真・恋姫?無双 武 6話
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『森にて』

 

 

 

<森>

 

一刀たちは森の中を歩いていた。ジリジリと日光が降り注いでくる。いくら森の中といっても、その日光と言う名の魔の手は一刀たちを蝕んでいく。そして、限界が来た。

 

鈴々「うにゃー!!!暑いのだぁああ!!」

 

鈴々は怒りをぶつけるかのように太陽に向かい叫んだ。

 

一刀「鈴々!暑いときに暑いって言っちゃダメ!!」

鈴々「暑いんだから仕方ないのだ!!」

 

正論であった。暑いから言うのであって暑い以外のときには言わない。

 

一刀「心頭滅却すれば暑さも寒くなる!・・・・かも。」

思春「でも、兄さん、この暑さは辛いものがあります・・。」

 

思春はそう言いながら手で煽いでいた。思春の身体から汗がほんのりと出て、暑さのあまりか、はぁ・・はぁ・・と息を荒げている。周りを見ると恋も鈴々もそのような状態だった。正直なところ、それは艶やかと言っても過言ではない姿だった。一刀が暑さでばてていなかったら迷うことなく擦り寄っていただろう。そんな時だった。

 

恋「・・・・・・・?、涼しい風?」

 

それまでぐったりとしていて一言も喋っていなかった恋が横からの涼しい風に反応し言葉を発していた。

 

一刀「え?・・・・確かに風が涼しい、それにこの音は・・・まさか!」

 

一刀はある予想が脳裏に浮かぶ。そして、にんまりと笑った。

 

鈴々「何なのだ〜(ぐったり)。」

一刀「フフフ〜♪喜べ、我が家族たちよ!この先に桃源郷が存在するぞ!!」

思春「と、桃源郷ですか?」

一刀「ああ、俺たちにとってのな♪よし!いくぞ!」

 

そういうと一刀は茂みのほうへ走り出して行った。

 

思春「ちょ!?ま、待ってください!!」

鈴々「何か良いものがあるのか!?」

恋「風、涼しい・・・。」

 

慌てて、残された3人は一刀を追うのであった。

 

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<滝>

 

一刀「おお!!やっぱり!!!」

 

茂みを抜けるとそこにあったのは大きくはなく、小さくもないというぐらいの大きさの滝があった。先ほど吹いていた涼しい風はここから来たのだ。

 

恋「・・・・涼しい。」

鈴々「着いたのだ〜って、おお!?」

思春「ま、待ってくださ〜い。」

 

一刀に少し遅れて恋、鈴々、思春という順番に茂みから出てくる。そして、3人とも出てきた後は皆同様に滝を見て少し驚いていた。

 

思春「滝、ですか。確かに今の私たちには桃源郷とも言えますね。」

一刀「ふふふ♪そうだろ?見つけた俺を褒めてもいいんだよ?(チラチラ)」

 

一刀は家族たちをチラチラと見る。

 

鈴々「冷たそうなのだ♪」

恋「・・・・冷たそう♪」

一刀「・・・・・・褒めていいんだよ・・。(しょんぼり)」

思春「あ、ありがとうございます!兄さんはやっぱりすごいです!!」

一刀「ありがとうな思春〜。(なでなで)」

思春「・・・・ぅ。(/////////)」

 

泣きながら一刀は思春の頭を撫でると思春は嬉しいのか恥ずかしいのか頬を染めて俯く。

 

一刀「さて、それじゃ、ここで昼飯を含めて休憩にしようか!(なでなで)」

 

一刀は思春を撫でながら提案をする。

 

恋「うん!」

鈴々「さすがお兄ちゃんなのだ!!」

思春「・・・・・ぁい。(////)」

 

それを確認して一刀は話を進める。

 

一刀「よし!それなら恋と鈴々は食糧調達!川魚捕っていてくれ!俺と思春は洗濯するから。」

恋・鈴々「「分かった(のだ)。」」

思春「え、えと、分かりました。」

 

・・・・・・・洗濯?

 

思春は一刀の言葉に少し疑問があったが2人に続いて了承する。

 

鈴々「それじゃあ、早速行ってくるのだ!(ぬぎぬぎ)」

恋「・・・・行ってくる。(ぬぎぬぎ)」

思春「え、ちょ!?」

 

恋と鈴々は次々と服を脱いでいき、あっという間に裸になって川に飛び込んでいった。思春が何が起こった分からず目をぱちぱちとしている隣で一刀は2人の脱いだ服を拾っていく。

 

一刀「っと、じゃあ思春、洗濯にいくよ。」

思春「え、あ、あの・・・・・・・・・・・はい。」

 

思春は何か言いたそうな感じに言葉が詰まったが少し考え自分が間違っているんだと結論し、一刀について行った。

一刀「ほいほいっと。(ごしごし)」

思春「・・・・・。(ごしごし)」

 

一刀と思春は恋と鈴々の服を黙々と洗っていきあっという間に洗い終えていた。

 

一刀「ん、これで終わりだな。」

思春「ですね。」

 

ふぅと思春は一息して答える。

 

一刀「なぁ思春。」

思春「何ですか、兄さん?」

一刀「服脱いで。」

思春「ぶっ!?」

 

突然の服を脱げという言葉に思わず吹き出す。少しの間、げほげほと咳き込み、なんとか息を整え一刀に向かい合う。

 

思春「な、何故ですか兄さん!?」

一刀「え?服を洗うからだけど?」

 

一刀は何気ない感じに言い、思春は“ああ、なるほど・・“と思い、洗濯した服たちを見る。

 

思春「分かりました・・・で、でわ。」

 

思春はするすると服を脱いでいく。一枚、二枚と服を脱ぎ、下着を脱ぎ、ついに思春は一刀の目の前でその裸体を晒したのであった。

 

一刀「ぉ〜〜〜綺麗だな思春、思わず見惚れてたよ。」

思春「――――ッ!(///////////)」

 

恥ずかしいのだろう、思春は顔を赤らませて俯く。

 

一刀「それじゃあ、恋たちを手伝いに行ってくれないか?あとは俺がやるし。」

思春「い、い、いえ私も手伝います!」

 

思春は俯いた顔を上げ主張するが。

 

一刀「裸で?」

思春「・・・・・・・川魚捕ってきます。(///////)」

 

一刀の言葉で手伝いを断念するのであった。

 

一刀「ん、まぁ、裸見られて恥ずかしいんだろうけど、そこは安心してくれ思春の服を洗い終えたら俺の服だから、俺も裸になる!」

思春「に、兄さんの裸!?ぁ、ぅぅ・・・(///////////////)」

 

一刀の励ましは見事に逆効果であったが、おそらく一刀にとっては効果ありだろう。(おもに裸の少女が異性の裸を意識して恥ずかしがっている状態を間近で見て喜ばない男の子はいないため。実際、一刀はそれを見て喜んでいる。)

 

一刀「んじゃ、いってらっしゃ〜い。」

思春「は、はい・・・せ、洗濯物・・あの・・よろしくお願いします・・。(/////)」

 

“まかせとけ!”と一刀は言いながら手を振って送り出す。そして、思春が見えなくなって一息つく。

さて・・・・と。

 

一刀は思考する。思春の服、おもに下着を持ち、思考する。

 

とりあえず・・・。

 

一刀「嗅ぐか・・・。」

 

くんくんっと犬の様に嗅いでみて、ワンテンポ置き、そして顔を埋めた。

 

めっちゃええ匂いがする・・・。

 

思わず関西弁のような口調になるぐらいそれはいい匂いがした。

 

恋とか鈴々もそうだけど、女の子って何でこんないい匂いがするんだろう・・・。てか、女の子の服や下着を嗅ぐなんて初めてだな。今度、機会があったら恋と鈴々のも嗅がしてもらうか・・。

 

そう思いながら一刀は5分くらい顔を埋めたまま匂いを堪能したのであった。

一刀が変態行為をしている時、思春は何かを感じ、見えないが一刀の方へと振り向く。

 

思春「ん?・・・何か嬉しい様な恥ずかしい様な変な感じが・・・まだ、兄さんに裸見られて恥ずかしいのかな・・。」

 

思春がそう考えながら歩いていると。

 

思春「あ、恋さんに鈴々だ・・・何してるんだろう?」

 

何をしてるのかは思春は分かっている。そう川魚を捕っているはずだ。だが、恋は流れる川の中でただ棒立ちになっていて、鈴々は近くの岩場に座りそれを眺めているのだ。とても、川魚を捕っている様には見えなかった。そこで、思春は鈴々の方へと近づいていて聞いてみることにした。

 

思春「あの・・何をしてるんですか?」

鈴々「しぃーーなのだッ。(ごにょごにょ)」

思春「え?・・・な、何をしてるの?(ごにょごにょ)」

鈴々「見てれば分かるのだ。(ごにょごにょ)」

 

そう言われ、思春はとりあえず鈴々が見ている恋の方に目を向ける。恋は相変わらずただ流れる川に棒立ちでいる。川魚が何匹も周りで泳いでいる中、恋は棒立ちでいた。本当に何をしているか分からない思春は恋から目を逸らし、鈴々にもう一度問おうとしようと考えた時だった。

 

 

 

 

 

恋「―――――――――。」

 

 

 

 

――――恋の周りの水が弾けた。

 

 

思春「な!?」

 

一体、何が起こった!?

 

思春は今目の前で起こった出来事が理解できなかった。突然、恋がゆらりと少し揺れたその瞬間、周りの水が弾けた。それは分かっている。だが、それしか、分からないのだ。だからこそ、思春は困惑していた。

 

思春「一体、何が・・。」

鈴々「あー・・・思春、後ろに一歩下がったほうがいいのだ。」

思春「え?何で?」

鈴々「いいから。」

 

鈴々にそう言われ、素直に一歩下がる。すると・・。

 

ドサドサドサドサドサドサドサッ!!!!!

 

空から大量の何かが降ってきたのだ。

 

思春「ひゃ!?な、何・・・・ってこれは!」

 

思春は驚きながらもその空から降ってきたものを見た。それは。

 

思春「さ、魚!?」

 

そう、川魚であった。

 

鈴々「おぉ〜大量なのだ〜さすがは恋ねぇちゃんなのだ。」

恋「・・・別に大したことしてない。」

 

鈴々の言葉に答えながら恋は魚が落ちている場所に上がり魚を拾っていく。

 

思春「あ、あの・・・れ、恋さん?」

恋「?・・・何?」

思春「さっきのは何をしたんですか?」

恋「・・・恋の周りにいた川魚を弾いた。」

 

その言葉に思春は唖然とする。つまり、さっきの水が弾けたのは恋が川魚を弾いたことによって起こった出来事だったのだ。

 

思春「弾いてる姿が見えなかったんですが、一体どんな速さだとそんなことが・・・。」

鈴々「思春、鈴々もまったく見えなかったから安心するのだ。いつか見えるのだ。」

思春「・・・ありがとう鈴々。」

鈴々「まぁ、速さよりもあれだけの速さで弾いているのに魚に傷一つ無いのが驚きなのだ。」

思春「・・・・・・・・。」

恋「・・・?」

 

2人して溜め息している中、恋はそれを不思議そうに眺めるのであった。

 

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一刀「お〜い!!」

 

一刀の声が聞こえ恋は振り向く。すると、一刀は手を振りながらこっちに歩いてくるのが見えた。

 

恋「・・・一刀。」

一刀「恋、魚捕れた?」

恋「うん、捕れた。」

一刀「おお!大量だな!ありがとうな恋。(なでなで)」

恋「〜♪」

一刀「それで、何で2人は俯いてんだ?」

 

一刀がそう言いながら俯いている鈴々と思春を見る。

 

鈴々「・・・色々とあるのだ。」

思春「・・・です。」

 

少し落ち込んでいる2人は未だに顔を上げない。

 

一刀「そっか、なら魚も早く捕れたわけだし、少し遊ぼうぜ。」

 

そんな2人を元気づけるためか、ただ単純に遊びたいだけか一刀はそう提案した。その言葉に3人はピクッと反応を示す。

 

恋「うん。」

 

恋はいつも通りに頷く。

 

鈴々「!、賛成なのだー!」

 

鈴々は顔を上げ嬉しそうに大きな声で賛同する。

 

思春「はい、私もs・・・。」

 

思春も鈴々に続いて顔を上げ賛同しようとするが、顔を上げた瞬間ピタッと時間が止まるように固まった。

 

一刀「?どうした思春?」

 

一刀は急に止まった思春に対し呼びかける。何故、思春が今現在固まっているのか、それは一刀の現在の姿を見ればはっきりする。端的に言おう。一刀は現在全裸だ。つまり、それを見て思春は止まっているわけだ。いきなり、異性の裸を見たら固まりもするだろう。だが、そこは真面目な思春、なんとか言葉を紡いだ。

 

思春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ひゃんへいれす。(///////////)」

 

・・・舌が回っていなかったが。

 

一刀「よし!みんな賛成ということで今から遊ぶぞぉ!!」

 

一刀はそう言うと滝がある所まで駆け上がると。

 

一刀「ほら、みんな来てみな〜!」

 

上から3人を呼ぶ。

 

恋「ん。」

鈴々「今行くのだー!」

思春「・・・・って、え、ま、待ってください〜。」

 

3人は一刀の元へと登って行く。

 

恋「一刀、着いたよ。」

鈴々「とぉ〜ちゃくなのだ!」

思春「ふぅ、着いた・・。えと兄さん一体何をするんですか?」

 

3人は次々と辿り着き、そして、最後に辿り着いた思春は一刀に尋ねた。

 

一刀「え?何をするってそんなのここから飛び込むんだよ?」

 

 

 

思春「・・・・・・え?」

鈴々「おぉ!面白そうなのだ!」

恋「・・・楽しそう♪」

 

恋と鈴々は嬉しそうに答える。それを見て一刀も笑いながら話す。

 

一刀「だろ?それじゃ、誰から行く?」

恋「恋から行きたい。」

一刀「恋から行きたいなんて珍しいな〜。鈴々はいいかい?」

鈴々「ん〜恋ねぇちゃんならいいのだ!」

恋「・・・ありがとう鈴々。」

 

恋はそう言うと滝の方へと向き。

 

恋「・・・じゃあ、行ってくる。」

 

高々と飛び降りた。

 

ドボーーーーン!!

 

水音が鳴り、一刀たちは下を見る。すると、少しして恋が“ぷはっ”と言いながら水面から顔を出しこっちに手を振っているのが見えた。一刀と鈴々の2人は手を振りかえしながら話し始める。

 

一刀「鈴々どうする?次行きたい?」

鈴々「もちろんなのだ!」

一刀「だよな〜。んじゃ、行ってきな。」

鈴々「うん!行ってくるのだ!!」

 

鈴々もそう言うと滝の方へ向き飛び降りて行った。

 

ドボーーーーン!!

 

さっきの恋と同じように水音が鳴り、水面から顔を出して、恋と顔を見合わせ笑った後、こっちに手を振っていた。

 

一刀「ははは♪さて、思春、先2人に譲らせて悪かったな。次は思春が行っていいからな。」

 

一刀が笑いながらそう言うと。

 

思春「・・・・・・・・・・・・・にいさん。(ぎゅっ)」

 

思春は一刀の手を握ってくる。

 

一刀「どうした?」

 

一刀が訊くと、思春は少し青ざめていることに一刀は気付いた。

 

思春「ここから私1人で飛び降りるなんて無理です・・・・!死んじゃいます・・・ッ!!」

 

思春は半泣き状態で無理無理と首を横に振りながら一刀に訴えかける。

 

一刀「そうなの?」

思春「!、!!(こくっこくっ)」

 

か、かわいいッ・・!

 

一刀は内心そんなことを思いながら、どうするかと考えていると “ピコーン!”と言った感じに何か思いついたらしく思春に話しかける。

 

一刀「なぁ、思春1人だと飛び降りれないんだよね?」

思春「無理です!!」

 

“だったらさ・・・”と一刀は言い、思春を抱きかかえる。

 

一刀「こうして、一緒に飛び降りたら大丈夫だよな?(ぎゅ〜ぅ)」

思春「ふぇ!?ぁ、あの、ちょっ!!?(////////)」

 

思春は驚く。今日で何回驚いているかもう分からないが驚く。確かに1人だと飛べないと言ったが別に一刀と一緒に飛びたいとか飛べれるとかでは無かったのだ。ただ単純に怖くて飛び降りれないからなのだ。なのに、今こうして抱きかかえられ今にも飛び降りそうになっているのにまったくと言って恐怖を感じなかった。

 

だからだろうか?

 

一刀「それじゃ、行くぞ!思春!!」

思春「ま、まっtきゃぁああああああああ!!!?」

 

飛び降りた瞬間、下の景色が綺麗だと思ったのは。

 

 

 

 

 

ドボーーーーーーン!!!!

 

さっきの2人に比べ大きい音がした。そして、少しすると一刀と思春は同時に水面から顔を出す。

 

思春「けほけほ!っはぁ・・はぁ・・・。」

一刀「ふぅ、楽しかったな思春♪」

思春「に、兄さん!心構え位させてください!!ビックリしましたから!!」

一刀「ごめんごめん♪でも、話す感じ平気そうだな。・・・まだ怖い?」

思春「・・・・・怖くは・・ないです。(/////)」

 

さっきまで抱きつかれていたことを思い出し照れ混じりに答える。そうしていると・・・。

 

恋・鈴々「「・・・・・・・・・・・。(む〜)」

 

恋と鈴々がむ〜とした表情で2人を見ていた。

 

恋「・・・2人ともずるい。」

鈴々「ずるいのだ・・すっごいずるいのだ・・・。」

一刀「な、何で?いや、何でですか?」

恋「恋と鈴々も家族なのに・・・2人だけずるい。」

鈴々「そうなのだ!ずるいのだ!鈴々たちも一緒に飛び降りたいのだ!!」

一刀「あ・・そういうことね・・。」

 

一刀は少し笑いながら提案した。

 

一刀「なら、今度は全員でやろうか。」

恋・鈴々「「うん♪」」

一刀「思春も大丈夫?」

 

一刀に訊かれ、思春は答えようとするがそれを止める。そして、一拍置いた後一刀に笑顔で答えた。

 

思春「もう、怖くはありませんから♪」

 

 

 

―――その後、今日一番の水音が鳴り響き、少年少女の笑い声が((谺|こだま))したのであった。

 

パチパチッと火が弾く音がする中、一刀たちは川魚を焼いていた。ちなみに服はこの日差しで直ぐに乾き皆着ている。

 

一刀「もういいかな?(もぐもぐ)・・ん、いいね。みんなもう食べてもいいよ。」

恋「おいしい♪(もぐもぐ)」

鈴々「うま〜♪(もぐもぐ)」

思春「おいしい!兄さん料理上手ですね♪(もぐもぐ)」

一刀「いや、川魚焼く位で上手いも何もないだろ。」

思春「いえ、私が昔焼いたときはこれほど美味しくありませんでした。」

 

そう言われると一刀は少し照れくさそうにしながら頭を掻いていた。

 

一刀「まぁ、これくらいなら直ぐにみんなできるよ。えっと、まず――。」

 

一刀がそう話している時であった。

 

 

 

―――ゃ―――――ぁ―――――

 

 

 

一刀・恋「「!!!」」

 

一刀と恋は突然立ち上がり周りを見渡す。すると、一刀は周りで一番大きい木を直ぐに登り、あっという間に頂上へと辿り着くと何かを探すように遠くを睨みつけるように見つめる。そして、何かを見つけたのだろう。一瞬反応を示すとそこから飛び降りてきた。

 

恋「一刀・・・。」

一刀「気のせいじゃなかったよ。みんな、支度を!」

 

その表情は真剣そのものであり、鈴々と思春は驚きながらも尋ねる。

 

鈴々「・・・どうしたのだ?」

思春「あの、どうしたんですか、兄さん?恋さん?」

一刀「時間がないから簡潔に言うよ。」

 

一刀は準備をしながら言う。

 

 

 

 

 

一刀「―――女の子たちが賊に追われてる。」

 

 

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少女1「はぁはぁ!速く!追いつかれてしまいます!!」

少女2「急ぐの〜!」

少女3「ほれ!姉さん!もっと速せんと!!」

少女4「はぁ、はぁ、う、うん!」

 

4人の少女は走り続ける。なぜなら彼女たちの後ろからは魔の手が迫っているからだ。

 

少女1「まさか・・こんな所に賊がいるなんて・・・。」

少女3「ほんまやで!何でこないな所に賊がおるねん!」

少女2「聞いてないの〜!!」

少女4「私もここら辺に賊がいるなんて聞いたことない・・・。」

 

彼女たちがそう言いながら走っていると。

 

賊「こっちから声がしたぞ――――!!!」

 

魔の手は彼女たちに気付いてしまった。

 

少女1「ッ!まずい!」

少女2「気付かれちゃったの〜!」

少女3「こらまずいで!!」

少女4「声を出したのは失敗だったね。」

少女3「そんなん言うのは助かった後でや!姉さん!」

少女4「・・・うん、そうだった。速く逃げよう!」

 

彼女たちは速度を上げ前へ前へと走る。

 

 

 

しかし・・・。

 

 

 

彼女たち「「「「!?」」」」

 

彼女たちは足を止めてしまう。彼女たちの目の前には岩の壁、つまりは行き止まりであったのだ。

 

少女3「しもうた!」

少女2「行き止まりなの〜!」

少女1「クッ!別の道を探しましょうッ!」

少女4「うん、行こ―――ッ!」

 

彼女たちは振り返る。別の道を探し逃げるため。だが・・・

 

賊1「へへへ、やっと追いついたぜ嬢ちゃんたち!」

 

後ろには数人の賊が下劣な笑みを浮かべながら立っていた。

 

賊2「さて、もう観念したらどうだい?大人しく捕まれば痛いことはしないよ?」

賊3「いや〜、まさかここに来た途端にこんな上物が手に入るなんて運が良いのかもしれないな。」

賊4「ある意味あいつ等の御蔭だな。」

 

そう言うと賊たちは“違いねぇ“と言い笑い合う。その隙に彼女たちはこそこそと話し合う。

 

少女1「みんな・・私が足止めをする・・だがらその内に逃げてくれ・・(こそこそ)」

少女2「アホか・・この人数1人でなんて無理やろ・・ウチも残るで・・(こそこそ)」

少女3「2人とも忘れないでほしいのッ!(こそこそ)」

少女2「ああ・・悪い悪い・・・ちゅーことや・・姉さん・・逃げてくれ・・(こそこそ)」

少女4「・・・娘たちと同じくらいの子を見殺しになんて出来ないよ・・私も残る・・(こそこそ)」

少女たち「「「え!?子供いるの!?」」」

 

彼女たちの1人の少女の突然の新事実に思わず大きな声が出る。無理もない、この少女見た目16、7にしか見えないからだ。だが、今この状況で大きな声を上げればどうなるかは一目瞭然であろう。

 

賊1「何、話していやがる!!!!」

 

一番偉そうな賊が声を荒げる。

 

賊1「まぁ、お前らが何を話していたかなんて検討がつくが・・・どうせ、どうやって逃げるてなとこだろ。」

賊1「だが、残念だったな・・お前らは逃げれねぇよ。」

 

そう言うと“クククッ“と含み笑いをし、話し始める。

 

賊1「お前らは偶然にこの行き止まりに来たと思ってんのか?んなわけねぇだろが、俺たちが追い込んだんだよ!」

賊1「それで、何故ここに追い込んだか・・分かるか?」

少女1「まさか・・・!?」

賊1「ほぉー勘が良いやつがいるな・・・お前の考えている通りだよ・・。」

 

そう言うと、賊は右手を軽く挙げる。そして。

 

賊1「そう――待ち伏せだよ!!!」

 

ガサガサガサッ!!

 

周りの茂みから男たちが現れてくる。さっきまで数人だった賊が一気に何十人という数にへと変貌した。逃げ道は完全に無くなった。

 

彼女たち「「「「―――ッ!」」」」

賊1「さぁ・・覚悟はできたか?苦痛と快楽が渦巻く奴隷への日々のな!!!!」

 

その言葉に彼女たちは身構える。だがそれは、無駄である。そして、そのことは彼女たち自身が一番よく分かっているだろう。さっきまでの数人程度ならば何かしらの方法で逃げ出せれた可能性は無くはなかったが今においてはその僅かな可能性も無くなった。もう彼女たちは捕まり奴隷として生きることになるだろう。今、その未来は変えることは彼女たちには出来ない。

 

 

 

 

 

 

だが・・・。

 

 

 

 

 

???「―――――――――――。」

 

彼ならば出来るやもしれない。賊が彼女たちに近づこうとした時、行き止まりの岩壁の上から来た彼ならば。今現在、彼女たちの目の前に立つ彼ならば。

 

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(少女1視点)

 

少年「寄って集ってこんな可愛らしい女の子たちを囲むなんて、1人で声も掛けれないのか?肝が小さい奴らだな・・。」

 

目の前にいる少年が笑いながら賊たちに話しかける。

 

賊1「・・・ク、ククッ、上から降ってきたときは何だと思ったが・・ただの餓鬼じゃねぇか。焦って損したぜ。」

賊2「一瞬、あいつ等の1人かと思ったぜ・・・。」

賊3「だな。おい坊主!今の発言は聞かなかったことにしてやるから何処かに行っちまいな!!」

賊4「俺たちはこの嬢ちゃんたちを売るっていう大事な仕事があるんでな。」

 

賊たちはほんの少し固まったが降りてきたのが少年だと分かると再び下劣な笑みを浮かべながら近づいてくる。

 

少年「そうか、聞かなかったことにしてくれるのか。そりゃ、ありがたい。実は言い間違えてたんだ・・。」

 

そう言うと賊たちにハッキリと聞こえる声で先ほどの言葉を言い直す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少年「――“アソコ”が小さい奴らだな。」

 

 

 

賊たち「「「「あ゛ぁ!!!!?」」」」

 

その言葉に賊たちは額に青筋が浮かぶ。(彼女たちは分からないだろうが男にとって“アソコ”が小さいと言われるのは最大の侮辱なのだ。)

 

賊1「クソ餓鬼が折角助けてやろうとしたのに・・。」

 

その合図で何人かの賊たちは一斉に剣を抜き・・

 

賊1「そんなに死にたきゃ死ね!!」

 

少年に襲いかかってきた。

 

少女1「あ、危ないッ!!!」

 

少年に降りかかる幾つもの刃を見ながら叫ぶ。本当は助けに行きたかった。だが、足が動かないんだ。それを悔みながら叫ぶ。せめて、この声が力となってくれるようにと叫ぶ。本当はもう駄目だと諦めているのに・・・。

 

ガギィイイイン!!

 

鋭い金属音が鳴り響く中、不思議なことが起こった。今、賊たちは一斉に剣を振り下ろした場所は少年がいた場所だった。あと少しで髪に触れるという位置まで少年は居たはずだ。なのに今はそこには居なかった。ならば、何処にいるのか・・・。

 

少年「・・・・・。」

 

私の目の前にいた。距離的に言うなら一歩くらいの所だ。そこに少年はいた。私たちを見ていた。そして、彼は私たちに安心させるように笑いながら言った。

 

少年「大丈夫、君たちは俺が守るよ。」

 

そう言うと彼は賊たちに向かい合う。何故だろう、その一言で私の力が抜けた気がする。私はその場に座り込んでしまった。恐怖からではない。何故か私は安心しているのだ。この絶望的な状況で。

 

賊1「てめぇら!!何を仲良く地面を斬って固まってやがる!!!早くその餓鬼を殺らねぇか!!!!」

少年「無駄だよ。てか、聞こえてないよ、気絶してるんだからさ。」

賊1「な、何ぃ!?」

 

賊の頭領らしい男はそう言うと固まっている男たちの表情を見る。皆が皆、瞳を閉じていた。

 

賊1「ッ!餓鬼が!てめぇ、何をしやがった!!?」

少年「何を・・と言われると、北郷流柔術“水月”を使ったとしか言えないね。」

少年「何なら、おじさんも喰らってみるかい?」

 

少年はそう言うと賊たちに向かい手招きをする。

 

賊1「な、舐めやがってッ!野郎ども!!この餓鬼をぶっ殺すぞ!!!!!」

賊たち「「「「「「「「「「おう!!!!」」」」」」」」」」

 

その言葉で残った何十人という賊たちが一斉に少年に襲いかかってきた。何十人という賊たちが迫る中、少年は慌てず騒がず只々強い瞳で賊たちを睨む。

 

少年「殺す・・か・・。」

賊たち「「「死ねぇええええ!!!!」」」

 

少年が数人の賊に斬られそうになった瞬間、その数人の賊は宙に舞った。そして、皆頭から落ちていき気を失った。

 

少年「なら、俺はお前らはボコボコにしてやるぜ!!!!」

 

そう言うと、少年は賊たちに走って行った。次々と賊たちは1人の少年によって宙に舞いそして頭から落ちていった。そして、いつの間にか何十といた賊たちは指で数えれる人数にまで成っていた。

 

賊1「(やべぇ、この餓鬼化け物だ!このままだと俺らは全滅だ。)」

賊1「(だがよ・・・・。)」

 

賊の頭領らしき男は含み笑いすると少年がこの男以外の賊たちを投げた瞬間、少年の後ろへと回り込み剣を振り上げた。

 

賊1「幾らお前が強かろうが攻撃をした直後だと隙が出来るんだよ!!!!!死ねぇええクソ餓鬼!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少年「・・・そう言えば“水月“について何も言ってなかったね。」

少年「北郷流柔術“水月”は、相手が無防備だと錯覚し攻撃した瞬間、相手への水月、つまりは相手のみぞおちに打撃を加え怯ませる技のことなんだよ。ちなみに北郷流に隙なんて微塵も無いよ。」

 

少年はそう話すが既に攻撃した賊の意識はなく地面に倒れていた。

 

 

 

 

こうして、賊たちは1人の少年に倒され、少女たちの未来は変わったのであった。

 

 

 

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あとがき!

 

皆様、メリークリスマス!(遅い)あけましておめでとうございます!(早い)

いやはや、遅くなって申し訳ありません。

さて、今回の話は一話完結の話ではありません。今回は前編、次の話が後編となります。

何故、今回そうしたのかと言うと単純にこの前より長くなりそうだから2つに分けようとしたからです。

といわけで今回のお話について語っていきますね。

今回は新たに思春さんが加わり更に賑やかになった家族と新たな出会いを書いてみました。

少女1,2,3は誰か分かると思います。少女4に関しては少しネタバレしてもあんまり気にならないキャラなのでいいますね。

オリキャラです。完璧なオリキャラで御座います。

あと、この話を書いてて気づきました。

この外史の一刀、変態ですね。

 

それでは、コメントについてお話しますね。

 

(アルヤさん)まだプロローグなのでRPGとかの仲間イベントみたいなものだと考えてくださいw

(GUNさん)あほですwそして、変態です。

(アーマイルさん)そこは、追々・・・。あと、この様な形式でコメントを返しているのですがどうでしょうか?

(劉邦柾棟さん)来ましたよ〜。

(いたさん)ありがとうございます!!あと、この形式は辞めた方がいいですかね?

(兎さん)今回の話を見たら想像できると思いますが言いますね・・・YESです!

(猫太夫)いいですよね〜※しかし変態w

(nakuさん)褌は標準装備です!あと、恋も鈴々もすでに一刀のを見て・・・ゲフンゲフン。

 

これからもよければ、いろいろコメントで教えてください。

質問もおkです。

それでは、またいつか会いましょう。

 

 

説明
どうも!お久しぶりです!
忙しくて長らく投稿できていなかったのですが書ける時間ができたのでとりあえず書いてみました。
この作品、実際にはまだプロローグなんですがあと数話でプロローグが終わりそうです。
あと、今回の話は一話完結じゃないんです!(すみません)
詳しくはあとがきに少し書くのでよかったら見てください。
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コメント
続きはまだなの?(デューク)
続きまだかなー?(GUN)
完全に犯罪ですね(兎)
義妹の下着の匂いをかぐ精神年齢二十ウン歳・・・・・・病院が必要だな。(アルヤ)
いえいえ! ただ名前が載るなんて慣れないだけですから! 作者様の方法で良いですよ! 来年も楽しみに待ってます!!(いた)
次回も期待してます♪(地球ジェット…)
おお〜ここで三人娘介入ですか〜 この4人も一刀の餌食かな?(GUN)
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真・恋姫?無双 北郷一刀  鈴々 思春 

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