真・恋姫†無双〜家族のために〜#36拠点ー明命編ー |
戦いが終結してから二週間が経った。
その間、孫堅、劉備、公孫賛の軍は復興作業に従事していたが、最後まで残っていたのは孫堅軍だけであった。
復興作業を進めていく中でいくつか分かってきたことがある。
一つは董卓軍が洛陽へと放った火は、空き家への被害しかなかったこと。
さらに住民と思われていたのも全て董卓軍の兵で構成されていたようで、消化作業が終了すると同時に投降してきた。
では、元々の民達はどこに行ったのかというと……。
連合軍が解体され各陣営が続々と自軍の領地へと戻って行く中、長安から護衛を引き連れた集団が大量に現れることがあった。
それこそ洛陽に元から住んでいた民達であり、黒纏が前もって説明し長安へと避難していた者達であった。
これら全ての民を引き入れ家に帰す、という作業が発生し、当時周辺の警戒任務にあたっていた孫堅軍がこの作業を担当した為、孫堅軍だけが自領へと戻るのが遅くなったとか。
復興作業を終えすぐに帰ろうとしていた孫堅達にとって迷惑この上なかったが、戦闘直後で休みなく復興作業に従事していた彼らの兵にとっては、ちょうどいい休憩にもなっていたので結果オーライとはこのことなのか。
ここに至るまで全てを見越した上でのことなのか、その答えを知る術は策を考えた本人に聞くしかないのだが。
戻ってきた洛陽の住民達は、荷物を自宅へと運び込むと自ら率先して復興作業に従事していった。
その為、孫堅軍の文官達は事後処理に追われてんやわんやしていたが、手の空いた武官達は短いとはいえ少しずつ休憩を得ることとなった。
黒纏のその後の行方の捜索、および洛陽周辺の警戒任務にあたっていた周泰ーー明命も、一時的な休息を得た者の一人である。
「……はっ!」
洛陽の城壁、その一部。
幅はそれほどないが直線距離がやや長いこの場所で、明命は短い休憩時間を利用して鍛錬を行っていた。
「…………じゃない。……もっと……」
艶のある長い黒髪を靡かせ、何度も駆けては何事か小さく呟き、また駆けていく。
そんな彼女の脳裏にはある光景が映っていた……。
私から少し離れた先には剣を構えた男の人。
その人が「いくぞ」と短く言葉を発した直後、姿が一瞬ブレてーーと思った頃には目の前にいて頭を撫でられていたのです。
衝撃的でした。
一瞬で距離を詰められていたことも、予告されていたというのに全く動きが見えなかったということも。
なにより、撫でられたことに満足していた自分自身に。
たった一度、それだけだったのにあの人は……私の何かを奪い去っていったのです。
居ても立ってもいられなくて、どのように動いているのかを聞いてみました。その男の人――黒繞様に。
黒繞様は困った顔をしながらも丁寧に説明してくださり、しかもコツまで教えて頂きました。
それからずっと練習を重ねているのに、未だに確たる実感を得られていないのは、せんす? というものが足りないからなのでしょうか。
どのようにしたら良いのでしょうか。出来ることならもう一度ご教授を……と願わない日はありません……。
途中で鍛錬を止め、物思いに耽る明命。その姿を影から見守る姿があったが一切気付く様子は無い。
徐々にだが確実に、黒繞という者は良くも悪くも各陣営へと影響を現していた。
【あとがき】
皆様こんばんわ
九条です
華雄さんからの投稿のはずが、どうしてこうなった!
3人分をまったり書いていたら……なぜか明命の話が出来上がっていました
時系列をあわせるために、現在華雄さんの話を大幅改稿中だったりします(汗
音々の話はおそらく以前もらったネタでいく予定
なかなかデレさせるのが難しいところですけどね
5月の初投稿から7ヶ月
これで今年の投稿は最後となります……たぶん(ぁ
支援やコメント、お気に入りはもちろんのこと
ここまで閲覧してくださった皆様に多大なる感謝を
あと2話で拠点も終わり、新作の製作に掛かる予定ではありますが
それまで今しばらくお付き合いお願い致します
応援ありがとうございました!
来年も宜しくお願い致します!
P.S
短いぞ! という苦情は受け付けません
別に九条だからっていうわけではありません。ほんとですよ?(ぁ
説明 | ||
前半説明、後半本編 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
1934 | 1730 | 6 |
コメント | ||
>続き 言ったとおり音々は確定です。でもあのネタ通りとはならないかも? 影華(司馬懿)に勝つイメージが湧かないのですもの……w(九条) >観珪様 原作では明命がなぜ一刀くんを慕ったのかが詳しく書かれていなかったため(記憶では)、こちらでは深に変わっていますがその理由みたいなものを書いてみました。それはあなたの心です!(ドヤァ) (九条) >naku様 なんて素敵な言葉なのでしょう! ひとまずただいまです。歓迎と言葉で言われると嬉しいものです。ありがたやありがたや(九条) 来るーきっと来るーねねが来るー 楽しみにしておりますよ! 深くんは大切なモノを盗んて行きました(神余 雛) |
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