真・恋姫†無双異聞 徐庶伝 第四話 バリツ無双 
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前回までのあらすじ

 

KDA強襲

僕らの山賊王、金さん登場

コレが本当に恋姫SSなのか怪しくなってきた

 

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「えーと、勝負は参ったというか、審判の金熊さんが止めたらでいーか?」

 

サングラスを外し、コートと一緒に梅華に預けながら仁がミーシャに問いかける。

 

「・・・ふ、殺してしまっても構わぬのだろう?」

 

軽く体を動かし暖めながら、顔を此方に向けたミーシャがドヤ顔で言い放つ

 

「構うわ!」

 

「まぁ、本当に危なくなったら俺が止めるから安心して死合えばいいんじゃねえか?」

 

(なんか、響きが物騒なんだが)

 

「あ、あの?」

 

「どうした梅華?」

 

「その・・・この外套を渡してしまったらぁ、先ほどのピカーって光る技は使えないのでは〜?」

 

心配そうな顔で、梅華が話しかけてくる。

確かに、先ほどの閃光弾(仮)はコートから取り出したものである。

 

「あ〜・・・アレはもう無いから気にするな」

 

「え?」

 

驚く梅華

 

「あれがなかったら、どうやってミーシャちゃんと闘うのですかぁ?」

 

どうやら梅華は再び仁が光を放つ道具でミーシャに勝つと思っているらしい。

 

「え?素手で」

 

何事も無いかのように言う仁。

その言葉にピシィと表情が固まる梅華。

 

「え〜、ちょっと短気な所はありますがミーシャちゃん・・・ケイ道栄ちゃんはかなり強いですよぉ?」「だろうな」

 

「『だろうな』じゃないですよぉ〜、それに無手で斧相手の戦いとか無茶が過ぎるんじゃないですかぁ?」「確かに」

 

「え〜とぉ、大丈夫なんですか?」

 

適当な返事にシビレを切らし、確認してくる梅華。

 

「なぁ、梅華」

 

「はい、なんでしょう?」

 

「俺は一度も、「自分が弱い」なんていった覚えは無いんだぜ?」

 

ワイシャツの第一ボタンを外し、ネクタイを緩め。首をコキコキ鳴らしながら、不適に笑う仁。

其処には負けるつもりなど全く無く、むしろ、自信さえ伺える。

 

「あ、あの〜?もしかして仁さんは住んでいた国では兵士さんだったのですか?」

 

「んー?あー、そういう事をしていた時期もあったな」

 

「ま、今じゃしがない探偵だがな」

 

探偵と言われても、どんな職業か思いつかない梅華はまだ納得できないようだ。

 

「探偵ってのはな、受けた依頼を必ずこなす・・・そんな職業さ」

 

「まぁ、そんな職業なんでな斬ったはったはお手の物ってわけでもねえが、全く慣れてないわけでもないのさね」

 

実際の探偵とはそんな職業ではない・・・が、そんなことは知るよしも無い梅華は

 

「怪我はしないでくださいねぇ?」

 

と、なんとか納得してくれたようだ。

 

「さて、こっちの準備は出来たから、何時でもいいぜ」

 

最期に一つ伸びをすると、仁はミーシャに声をかける。

 

「ふんっ、首と胴が別れを告げる挨拶は終わったか?」

 

「えーと、一応コレ、模擬戦だよな?」

 

「ふふっ、獲物を使うからには事故はある、今のうちに別れをつげておくがいい」

 

「さよけ」

 

はぁとため息をついて、一定の距離まで近づき、金熊を見る。

 

「それじゃ、始めるぞ・・・両者、死なない程度にやれよ?」

 

二人の間に立ち、審判役を務める金熊。

 

「相手にいってくれねえか?」

 

「善処します、善処を」

 

棒読みのミーシャに苦笑すると、金熊は手をあげ

 

「はじめっ!」

 

と開始の合図代わりに手を下ろす。

 

「フッ!」

 

最初に動いたのはミーシャ、彼女は斧を振り回し仁に向けて突っ込んでくる。

仁は大げさに飛びのきソレを避ける。

 

「てめえ、手加減する気がまったくねえなっ」

 

「当たり前だ、劉度様につく悪い虫は此処で断つッ!」

 

軽口を叩いているが仁には違和感があった。

今の攻撃、”少し後ろに動いて”かわすつもりだったのだ。

しかし、そんな事を考えている暇は無い、そう自分に言い聞かせて次の攻撃に備える

さらに切り込んでくるミーシャ。斧は唸りを上げて、仁へと向かう・・・しかし

 

(コレの軌道もくっきり見える、か)

 

先ほどより加減し、横に飛びそれを避ける。

 

(此処に着てから体がよく動く・・・理屈はわからんがな)

 

梅華を抱えてミーシャから逃げ回っていたときから感じていた違和感。

先ほどの攻撃を避けた違和感も含め、それは確信に変っていた。

 

(さて、まー、それがわかりゃ後は勝つだけか)

 

立ち止まり、力を抜く仁。

 

「ふふ、諦めがついたか・・・安心しろ、一撃で決めてやるッ!」

 

それを諦めと取ったミーシャは、トドメとばかりに斧を振りかぶり跳躍する。

 

「…何、勝利を確信したまでだ」

 

誰にも聞こえない声でそう呟くと同時に

飛び掛かったミーシャの斧は振り下ろされ、土砂を撒き散らし、土煙の柱が上がる。

 

「勝った!」

 

渾身の一撃、地面にいた仁に避けるすべはない、そう思ったミーシャは

もうもうと土煙が立ち上る中勝ち鬨を上げ・・・

 

「…ところがぎっちょん」

 

ミーシャのすぐ近く、息もかかるような距離から声がかかる。

その声にミーシャが驚くよりも前に、顎に強い衝撃が走り

 

「ッ!?」

 

今まで味わった事の無い、脳を揺さぶられる感覚に武器を落とし、前のめりに倒れこみそうになるが

 

「っと」

 

ガシッっと何か強い力で支えられ、倒れることなくミーシャの意識は闇へと沈んで行く。

土煙が消えた後、金熊と梅華が見たのは、倒れこむミーシャを片手で抱きかかえる仁の姿だった。

 

「勝負ありっ、勝者 高柳 仁!」

 

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「納得が行きませんッ!」

 

ウガーと効果音がつきそうな勢いでミーシャが不満を口にする。

 

「いや、完全にお前の負けだったろうが」

 

呆れ、金熊が頭をぺしぺしと叩く。

戦いが終り、ミーシャの意識が戻るのが待ってから、彼女に結果を伝えた第一声がコレだった。

 

「仁さん〜、結局何をどーして勝ったんですかぁ?」

 

仁は梅華に預けたコートを返してもらい、それを着ながら質問に答える

 

「ああ、顎を思い切り掠めるようにコレで殴っただけだ」

 

拳の甲を見せながらそう説明する

 

「???」

 

「顎を揺さぶると、脳を揺さぶられる・・・っていってもわからねーよな、この時代じゃ」

 

「????」

 

頭から煙が出そうになっている梅華の頭をぽんぽんと叩いて

 

「何、ちょっとしたバリツの応用だ」

 

「刃莉痛?」

 

「探偵が使う格闘術のことさ、本来は投げ技、組技が主体らしいがな、コレが」

 

「ふぇ〜、仁さんは凄いんですねえ」

 

「それほどでもない・・・ってか、ケイ道栄が油断してくれたからな、あっさり決まっただけだ」

 

二人が穏やかに話している横で

 

「アイツは五胡の妖術使いですよ!」

 

「いや、ふつーにお前が殴られて負けるのが見えていたぞ、いい加減諦めろ」

 

白い肌を真っ赤にさせて憤るミーシャを、金熊が宥めている。

どうやら、まだ納得するには時間がかかりそうだ。

空は赤みがかかり、夕暮れ時なのを見た仁は

 

「こりゃ、今日は野宿かね」

 

とため息をつくのであった

 

続く

 

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あとがき

 

戦闘なんて書く物じゃない(確信)

ケイ道栄さんは強いんですよ!当たれば!

斧キャラってそんなイメージがあります

 

感想、応援、批判、誤字などの指摘を心よりお待ちしております

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
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コメント
ミ「納得できん!!」、オッサン「じゃ俺の反則負けで(棒読み上から目線)」(禁玉⇒金球)
まぁ、あっさり負けすぎたので納得できないのですよ脳筋はw(鯖はんぺん)
結局、ごねるんだよな〜。 この手の輩は〜( ̄◇ ̄;) 春蘭と言い、思春と言い、愛紗と言い、焔耶と言いさ〜。(劉邦柾棟)
あきらめの悪いやつですのう(qisheng)
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