ガンダムビルドファイターズ アストレイif |
第二話
始まりの戦火 後編
「すいません」
アオが先頭に立ち相手に声を掛ける。相手は三人。(僕達と同じ歳ぐらいだ)そのうちのバトルをしていない人が応対してきた。
「なんだ?見ての通り今は俺達がプレイしてるんだが?」
睨みつけてきながら僕達の前に立つ。その間にあとの二人はプレイに戻っていた。しかし、バトルをしているというよりはただ動かしているだけでいっこうに進展がない。
この状況でアオはどうするつもりなんだろう?と、不安に思っていたらアオが笑顔を浮べて言い放った。
「あんた達の意味のわからないヘタクソなプレイを見ても不愉快なのでさっさとどこか行ってくれませんか?」
「「「あぁ!?」」」
ちょっとアオ!?なんてこと言ってるのさ!?
アオが放った言葉に相手の三人が一斉に振り返る。顔は怒りに満ちている。プレイをしていた二人もこちらにやってきて空気が険悪になる。
「お前なめてんじゃねえぞ!」
「調子乗りやがって!」
「もっぺん言ってみろやコラァ!」
三人とも次々に怒鳴ってくる。そりゃまぁ、見ず知らずの人間にいきなりヘタクソ呼ばわりされて怒らない人のほうがめずらしい。
「あれ?聞こえなかったんですか?バトルの腕だけじゃなく耳も悪いんですね。ヘタクソはさっさと帰って俺達に譲れって言ったんですよ?今度はちゃんと聞き取れましたか?ヘタクソトリオさん」
アオが笑顔を崩さずに言葉を続ける。
なんでこいつは相手の神経を逆なでするようなことばかり言うんだよ…
これじゃあ譲ってもらうように説得なんて出来ないじゃないか。相手の三人組は今にもつかみかかってきそうな雰囲気でまた言い返してきている。アオはどうするつもりなんだろう。と、目の前の言い合いを眺めていたらアオに肩を掴まれた。
「正直あんたらの相手なんて素人のこいつと俺達で十分ですよ」
え?今なんて?この状況でそんな挑発したら
「上等だ!」
「お前等全員ぶっ潰してやる!」
「覚悟しろよ!」
当然ながら仲良く三人ともキレた。
「ちょっとアオ!なんでそんなこと言うのさ!?」
今度は声に出しながら慌ててアオに詰め寄る、
「大丈夫だって。あいつら本当にヘタクソだから」
と、言い返された。いやいやそうゆう問題じゃなくて、僕は正真正銘の初心者なんだからいきなりバトルとか言われても困るんだけど。
しかし、アオは聞く耳持たないと言った感じで準備に取り掛かっている。
「ドンマイ」
ミドリが肩に手を置いて声を掛けてくる。が、顔は笑いを噛み殺している顔だ。
こいつら…。いつか仕返ししてやる。僕が密かに復讐を考えている間にアオに呼ばれる。溜息をつきつつミドリと一緒にアオの横に並ぶ、そして相手に
「ルールは時間無制限でどちらかが戦闘不能になるまで。シングル戦を三回で最終的に勝利数が多い方の勝ちってことでいいですか?」
向こうの三人が了承してまず最初の一人が台の前に立つ。目には怒りが満ちている。
「こっちは俺から行くぜ」
「じゃあこっちからは…」
まずはアオから行くのかな?それなら二人目にミドリがやってそこで二勝してくれれば僕は無理してバトルしなくてもよさそうだな
「こいつがお相手しますよ」
背中を押されて前に出る形になる。こいつは本当に何を考えてるんだ…
振り返ると二人がとてもいい笑顔で僕を見ている。
「なんで僕からなの?」
「バトルに慣れるには実践が一番だからな」
「習うより慣れろ、よ」
どうしよう。もしかしたら僕の周りには敵しかいないのかもしれない。
「おい!さっさとしろ!」
相手から催促されてしぶしぶ台の前に立つ。
しょうがない。こうなったらやるしかない。僕は鞄からこのバトルに必要なアレ…ガンプラを取り出し台にセットする。相手も同じようにガンプラをセットした。次の瞬間、台の周りに青いフィールドと二つの球体が現れて中央にはバトルマップが形成された。そして、セットされたガンプラの目に光が灯る。
「((村雨紅葉|むらさめもみじ))!ガンダムアストレイ烈火フレーム推して参る!」
次回予告
初めてのバトル。
戸惑いながらも徐々にバトルの才能を開花させていく少年、モミジ。
果たして彼の実力とは…圧倒的な実力差を乗り越えて、
勝利を掴み取れ!アストレイ!
説明 | ||
どうも作者です。 前回からだいぶ間が空きましたが第二話の投稿です。 他にも投稿が進んでない作品もあるんですが… 何とか頑張ります。 でわでわ、アストレイif第二話。お楽しみください! |
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