真・恋姫無双〜Re:道〜 |
第二章‐参話 『 御遣い達の実力検定? T 』
「ったく。めんどくせぇな〜」
「なによ。ボクの言う事に文句でもあるわけ?」
楓を連れて城に戻り全員に紹介した直後に詠が突然
「あんた達。今から試合してもらうから準備して」
と言われ、楓が持ってきた荷物を部屋に置いて、そのままこの前使った鍛錬場に来ていた。
「しっかし何で今更試合なんだ?」
「今だからよ。月の配下に加わって軍の編成見直さなくちゃいけないでしょ。誰かの下に付けるか一軍を預けるか、それを見るのも軍師としてのボクの勤めなんだから」
「なるほどな」
まぁ確かに人の命を預けるなら言ってることはもっともかもしれない。だが、楓はともかく、俺と一刀の試合は見ていたはずだ。
「――で、本音は?」
「この前のあんた達の試合見てから霞が試合を組んでくれって五月蝿いのよ」
頭に手を当ててそう言う詠を見るかぎり相当ウザかったらしい。まっ、このところ殆ど出張ってた自分にも多少は責任があるかもしれない。
鍛錬場に着いた時には一刀と楓以外は既に集まっており、その中央では霞が準備万端で待っていた。
「おっ。やっと来たか。待ちくたびれたで」
どんだけ楽しみにしてたのやら、もの凄い嬉しそうな顔でそんなことを言ってきた。
「始める前に聞くが、一刀じゃなくてよかったのか?」
試合の組み合わせはくじ引きで決めたらしいのでもし一刀を所望なら代わってやろうかとも思ったのだが。
「いや、これでええんよ。ウチが一番((闘|や))りたいんは和輝やからな」
「ほう、理由は?」
あの時の一刀の試合自体は引き分け…というか決着着かずだった。(二章‐壱話参照)
なら、霞がわざわざそう思う理由にすこし興味があった。
「ウチは『神速の張遼』呼ばれとるんや。せやからウチと和輝、どっちが速いか勝負したかったんや」
「なるほどな、つまりは互いに得意な土俵で勝負ってことか」
「そういうこっちゃ」
なら、もう何も言うことは無い。横目にチラリと見れば丁度一刀と楓も来たところだった。全員が集まり和輝と霞も言葉を交わさず構えたのを見計らい月が右手を上げた。
「―では、両者…始め!」
「フッ!」
いつの通りに開始と同時に和輝は殺気を放ち意識を切り替える。
「前にも思っとったけど((殺気|これ))、味方に向けるもんちゃうんやないか?」
「心配すんな。本気で((殺|や))る時はこんくらいじゃ済まねぇから…よっ!」
言うが早いか、距離を詰めると和輝は先手を仕掛ける。だがそれは偃月刀の柄で止められる。神速というだけあって流石に通らないか、等と思っていたが止めた本人はなぜか小首を傾げている。
「一発でばれましたね」
霞が小首を傾げたのを見て楓は隣の一刀に向けて口を開いた。
「ん?何がばれたのだ?」
それに喰いついてきたのは華雄だった。
「お兄の居合いは速さに特化してる分、斬るために必要最低限の力しか使わないんです。早い話が見た目より一撃そのものは軽いんです。出来ないわけじゃないんですけど」
「なら、速さと威力の両方持った張遼の勝ちか」
「そうとは限らないよ」
一人納得している華雄にそう言ったのは一刀だった。
「和輝だってそのくらいは理解してるはずだから。まだ決め付けるのは早いよ」
「でぇりゃぁぁ!」
(――まずいな)
霞の連撃を避けながら和輝はそう感じていた。『神速』と謳われるだけあって初撃も速かったがそれ以上にこの連撃が厄介だった。勢いに乗ってより速く、より重い一撃を繰り出してくる。
「避けてばっかじゃ勝てんで!」
「チッ」
なおも放たれる連撃に、和輝は体当たりを繰り出してなんとか距離を空けることに成功する。が、状況は振り出しに戻っただけで、同じ手は通用しないだろう。
「霞。」
「なんや?」
急に名前を呼ばれ訝しむ霞だか和輝は構わずに続ける。
「次で決める。痛い目見たくなかったら死ぬ気で止めろよ。寸止めできねぇからな」
警告。それは同時に和輝にとって次の一手で勝負を決めるという宣言でもある。
「おもろいやん。ええで、来い!」
それを理解した霞も気を引き締めて和輝を迎え撃つために構え直す。
そして和輝と霞が同時に飛び出し、僅かに速く和輝か仕掛ける。
「『((二刃|ふたば))』」
「ぐっ」
繰り出された二連の居合いを防ぐ。だが、先程までの攻撃と違い僅かに重い斬撃。それを和輝はさらに続けていく。
「『((四死刀|ししとう))』・『((六花|りっか))』・『((八房|やつふさ))』」
技を重ねるごとに手数を増やし、同じ構えでありながらに上下左右、時に手足を狙う複雑な太刀筋を繰り出す。瞬き一つ許さない連撃に次第に霞は神経をすり減らしてゆく。
「『((瞬華驟雨刀|しゅんかしゅうとう))』!」
ほんの僅かだが霞の反応が鈍くなり始めたところへ渾身の一撃を繰り出す。
「まだや!」
対する霞も防御を捨て迎え撃つ。
――― 一応の決着は着いた。
霞の放った一撃は鞘によって止められた。だがその一撃で和輝も体制を崩し和輝の一撃も霞に対しては僅かに掠った程度だった。
本来の戦場ならまだ互いに続けられる状態ではあったがこれは試合であって死合いではない、ということで先に刃を届かせた和輝の勝ちということになった。
「あ〜あ、なんやすっきりせん終わり方やな」
「そうかよ。まっ俺は負けじゃなけりゃどうでもいいけどな」
「そういえば、途中からえらく勝ちに来とったけど、和輝も自分の武に誇りとかあるん?」
霞に訪ねられすこし考え込むこと数秒。出てきた答えは
「…無ぇな。」
「そうなん?!」
「ああ、誇りなんて大層なモンは無ぇ。が、通してぇ意地位はあるな」
「訊いてもええか?」
「いいけど大したモンじゃねぇぞ。単に一刀以外の奴に負けたくねぇって位だ」
もし付け加えるなら自分が負けても良いと思える奴が一刀しかいないというだけでもあるのだがそれはあえて言わないでおいた。霞も一応納得したみたいだし。
「あっ」
と、試合が終わって、今まで忘れていたことを思い出した。それも、恐らくかなり重要なことを。
「わりぃ霞。ちぃと野暮用を思い出したんで出かけてくる」
「は?え!ちょっ?!」
そのまま霞の返事も聞かず和輝は急ぎ城門をくぐった。
あとがき
早くも二章参話です。読んでくださり、支援してくださる読者の皆様のおかげでがんばらせていただいております。
今回、一つ突っ込まれる前に説明を和輝の技名で『驟雨』という漢字ですが、本来の読みは『シュウウ』ですが当て字で『シュウ』になってます。そこのところご了承ください。
ちなみに二章は殆ど和輝メインになります。
ではまた次回!
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あるのはちっぽけな意地だけ…そんな噺。そして速さは足りているのか?! 『Re:道』と書いて『リロード』ということで 注:オリキャラが出ます。リメイク作品です |
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コメント | ||
九条さん>なかなか勘が鋭いです。だいたい合ってます(汗(ツナまん) naoさん>それは次回をお楽しみにw(ツナまん) Kyogo2012さん>ありがとうございます。そう思ってもらえればうれしいです(ツナまん) 楓は一刀相手だとまともに戦えないけど、それ以外には容赦しないって勝手に妄想した←(九条) 一刀は誰と戦うのだろう?後楓も強いのか?w(nao) 和輝って、一刀以外には負けたくないという意地があるのですね。いいことだと思いますよ。(Kyogo2012) |
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