真・リリカルなのは 第十一章 機動六課設立編 第八十話 竜の咆哮 |
キャロのコントロール化に居ない為、ただ破壊を行うヴォルテール
このままでは敵味方関係なく全滅する可能性もある
フェイト「このままじゃいけない…………………私が止めてみせる」
破壊神ヴォルテールを止める為、フェイトが挑む
フェイトは女性にしては長身の方なのだが、ヴォルテールからしてみれば豆粒のようなものだった
そのフェイトが幾ら攻撃を仕掛けようとも、全くダメージを与える事ができない
フェイト「フォトンランサー!!!」
フェイトの技がヴォルテールの顔面に決まる
流石に鬱陶しく感じたのか、フェイトをハエを追い払うかのように手で叩く
フェイト「クッ」
しかし、スピード自慢のフェイト
ヴォルテールの攻撃は当たらない
中々払えない事にイラつくヴォルテール
この竜にとって、フェイトはハエと何ら変わりない存在だった
ヴォルテール「ゴォォォォォォ!!!!!!!!!!!!」
口らか火炎を吐き、フェイトを追い払おうとする
あまりの高熱であるため、回りの空気までもが燃えてしまう
流石のフェイトもこれは予想外であり、バリアジャケットに引火してしまう
フェイト「熱っ!!!!」
すぐに炎を叩いて消し去るが、バリアジャケットは無残にも焼け焦げ、上半身は肌が多く露出している
フェイト「はぁ、はぁ、はぁ、ど、どうすれば………………」
元々の傷の痛みもあり、思いのほか戦えない フェイト
今の彼女では大技は使えない
つまりヴォルテールを止める手立てが無い
他の隊長格も自身の戦闘で手が離せないのだ
ヴォルテール「グゴォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!」
更にヴォルテールの暴走は続く
回りのガジェットを撃ち落として行く
これを危機と見たルーテシアは退く事にした
しかし、彼女の瞳には対抗心が映っていた
ルーテシア「アルザスの黒竜…………」
地雷王を倒された恨みか?
自分以上の召喚を行ったキャロへと嫉妬か?
一体何に対して怒りを露わにしているかはわからないが、間違いなくルーテシアは対抗心を瞳に宿していた
そして彼女は去って行く
置いてきぼりにされた地雷王は、ヴォルテールに持ち上げられていた
フェイト「何をするつもりだ?」
ヴォルテールはクラナガンに住んでいた人々が避難している場所がある方向を向く
フェイト「まさか!!!!」
そう、そのまさかである
ヴォルテールは地雷王を大勢の人々が密集している場所に投げようとしているのだ
地雷王の重さは最低でも80t
それが上空から落下する
凄まじい衝撃と共に、大勢の命を一瞬で奪うこととなるだろう
フェイト「やらせない!!!!!」
ヴォルテールに接近し、顔に向けて攻撃を繰り出す フェイト
ヴォルテール「グガッ!!」
邪魔だと言わんばかりにフェイトに威嚇する ヴォルテール
フェイト「大人しくして!!! これ以上、暴走するのはやめて!!!!」
フェイトはヴォルテールに訴えかけるが、彼女の言葉に耳を傾ける筈は無かった
ヴォルテールは巨大な尻尾を使い、フェイトを弾き飛ばす
フェイト「グッ!!!」
吹き飛ばされた彼女は、あまりの痛さに動けないでいた
このままでは建物に激突し、大怪我を負ってしまう
ルナ「はぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」
ルナがフェイトを受け止めた
ナイスタイミングである
フェイト「え? ルナ?」
ルナ「待たせちゃったわね」
ヴィータ「漸くアタシらのデバイスが修復したぜ」
近くにはアイゼンを抱えたヴィータも居た
フェイト「良かった、私1人ではどうする事も出来なかった」
ルナ「あの黒竜は一体?」
フェイト「詳しい説明は後にするね、先ずはヴォルテールを止めないと」
今にもヴォルテールは地雷王を投げ捨てようとしていた
ヴィータ「だな。((封 鎖 領 域|ゲフェングニス・デア・マギー))!」
ヴォルテールを結界内に閉じ込める ヴィータ
ルナ「メガロンバインド!!!」
巨大なバインドがヴォルテールを縛り付ける
ヴィータとルナによって、最悪の事態は阻止出来た
しかし、この程度で止まるヴォルテールではなかった
ヴォルテール「ウゴォォォォォ!!!!!!!」
腕力でバインドを引き千切ろうとする
更に、咆哮だけで結界が揺れる
ヴィータ「何て野郎だ! ((封 鎖 領 域|ゲフェングニス・デア・マギー))が声の振動だけで揺れてやがる!!!」
最強の鉄壁力を誇る結界
なのはですら本気を出さないと破壊できない((封 鎖 領 域|ゲフェングニス・デア・マギー))
しかし、ヴォルテールは咆哮だけで壊そうとしている
ルナのバインドも相当硬いのだが、若干形が変化してきている
ルナ「不味いわね……………これじゃ長くは持たないわ」
フェイト「2人とも、私はキャロを探してくる……………ここは任せるね」
返事を聞くことなく飛び去って行く フェイト
ヴィータ「オイ! フェイト!」
ルナ「何か考えがあるみたいね」
その頃キャロは、未だに意識を回復出来ていないでいた
竜使役が無効となり、フリードリヒも暴走状態となっている
何か目的がある訳ではないが、空中を縦横無尽に飛ぶ
そこに、フェイトがやってくる
フェイト「っ!! 居た!!!」
フリードリヒの背中に倒れているキャロを発見した フェイト
すぐさまフリードリヒに近づいて行く…………………しかし
フリードリヒ「キュクルガァァ!!!!!」
フェイト「え?」
フェイトは驚いた
フリードリヒが威嚇して来たのだ
何時もは温厚であり、フェイトに懐いていたフリードリヒ
それなのにも関わらず、牙を向け、今にでも襲い掛かって来そうな雰囲気だ
フェイトもこれには驚きを隠せなかった
フェイト「フリード、竜使役のコントロールから外れたから暴走しているの?」
フェイトはフリードリヒに問い掛ける
しかし、返事など帰ってくる筈は無かった
フェイト「フリード、今まで私達と一緒に過ごしてきたのは竜使役という枷があったからなの? 私達と育んできた思い出は偽りなの?」
自分に懐いていたのは、キャロによる支配があったから
そう思うと悲しくなってしまう
自分には本当に心を許してなどいなかった
そう思うと胸が締め付けられるように痛い
フェイト「フリード、キャロはあなたの事を家族だと思っているよ? 勿論 私も…………確かに竜使役による洗脳みたいなものがあったのかもしれない。けど、今まで一緒に生きてきた事は偽りじゃない。そうでしょう!!」
フェイトは一気にフリードに接近する
そして、首辺りを抱きしめる
フェイト「私は信じている! フリードの中には本当にキャロを愛している心があるって!!!」
フリードリヒ「キュルガ!!!!」
フェイトを振り解こうとして暴れるフリードリヒ
しかし、フリードリヒの頭の中に今までキャロと過ごしてきた記憶が映像として頭の中に流れる
竜はある意味では人より賢しい生き物だ
記憶力が凄まじく、一度見たものや経験した事は決して忘れない
フリードリヒの頭にキャロの声が響く
何度も何度も自分の名前を呼ぶ声が…………
そうだ、決して今までの思い出は偽りなのではない
間違いなく歩んできたものだ
そして、そこには必ず竜使役という縛りがあった
だが、その縛りが無くとも、キャロは自分を受け入れてくれるだろう
そう、今のフェイトのように
フリードリヒ「キュクルクゥゥゥ!!!!!!!!!」
フリードリヒは高らかに雄叫びをあげる
そして、その声を聞いたキャロが漸く目を覚ます
キャロ「う…………ん、フリード?」
フェイト「キャロ!! 目を覚ましたんだね!!」
キャロ「フェイトさん?」
目覚めた キャロ
しかし、ヴォルテールはルナのバインドを破り、ヴィータの結界を壊そうとしていた
時間が無い
何としてでもヴォルテールを止めよ!キャロ!
次回、キャロがヴォルテールに挑む!
そして、ヴィヴィオに近づく影が………
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ヴォルテールの暴走を止められるのか? | ||
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