真・恋姫†無双 巡る外史と仮面の魔神 二十話 |
「遅い!そんな早さじゃ蟻に追い抜かれるぞ!!」
「「「サー!イエッサー!」」」
「こらー!素振りが遅いのー!お前らそれでも軍人かー!なのー!それともうじ虫?うじ虫なの?地面にうようよしてるしか能がないうじ虫なの!そんなのだから一生女の子と手を繋げないの!」
「「「サー!イエッサー!」」」
「…あの二人がいれば問題ない気がするんやけど…」
「そうだな…」
「そうじゃな…」
「うむ…」
訓練場…ここでは怪人壊滅兼防衛隊の最初の訓練が行われていた。
と言っても、内容は凪にやっている修行の一部と素早く行動するための訓練、それ以外は普通の訓練と変わらない。
リトは秋雨モードで大型タイヤと同じ重さに斬った丸太を引きずっている兵をしばき、沙和はリトに教わった別世界の自分の訓練方法を実施中。
その光景を見て、『自分達要らないんじゃね?』と思っている隊の隊長役に命じられた真桜、凪、祭、愛紗が呟く。
ちなみに隊の名前が長いので縮めて仮面隊と言っている。
「根性見せろーなの!それとも根性はままのお腹の中に置いてきたのかなの!」
「全力だ、全力を出すんだ!今出さずしていつ出すんだ!」
「「「今でしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッ!!」」」
「三国の統率力はァァァァァァァアアア!」
「「「世界一ィィィイイイイ!!」」」
「声小さいのー!その口からはあえぎ声しか出てこないのかー!なの!」
「「「世ェェェェェ界ィィィィィ一ィィィィィイイイイ!!!!!!」」」
「俺は人間をやめるぞ、ジョジョォォォォォォ!!」
「「「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!」」」
「貧弱貧弱ゥ!!」
「「「最高にハイってやつだァァァァァァァ!!!!」」」
ちなみにこの台詞はリト仕込みだ。
朝礼の時にやるようにするらしい。
一体何をさせたいのやら…
スパルタと言える訓練は朝から昼にかけてやり、その後は警備の仕方を教え実行する予定だ。
朝からリトの鞭(提供者周瑜)が火を吹いていたので兵達の体力は限界。
むしろ、訳の分からない叫びと沙和の罵倒でここまでこれたのだろう。
「おーし、じゃあ午後は終了。飯食いにいくぞー」
「「「サー!イエッサー!」」」
「…どうして一日で統率できるのか不思議だ」
「魔神じゃからかのぉ?」
「師匠、流石です!」
「あかん、凪が犬や。凪わんこや」
全員が食堂に入れるはずもなく、しょうがないので食堂に一番近い広間で食べる事にした。
メニューは炒飯に新鮮な野菜の詰め合わせ、スープと割と豪華な内容だ。
何故こんな内容かと言うと、厨房を任されている流琉が原因かもしれない。
「流琉ー、今日の訓練の後皆の分の昼食頼みたいんだけど、いい?」
「ぜ、全員分ですか?それはいいんですけど…」
「お願い、俺(と兵達)の為に作ってくれないか?」
「喜んで!」
といった具合だ…()の中を言わなかったからか、真剣な表情で言ったからか分からないが即答した。
今もなお、昼食を作り続けている流琉の顔は凄くにっこりしてる。
料理を運んでいる董卓と嘉駆、暇だろと言われた公孫賛、扱いが残念な顔良が苦笑いしながら運ぶ。
「へぅ…流琉ちゃん嬉しそうだね」
「あそこまでやれるなんて、あんなはね頭のどこがいいんだか」
「うう…私の……私の、扱い…!」
「白蓮さん、私も麗羽様と文ちゃんにおいてかれたんですよ…?」
愚痴も聞こえる中、各将達もやって来た。
やって来たと言うよりも、賑やか加減があるからか。
まぁ…ちょうどリトに気がついた音々音が彼の膝の上に座り、それを見たリト用の昼食を持ってきた流琉が出す邪気…て言うかオーラによって、気温が五度くらい下がったのだが。
「…ねねちゃん。何で兄様の膝の上に座ってるの?」
「る、流琉…目が怖いのです…!?」
「答えて…?何で、兄様の、膝の、上に、座ってるの?」
目に光がない…仲のいい夏候淵、付き合いが長い季衣でさえ恐怖する。
だが、それを破ったのは膝に座られているリトだった。
「なんだ、流琉も膝の上に座りたいのか?だったらいいぜ、片方空いてるし」
「いいんですか!?」
「もちこーす、座られても苦じゃないからな」
先程の様子が嘘のように消え、今はご褒美をもらえる犬の雰囲気を出している。
顔を赤らめながら、失礼します、と一言断って座った。
隣の音々音は先程の事もあり、少々gkbr状態。
「んー…」
「どうしました、兄様?…お口に、合いませんでしたか…?」
「んーん?流琉の料理ギガウマだよ?たださ、中国料理けっこう続けて食ってるなって思って」
「ちゅーごくりょーり?」
隣の席に座った季衣が頭に?を浮かべた。
まあ、この世界…むしろ時代には中国と言っても分からないし。
「なんかカレーとかオムライスが恋しくなんだよね…」
「それって兄様の世界のお料理ですか?」
「世界って言うより時代ね。各国の料理だったり俺の国の料理だったり」
「ねぇねぇ、それって美味しい?」
「旨いぞ?作る人によるから俺作らないけど」
「兄様お料理できるんですか!?」
「できるできる。じゃなかったら、俺の飯大抵生か丸焼きだからな」
「じゃあ…あの……私にそのお料理の仕方を教えてください!」
リトの方を見て流琉はお願いする。
ちょっと大声になっていたので慌てて顔を逆方向に向けると「だって興味ありますし…」と小声で言う。
あまり動じないリトは可愛いなと思って頭を撫でながら了解した。
「いいよ、興味があるなら俺ができる範囲で教えるよ」
「はにゅ〜……本当ですか!?」
「リト兄ィ、ねねも!ねねもなでなでしてほしいのです!」
「僕もしてよ、兄ちゃん!」
「ほいほい…午後まで時間あるからさっそく行こうか」
厨房に行き、食材、調味料、器具等を準備している。
リトはいつものマントと上着を脱いでシャツの状態に。
さすが中国になる大陸…中華鍋の存在感がぱねぇ…
「じゃあ、夕飯に食えるようにカレーにするか。材料は…っと」
「兄様、調味料とか持っていたんですか?」
「まあね、カレーパン用のだけど…」
「ぱん?それもお料理ですか?」
「ん〜…それもそうだな。ジャムおっさんのパンは料理と言ってもいいものだし」
「誰ですか、その人?」
「ある意味天才……知ってるか?別の世界じゃ頭が食べ物の住人が居るんだぜ?」
あとバイ菌の化身とか、と言って四次元匣から『アンパンマン』の世界で貰ってきたカレーの材料を出す。
その他にも麻婆カレーのレシピや牛丼の器、マヨネーズ……暗黒物質みたいなのも出てきたが、それはすぐに引っ込めた。
それを厨房から興味がある者達が見ていた。
「頭が食べ物…だと…!」
「どんな構造してるんですかねー?」
「そんなのいるわけないじゃないの!あり得ないわよ!」
「いえ、平沢殿の存在が非常識だからあり得るのでは…?」
「稟ちゃん案外ひどいこと言いますね〜」
上から順に夏候惇、風、荀ケ、郭嘉、陸孫が言う。
他にもはわあわ言う軍師や巨乳嫌い、ゴマ団子が後に控えている。
それに加えて昼食を運び終えた董卓達も。
ちなみに風はけっこう早くから真名を預けていた。
曰く、「お兄さんとは仲良くやっていけそうなのでー」らしい。
そんでもって十数分後…
「…後は夕方まで煮込もうか。食材にしっかり味が通るようにな」
「はい♪…あれ、兄様の作った試作品はどうするんですか?」
「え?ああ……これはスタッフが美味しく…」
「あらなんですの、この香ばしい香りは?」
空気を読んだのか読まないのか袁紹と遅れてきた猪々子がやって来る。
どうせどこかで買い物をしていたのだろう…猪々子の腕には荷物があった。
そして小腹が空いたのか、リトの作った試作品のカレーを箸でひょい、と食べる。
「これですの…?なんだか変な見た目ですけど、頂きます」
「あ、ちょ…!」
「……………」
リトは慌てて止めようとするが、時すでに遅し。
口の中に入れた袁紹は何故か無表情になる。
どうしたんだ、と猪々子が袁紹に聞くが袁紹は黙ってカレーの皿を猪々子に向ける。
そして、予備の箸で食べると二人して同じことを言った。
「「…凄く、普通の味……」」
「「「え?」」」
「ああ、やっぱり!」
「なんだこりゃ…不味くはないんだ……不味くはないんだけど…」
「美味しくもないですわ…まるで冷えた回鍋肉…」
「回鍋肉は冷えてもうまいよ……クソ、やっぱりか…orz」
精神的にショックだったのでorzしてしまうリト。
そう、彼は料理はできるのだがその味はいわゆる普通。
レシピ通りに、いい食材を使っても美味しいとも不味いとも言えない味付けになるのだ。
流琉はリトを慰め、普通と言う部分では仲間ができた公孫賛が感涙している。
「に、兄様しっかりしてください!」
「分かってたさ…俺は料理人には向いてない…。むしろ中途半端な味しか作れないビックリ人間なんだってな…!」
「やった…仲間だ…仲間がいた…!」
「全く、ちゃんと仕事をしなさいな。貴方はどこの料理人ですの?一体何の目的で来たのか分かりませんw…」
言い終わる瞬間、袁紹の顔面にリトの腕が伸びる。
袁紹の顔面を掴み、そのまま上に持ち上げる、いわゆるアイアンクローだ。
やっている本人は米神に青筋を立てて笑顔と怒った顔の中間見たいな顔をしている。
「な、何をやって…!?」
「―――ちょっと待てや、お前話聞いてたのか。俺料理人じゃねえよ、魔神だよ、むしろ仮面ライダーだよ。何で料理人だと思った、ん?」
「だ…だって料理して…」
「お前料理するやつ全員料理人だと思ってんのか?それ全家庭のお母さんを料理人だと言ってるようなものだぞ」
「そんな事より降ろしなさい!私は名家の…」
「うっせぇ、名家だか迷家だか知らんけどお前に仕事しろとは言われたくないんだよ、頭のなかが迷宮入りなくせに!」
「だれ…いたたたたたっ!?」
「前進しか能がないくせに!数の差で圧倒するしか能がないくせに!ニートのくせに!携帯で『えんしょう』打っても炎症が最初に出るぐらい知名度低いくせにィッッ!!」
「いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい(ry」
「仕事しろ?ふざけんな、今まで買い物行ってたろ?むしろ桃香に拾われる前からそうだったんだろ、政務ほったらかしにしてたんだろ。だから顔良は今日も明日も不憫なんだよッッ!!」
「なんか私不憫扱いされてる!?」
「だいたい髪が鬱陶しいんだよ、高笑いも。お前の軍の奴等の装備金だから目が痛いんだよコンチクショォ!!」
「 」
「何とか言えや!!」
「「「Ο□Ο」」」
すでに気絶している相手に向かってそれはない。
少しずつ力を入れているのか、袁紹の頭からミシミシと言う音がする。
リトの制裁風景を見て子供+軍師のほとんどは呆然としていた。
今日夢に出てきそうだ。
「「「…ゥンまああ〜いっ!」」」
夕方、再び広間にて食事が始まった。
できたカレーはとても子供が作ったとは思えないほどのでき。
しかもこの時代では味わったこともない味だったので高評価だ。
美食家の曹操も絶賛している。
「…まさかこんな物がこの世にあったなんて…」
「そうですね、やはり興味深いものです」
「ええ、美味しいわ……あそこにいる麗羽が居なければもっと素直に喜べるのだけど」
そう言って曹操と夏候淵はある一ヵ所を見る。
そこには、全身をイモムシノように縛られ、口の中にリトの作った試作品カレーを詰め込まれた袁紹がいた。
しかもまだ気絶している。
その事に気付いた流琉は苦笑いした。
「あははは…兄様は怒ると怖いんです…」
「そうね…って流琉?貴女が何故ここに?」
「今、他の惣菜も作っていると聞いたのだが?」
「ああ、それは…」
「――へーい、料理追加ねー」
やって来たのは大きなお盆を持ってきたリト。
そして置かれたのは魚肉で作った肉団子と何かのサラダ、臭いからして肉で作ったスープ。
こんなに食材があったか…と曹操は思い、リトに訪ねた。
「平沢…これは何を使って作ったのかしら?」
「肉団子は使わなかった魚の頭の部分とその他の皮とかを使って丸めて油で揚げた。サラダ…この野菜はカレーに使ったじゃがいも、人参の皮を細かく刻んでドレッシングにブロッコリー…まあ、そう言う野菜の茎を。汁物は使わなかった脂身をじっくり煮込んで濃厚な味付けにした」
「余り物で作ったのか?」
「まあね。野菜の皮とかは外側の栄養が豊富だし」
そう言っている間に曹操は食べ始めていた。
そして驚く……この料理の味は流琉に匹敵するものだと。
「美味しいわね…」
「お褒め頂き光栄だな、曹操」
「貴方、やっぱり私の物に…」
「ならねぇよ。前に断ったじゃん」
軽口を言い合う二人。
けっこう距離も縮まったのだろうか。
それを見て流琉は誰にも聞こえない声で呟く。
「兄様…兄様の正妻は私ですからね…♪」
ちょこっと…ヤンデレスマイルで
XXX「作者と!」
一刀「一刀の!」
X一「「後書きコーナー!」」
XXX「はい、今回はネタ回です」
一刀「むしろ流琉回だろ。てか、流琉はヤンデレじゃないよ!?」
XXX「ごめん、なんかそんな感じになっちゃった」
一刀「訓練カオス過ぎだろ。むしろやる意味は!?」
XXX「俺の趣味」
一刀「むしろ今回一番の被害者麗羽じゃん!ぐるぐるにされてカレーつっこまれるって…」
XXX「いや〜。想像したら笑えるわ」
一刀「逆にホラーだよ!」
XXX「ちなみにあと二回で呉に移るつもり。そして、呉出身のライダーを登場させるよ」
一刀「だいたい予想できるけどな」
XXX「言うな、忘れてたのに…」
一刀「はい、じゃあ恒例の…次回、真・恋姫†無双巡る外史と仮面の魔神二十一話は!」
XXX「仮面編 “火照ってる”。次回は…歌回かなぁ…」
一刀「お前まだ懲りてなかったのかよ!」
ΟmΟノシ再見
説明 | ||
仮面編 仲間がいた |
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コメント | ||
刃さん ご忠告ありがとうございます。とりあえず、短くしときます(XXX) あ、後次回歌回にするなら、歌詞を短くして文字を所々伏せた方が、よろしいかと( ^ω^ )。(黒鉄 刃) 刃さん それはどうかな?(  ̄▽ ̄)(XXX) しかし次回のサブタイ”火照ってる”陸孫か孫策はたまた……。(黒鉄 刃) 刃さん 袁紹は残忍ポジションだと信じてます…(XXX) 今回もハッちゃけましたねxxx様☆-(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノイエーイ、しかし袁紹相変わらずkyだな。(黒鉄 刃) アーマイルさん こっちはどっちも最初は炎症でした(XXX) ちなみに携帯じゃなくてパソコンで(アーマイル) 袁紹の扱いが面白かった。変換したらやっぱり1番は炎症になった。ちなみに2番は延焼、3番は煙硝、4番艶笑、5番焔硝、6番目で袁紹が来た。(アーマイル) |
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