英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 889
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〜色の領域・最奥〜

 

「―――シャーリィさん。はっきりと言います。私は死にたくはありません。」

「………………へ。」

真剣な表情で答えたリーシャの言葉を聞いたシャーリィは呆け

「クロスベルに来るまで……私はいつ死んでも構わないと思っていました。いえ、自分が死ぬということを意識すらした事がありませんでした。でも――――今は生きていたい。生きて、新たに掴めた光と大切な人達と一緒に追い求めて行きたいんです。だから……貴女との”殺し合い”には応じることができません。」

「リーシャ……」

「リーシャさん……」

「……よく言ったぜ、リーシャちゃん。」

優しげな微笑みを浮かべて答えたリーシャの言葉を聞いたロイドとエリィは口元に笑みを浮かべ、ランディは明るい表情をし

「……それに……いつか愛する人の子供を産んで、母親として育てたいですし。」

「いい”っ!?」

頬を赤らめて笑顔で自分に視線を向けたリーシャの言葉にロイドは大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせ

(くかかかかかかっ!”現在の”正妻予定のあの女より攻めるじゃねえか!)

(ハア…………)

ギレゼルは腹を抱えて笑い、ルファディエルは疲れた表情で溜息を吐き

「………ロイド?今のリーシャさんの言葉の意味はどういう意味なのかしら??」

「………少しは場所や空気を考えて発言して下さい。」

「アハハ……今の言葉で雰囲気が全て台無しになりましたよね…………」

「この弟王が!少しは痛い目を見やがれっ!」

エリィは膨大な威圧を纏って微笑みを浮かべてロイドを見つめ、ティオはジト目でリーシャを見つめ、ノエルは冷や汗をかいて苦笑し、ランディは悔しそうな表情でロイドを睨み、その様子を見ていたラウラ達は脱力したり呆れていた。

 

「……だったら……だったら何でわざわざこんな場所に来たのさ……?リーシャもシャーリィと戦いたかったんじゃないの……?再起不能になったイリアの仇を取りたかったんじゃないの!?」

一方黙り込んでいたシャーリィは疲れた表情で呟いた後リーシャを見つめて挑発したが

「貴女にとっては残念ながら既にイリアさんはティアさんとペテレーネさんによって治癒され、リハビリも始めています。」

「え…………」

静かな笑みを浮かべて言ったリーシャの言葉を聞いて呆けた。

「そ、そうなのか!?」

一方マキアスは信じられない表情でロイド達に尋ね

「ああ……昨日俺達が病院に行ったら既にリハビリを始めていたよ。」

「両足は立つ事すら怪しいって言われていたのにもう立てるようになっていましたよ。」

「きっとお二人――――”闇の聖女”と”癒しの聖女”の御力がなければ、立つ事にもかなり時間が必要になったんだと思うわ。」

ロイドやノエル、エリィはそれぞれ口元に笑みを浮かべて答え

「へ〜……”ゼムリア二大聖女”の力って噂以上に凄いんだね〜。」

「……あの様子ですと舞台に復活する時も近いと思います。」

「さすがは”聖女”か…………評判通りまさに”奇蹟”を起こしているな。」

3人の話を聞いたミリアムは興味深そうな表情をし、ティオは静かな笑みを浮かべ、ユーシスは静かな表情で呟いた。

「ロイドさん達の話通り……イリアさんが舞台に復活する時も近いでしょう。その意味で、私が貴女に復讐する理由はありません。復讐されたいのであればイリアさんが復活した時にでも彼女に会いに来てください。多分、きついビンタ一発、もらえるでしょうから。」

そしてリーシャは真剣な表情で答えた後微笑み

「…………っ…………!」

リーシャの言葉を聞いたシャーリィは息を呑んで厳しい表情でリーシャを睨んだ。

「……はは……」

「確かにイリアさんならその程度で済ましそうですね。」

「ほう……………」

「自分を再起不能にした相手にビンタ一発だけで済ますなんて信じられない……」

「……どのような人物なのか会ってみたくなってきたな……」

ロイドは苦笑し、ティオは静かな表情で呟き、ティオの話を聞いたユーシスは感心し、フィーは信じられない表情をし、ラウラは静かな笑みを浮かべた。

 

「私がわざわざロイドさんたちに付いてきた理由……それは貴女と、私自身に証明するためです。今の私が――――貴女よりも強いと。」

リーシャは目を伏せて答えた後静かな笑みを浮かべ

「!?」

リーシャの言葉を聞いたシャーリィは目を見開いた!

「―――暗闇の果て、新たな光を見出した私に……血塗られた硝煙の道しか知らない貴女は及ばない。それを証明してみせます。」

そしてリーシャは剣をシャーリィに向けて答えた後膨大な闘気を纏った!

「なっ……!?」

「これが光を見出した”銀”の”真の力”か…………」

「……何でだろう?闘気は凄いのに…………殺気だけは感じられない。」

リーシャがさらけ出す闘気にマキアスは驚き、ラウラは静かな笑みを浮かべ、フィーは不思議そうな表情でリーシャを見つめた。

「……あはは……ホント、リーシャは最高だよ……単なる殺し合いなんかより……ずっとずっとワクワクする…………本当に……クロスベルに来て良かった……!」

一方シャーリィは苦笑した後好戦的な笑みを浮かべて呟いた。するとシャーリィの両脇に魔獣が現れ

「―――いいよ!それじゃあ早速始めよう!ランディ兄たちや”西風の妖精(シルフィード)”もついでに相手をしてあげる!シャーリィたちの戦いにちゃんと付いて来なよねぇっ!?」

シャーリィは愛用の武器である”テスタ=ロッサ”を構えて叫んだ!

「抜かせ……!」

「”西風の妖精(シルフィード)”を舐めた事……絶対に後悔するよ……!」

シャーリィの挑発を聞いたランディとフィーはそれぞれ真剣な表情で答えて武器を構え

「――――迎撃開始!全力でリーシャを援護する!」

ロイドは号令をかけ

「おおっ!!」

ロイドの号令に仲間達はそれぞれ頷き、ロイド、エリィ、ティオ、ノエル、ラウラ、ユーシス、マキアス、ミリアムはそれぞれシャーリィの両脇にいる魔獣に分散して向かい、ランディ、リーシャ、フィー、エオリアはシャーリィに向かって戦闘を開始した!

 

こうして2つの”領域”で同時にそれぞれの決戦が始まった…………!

 

 

 

 

説明
第889話

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コメント
感想ありがとうございます Kyogo2012様 まあ、シャーリィは負けたら殺してくれって言うほど死を軽視してますものね 本郷 刃様&THIS様 闇が深いキャラほど恋したら最後、とんでもなくデレるのはよくあるパターンじゃないですかww(sorano)
だめだ。リーシャがデレデレすぎる!!色々な意味でパワーアップしとる。(THIS)
リーシャのデレ度がホントに高いですね〜・・・ロイド君、爆ぜようか?(怒)(本郷 刃)
あららら。シャーリィの思惑がものの見事に外れたな。リーシャはシャーリィより確かに強いと思うわな。生きたいという意思は何よりもつよいからなぁ〜。(Kyogo2012)
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