真・恋姫†無双 外史 〜天の御遣い伝説(side呂布軍)〜 第三十一回 拠点フェイズ:厳顔@・母親という名のカウンセラー(前編)
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厳顔「しかし、まともに馬にも乗れぬとは。天の国ではどうやって移動していたのですか?」

 

 

 

厳顔は半ばあきれたといったような表情で、自身の後ろに相乗りしている北郷に語りかけた。

 

 

 

北郷「オレの世界だと、移動手段は車や電車とかだからな。馬に乗れる人なんて、ほんの一部の人だよ」

 

 

 

当然一高校生の分際、かつ一般庶民である北郷に、馬術の素養を身に着けていないことを責めることはできないのだが、

 

そのような常識はこの世界では通用しない。

 

 

 

厳顔「なるほど。天の国では馬車が主流ということですな。天の国ではすでに太平の世が築かれておるようですし、馬術のような技術は

 

不要ということですか」

 

 

北郷「いや、そういうわけでは・・・」

 

 

厳顔「ですが、地上に降りられたからには、馬ぐらいには乗れてもらわねば困りますな。こう毎度女子の背にしがみついておられるのも、

 

あまり具合がよくないでしょうに。いや、むしろお館様にとっては好都合でしょうか?」

 

 

 

厳顔は悪戯っぽく不敵にニヤリと笑いながら北郷をからかった。

 

 

 

北郷「ははは、頑張って練習するよ」

 

厳顔「まあ、少なくとも明日は全身の筋肉が悲鳴を上げるでしょうが、お覚悟なされよ?」

 

北郷「ははは・・・」

 

 

 

厳顔の言葉がただの脅しではないことをなんとなく察した北郷は、力なく笑いながら、厳顔と共に漢中へと向かった。

 

 

 

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【益州、成都城】

 

 

北郷「漢中に視察だって?オレが?」

 

 

 

成都城の執政室にいた北郷は、部屋に入ってきた陳宮と厳顔からそんな話を聞かされ、間抜けな声を上げた。

 

 

 

陳宮「何を間抜けな声を出しているですか。視察だって立派な領主の役目ですぞ」

 

 

 

北郷が劉璋に代わって新たな成都の領主となったため、保留となっていた漢中への支援の決定権が北郷に移り、

 

結果、北郷が漢中への支援を決定したのであった。

 

当然、そうなると漢中の様子を気にすることも必要になってくる。

 

 

 

陳宮「それに、漢中の民衆にたまには顔を見せておくことも悪くないことなのです。ちょうど桔梗殿が漢中に用事があるので、一緒に

 

ついて行ってくださいです」

 

 

厳顔「そういう訳です、お館様。それとも何か?わしと行くのがそんなにも嫌なのですか?」

 

 

北郷「いやいや!そんなことないよ!うん!視察ね視察!そういえばオレあの戦い以来一度も漢中に行ってなかったんだよな!華佗にも

 

法正のことで改めてお礼言いたいし、さぁ早く出発しよう!」

 

 

 

厳顔の言葉を受け、北郷はすぐさま立ち上がると、逃げるように部屋から出ていってしまった。

 

 

 

陳宮「・・・では桔梗殿、一刀殿のことよろしく頼むです」

 

厳顔「・・・うむ、任された」

 

 

 

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【益州、成都・漢中間】

 

 

漢中に向かうまでの道中、一人で馬に乗れないため厳顔の背中にしがみついている北郷は、

 

一緒についてきている護衛兵からの痛々しい視線を感じながらも、

 

天の国のことなど、ひたすら厳顔からの質問攻めにあっていた。

 

のだが・・・

 

 

 

厳顔「ところでお館様。お館様は恋たちの中でどの娘が一番のお気に入りなのですか?」

 

 

 

唐突に話題が雲行きの怪しい方向にシフトされた。

 

 

 

北郷「ぶぶーっ!?ちょっ、桔梗!いきなり何聞き出すんだよ!」

 

 

 

あまりに突然の話題転換に、北郷は危うく落馬しそうになるが、かろうじて厳顔にしがみつき、踏み止まる。

 

 

 

厳顔「いや、わしの見立てではお館様を中心に四人の娘たちを侍らせておると見えましたので、本命は誰なのか気になりましてな」

 

北郷「ぶーーーーーっっ!?違う違う!オレと恋たちはそんな関係じゃないから!」

 

 

 

厳顔のぶつけたどストレートな質問に、北郷は思いっきり吹きだして否定した。

 

 

 

厳顔「なんと!?違うと仰いますか!」

 

 

 

厳顔の声色は、冗談ではなく本当に驚いているようであった。

 

 

 

北郷「いったいどう見たらオレ達がそういう関係に見えるんだよ!」

 

厳顔「(いや、誰が見てもそうにしか見えぬが・・・)つまり、誰とも男女の関係ではないということですか?」

 

北郷「そうだよ。オレ達は共に乱世を鎮めるために立ち上がった仲間。そう、仲間だよ」

 

 

 

北郷は、どこか自分に言い聞かせ納得させるような言い方で厳顔の追究をかわそうとした。

 

しかし、その程度で経験豊かな厳顔を納得させられるはずもなく・・・

 

 

 

厳顔「はぁーーーー」

 

北郷「な、何だよそのため息は・・・」

 

厳顔「いや、お館様は鈍そうなお方だとは思っておりましたが、まさかこれほどとは・・・」

 

北郷「どど、どういうことだよ?」

 

 

 

北郷からは厳顔の背中しか見えず、その表情は読めないが、あきれ顔になっているのは明らかであった。

 

北郷は徐々に追いつめられていた。

 

少なくとも、厳顔の背中にくっついている限り、逃げ場はどこにもない。

 

 

 

厳顔「では聞きますが、お館様は恋のことをどう思っておられますか?」

 

北郷「れ、恋だって?そりゃ恋は強くて、あと無口で、よく食べて、あと動物にすごく好かれ―――」

 

厳顔「そうではなく、女としてどうなのかと聞いておるのです」

 

 

 

北郷の言葉に被せるように、厳顔は北郷の退路を断っていく。

 

 

 

北郷「そ、そりゃあ恋はすごく可愛いし、スタイルもいいし、でも小動物っぽい所がまたほっとけなくて、でもそこがまた良く―――っ

 

て何言わせてるんだよ!恥ずかしいだろ!」

 

 

 

退路を断たれてしまった北郷は、思わず流れに任せて思っていることをそのまま口にしてしまった。

 

 

 

厳顔「すたいる?まあ、とにかく十分恋の魅力に気づいておるではありませぬか。それでなぜ男女の関係にならぬのですか?」

 

 

 

“スタイル” という聞きなれない言葉に引っかかった厳顔であったが、

 

そこはさすがというべきか、話の流れを絶たないためにあえて聞かずに話を続けた。

 

 

 

北郷「なぜって・・・そんなの、そもそも恋がオレのこと好きなわけないし。そりゃあ命を助けてくれた恩人とかでオレのことを慕って

 

くれているかもしれないど・・・」

 

 

厳顔「はぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜」

 

北郷「な、何デスカ」

 

 

 

厳顔は北郷の期待通りの不本意な回答に、一層深いため息をついた後、続けて質問した。

 

 

 

厳顔「では、次はねねです。ねねのことはどう―――と、その前にお館様は恋愛対象となる娘の年にこだわりはありますか?」

 

北郷「え?ま、まぁ愛さえあれば年の差なんて関係ねぇよ、的な・・・」

 

厳顔「例えばねねやななくらいでも?」

 

北郷「うーん、絵的にすごく危ない気はするけど・・・まぁ愛さえあれば・・・きょ、許容範囲・・・カナ?」

 

 

 

仮に陳宮や高順が見た目通りの年齢なのであれば、北郷の発言は確実にアウトなのだが、

 

これが実年齢を踏まえての発言なのであればその限りではない。

 

北郷が彼女らの実年齢を知っているとは到底思えないが。

 

 

 

厳顔「ちなみに黄忠の娘は?」

 

北郷「いや、さすがにあの子はアウトでしょ」

 

 

 

さすがに璃々くらいまでになると、北郷の道徳心がストップをかけるようである。

 

北郷の判断基準が何なのかは甚だ疑問ではあるが。

 

 

 

厳顔「あうと?まぁでしたら、ねねのことはどうお思いなのですか?」

 

 

 

北郷のセーフアウト判定にはとくに言及することなく、厳顔はさらに質問を続けた。

 

 

 

北郷「そりゃあねねは賢く―――――わかったわかった。えーと、ねねは元気な可愛い女の子デ、意地っ張りだけど実は怖がりで泣き虫

 

だったりシテ、でもそこがまた可愛かったりするんじゃないカナ?」

 

 

 

やけになったのか、北郷は先ほどから語尾がやや片言気味になりながらも、正直に白状していく。

 

 

 

厳顔「・・・では霞は?」

 

 

北郷「そうだなぁ・・・霞は可愛くてスタイル良くて、ノリもよくて、明るくて一緒にいると楽しくて、でもたまにしおらしくなるのが

 

ギャップがあってグーダヨネ」

 

 

厳顔「ぎゃっぷがぐう・・・?それでは、ななは?」

 

 

北郷「ななは可愛さの中にクールビューティーな趣が醸し出されていテ、そんで何でも頑張っちゃうところがまた守ってあげたい保護欲

 

をそそられる、ミタイナ?っていうか恋もそうなんだケド、普段表情豊かじゃない子ほど笑うと一層可愛いヨネ」

 

 

 

北郷が徐々に饒舌になっているのは頭のネジが外れたせいなのだろうか。

 

 

 

厳顔「く、くうるべ・・・では焔耶は?」

 

北郷「え、焔耶も言わないとだめなのか?」

 

厳顔「当然です」

 

 

 

なぜいつの間にか、あの子のことどう思ってるの?コーナーになってしまってるんだ、と改めて真剣に考えようとした北郷であったが、

 

逃げ場のない状況を鑑みても無駄な抵抗はよそうと判断し、そのまま回答を続ける。

 

 

 

北郷「焔耶もスタイルの良い可愛い女の子デ、素直じゃなくて負けず嫌いなんだけどそこがまた良くテ、荒っぽいんだけど根はすごく

 

優しくテ、あと、これ言っていいのか分からないケド、犬見て怖がっている焔耶ってすごく可愛いヨネ」

 

 

厳顔「ほほぅ、この短期間でそれほどまで見抜いておられるとは」

 

北郷「まあネ。こう見えテ、周りは良く見えている方だからネ」

 

厳顔「・・・では桔梗は?」

 

 

北郷「桔梗は美人でスタイルも良くてしっかりしてテ、甘えたいお姉さんタイプ――――――っておい!何どさくさに紛れて自分の評価

 

聞き出してんだよ!さすがに本人の前じゃ恥ずかしすぎだろ!何の罰ゲームだよ!」

 

 

 

半ばやけになっていたせいか、北郷は厳顔が自身の名前を言っているのに気付かずに、他の子同様に正直な感想を述べてしまった。

 

これではただの告白である。

 

 

 

厳顔「はっはっは!そうですか、お館様はわしのことをそのように思われていましたか。そうでしたか。なんとまぁ、甘えたいのなら

 

そう言ってくだされば、甘えてくださって一向に構いませぬのに」

 

 

 

厳顔はしてやったりといった雰囲気で豪快に笑っていた。

 

北郷からは背中しか見えないが、可愛い後輩をいじる先輩風の悪戯じみた表情になっていることは、想像に難くなかった。

 

 

 

北郷「おい、からかうなよ!っていうか結局何でこんなこと急に・・・」

 

 

厳顔「要するに、お館様は皆の魅力を十分に理解しておられるのですから、もっと周りを良く見られよということです。先ほどお館様は

 

周りがよく見えていると言っておられましたが、お館様はご自身が思っておられるほど、周りがあまり見えておりませぬ。後は、御自分

 

で考えてくだされ」

 

 

北郷「なんだよもー!」

 

 

 

そのようなやり取りをしている内に、二人は漢中の領地に入っていた。

 

 

 

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【益州、漢中、張魯居城】

 

 

北郷「何だか前来た時よりも随分城下に活気があったな。とてもこの前まで内乱が起こっていたとは思えないよ」

 

 

 

二人は、そのまま張魯の居城に入っていた。

 

そして、そこまでたどり着くまでの間、城下町の以前とは比べ物にならないほどのにぎわいを目の当たりにしていたのだ。

 

 

 

厳顔「何でも、あの内乱以来、張魯が以前のように民に無償で食糧を分け与えるようになったとか。まったく、極端な奴です」

 

 

 

そして、兵士に導かれるまま、二人は謁見室へと通された。

 

中では二人の人物が待っていた。

 

一人は、透き通った白い肌に、白銀の髪を地面すれすれまで垂らし、

 

白眼には自信の色が十二分に滲み出ている、白装束に身を包んだ小柄な少女。

 

もう一人は、やや浅黒い肌に、やや短めの黒髪、黒い瞳の奥にはやや冷たい色を滲ませている、

 

全身黒装束の、2メートルは越えようかというほどの長身の男であった。

 

漢中太守にして、五斗米道三代目天師・張魯と、その弟・張衛の、白黒デコボコ姉弟である。

 

 

 

張魯「ウシシ、遠路はるばるご苦労様だし!さあ、遠慮なく食べるし!」

 

 

 

北郷と厳顔が部屋に入るなり、張魯がてててと近づいてきて、ズバッと二人の前にホカホカの銀シャリが盛られた茶碗が突き出した。

 

 

 

張衛「ふん、我ら五斗米道自慢の特産米 “五斗米” なのだよ」

 

 

 

そして、二人はやや戸惑いながらも、促されるままに米を食した。

 

すると、

 

 

 

北郷「こ、これは・・・!この艶やかな白米、この時代に白米なんてあったのかはさておき、甘い・・・だと・・・!?なんなんだこの

 

旨い米は!?米粒一粒一粒噛み締めるごとに旨みがにじみ出てくる!水がいいのか!?オカズなしで何杯でも行けるぞ!」

 

 

張魯「ウシシ、我が開発した五斗米の苗を、漢中の民が丹精込めて育てた米だし!更にその米を我の気を送り込んで磨いだし!美味くて

 

当然だし!」

 

 

 

張魯は慎ましやかな胸をこれでもかというくらい張り、口元からちらりと八重歯をのぞかせ、

 

まるで自身が褒められているかのように得意げに喜んでいた。

 

 

 

北郷「((五斗米道|ゴッドヴェイドォォ!!))の五斗米か!確かにこんなに美味しいものをタダで貰えるとか―――」

 

 

 

しかし、北郷がモグモグと米を食べながら洩らした感想を遮るように、張魯がムキーッと反論した。

 

 

 

張魯「ちっがぁぁぁぁうし!!!!((五斗米道|ゴトベイドウ))だし!!!あんな熱血ヤブ医者のと一緒にするなだし!!!」

 

 

 

さらに張衛も冷静に反論する。

 

 

 

張衛「我ら五斗米道の教義は米の力で太平の世を築くこと。華佗の((五斗米道|ゴットヴェイドォォ!!))の教義は医術で太平の世を築くこと。確かにどちらも元々は

 

我らの祖母、張陵の生み出したものだが、一緒にされるのは心外なのだよ」

 

 

 

うわ、なんかデジャブだ。と北郷はぼんやりと華佗との同じようなやり取りを思い出していた。

 

無関係の者にとってはどうでもよさそうな事でも、当人にとっては重要なことなどよくあることで、

 

特に名前については注意を要するところである。

 

 

 

厳顔「だが、急に民に無償で食糧を配るようにするとは、いささか極端ではないか?そのようなことをしたら食糧がもたぬぞ?」

 

張魯「ウシシ、米は皆で食べた方が美味しいに決まってるし!そこに見返りを求めること自体間違ってるし!米もいっぱい作るから問題

 

ないし!」

 

 

張衛「ふん、そもそも民に無償で米を配るのは初代大師の代からずっと続けていること。上手くやりくりする術も代々受け継いでいる

 

のだよ。むしろ姉上が急に米を独占し出したことが異例なのだよ」

 

 

 

そもそも張魯が華佗のクーデターを受ける羽目になったのは、張魯が品種改良を経て完成させた五斗米があまりにも美味しかったため、

 

張魯が食糧を独り占めしたためであるが、それ以前の漢中は治安も良く、領主である張魯も善良と民からの評判も良かったのだ。

 

 

 

張魯「ウシシ、お米を独占したのはちょっと調子に乗ってただけだし!そうでなければ我は凄い領主だし!」

 

 

 

張魯は先ほどよりもさらに限界まで胸を張り得意げになっていた。

 

 

 

張衛「・・・このように馬鹿なのはどうしようもないのだが」

 

張魯「馬鹿じゃないし!馬鹿っていう衛ちゃんの方が馬鹿だし!」

 

 

 

張魯はムキーッと言いながら張衛の腰の辺り(身長差の都合上)をポコポコと叩いていた。

 

 

 

張衛「ハァ、このように我だけでは姉上を御しきれないのだよ」

 

 

 

張衛は心底疲れたというような、わざとらしいため息をついた。

 

 

 

厳顔「なるほど。だから、こちらから政務の補佐役を、というわけか」

 

張魯「そんなのいらないし!我は賢いし!」

 

 

 

張魯は精一杯反論するが、この場の誰もが話を聞いていない。

 

 

 

張衛「ああ、できるだけ睨みの効くゴツイ奴がいいのだが・・・文官でそのような者はいないだろうから贅沢は言わないのだよ」

 

北郷「・・・桔梗」

 

厳顔「・・・ええ、法正、ですな」

 

 

 

今この瞬間、本人の了承も得ないまま、成都随一の不良軍師・法正の長期出張が決まった。

 

 

 

張魯「何だかお腹すいたし!我もご飯を食べるし!」

 

 

 

自身の意見を聞いてもらえず、拗ねてしまったのか、張魯はわざとらしくそのように言ったかと思うと、急に釜から直接がっつき始めた。

 

 

 

張衛「ああ!行儀が悪いのだよ!」

 

張魯「ウシシ、心配しなくてもちゃんと衛ちゃんにもあげるし!はいあーん」

 

張衛「む、あーん・・・って人前で何をやらせるのだ姉上!ああもう!頬に米粒がついているのだよ」

 

張魯「取ってほしいし!」

 

 

 

そのような姉弟らしからぬ?様子を、北郷と厳顔はただ呆然と見ていた。

 

 

 

北郷「(なぁ桔梗、こいつらっていつもこうなのか?)」

 

 

厳顔「(いや、実はわしもこやつらとはこの前まで会ったこともありませんで。何せ張魯との話し合いなどは全て、劉璋様か法正、或いは

 

趙?が行なっていましたゆえ。ですが、まぁ良いではありませぬか。ただ姉弟の仲が良すぎるだけですし。まぁ少し行き過ぎではあります

 

が・・・)」

 

 

北郷「(ただ姉弟の仲がいい、か・・・)」

 

 

 

そうつぶやいた北郷の頭をよぎったのは、元の世界にいる妹のこと。

 

そういえば、昔は仲よく並んでご飯食べてたっけ、などと感慨にふけっていた。

 

そのまま重い雰囲気に陥りそうだったので、北郷は無理やり違う話題を考えた。

 

 

 

北郷「そういえば華佗は?もう街の復興もだいぶ進んでるみたいだし、また治療のために大陸中を回ってるの?」

 

張衛「奴は実家の母親が危篤とかで、故郷の豫州に帰っているのだよ」

 

厳顔「ふむ、大事なければよいが」

 

北郷「(故郷の母親、か・・・)」

 

厳顔「・・・・・・・・・」

 

 

 

しかし、振った話題が予想外の展開を見せ、北郷はさらに重い雰囲気に陥ってしまった。

 

そして、北郷が務めて隠そうとしている微妙に変化した雰囲気を、厳顔は見逃すはずもなかった。

 

 

 

【第三十一回 拠点フェイズ:厳顔@・母親という名のカウンセラー(前編) 終】

 

 

 

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あとがき

 

 

第三十一回終了しましたがいかがだったでしょうか?

 

さて、今回前半は桔梗さんが一刀君をいじるシーンが多かったのですが、

 

よくよく考えてみると、この御遣い伝説では、そういうキャラがいなかったので

 

とても貴重だなと感じております。

 

そして、後半では一変、雰囲気が変わりつつありますが果たして、、、

 

 

ちなみに本作での五斗米道とゴットヴェイドォォ!!の関係は、

 

張姉弟の祖母・張陵が鬼道を扱った宗教「五斗米道」を立ち上げ、太平の世を築こうとしたのが元で、

 

後に米生産に特化した五斗米道と、医術に特化したゴットヴェイドォォ!!に分化した、という設定です。

 

張魯と華佗は仲が悪そうに思えるかもしれませんが、実はお互いの教義を尊重し合ってたりなかったり、、、

 

この世界の人間は皆素直じゃないんですよね 笑

 

 

それではまた次回お会いしましょう!

 

 

恋姫ってみんな18歳以上らしいですねー・・・不思議ですねー

 

 

説明
みなさんどうもお久しぶりです!または初めまして!

さて、今回から御遣い伝説に戻ります。新年一発目の御遣い伝説。今回は厳顔こと桔梗さんの拠点フェイズです!

他の恋姫より経験豊富な彼女ですが、果してどうなるのでしょうか 笑


それでは我が拙稿の極み、とくと御覧あれ・・・


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コメント
>madao 様  家訓の話は初めて知りましたw(未プレイなもので…)なんて前向きすぎる家訓なんだw いくらエロゲだからってその辺りはやっぱりしっかりしてほしいものです(sts)
>禁玉⇒金球 様  どちらの宗派もかなりの経済利益が見込めそうなのにどちらも無償が基本というw だからこそ人が集まるのかもしれませんが成都側の介入で上手いことやってほしいものです(sts)
心境の変化に感慨ふける描写はいい味出てますね。本編では家訓でもある,生きてさえいればどうとでもなる!!で結構あっさりな感じでしたけど(終盤の拠点エピ等で少しあったくらいか)ほか陣営の動きもかなり気になりますが,一刀が君主としてどう動いていくのか期待してます。(madao)
一刀君やっぱり辛くない筈がないですよね、こればっかりは…。五斗米道に限らず宗教の正統紛争は果てしない、がしかし此処では農学と医学でしたか。所でどちらも金の匂いがプンプンする響きですが上手くやれば国庫が潤いますね(禁玉⇒金球)
>naku様  五斗米の上手な扱い方については今後法正に考えてもらいましょうw(sts)
>D8様  恐らく元々の五斗米道が二つに分化した時点で、華佗が「ォォ!!」と読んでしまったせいで、それが正式名称になったのでしょうww(sts)
この手の鈍感な主人公に対して鈍感だという事を分かっているにもかかわらずヒロインの「自力で気づけ」という態度に首をかしげる今日この頃。ゴットヴェイドォォ!!は「ォォ!!」表記が正式名称なのかww(D8)
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