愛する君に宛てて
[全1ページ]

 君が死んでしまってから、もう一週間が過ぎた。

 

 僕が作った小さなお墓で、満足してもらえているだろうか。静かに眠れているだろうか。

 

 眠れない夜があると、君はよくないたものだ。すがるように、僕の膝の上でなく君の頭をよく撫でたっけ。

 

 なきつかれて眠る君を、僕は何よりも愛しく思ったんだよ。

 

 よく晴れた日には、公園に遊びに行ったよね。君は無邪気にはしゃいで、いつも僕を振り回すんだ。何せ僕は体力があまりないからね。疲れて動けない僕を、君は不満そうな顔で見ていたね。

 

 僕にもっと体力があったなら、日が暮れるまで君と遊んでいられたのに。

 

 あれから僕も、少しは体力がついたんだよ。君と追いかけっこをしても、もう途中でバテたりしないよ。きっと、いつまでも走っていられるよ。

 

 君が死んでしまってから、もう一月が過ぎた。

 

 僕は君に、何かしてやれたんだろうか。眠れない夜ばかりで、苦しいよ。頬に顔をすりよせて、慰めてくれる君はもういない。僕はまだ、しばらく泣いて過ごすよ。

 

 でもきっと、僕は大丈夫だから。

 

 君がいなくても僕は大丈夫だから。

 

 安心して眠っておくれ。

 

説明
星になったアイツに捧ぐ
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
759 723 3
タグ
短編 フィクション  

篇待さんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com