真・恋姫†無双 再現2
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「・・・・・・なんですって?」

 

私はその報告を耳にして、眉を釣り上げる

この4年間に何度も天の御遣いが現れたという報告を聞いたけれど、その誰もが偽物だった

報告を受ける度にその地へ足を運び、高鳴る気持ちを胸に、会いに行く

今度こそ本物だろうと、今度こそ会えるだろうと。そんな思いは何度も踏みにじられてきた

 

しかし、今度の報告は今までのものとは違っていた

 

「『一刀を発見した』って、どういう事なのかしら?」

動悸を感じる。我ながら、女であると思う。好いた男の名前を口にするだけでこうも嬉しくなるものなのだと

でも、発見したとはどういう事なのかしら。はやる気持ちを押し殺し、出来るだけ静かに問いかける

 

「そ、そないな怖い顔せんといてください!ちゃうんですって!今度こそ本当に隊長なんですって!」

「そうなの!私たちが見間違えるはずはないの!」

「は、はい、華琳様!恐らく、いえ。確実に隊長だと考えられます。」

 

少しだけ、腹が立つ。私だって見間違いしないわよ

あなた達がどれだけ一刀の事を好いているか知っているけれど、一番好いているのはこの私なのだから

 

「それで?その写真はどれかしら?」

 

「こ、こちらです!」

 

凪はとても冷静であるとは思えない様子で一枚の写真を私に押し付ける

思い切り突き出された写真を受け取るのに、一歩下がらなくてはならない。とても慌てているのね

 

「この写真に一刀が・・・・・・?」

 

一見、何のおかしな所も感じられない写真。この写真は今日帰ってきた霞が撮影したものでしょうね。他の写真は全て現像が終わり、既に目を通しているわけだし

 

「・・・・・・霞?私は地図を作る為に風景を撮影しろと、そう命令したつもりだったのだけれど。聞き間違えたのかしら?」

 

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そう、凪から手渡された写真は風景を収めたものではなかった。彼女が昼食に饅頭を食べたであろう屋台の写真。

 

「いやー、ごっつ美味かったんでちょーっとだけ『かめら』で撮っとこうと思ってん。地図に美味しい料理を載せるのと良えかなー、ってな?」

 

「そんなに美味かったんですか?」

 

「せやねん、今まで食べた事もない饅頭やってんで?こう、ふわふわで、食べたら肉汁がぶわーって!ウチらの国やのに全然知らんかったんで、写真で撮っとこうと思ってん♪」

 

「そんなに!?ねえ季衣!食べてみたくない?それで、その饅頭の作り方を覚えてぼく達に作ってよ!!」

 

「う、うん。あの、霞様?どのような饅頭なのですか?」

 

「饅頭にしか意識が向かない馬鹿は黙ってなさい。今は饅頭談義に花を咲かせている時では無い事くらい、あの春蘭でも分かってるわよ」

 

「だ、誰が私の頭には脳みその代わりに餡が入っていて割ってみたら美味しそうだとぉおおお!!」

 

「姉者、そこまで言っていない。」

 

「学校の先生になったのに、こういう所は全く変わらないんですねー」

 

「えぇ、不思議です」

 

皆が騒いでいる中、私の意識は写真に写っている一人の男に釘付けになっていた。饅頭の屋台に材料を卸売りしている男。小さくしか映っていないが、見間違える事はない

この4年間、逢える事を夢に見てきたその横顔がそこにあった

 

 

 

 

この外史は再び産声を上げた

 

 

 

説明
プロットは出来上がっていますので、後はその通りに動かしていくだけなのですが上手くいかないものです
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コメント
一刀普通に働いてるって事は記憶ないのか?続き気になります!(nao)
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