真恋姫無双幻夢伝 小ネタ4『真桜の閃き その1』
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   真恋姫無双 幻夢伝 小ネタ4 『真桜の閃き その1』

 

 

「では、皆の者、お疲れ様!」

「「かんぱーい!!」」

 

 アキラの音頭で李靖軍の忘年会が始まった。汝南城内の宴会場に集まった武将や文官たちが一斉に盃を交わす。

 独立してから初めての年越し。曹操軍や孫策軍との同盟も成立して袁術軍との戦いも連戦連勝の最中、忘年会の雰囲気も最高に良い。ついつい諸将の飲酒のスピードも上がり、あっという間に宴会場は混沌と化した。

 

「今日は無礼講だ!」

 

 アキラは各将にお酒を注がれながら、赤ら顔でそう宣言していた。その言葉に目を光らせたのは“李靖三羽烏”の1人、真桜だった。彼女はおもむろに席を立った。

 

「真桜ちゃん、どうしたの?」

「どうしたんだ?」

 

 彼女は2人に笑顔でVサインを送った。先ほど挨拶したにもかかわらず、またアキラの元に向かっていく。2人はお互いに首をかしげて、真桜について行った。

 真桜はアキラの元に行くとそっと耳打ちしようとした。2人もその耳元に集まった。

 

「真桜か。なに?」

 

 アキラが右耳を傾ける。真桜は3人だけに聞こえるような音量で尋ねた。

 

「なんでうちらを襲わへんの?」

 

 アキラは耳を疑う。凪は顔を真っ赤にする。沙和は口元を抑えた。それぞれ三者三様の反応を見せ、そして3人とも真桜の顔を見た。しかし真桜は悪びれも無く言うのだった。

 

「いや〜、どうしても気になったんや。隊長、女好きやのになんでかなって思って。ほいで無礼講ってことやし、この際聞いとこって」

 

 満面の笑みでアキラの顔を覗く真桜。後ろの2人ははらはらと見守っていた。

 一方でアキラはしばらく言葉に迷った後、ハアとため息をついた。

 

「…これが終わったら答えてやるよ」

 

 

 

 

 

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 忘年会終了後、千鳥足のアキラはふらふらと自室に戻ってきた。ようやくベッドに辿りついた彼は、暗い部屋の中に月影に照らされた人影を見た。

 

「たいちょ〜う、おしゃべりの時間やで♪」

「隊長。す、すみません」

「教えて!隊長!」

 

 笑顔の真桜と沙和、そして申し訳なさそうな凪が待ち構えていた。3人ともお酒臭い。アキラは例の約束を思い出し、頭を抱えた。

 

「やっぱり話さないとダメ?」

「ダメなの!」

「それかこの場で抱いてくれてもええで」

「ま、真桜!なにを!」

 

 慌てふためく凪を見て、2人は思いっきり笑った。この一年で一番変わったのは彼女だろう。

 そんな穏やかなシーンの間にアキラは決心を固めた。

 

「分かったよ。言うさ」

 

 3人が興味津々にアキラの方を見る。彼は滔々と昔話を始める。といっても彼が横浜にいた時の頃(三回目の人生)の話で、それは分からないように話し始めた。

 

「俺も昔は付き合っている奴がいてな」

「やっぱり美人だったの?!」

「まあ美形だったな。だけど性格に難があって」

 

 アキラの顔色がサッと青く変わった。暗い部屋でも分かるほど。

 

「俺がクラスメイト、いや、同郷の女と話していたら、何か勘違いして」

「勘違いして?」

「刺された」

 

 あっさりと言ってしまった。3人はウッと息を飲む。アキラは言わなかったが、これが三回目の人生の死因である。そして彼は話の締めに入った。

 

「つまりだ。もう俺は女とは深い付き合いはしたくないんだ」

「それで後腐れのない遊女を嗜んでおられると」

「それは言い方が悪いとは思うが、単直に言ってしまえばそういうことだ」

 

 アキラは自分の説明に満足したようにゆっくりと頷く。ところが聞き手はそれに納得しなかったようだ。3人が一斉に叫ぶ。

 

「ズルいです!」

「それはズルイで!」

「ズルイの!」

「な、何が?!」

 

 驚くアキラに3人はもっと言い寄った。

 

「隊長!こっちをその気にさせるようなことをイッパイしといて、それはダメなの!」

「うちらにもチャンスが欲しい!」

「隊長の気持ちを必ず変えてみせます!!」

 

 三羽烏は「エイエイオー!」と掛け声をあげて部屋を出て行った。唖然とするアキラは置いていけぼりにされて、すっかりと酔いが覚めてしまった。師走の最後の日のことだったという。

 

 余談だが、この時の勢いに任せた発言を思い出して、悶絶する凪がいたとかいないとか。

 

説明
幻夢伝、大みそかバージョン。
凪・真桜・沙和が主役です。
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 沙和 真桜 幻夢伝 オリ主 恋姫†無双 

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