真・恋姫†無双 AFTER STORY 聖なる魔人と過激なる外者 |
最初、俺は自分の異変に気づき
何が何だか分からなかった
一体何が起こっていたのか………
その『毒』の正体に気づくのは
まだ先である……………
三節 ?強まる『猛毒』?
店での不可解な出来事のあと
俺はひとまず城に帰り、華琳達に警邏の報告をし、自分の部屋に帰ってきていた
一刀「結局あの後考えたけど何も分からず………だな」
部屋にいてもその事しか頭になかった
今の時刻はだいたい夜の9時前後
外は真っ暗に等しい
この後することは寝る事ぐらいなのでずっと考えていた
一刀「………………」
そして俺は『ある一つの決断』を迷っていた
一刀「右手だけではなく左手でも同じことが起こるのか?」
簡単に言ってしまえば自分の目の前で物を触り、どうなるかという実験をするかしないかで迷っていたんだ
確かに目の前で触れ、その結果が分かれば新たなピースを見つけることができる
だがそれと同時に自分の体に起きている『異常な毒』の正体を知り、精神や身体が恐怖に支配されてしまう
俺はその恐怖を恐れ、触るに触れなかったんだ
因みに触るのは鍛錬場にあったただの石
一刀「……………………くそ……怖い…………怖いよ……」
全身から冷や汗が出始め、両手も小刻みに震えだした
だが、俺は覚悟を決め
一刀「…………よしっ!!いくぞ!!」
机の上に置かれた石を両手で包み込むように持ち上げた
一刀「……………………」
俺はジッと石を睨んでいた
果たして……………何が起こるのか?
そして何故『灰』になるのか……?
この目で見届けてやる!
そして…………
一刀「………………ん!?」
俺の体内にある『猛毒』がその姿を現した!
一刀「っ!?……………こ、これは…………!?」
それは正に異様………異常………不可思議な光景だった………
一刀「何だ…………?これは……………?
一体何が起こっているんだ…………?」
ところ変わって此処は雪蓮の部屋
何故か華琳や桃香、愛紗に冥琳、秋蘭と蓮華まで集まっていた
華琳「雪蓮………こんな時間に何の用なのよ?」
蓮華「姉様………いい加減話してください……」
雪蓮「ちょっと待って…………まだ全員集まってないから
集まったら話すから」
愛紗「全員とは………まだ誰か来るのですか?」
雪蓮「えぇ、あと六人?かしら……」
秋蘭「六人もですか?」
桃香「誰が来るんですか?」
雪蓮「そのうち分かるわよ」
蓮華「??」
冥琳「………………………」
その時の冥琳の顔つきは厳しいものだったという………
それから暫くしたあと……
コンコン
雪蓮「明命かしら?」
雪蓮が呼びかけると
明命「はい!皆揃っています!」
と、扉越しに明命の声が聞こえた
雪蓮「そう、じゃあ入って」
明命「はい!失礼します!」
明命の後ろには思春、星、詠、左慈、卑弥子がいた
桃香「星ちゃんに詠ちゃん?」
蓮華「左慈に卑弥子まで……何故?」
左慈「それはこっちの台詞だ
突然呼ばれた挙句、雪蓮の部屋に来いって言われたんだからな」
卑弥子「儂も同じだ
…………ふむ、その神妙な顔つき…ただ事ではなさそうだな……」
星「私と詠は大方予想がつくのだがな……」
詠「そうね…………何せ今日起こったことだし」
雪蓮「さて………皆が此処に集まってもらったのは他でもないわ」
冥琳「実は一刀の事で集まってもらったのだ」
桃香「ご主人様の件?」
愛紗「ご主人様に何かあったのですか!?」
愛紗は声を荒らげ雪蓮と冥琳に問い詰めた
雪蓮「落ち着いて、愛紗………今はその確認についてよ」
愛紗「確認…………ですか?」
冥琳「それについては明命と思春、星と詠から聞こうと思ってな……
話してくれるか?」
星「勿論ですとも
私の予想では主の身に起こっていることは最早一刻を争いますぞ」
詠「最初何かの偶然かと思ったけど、星の話を聞いて偶然じゃないと思ったわ
更にはこうやって三国の王たちからも収集がかかった…………
完全にボクはアイツに………一刀に何か起こっていることを確信したわ」
蓮華「一体何があったの?」
詠はゆっくりと慌てず一刀の身に起こっている『毒』の話をし始めた
詠「今日ボクと月はいつものようにアイツの………一刀の部屋に掃除をしに行ったのよ」
秋蘭「まぁ、詠と月は一刀の『めいど』だからな」
詠「一刀はもう部屋を後してたから掃除を始めたんだけど…………」
桃香「始めたんだけど?」
詠「その時一刀の箪笥が目に入ったんだけど、その箪笥の上に部屋には似つかわしくない『灰』が箪笥の一部分に降り掛かっていたのよ」
蓮華「部屋の箪笥の上に『灰』?」
詠「ボクはその『灰』を特に考えないで片付けたんだけど……」
華琳「??」
歯切れが悪くなった詠を見て
星「ここからは私がお話致しましょう」
今度は星が話し始めた
星「主が部屋を後にしたあと、主は桃香様方と政務をする為『次元の狭間』に向かったのでしたな?」
雪蓮「えぇ、そういえば貴方と白蓮は鍛錬をしていたのよね?」
雪蓮の返答に星は真顔で頷いた
星「主達が向かったあと、私と白蓮殿は鍛錬の休憩時に『あるもの』を見つけたのです」
蓮華「『あるもの』?」
秋蘭「………………まさか?」
秋蘭が恐る恐る星に聞くと
星「そう、例の『灰』です
しかもその『灰』は丁度主達が歩いていたところに沿ってあったのです」
と、答えた
秋蘭「……なんと…………」
愛紗「しかし……その『灰』は一体?」
愛紗が訪ねると
雪蓮「それに関しては明命と思春から情報があるわ」
雪蓮がそう告げると次は明命と思春が情報を話し出した
明命「私は陰から星様や詠さんの話を聞いていましたので雪蓮様にお知らせ致しました」
詠「じゃあ、その時から雪蓮は………」
星「主の違和感に感づいていらっしゃったのですな?」
雪蓮「そうね……一刀の様子が変だったから一刀と不審な行動をしている貴方達に見張りをつけたわけ……
案の定だったわ………けど、今欲しい最有力情報は………思春、話して」
その場にいた思春以外の皆の視線が思春に集中した
思春「…………私は一刀が愛紗や凪と警邏をしているところから尾行をしました
警邏中は然程の異変は感じられませんでした」
冥琳「…………うむ」
思春「ですが…愛紗達が警邏を終え、店で空腹を満たし終わり、一刀が店で一人だけになった時に私はこの目で確認いたしました」
愛紗「っ!?私や凪達が帰ったあとにか!?」
愛紗は驚きを隠せなかった
自分達が帰宅したあとに一刀の『毒』が姿を現していた事に悔しさをにじみ出てきていた
星「思春………私や詠が見たあの『灰』もあったのか?」
思春「あぁ………しかもな……」
思春は冷や汗をかき、生唾を飲み続きを言った
思春「あの『灰』は一刀自身が作り出していたものだったのだ………」
詠「はあっ!?『灰』を作り出す!?どういう事よ!」
思春の発言に詠は声を荒らげた
星「意味か分からん……掌でどうやって『灰』などを作り出すというのだ?」
思春「店で見張っていた時のことを話したほうが早いのだが………
左慈、私の見た光景を絵にする事はできるか?『過去の水晶』のような感じに………」
思春は左慈に問い掛けると左慈は
左慈「なる程………『百聞は一見に如かず』ってやつか……
それ位なら造作もねぇ、とっととやろうじゃねぇか………」
自慢げに右手を思春に向けながら言った
左慈「今からやるのは『過去の水晶』を作り出すときに使う『写元術(しゃげんじゅつ)』ってやつだ
主に頭ん中にある記憶で見た光景、聞いた音、触れた触感、食べた味、嗅いだ臭いなどの五感を一時的に取り出し映像化する術だ
この術により取り出した記憶を模倣して水晶に入れると『過去の水晶』となる」
そう言った左慈は右手に気を集中し始めた
すると、思春の頭から黄色の泡のようなものが出現し浮遊し始めた
雪蓮「これが思春の視覚の記憶?」
左慈「その通り
記憶の泡の色は決まっていてな……
視覚は黄色、味覚は赤、触覚は緑、聴覚は青、嗅覚は橙になってるんだ」
思春の視覚の泡は左慈の掌の上に移動し
左慈「ふっ!」
左慈が力を込めると泡は肥大化し始め
左慈「そらっ!」
パンッ!!
小さな音を立て、弾けた
愛紗「おい!?泡がなくなってしまったぞ!」
左慈「慌てんな!黙ってろ、愛紗!!
ほら、これだ」
左慈は右手を前に出すとA4サイズの紙二枚分程の大きさの厚紙が現れた
愛紗「むっ?何だ、これは?」
左慈「これは思春の視覚の泡を紙状にした物だ
これを壁に貼って見たほうが全員見やすいだろ?」
蓮華「確かにそうね」
愛紗は壁にその紙を貼り始めた
左慈「そんじゃま、上映……じゃなくて思春の記憶を写すぞ」
左慈は気を紙に送り出した
すると、紙が神々しく光りはじめた
卑弥子「考えたの左慈………ご主人様の世界でいう『テレビ』か?」
左慈「そういう事だ」
左慈は勝ち誇ったようにニヤッと笑った
だが、お互いの顔つきは直ぐさま厳しいものへと変わった
卑弥子「(しかし左慈よ、星や詠が言う『灰』とはもしかすると……『アレ』か?)」
左慈「(あんまり考えたくはねぇけどな………
恐らく奴の…………魔人・響窃の置き土産だ………)」
卑弥子「(やはり…………ならばまずいのう………)」
左慈「(あぁ、北郷も若干気付きはじめたはずだ……
早いとこ手を打たねぇと…………)」
左慈「(響窃がまた現れちまうぞ……………)」
……終……
説明 | ||
遂に違和感に……『毒』に気付きはじめた一刀… そして立ち寄った店にも出現したあの謎の『灰』…… 謎が謎を呼ぶ不可解な現象…… その陰には『あの存在』が関係していた………… |
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コメント | ||
やはり管理者は何か知ってるようですな〜しかし響窃がまた現れちまうぞとは一刀がなるのか?魔人化していってるのかな?(nao) | ||
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