は歴戦の勇士である西涼騎馬軍団になすすべなく各個殲滅されて行ったのだ。

 

 その後、呉蘭が翆に数合持たず銀閃に貫かれた。

 

 次に魏延は片腕なれど鈍砕骨を振り回し蒲公英を圧倒するが相性が悪い。あれよあれよと挑発に翻弄される魏延、最後は落とし穴にはまって目を回した。

 

 張任は琥珀とはいい勝負を繰り広げるが最後は琥珀の十字槍の薙ぎ払いをもろに受け重傷を負う。すぐに治療されるが背骨をやられており下半身不随となる。

 

 

 

 左翼は右翼がぶつかってすぐに戦端が開かれた。

 

 白蓮曰く同じ騎馬としてちょっと悔しいそうだ。だが、閻于、孟獲、呉班、雷銅の四人が白蓮の前に立ちふさがったが実質白蓮は嬉しそうだった。

 

 このような状況では自分は気付かれず動き回ってる事が多いせいも在り、それはもう嬉しそうに嗤っていた。4人はかなり引いてたが。

 

 すぐに駆けつけた星、奈々世、凪にまだ浸らせろよ〜とぼやいていたのは余談だ。

 

 その後閻于には白蓮が、孟獲には星が、呉班には凪が、雷銅には奈々世が当たる事になった。右翼以上の激戦が繰り広げられていたがそれはぶっちゃけめんどいので

 

 星「斬るぞ?」

 

 ・・・まず決着がついたのは星対孟獲である。星の動きに翻弄され疲労が重なり動けなくなってしまった所を星に捕らえられたのである。(亀甲縛りなのはデフォ)

 

 次に白蓮対閻于、閻于の武器はトンファーで白蓮は苦戦を強いられたが、此処はさすが普通の申し子である。普通に剣を振ったら何故か普通に剣が腕に当たり武器を取り落とした所で抑えにかかったら普通に捕まえてしまったのだ。

 

 呉班は凪の氣弾の雨に耐えきれなくなり全面降伏をした。

 

 雷銅は奈々世の盾に攻撃をことごとく防がれ最後は自身の武器が耐えられなくなり壊れてしまった事で降伏した。

 

 

 

 中央が戦端を開いたのは両翼の戦いが中盤に差し掛かった時だった。

 

 中央は敵の数も多く苦戦を強いられていたが一刀、恋の旗が前に出る事で状況は一変する。一刀が刀を振ると敵の首は飛び静かに体は倒れ、恋が戟を振るうと敵はその体をあらぬ方向に曲げながら吹き飛び、それを見た敵兵は恐怖から逃げ出す物が出始めていたのだ。

 

 それを見かねた厳顔は将を討たんと動き出す。恋には厳顔、一刀に姜維、愛紗に張飛が当たる事になった。幽香は全隊指揮を一刀に任され絶賛奮闘中である。

 

 最初に決着がついたのは勿論一刀だ。姜維はなんと一刀と同じ太刀を使っていた。一刀が聞いたところによると自分の武勇を聞きその武器を再現したそうだ。一刀はその熱意を称賛し、製造工程などを詳しく聞くとさらに絶賛。意気投合し仲良くなったのだ。(余談だが此処で真名を許されている。ちなみに女性だ。モゲロ)

 

 次に決着が付いたのは恋だ。結果は目に見えていた。嫉妬は恐ろしいと後に厳顔は語った。

 

 愛紗対張飛の戦いは熾烈を極めた。愛紗の偃月刀の連撃を躱す張飛、張飛の一撃を受け止め平気な顔をする愛紗。この周辺は穴だらけになりつつあった。最後に張飛が腹をすかせてダウンするまで続いた。後に愛紗は全然余裕でしたよ?と言ってのけた。強がり可愛いなぁ。

 

 こうして戦局は終端を迎えて行ったのだった。蜀本陣に一刀、愛紗、恋が入り、劉備を捕らえる事に成功。こうして成都は陥落し残す所は諸葛亮が居る白帝城だけとなった。

 

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 一刀「劉備、大変なことが判った。」

 

 劉備「なんでしょう。」

 

 一刀は今捕虜用の天幕の一つに来ていた。勿論護衛付きで。

 

 一刀「・・・諸葛亮が白帝城で自決した。」

 

 劉備「・・・・え?」

 

 一刀「理由は分からん。いや、だいたいの予想はつくがおそらく・・・」

 

 劉備「だ、だって・・・朱里ちゃん・・・は・・・」

 

 一刀の言葉に明らかな動揺を見せる劉備。だが一刀は言葉を続ける。

 

 一刀「これも乱世の一つの形だ。だが・・・すまん。これ以上は言葉が見つからない。」

 

 一刀は調査に向かった帳から受け取った諸葛亮の遺髪を劉備に手渡した。

 

 劉備「そんな・・・朱里ちゃん・・・どうしてこんな事を・・・」

 

 一刀「他の皆には俺から伝えるか?」

 

 劉備「いえ・・・私が伝えます。」

 

 一刀「そうか・・・分かった。大天幕に皆を集めとこう。」

 

 劉備「よろしくお願いします・・・」

 

 一刀は準備があるからと言い残し天幕を後にする。

 

 劉備「あぁ・・・うぅぅ・・・ああああああああああああああ!!」

 

 そのまま劉備は号泣した。自身が気付くべきだった。かけがえのない仲間の苦しみを気付いてやるべきだったのに。だからこそ今は泣いた。これから整然と皆の前で諸葛亮の死を皆に話さなければならないのだから・・・

 

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 次回

 

 月「皆さんお疲れ様です。」

 

 沙耶「これで終わりなの?」

 

 一刀「これで良かったのか?」

 

 恋「一刀・・・・?」

 

 第二十二話『大陸統一』

 

 少年は終わりの予感を感じ取る。少女は別れが近い事を感じ取る。物語の終端は刻々と・・・

 

説明
第二十一話あげます。
やってしまった感があるですが・・・
ま、最後までお付き合いしていただけるとありがたいです。
死人は出てしまいましたがね。
では本編どうぞ。
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コメント
孔明が死んだだけで何で劉備は泣いてんの?お前のせいで数十万の人が無駄死にしてんのに。(牛乳魔人)
結局、朱里は何がしたかったんだ?(飛鷲)
自決【偽】で、まだ悪あがきしそうな・・・腑に落ちぬ〆だ・・・w(howaito)
白帝城での戦い前に自決とは思わなかった。この外史の人達からしたら、自決のために白帝城を造った様に感じそうだ。(神木ヒカリ)
最後は自決か。なんとも言えないけど、これで終わりではないだろう。(act)
実は自分の死を利用する策とか…かなぁ。史実の孔明もやってたし…(咲実)
そして、自身の理想の拠り所としていた桃香が囚われた事で戦いの長期化の意味がなくなったために、戦いの全責任を自らが引き受ける形で自害したのでしょう。儒教も上に立つ者は自らを裁けるので罪に問う必要はないと謳っているので、それを実行した事になります。(h995)
桃香が朱里のやっている事を知らなかったように、桃香が前線に出ていた事を朱里は知らなかったのでしょう。そして前線が崩壊して桃香が囚われた事で一気に我に返り、今までやってきたことの意味を唐突に理解してしまい……といったところでしょうね。(h995)
なんと言っていいやら…でも、大掛かりな事やってたような…あれ?朱里これで終わりじゃないよね…(ツナまん)
ちょっとまて、これで終わりでは・・・(M.N.F.)
…自決、か。経緯がわからないので、人死にの出し方としてはあまり好ましいものではないと思いますが、あまり意地を張って悪あがきをしても蜀の面々が苦しむだけだったと思うので、これはこれでよかったのだろうと思います。もちろん作者様を非難するつもりは毛頭ありませんが…。(Jack Tlam)
朱里さん、自決しちゃいましたか…………個人的には、詠・桂花・風・禀・穏・音々音・冥琳・亞莎・七乃の軍師9人人でKYO☆U☆I☆KU(現実をしっかり見させる的な意味)して更正させて欲しかった(頭翅(トーマ))
あれ?朱里はいったい何がしたかったんだ?万が一の準備ってなんだったんだw(nao)
朱里さん、自決ですか、、 悪あがきするのかなぁと思ってたから意外ではらあった(qisheng)
朱里ももう少し現実を見れば違った結末も合ったんでしょうがね。さて、刻限が近付いて来た一刀は恋に何て言うんだろうか? 個人的にはこの世界に残って欲しいですけどね。(俊)
ふむ、結局は朱里の自業自得って感じの流れですかね? 思い込みが強過ぎた為に暴走して主の桃香すら見えなくなった彼女の末路がコレってのは、後味が悪いですね。(俊)
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