九番目の熾天使・外伝 -蒼の物語- |
第二話 「刻の中で」
旅団として活動しているBlaz。だが、彼は外部協力者なので基本自由な行動が多いのだ。
そんな理由でBlazは基本はクロガネに居る事が多かったのだ。
Blaz「あー・・・ヒマだー・・・・」
そして、基本呼び出しなどが無いため。こうやってヒマと言ってゴロゴロしているか、機体の整備をしているか。それがBlazの日常だったのだ。
この後、大抵は鈴羽に呼び出されてどこかに行くのだが・・・
鈴羽「うー・・・・ヒマだ・・・」
生憎、彼女もヒマだったらしい。そして、その鈴羽の膝にはニューが気持ち良さそうに寝ていたのだ。
Blaz「んなキーキー暇だって言うなら少しは寝ろ。」
鈴羽「だって眠たくないもーん・・・・」
Blaz「・・・・はぁ・・・だよなぁ・・・」
時刻は艦内設定で昼時。様々な次元世界などを行くクロガネの時計は誰にも変更されないようにされており、例え行った場所が夜でも艦内の時計は朝の時間であったりするのだ。
しかし、このままでは二人共暇で死にそうだ。だが。
鈴羽「じゃあさ・・・・・・・私が行った世界に行ってみる?」
Blaz「・・・お前の言った世界?」
鈴羽の元居た世界。それは2036年と今の時代より十数年後の世界である。彼女はある事情でタイムリープし2010年代に来たのだ。そして、其処で役目を終えて自分は消える。
そうなる筈だった。だが、神は何を思ったのか、彼女を生かしたのだ。そして、現在Blazと共にその全ての始まりともいえる街。
秋葉原に居たのだ。
鈴羽「えーっと・・ソフトクリーム一つ。」
店員「あいよ。」
鈴羽は何気ない顔でコンビニでソフトクリームを買っていた。だが、普通に居ては色々と面倒が起こる。そう考えた彼女は髪を解いてロングで伊達眼鏡を掛けていたのだ。そして、店員からソフトクリームを貰うと、金を払い、店を後にしたのだ。
鈴羽「お待たせ!」
そして、Blazとニューが待っていたベンチに戻り、ニューに買ってきたソフトを渡したのだ。ニューは目を輝かせてそれを貰うとペロペロと嬉しそうに舐め始めたのだ。
それを見ていたBlazは顔をアキバの街に向けて、鈴羽と話し始めたのだ。
Blaz「・・・ここもあんま変わんねえな。」
鈴羽「・・・そうなの?」
Blaz「ああ。前に一度来た事があってな。そん時は野暮用だったが・・・こうして来るのは初めてだ。」
鈴羽「・・・そっか・・・・げと・・少しは変わっているよ。ホラあそこだって。」
鈴羽がそう言うと指差す方にはラジオストアーがあったのだ。あそこは今まで様々なレトロな製品やパーツなどを販売していた所で最近になって閉鎖されたのだ。
Blaz「あそこ・・・確か最近閉鎖されたって聞いたな。」
鈴羽「うん。私の居た時代ではもう場所自体が無くなっていたし・・正直寂しいってのはあるなぁ・・」
Blaz「そうだな。秋葉原は二つの名を持つ街だ。一つは「アニメ・ゲーム文化の町」そして、「電子の町」いかにココが電子系で栄えていたかが良くわかるぜ。」
鈴羽「そうだね。「オタクの街」ってだけの印象が強いけど、本当はそう言う面もあるし。気付いて欲しいね。」
Blaz「だよなぁ・・・・」
ニュー「にゅ?」
すると、ニューは食べ終わったのか二人の顔を見つめて「?」を浮かべていたのだ。それを見たBlazは苦笑し鈴羽は笑っていたのだ。ちなみに、ニューは今回服装は鈴羽の服装をそのまま来ていると思ってもらっていい。
Blaz「さとて。次は何処に行く?」
鈴羽「じゃあ次は・・・・・」
続いて鈴羽に案内されたのはラジオ会館だ。
ここは今でも使用されている場所で、鈴羽の話しによると自分とは別の事象ではココに自分がタイムマシンと共に現れてここに墜落したらしい。
鈴羽「あそこの屋上にドーンって突き刺さったらしいんだ。」
Blaz「らしいって、お前のとは別の事象の話しだろ?んなのどうして知ってんだ?」
鈴羽「簡単だよ。それを知っている人が・・・私の知り合いだった。」
Blaz「・・・・なるほどね。」
館内に入った三人は階段を上がって四階にある休憩所で話しを続けていた。鈴羽曰く、その事を知っている人はこの場所で全てが始まったと言っていたそうなのだ。ここである事件が起こり、それを始まりに全てが起こったと。
Blaz「そういやさ。お前・・どうして過去に来たんだっけ・・・。」
鈴羽「どうしてって・・・それは未来を変えるためにその知っていた人の手助けをしたんだよ。」
Blaz「・・・そっか・・んで・・確か、ココで人が死んでいたのが始まりでその人にとっては三週間の出来事だが・・周りの友人からは一日などの出来事でもあると。」
鈴羽「まぁそうだね。世界線ってある意味Blazの言う確率事象と似ているし・・・」
Blaz「いや。確率事象はその出来事を知っている場合と知っていない場合があるし、対象が一人限定でもない。色々と違いはあるさ。」
鈴羽「・・・・・。」
ニュー「うー・・・・」
鈴羽「ん?どうしたのニュー?」
ニュー「ニュー・・・これしたい。」
Blaz「これ?どれだ?」
鈴羽「あっ。それって”うーぱ”だ。」
Blaz「うーぱ?」
Blazがそう言ってニューがしたがっていたガチャを見た。其処には球体に四本足の短足。
パンダの様に目から下に黒く太いラインがある生物がラインラップされていたのだ。
そして、確かに良く見たら「うーぱ」と書かれていたのでBlazは「あー」と言ったのだ。
Blaz「うーぱって・・・元はウーパールーパーか?」
鈴羽「さぁ・・・けど。結構人気あるんだって。」
Blaz「へー・・・じゃあ・・・一回だけだぜ。」
ニュー「ありがとう!」
Blazはニューに硬貨を渡すとニューはそれをガチャに入れて回し始めた。そして、中からガチャのカプセルが出てきて、それを開けると中には蒼色のうーぱがあったのだ。
Blaz「そういやシークレットってあるけど何色なんだ?」
鈴羽「確か・・・シークレットは銀色だった筈だよ。」
Blaz「銀ね。意外に金属製だったり?」
鈴羽「・・・実はそうなんだ。」
ニュー「ニュー、銀よりこっちがいいー」
ニューの言葉に苦笑していた二人はそのまま帰ろうかと思い、その場を出たのだが・・・
がたんっ
Blaz「・・・。」
ぱさぱさぱさ・・・
ドタドタドタドタ・・・・
鈴羽「・・・・・・・・Blaz・・・・」
Blaz「わってる。上の階だ。」
何かの音に気付いた二人は銃のロックを外して、ゆっくりと上に上がっていった。だが、上の階には誰も居なく、どうやらその上から音がしたのだ。そして、この時になって音の中に声が混じっているのに気がついたのだ。
Blaz(声からして複数の人が居るってのは確かだ。だが・・一体何の用ですかね・・・)
そして、三人はゆっくりと上がっていき、その声がした階である七階に到達したのだ。
ココから声がハッキリと聞こえ、一人はどうやら女性で複数人の男達に絡まれていたようだ。
Blaz達は静かに進むと一室に四人ほどの男と、赤い髪の女性が居たのだ。そして、男たちが女性に対して何かを聞いているのが聞こえたのだ。
男「お前がアレの理論を既に考えているって事は聞いているんだ。大人しく我々と共に着いて来い。」
女性「だっ・・・誰がアンタ達と・・・!」
Blaz「あの顔・・・日系だよな・・・」
鈴羽「まさか・・・」
Blaz[知ってるのか?]
鈴羽[うん・・・兎に角・・彼女は助けないと・・・!]
Blaz[・・・・解った・・・!]
刹那、Blaz達は一斉に部屋の中に飛び込んで、男達に奇襲を仕掛けたのだ。突然の事に男達は驚き、そしてなす術も無く倒されていったのだ。
Blaz「はいよっと!」どげしっ!
男「ぐえっ!?」
男「お・・お前等何も・・・」
鈴羽「・・・・!」ドガッ!
ニュー「どーん!!」
男「よ・・・幼女おおおおおおおおおお!?」
男「ひっ・・・な・・ならこれで・・・」
バウンッ!
男の一人が銃で反撃しようとするが、それをBlazが逃さずににベレッタで男の肩を打ち抜き、男は壁にたたきつけられたのだ。
男「ぎゃああああああ!?」
Blaz「うっせーなー・・・ニュー。ソイツの口を縛っとけ。」
ニュー「はーい。」
ニューはそう言い、何処から出したのかロープを取り出して男を縛ったのだ。そして、周りの男にも口と体にロープを縛り、全員拘束したのだ。それを見た女性は唖然としていたが、Blazが近づいてきて安否を気遣ったのだ。
Blaz「大丈夫か、ねーちゃん。」
女性「えっ・・は・・はい・・・ありがとうございます・・・」
Blaz「そっか。そりゃよかったが・・・」
Blazはそう言うと銃を持っていた男に対して問いただしたのだ。男の顔は真っ青でどうやらこんな経験をした事が無かったんだろう。しかし、Blazは元々軍人だったのでただ冷静に男に尋問したのだった。
Blaz「さてと・・・どうして、あのねーちゃんを襲った?」
男「そ・・・そそ・・それは・・・・」
Blaz「言えない事か?だろうな。こんな場所まで来てナンパなんてねーし・・・取り合えず・・・」
その後、Blazが警察を呼んでその隙にその場を脱出。駆けつけた警察は武器を持っていたということで男達を銃刀法違反で逮捕するのだった。そして、Blaz達は一旦秋葉原の何処かにある歩道橋で息を切らしていたのだ。
Blaz「はぁ・・・はぁ・・・ふぅ・・大丈夫か?」
鈴羽「ど・・・どうにか・・・・・」
女性「ど・・どうしてこんな事に・・・」
ニュー「にゅ?」←Blazに引っ付いていた。
Blaz「取り合えず・・・アンタ、どうしてあんな雑魚共に絡まれてたんだ?」
女性「っ・・・・実は・・・その・・・・・・」
Blaz「・・・言えない事・・・だよなぁ・・んじゃあどっかの路地で・・・」
女性「あ・・待って、せめてお礼と一緒にしたいから・・・」
鈴羽「・・・・・・。」
で、三人は女性に連れられてお礼を兼ねてどうして襲われていたかを話す事になったのだ。
だが・・・
紅莉栖「改めて。私は牧瀬紅莉栖(まきせくりす)と言います。先ほどは、ありがとうございます。えっと・・・」
鈴羽「あ、この男の方は「Blaz」。まぁ名前はニックネームだから気にしないで。で、コッチはニュー。そして私は・・・鈴。」
紅莉栖「・・見たところ、家族って訳じゃ・・・」
ニュー「うんうん。Blazと鈴とニューは・・・・・・「なまか」だよ。」
紅莉栖「・・随分懐かしい仲間の言い方ですね・・・・」
鈴羽「アハハハハハ・・・・・」
Blaz「でー・・・その・・紅莉栖さん・・。」
紅莉栖「はい。」
Blaz「ココって・・・俗に言う・・・・
メイドカフェってヤツですか?」
紅莉栖「はい。」
そう。現在、紅莉栖を入れた四人はアキバにあるメイドカフェに居たのだ。其処の一角で鈴羽の隣に紅莉栖。そして、Blazの隣にニューが座っていたのだ。何故、メイドカフェで深刻な話をするのかとBlazは心の中で突っ込んでいたが、あえて突っ込まずにいたのだった。
紅莉栖「実はココ、私の知り合いがバイトをしていて。」
Blaz「あ・・そう言う理由ね・・・」
鈴羽[・・絶対やましい事考えていたでしょ。]
Blaz[サァ、ナンノコトダカサッパリワカリマセンゼ、コレガナ。]
鈴羽「・・・・はぁ・・・」
すると、メイドの一人がパフェなどを持って四人の居る席に運んできたのだ。
運んできたメイドは金髪であったが、Blazは目を見ただけでその人が日系であることが解ったのだ。
メイド「お待たせしましたーイチゴパフェだよー」
メイドは何とものんびりとマイペースな言い方でパフェをニューの前に置き、それを見たニューは目をキラキラとさせていたのだ。それを見て周りの面々は嬉しそうにそれを眺め、癒されていたのだ。
ニュー「あむあむ・・・・♪」
Blaz「・・・で。早速だけど・・・」
紅莉栖「ええ・・・正直、襲われた理由はわからないわ。」
鈴羽「・・・・やはりか・・・」
メイド「アレ・・紅莉栖ちゃん誰かに襲われたの?」
Blaz「紅莉栖・・・ちゃん?」
紅莉栖「この子、椎名まゆりと言って、私がさっき言っていた知り合いです。」
まゆり「うん。私の名前はまゆりなのです。」
Blaz「そっか・・・んじゃあ・・一応聞くが・・・アイツ等に何言われたんだ?」
Blazは自然にまゆりと言うメイドを話しに加え、紅莉栖が襲われた理由を聞いていたのだ。だが、本人はどうして襲われたか解らなかったが、どうやら心当たりはあったようだ。
紅莉栖「・・・その前に・・聞きたいのだけど・・・・・」
Blaz「・・・?」
紅莉栖「皆って・・・タイムマシンって信じる?」
Blaz「ああ。」
鈴羽「うん。」
ニュー「ニューもー」もぐもぐ・・・
まゆり「まゆしぃもです。」
紅莉栖「あ・・・・なら多分大丈夫だ。」←半ば唖然としていた。
紅莉栖「実は・・あの時、男の一人に「タイムマシンの理論は完成しているんだろ。それを我々に寄越せ」って言われたんです。」
Blaz「理論が・・・・出来てる?」
紅莉栖「・・・・・・。」
紅莉栖はBlazがそう言うと肯き、それを聞いたBlazは驚くのだった。
確かに、Blazは世界線の話しに似た、確率事象を経験して、タイムリープ如きもある事情で経験済みなのでどうとも思わなかったが、この時代で理論が完成しているというのに驚きを隠せずにいたのだった。
紅莉栖「最も、その理論自体を書いた論文はもう無いし・・・その理論を知っているのは、私だけ・・・」
鈴羽「だから、貴方を狙った・・・・か。」
まゆり「でも・・そんな事をして何の意味があるの?」
Blaz「多分、やる事は過去から人を連れてきたり、未来から人を連れてきたり。そして・・・」
鈴羽「過去改変・・・だね。」
紅莉栖「・・・そんな事をする為に・・・・」
Blaz「だがな・・・んな事をし続けても、自分達の得ってのは一時の出来事さ。いずれは世界の・・・次元の均衡が崩れ、世界が崩壊する。」
紅莉栖「そうね、だったらいっその事。この事を消したいわ・・・・」
Blaz「・・・・そうやって済めば・・・いいんだけどな。」
すると。また誰かが店に入ってきたが、どうやら客ではなかったのだ。入ってきたのは三人。そして外に一人。その外の一人は何か雰囲気が他の者とは明らかに違っていたのだ。
メイド「いらっしやいませー!」
男「あ、僕等は今回ここに居るという客に用があるので・・」
メイド「にゃ?ってことは警察ですか?」
男「いえ、ですがそんな感じのものです。それで、「紅い髪の女性」を探しているのですが・・・」
まゆり「っ・・・く・・紅莉栖ちゃん・・・」
紅莉栖「まさか・・・さっきの奴等の仲間・・・・・」
Blaz「・・・・アンタ等はここに居てくれ。ニュー、お前もだ。」
ニュー「うん。」もぐもぐ・・・
Blaz「うっし・・・行くぞ、鈴・・・」
メイド「赤髪・・・ですか・・・・」
男「・・・ええ。出来れば穏便に済ませたいので、どうか・・・」
メイド「・・・警察でも無いのに人を探す・・・アンタ達・・・何者?」
男「・・・貴方に質問する権利は無い。さぁさっさと女を出せ。」
男の話し方が変わると接待していたメイドは冷や汗をかいた。そして、中に入っていた男二人も不適に笑みを浮かべていたのだ。だが、それでも彼女は自分の城であるここを守りたい、そして自分の友を守りたい。その感情が彼女「フェイリス・ニャンニャン」の意志だったのだ。
フェイリス「そんな人はココには居ません。営業妨害です。帰ってください。」
男「・・・・・・チッ・・これだから女は嫌いなんだよ・・・・!」
フェイリス「っ・・・・・・」
男「もういい。ここに居るもの全員皆殺しで探すさ。」
フェイリス「えっ・・・・・!」
すると、男達はAK-47などを出して構えたのだ。それを見た客もメイドも驚いて腰を抜かし、叫んだのだ。フェイリスは流石に其処までは予想して居なかったので硬直していたのだ。
男「さてと・・・・ゴミ共を駆逐だ・・・・」
だが。
Blaz「すんませーん。チョコパフェ追加でー。」
鈴羽「私、ジャンボパフェ二人分。」
フェイリス「っ!?」
男「あ?」
その時、堂々とBlazと鈴羽がフェイリスの正面に立ち、男達と対峙していたのだ。
Blaz「あれっあんた等バイトの裏方コックじゃねーの?」
鈴羽「おっかしいねーそんな時代遅れの銃引っさげて強盗ごっこでもしてるのかと思ったよ。」
男「ごっ・・・・ごっこ!?」
フェイリス「ちょっ・・・アンタ達一体・・・・!?」
Blaz「後よ、メイド長さんよ。正直言って俺達金あんまねーんだ。だから・・・・・」
鈴羽「この人等を警察に売り払うってことで・・・チャラにしてくんないかな?」
男「こ・・・・このゴミがああああああああああああ!!」
刹那。
Blaz「ミュージック。スタート。」
(BGM”ルパン三世のテーマ Ver.2002”)
Blazの声と共に何処からか音楽が鳴り響き、リズムよくBlaz達が男達と間合いを詰めたのだ。そして、鈴羽は持ち前の身軽さで足蹴りで一人の銃を手から離させ、顔を蹴った。
その横で、先ほどフェイリスに脅しを掛けていた男にBlazは接近し、銃を持ったまま上に上げさせ、更には顔にぶつけた。そして、其処から腹にパンチを打ち込み、男は一撃で気絶するたのだった。
男「ひっ・・・・こ・・このヤロ・・・」
Blaz「んなザッケー銃で相手すんのかよ?カッコわりー」
男「なっ・・・何っ!?」
Blaz「俺と殺り合うってなら・・・・・」
ジャキッ!
Blaz「コレくらい持って来いやー!!」←P90持ち
紅莉栖「ちょっ・・・それってP90・・・つまりはマシンガンかー!?」
鈴羽「ってかこんな所でそんなの出すなぁ!!」
男「ひっ・・・・!?」
Blaz「・・・鈴っ!」
そして、Blazは持っていたP90を鈴羽に投げると三人目の男に向かって殴りかかった。殴られた男はアッサリと倒れ、Blazは「ふぅ・・」と息を吐き、手をぷらぷらと振っていたのだ。
まゆり「す・・凄いのです・・・・」
Blaz「さて・・・残るはアンタだけだが・・・俺達にとっちゃこのまま帰って欲しいのが本望ですのよ。マジで。」
男「・・・・・それはどうかな?」
すると、男はナイフを上着のスソから出して、Blazに向かって突進したのだ。
Blazはそれに気付くも、時既に遅く・・・
男「・・・・・・?」
ニュー「ねー姉ちゃん。何してるの?」
紅莉栖「えっ・・だってあの人ナイフで・・・」
ニュー「刺されて無いよ?」
紅莉栖「えっ!?」
そう、鈴羽とフェイリスの目線ではBlazはナイフを回避して男の腕を掴んでいたのだ。それもBlazは右腕で掴んでいたので、鈴羽はハッとしたのだ。すると、男の力が抜けていき、ナイフを落としたのだ。
男「あ・・・あああ・・・・」
鈴羽(あっちゃー・・・・・)
男「お・・お前・・・何を・・・・・・!?」
Blaz「・・・何も・・・してねぇよ。」
男はその言葉に唖然とし、力尽きて倒れたのだった。そして、その間に鈴羽が連絡をして警察を呼んだのはそれから直ぐ後の事だったのだ。
その夜・・・
紅莉栖「ありがとうございます、一度ならず二度も・・・」
Blaz「いいって事よ。それに、夜道に女三人ってのも危険だし・・・」
Blazはそう言って自分の後ろを歩いていた鈴羽とニュー、そしてバイト場から一緒に帰ると言ったまゆりとフェイリスが居て、まゆりはニューと戯れていたのだ。それを見て少し和んだ二人だったが、Blazは紅莉栖に目的地を問いただしたのだ。
Blaz「で・・・アンタ等三人別々の自宅なのに・・何処行くんだ?」
紅莉栖「実は、私の・・・まぁ知り合いが大学のサークル活動をしていて、今はこの近くに・・・ムサイ男二人で住んでいるんです。」
Blaz「・・・で、その男達のユートピアに俺達は行くと。」
紅莉栖「・・・・・そうなります。」
Blaz「んだよそれ・・・・」
紅莉栖「そろそろ・・・あ、ココ、ココ。」
紅莉栖はそう言い、迷い無くビルに入って行った。其処は少し古いビルで集団のポスト場には「未来ガジェット研究所」と書かれた看板があったのだ。それを見たBlazは「変な名前だな・・」と思っていたが、鈴羽は何か浮かない顔だったのだ。
そして、階段を上がって行き、その研究所と言う場所の階に着くと、紅莉栖が先にドアを開けて入って行ったのだ。その後にまゆりと紅莉栖も入り、ニューも面白そうに入り、そして、鈴羽とBlazが入って行ったのだ。
しかし、その時Blazはこれが意外な事件の始まりだと、気付くことは無かったのだ。
紅莉栖「アレ、岡部その人たちお客さん?」
鈴羽「・・・・っ!!ぶ・・Blaz・・・・!」
Blaz「ん?・・・・・って!?」
「んお?おお。奇遇だな。まさかココでお前と会えるとはな。」
「おや、確かにそうですね。Blaz。」
Blaz「なっ・・・何で・・・何でお前等が居るんだよ・・・・・!!」
Blaz「竜神丸、ココノエッ!!」
そう、全ては始まりを付けたのだ。今ココで。
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