真・恋姫†無双 AFTER STORY 聖なる魔人と過激なる外者 |
その時は星、白蓮、詠、月が俺の異変に微かに気づきだしていた
あと、勘が尖い雪蓮、指示を受けた明命と思春も
俺も警邏に行った時にようやく気づいたんだ………
自分の恐ろしい『毒』の存在を………
二節 ?悲しき違和感?
俺は星達や明命が心配している事など露知らず、街の警邏に凪と来ていた
一刀「凪、辛くなったら遠慮なく言えよ………?
まだ体が万全じゃないんだから」
愛紗「その為に私が来ている
隠さずに申せ、凪」
凪「はい
隊長……愛紗様、ありがとうございます
ですが、まだ自分は大丈夫です」
凪は俺と愛紗に向かって笑顔で微笑んだ
一刀「そっか………じゃあ、とりあえず警邏を続けるか…」
愛紗&凪「「御意!」」
…………
………………………
それから暫く歩き、日が傾いてきた頃…………
一刀「ん??〜……今日はひったくりや喧嘩もなく平和だったな……」
愛紗「はい、街中が活気に満ち溢れていましたね」
凪「このような日が続けばいいですね………」
一刀「そうだな…………っと、そういえばちょっと小腹が空いたな……
何か食べてから帰るか?」
凪「ですが…………華琳様に報告をしなければ………」
一刀「今日の事に関しては特にこれといった報告はないだろう……
報告書を纏めるのは俺だから心配ないよ」
愛紗「ですが……ご主人様…」
一刀「大丈夫だって……ほら、行くよ
今日の分は奢るから」
凪「あっ!隊長!」
愛紗「お待ち下さい!ご主人様!」
俺は愛紗と凪が急いで追いかけてくるのを背中で感じながらお店を入っていったんだが
その後ろで
??「隊長…………ウチらを誘わないで凪と愛紗様だけに奢る気やで」
??「ぶーぶー、そんなの狡いの?!」
??「それなら……………」
??「………………」コクッ
??「乗り込むでーー!!」
??「おーーっ!!」
あの二人が騒いでいた………
一刀「さて、何食べる?」
愛紗「ご主人様!お城に戻りましょう!」
凪「そうですよ隊長」
一刀「……………そんなに食べたくない?」
愛紗「あぅ……その…………(そのようなお顔をされてしまうと………)」
凪「た、隊長…………(断るに断れませんではないですか……隊長……)」
俺は凪と愛紗に首を傾げて聞いてみると二人は何故か頬を赤らめて俯いてしまった
一刀「??愛紗?凪?」
愛紗「…………分かりました……ご一緒させて頂きます」
凪「自分も愛紗様と同じです…………」
俺はニコッと笑い
一刀「そっか!二人も食べるんだね
それで何をたb…………」
俺は愛紗達に聞こうと思ったその時、
??「二人だけやないでぇ!隊長!!」
??「そーなの!」
一刀「っ!?」
後ろから聞き慣れた声が聞こえた
その声の主は
凪「真桜!?」
愛紗「沙和!?」
警邏隊での俺の部下、真桜と沙和であった
真桜「隊長狡いでぇ!凪と愛紗様だけに奢る気なんか!?」
沙和「沙和達だって奢って欲しいの!」
沙和と真桜は問い詰めるように一刀に迫る
一刀「分かった分かった!お前等の分も奢るから落ち着け!」
真桜「よっしゃー!隊長?太っ腹!」
沙和「沙和、蟹炒飯が食べたいの?」
先程までの問い詰めは何処へやら……
直ぐさま席に座り、注文表を見だした
一刀「やれやれ………」
凪「申し訳ございません、隊長……」
一刀「凪が謝ることなんかないよ
もう慣れちゃったしね………」
愛紗「………………ご主人様、そろそろ頼みますか?」
一刀「あぁ、そうだな………すみませ??ん」
真桜「あ?〜食った食った…隊長、ゴチになります!!」
沙和「ゴチになりますなの?!」
真桜や沙和、愛紗に凪、俺はそれぞれ炒飯や拉麺、餃子に天津丼、麻婆豆腐などを食べた
………勿論凪が食べた麻婆豆腐は紅蓮色に染まっていたのは言うまでもない
一刀「はいはい……ど〜も」
俺は苦笑いをして水を飲んだ
凪「ご馳走様でした、隊長」
愛紗「ありがとうございました、ご主人様」
一刀「いいっていいって………
そろそろ帰ろうか?いい時間だし……」
愛紗「そうですね」
時刻的には夜の7時前後……
外は闇に包まれかけていた
一刀「じゃあ、会計にいくか」
沙和「レッツゴーなの?!」
真桜「アンタがはらうわけやないんやで?」
真桜がそうツッコミをいれ、立ち上がった瞬間、
真桜「さて…………っと?わっ!?アカン!!」
真桜の手が水の入ったコップに当たり
バシャッ!!
派手に床にこぼしてしまった
凪「何をやってるんだ真桜………」
幸いにもコップが割れることはなかったが、コップの水が全てこぼれてしまった為、辺りが水浸しになってしまっていた
一刀「あーあー………ほら、拭いて!」
俺は右手を机に置き体重をかけ、手にしたハンカチで水を拭き取り始めた
真桜も急いで拭きはじめた
だが所詮ハンカチ……直ぐに水を吸収しベチャベチャになってしまう
店員「大丈夫ですか?御遣い様……」
一刀「すみません、布巾を多めに持ってきてもらえますか?」
店員「はい、ただいまお持ちします」
沙和「真桜ちゃん、とらぶるめぇかぁ?なの」
凪「…………沙和、お前が言うな」
一刀「………何でトラブルメーカー知ってんの?」
凪「風様が仰っていたんですよ」
一刀「風がか………何で知ってんだ?」
真桜「隊長?そないな事より早く拭き取ってーな」
愛紗「こぼしたのは真桜、貴様だぞ?」
真桜「わ、分かってますよ……そないに睨まんといて?……」
そして、少しすると
店員「おまたせ致しました、こちらです」
店員が四枚程の布巾を抱えて走ってきた
愛紗「あぁ、すまぬ
ほら、凪、沙和、拭くぞ」
凪「了解です」
沙和「分かりましたなの?!」
5人でやれば直ぐに拭き取る事ができ水っけは綺麗になくなった
真桜「いや?隊長、ホントすんまへん……」
一刀「いいよいいよ、さて………終わったことだし戻ると……」
俺が立ち上がろうとした
その瞬間だった…………
ガクンッ!!
一刀「っ!!?わっ!?」
右手に殆どの体重をかけた瞬間俺は何故か派手に転んだ
凪「隊長!?」
真桜「何しとるんや!?」
愛紗「ご主人様!?」
一刀「いててて…………」
咄嗟に受け身をとったため、そこまで痛くはなかったが………
何か違和感があった……………
一刀「おかしいな………手が滑ったのかな?」
凪「隊長、掴まって下さい」
一刀「あぁ、悪い……」
俺は右手を出し、凪の手を掴んだ
一刀「ありがとう、凪」
凪「いえ、それにしても隊長
随分右手が汚れていますね
ほら、手に『粉』がいっぱいついていますよ」
一刀「あぁ、ほんと………ん?」
俺は気がついた
凪と俺の右手についている『粉』………
それは……
一刀「(これは部屋の!?『次元の狭間』の!?)」
凪「??どうかしましたか?」
一刀「……………いや、何でもない……
皆、先に帰ってていいよ」
愛紗「??何故です?」
一刀「えぇ〜っと………まだ座席のほうが少し汚れていたから
さっき拭いていた時、凪の麻婆豆腐の汁がすこしこぼれたみたいで………」
勿論ハッタリだ
凪が食べた麻婆豆腐の汁など一滴も溢れていない
だが、凪達が立っているところからは角度的に座席のところまでは見えない感じになっている
真桜「まぁ、分かったわ
ほんなら戻りましょか?」
愛紗「しかし、よろしいのですか?」
一刀「いいから、報告は俺からするから大丈夫」
凪「そう………ですか……」
愛紗「………ではご主人様、お先に失礼します」
一刀「あぁ、じゃあお城でね」
愛紗達は城に帰っていった……
一刀「……………一体どういう事だ……?」
俺は一人になってから顔を険しくして机を睨んでいた
一刀「これは……偶然にしては出来過ぎてる…………」
何故机かって…………?
何故なら……
一刀「机の端が……………無くなってる………」
そう………机の端が崩れたようになかったんだ…………
腐ったような跡もなくただ削れて崩れたかのような状態であった
それはまるで『次元の狭間』であった『あの書簡』のような状態と全く同じだった
一刀「今朝の箪笥の手形……………
『次元の狭間』での不可解な書簡………
そして、この端が崩れた机………
何か引っかかるぞ………」
俺は顎に手を当てて考え始めた……
その時その店の柱の陰では……
思春「……………ありえん」
思春が一部始終を見ていたんだ
思春「『あのような現象』が起こるなど…………考えられん………!!」
思春「何故『あのような事』が……?」
思春「っ!?まさか………!?」
一刀「この不可解な現象の接点は今のところ一つ……………」
一刀「全て自分が触れた処や物だって事だな…………」
……終……
説明 | ||
裏で星、白蓮、詠、月、雪蓮が動いていた頃 一刀は警邏をしていた いつも通りに警邏をしていく凪と一刀と愛紗…… だが、遂に一刀が自分の『毒』の存在に気づく…………!! |
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コメント | ||
…むぅ、最初は『仮面ライダー555』に出てくる寿命を迎えたオルフェノクみたいに、一刀自身が灰化しているのかと思ったが…。どうやら手で触れた物質が、瞬時に炭化して灰になっている感じだな…。今はまだ物質だけで済んでいるが、この状況が進行すると…。これがあの魔人の最後の置き土産だとしたら、正に悪辣極まりないな…。(クラスター・ジャドウ) ぬぅ、どんな毒なのかまったく掴めないな^^;(nao) |
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