リリカルなのは〜翡翠の戦士と7つの才牙〜
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〜過去のなのは視点〜

 

お父さんが事故に遭い、お母さんがお店と病 院を往復するようになり、お兄ちゃん達が無 茶な修行とお店の手伝いで一人でおうちにい ることが多くなった私。

 

ワガママも言わないで迷惑もかけないように良い子になろうとしていた私はある日、公園にいた。

 

一人でいる不安に押しつぶされそうになったから。公園に行けば少しは不安が解消されると思ったから。

 

結局解消はされなかった…当たり前だよね、だって一人でいることには変わらないんだから 。

 

誰にも話しかけられず泣きそうになってうずくまっていると声をかけられた。

 

「そんなところでうずくまって、どうしたん だ?嬢ちゃん」

 

声がした方を向くと知らないお兄さんがベン チに座っていた。

 

でもさっきはあんなところに人なんていなか ったような…。

 

それでも話しかけられたのが嬉しくてそのお 兄さんに近付く。

 

「なのはをよんだのはおにいさん?」

 

「うん、そうだよ、お嬢ちゃんが一人でいるのは 何でかなって」

 

「…なのはのおとうさんね、事故で入院してる の。おかあさんとおにいちゃんとおねえちゃ んはお店でがんばってはたらいてるの」

 

それを聞いたお兄さんは悲しそうな顔をした

 

「…そうか…寂しくない?」

 

「…わがまま言ったら嫌われちゃうもん…だから良い子にしなくちゃいけないの」

 

私がそう言うとお兄さんは不思議そうに言った

 

「子供はわがままを言うのが仕事だよ?そんなことで嫌いにならないよ」

 

「そうかな…」

 

「うん、言ってみたら良いよ…言葉にしなくちゃ伝わらない事なんだから」

 

そういう話をしてお兄さんから名前を聞こうとした時。

 

「俺は…」

 

お兄さんが名前を言おうとして私が瞬きをし た瞬間、まるで初めからそこにいなかったよ うにいなくなっていた。

 

もしかして私は夢でも見ていたのだろうか。

 

あれからお母さんに寂しいという事を言ったら泣きながら「気付いてあげられなくてご免なさい」ってあやまられたの、そして一人でいる事があまりなくなったの

 

あの時のお兄さんにお礼を言いたくて毎日公園に通ってみたけどお兄さん には会えなかった…やっぱり幻だったのかな。

 

小学校一年生になって、お友達もできて…また あのお兄さんに会いたいと思った。

 

一人だった私に唯一あの時声をかけてくれた 、いつの間にかいなくなっていたあの人。

 

「会いたいなぁ…」

 

「誰によ?」

 

「それはね………あーーっ!」

 

あのお兄さんのことを言おうとアリサちゃん の方を見た瞬間に視界に入った公園の…そのベ ンチに座っている人。

 

それは、私が会いたいと思っていたお兄さん だった。

 

お兄さんの名前はゼンというらしい… どうやって書くんだろう。

 

「ああ、こう書くんだ」

 

そう言って地面に指で見たことが無い字を書いたお兄さん… 外国の人かなぁ。

 

「あの時のアリサちゃん可愛かったよね〜」

 

「すずか、は、早く忘れてってば」

 

「あはは…あれ?」

 

気がつくと、いつの間にかゼンさんはいなく なっていた。

 

「ゼンさん?」

 

「なによ、何も言わずに帰っちゃったの?」

 

「というより消えたような…」

 

もっとお話ししたかったのに。

 

でも、また会えるよね…きっと。

 

それから三年生になった私は、とある事情から 魔法使いになった。

 

そしてとある宝石をフェレットのユーノ君と 一緒に探していた。

 

その中で1人の悲しい目をした女の子と会った。

 

その子と友達になりたい…けど話を聞いてくれない…どうすればいいかなと公園のベンチに座って考えていた

 

「よう、なのは」

 

「わぁっ!?」

 

いきなり声がしたと思ったら隣にゼンさんがいてつい叫んでしまった

 

「んな驚かんでも…(^_^;)」

 

「あ、ご免なさいゼンさん…じゃなくていつからそこに?」

 

「…さぁ?」

 

「さ、さぁって…(^_^;)」

 

私の問いかけの答えについ苦笑してしまった

 

「なのは、何かあったか?」

 

私を見て何か気付いたのかゼンさんがそう聞いて来た

 

「えっ?な…何もないよ?」

 

「どもった時点で説得力無いよ、それに雰囲気がどこか最初に見たときと似ている。」

 

ゼンさんがクスクスと笑いながら私の頭を撫でてや る。

 

私はびっくりしたけどゼンさんを見た後に気持ちよくてふにゃりと笑顔になった。

 

「なのは、ペンダントなんて買ったんだな、 よく似合ってるじゃないか…それに、背も伸び た」

 

「にゃはは…そりゃあ伸びるよ、私もう三年生 だもん」

 

"そんなに経つのか"ってゼンさんがそう呟いていた

 

「…ねぇゼンさん…教えて欲しいことがあるの 」

 

私は悩み事を話した

 

「私はその子とお友達になりたい…でもその子 はお話を聞いてくれなくて名前も教えてくれ ない…どうしたらいいかな」

 

私の質問にゼンさんはうーんと唸った。

 

やっぱり、いきなりこんなこと言われても困 るよね…そう考えていたら。

 

「まず自分のことを話せばいいさ」

 

そう答えが帰ってきた。

 

「自分の名前とか年齢とか趣味とか何でもい い、まずは自分から自己紹介だ。名前を聞く ならまず自分から…もしくは自分から友達にな ってくださいって言うか…それでも話を聞いて くれない、答えてくれないってんなら…」

 

少しワクワクドキドキしながらその先を待つ 。

 

でも出てきた答えは私をずっこけさせるには 充分だった。

 

「どうしよっか?」

 

地面に顔からつっこんでしまった…うう、痛い の。

 

でもゼンさんの話は為になった。

 

そうだ、まずは私から自己紹介しよう。

 

温泉では聞けなかったあの子の名前を聞こう 。

 

「ゼンさんありが……あれ?」

 

後ろを見るとゼンさんの姿はなかった。

 

まるでそこに初めからいなかったように。

 

それから私はユーノ君、時空管理局ってとこ ろの局員のリンディさん、エイミィさん、ク ロノ君、その他局員の人達、友達になりたい と思っていた女の子のフェイトちゃん、その 使い魔のアルフさん。

 

みんなと一緒にとある事件を解決出来た。

 

いっぱい悲しいこともあったし、フェイトち ゃんとしばらく離れることになったけど…また 会えるから今はさよなら。

 

そしてフェイトちゃんとしばらく会えなくな るその日、私は少しだけフェイトちゃんと会 えることになった。

 

その場所は…ゼンさんがいつも座っていたベン チの前。

 

私が希望したのだ。

 

フェイトちゃんと名前を呼び合って友達にな れた。

 

少し泣いちゃったけど、フェイトちゃんが抱 きしめてくれて、思い出にリボンを交換して 。

 

そしてクロノ君が帰る時間と言って、みんな 帰っていってしまった。

 

「あれが友達になりたかった子か?可愛い子だ ったな」

 

「うん!…え?ゼンさん?」

 

ゼンさんの声が聞こえたのに、ゼンさんの姿 はない…気のせいかな。

 

そう思った時、ふと左手に違和感を感じたの で左手を開く。

 

そこには見覚えのある青い細い布…それはゼンさんが髪を縛るのに使っていたもの。

 

「ゼンさん!」

 

そう叫んでみても何も帰ってこない。

 

数回しか会ったことがない不思議な雰囲気の お兄さん。

 

最初に会った時から一度も忘れることはなか った。

 

もしかしたらもう会えなくなるんじゃ…そんな 不安が胸をよぎった時に耳元で一言囁かれた 。

 

「またな…なのは」

 

すぐに後ろを振り返るもやっぱりそこにゼンさんの姿はない。

 

けれど不安はもうなくなっていた。

 

「…うん…またね、ゼンさん!」

 

いつかまた…きっとまた会おうね!!

〜過去のなのは視点修了〜

 

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「…っていう事があったの」

 

「へぇ〜〜〜〜………」(剣也ファミリー、聖兄弟以外の全員)

 

なのはの過去の話を聞き、皆が関心していた

 

「そう言えばいたわね、そういう人」

 

「不思議な人だったよね」

 

アリサ、すずかが思い出した様な声で言った

 

「じゃあ、今なのはが着けてるそれって…」

 

フェイトがなのはの髪を結んでいる青い布を見て聞いた

 

「うん、ゼンさんが着けていたものだよ、片方は似たようなものだけど」

 

「にしても良い話やなぁ…」

 

「うん♪」

 

なのは達が話をしているのを聞きながら剣也は念話でウィルと話をしていた

 

「《ロード……先程の高町さんのお話ですが…》」

 

「《ウィル、言うな…それ以上は…》」

 

剣也は思い出したのかウィルの言葉を止めた

 

「《いや…しかし、不思議では?》」

 

「《…確かに…この子の話を聞くと俺がこの世界に転生する前にみた夢にかなり類似しているな》」

 

そう…なのはが話した話は剣也がこの世界に転生する事になる出来事が起こる前に見た夢とかなり…いや、全く類似しているのである

 

「《ま、おかしくはない出来事だけど》つまり、そのゼンさんにお礼を言いたくて探していると」

 

剣也は念話でウィルと会話しながらなのはに聞いた

 

「《どういう事ですか?》」「うん、そうなの」

 

「《夢というのは体という器が眠っている間に魂が別の世界に行く事で起こる…っていう説があるからな…この世界に魂が来てしまった、と仮定すれば不思議は無い》残念ながらゼンという人は知らない…すまない」

 

「《成る程…》」「ううん、謝らなくて良いの」

 

ウィルは納得、なのはは残念そうな顔をしてから慌てて首を振っていた

 

「ありがとうね、手伝ってくれて」

 

「いえ、好きでやっていますから」

 

そう会話しながら桃子さんとアイが料理を運んできた

 

話の続きは食べてからにするという事になり、食べようとした矢先に今まで黙っていた聖兄が いきなりアイ達に話し掛けてきた

 

「なぁ飯食う前に話しない?勿論なのは達も」

 

「………………」

 

アイはめちゃくちゃ冷たい目で聖兄を見た

 

「「???」」

 

杏樹とローズは首をかしげていた

 

「…………………」

 

なのは達は無表情になった

 

「おいコラ!!クソモブ!!俺の嫁に話しかけんじゃねぇ!!」

 

「は?てめぇ何言ってんだ、なのは達は俺の嫁だ!!殺すぞ!!ヘタレモブ!!」

 

なんか知らんが喧嘩が始まった

 

「……何?この低レベルの喧嘩」

 

「何時もの事だ、気にするな」

 

剣也の呟きにシグナムが答えた

 

「何時も…なの?」

 

「うん……オマケに魔法も使うから大変だよ、後始末」

 

アイは呆れた顔をしながら言い、フェイトは疲れた顔をしながら言った

 

「おにぃちゃ」

 

「ん?どうした、杏樹」

 

杏樹の一言で聖兄弟の喧嘩は止まる

 

「あの二人おにぃちゃより弱いよ?」

 

「「何ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃに!?」」

 

バトルフラグ、立ちました

 

説明
第十二話過去の話、そして次からバトル
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