真・恋姫†無双 再現 5
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「さーて、一刀を探そか!」

 

ウチについてき!と町に着くなり意気揚々と霞ちゃんは歩いていくのです。早くお兄さんに会いたいようで、いつもより歩く速度が早いのですね。風はそんなに早く歩けないのですよー

 

「ま、待ってください!」

 

遅れないようについて行こうとする流流ちゃん。風と同じくらいの背格好なのに歩くのが早いのは、流石は武官といったところですかねー。このままじゃ風だけ置いてけぼりなのですよー、むむむ

 

「何がむむむですかー!」

 

周りの人達が風の声に驚いているのです。おぉ、思わず口に出てしまいました。

ともあれ、風も急ぎませんとねー。お兄さんに早く会いたいですし

 

「霞ちゃんと流流ちゃんが歩いて行った方向は・・・」

人の流れを見てみると、左の路地から来た人々が饅頭を持っているみたいですねー。霞ちゃんと流流ちゃんが歩いて行った方向とは違いますが、こっちが近道なのでしょう。ここは一つ、先回りして驚かせてみましょうか

 

お兄さんに一番に会うのは風なのですよー

 

「おうおう、俺様を忘れてもらっちゃ困るぜ」

 

おぉ、宝ャもやる気ですねー。どちらが先にお兄さんに会うか競争しましょうか

 

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「あっれー?っかしーなー。この辺りに屋台があったはずなんやけど」

 

確かに記憶ではここら辺にあったはずなんやけど。似たような店ばっかりで分かり辛いわここ!

 

「ちょ、ちょっと!霞様!早すぎますよ!」

 

流流が来おった。あれ、風は何処やろ?

これははぐれたかなー、張文遠ともあろうものが男の事で我を忘れるなんて!

まぁ、風の事やからきっと屋台には辿り着くやろ。屋台におる一刀を捕まえて、そこで待っとったらええ

 

「いやー、悪いなー!一刀がおると思ったらいてもたってもいられへんやん?」

 

「ふふ、お気持ちは分かりますが風様がはぐれてしまいましたよ?私、風様を探しに行ってきましょうか?」

 

「風の事は心配いらん、ウチらより頭良いし何とかするやろ。それよりな、考えててんけど。一刀が見つかったらまず華琳様が独り占めするやろ?そんなん嫌やろ?な?」

 

「それは・・・・・・嫌ですけど・・・・・」

 

「勿論、ウチら三人が最初に会うわけやし?ちょっとぐらい四人でおっても分からんやろ?そんでな?ウチと流流が先に見つけて、風よりもちょーっとだけ一刀を独占すんのありちゃう?」

 

「に、兄様を独占・・・・・・?」

 

「ふふふ、どや?」

 

「そ、そうですよね!少しくらいなら」

 

顔を真っ赤にして、ほんま可愛いやっちゃな!おもろなってきたわ!3日くらい一刀独占してもええんちゃうこれ?

 

「早速屋台に行きたいんやけど・・・屋台、あらへんねん」

 

「移動してしまったのでしょうか?」

 

「んー、ここの通りやったと思うんやけどちゃうんかな?」

 

「え?そうなんですか?ちょっと写真を見せてください」

 

ウチは写真を流流に渡すと、流流は笑って

 

「霞様、この通りではないようです。この屋台の目の前にあるお店がこの通りにはありませんから」

 

あっちゃー、道を間違えたか。浮かれすぎやなこれは

流流が歩いてる人に屋台の場所を尋ねると、この一つ隣の通りっちゅう事わかった

 

「おおきに、流流。ウチ、ちょっと浮かれすぎてるわ」

 

「いえいえ、霞様が急ぐ気持ちは分かります。早く兄様に会いに行きましょう!」

 

さっきより少し遅めの速度で隣の通りに向かうと、凄い人だかりやった。ウチが来た時よりも、もっと人がおって驚いたわ!

 

「お、この屋台や!おっちゃん!また食いに来たったわー!」

 

ん・・・・・・?

 

何よりも驚いたのは

 

「霞ちゃーん、流流ちゃーん。待ってましたよー。少し厄介な事になってるようなのです」

 

風が既に屋台に並んどった事や

 

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時は少し遡り

 

「ふふふ。どうやら風達の方が早くついたみたいですよ?宝ャ」

 

「俺様達が一番乗りだぜ」

 

宝ャもお兄さんに会えるのを楽しみにしているようですねー。でも、どうやらお兄さんはいないみたいなのです

 

「あの・・・すみませーん」

 

「あー、ごめんねお嬢ちゃん!順番に並んでくれないと饅頭は売れないんだよ」

 

「お饅頭の事もお聞きしたいのですが、今は違うのですよー。この男の人を知ってますよねー」

 

「ん?おぉ、知ってるぞ!何だい、お嬢ちゃんこいつの女なのか?」

 

「お嬢ちゃんとか言うんじゃねえよ、俺様は男だぜ」

 

「違いますよ宝ャ、おじさんは風に言ったのです。そうです、風はお兄さんの女なのですよー。お兄さんが一番愛している女とは風の事なのです」

 

今は華琳様も霞ちゃんも流流ちゃんもいませんし、少しだけ独占してしまいましょう

 

「な、何独り言を言ってるんだこのお嬢ちゃん。とにかく、この坊主は呉にいるんじゃねえかな?」

 

「・・・・・・ぐぅ」

 

「おい!?何で寝るんだ!?」

 

「おぉ?あまりにも予想外で思わずうとうとと」

 

お兄さんが呉に?どういう事なのでしょうか。折角会えると思っていたのに残念なのですよー

 

「どうしてお兄さんが呉にいるんですか?」

 

「おうおう、さっさと吐いちまいな親父。この俺様の目が黒いうちにな」

 

「宝ャ、頼もしいのです」

 

「何なんだあんた・・・」

 

宝ャの放つ気迫に押されたのか、とても疲れた顔をしている店主さんです。

 

「元々俺は呉で店を出してたんだけどよ。この坊主が売り込んできたものを饅頭に入れてみたら物凄く美味かったもんで、各国に広めようと思ってな?手始めにこの沛まで売りに来たってわけよ」

 

「お兄さんは何を売り込んで来たんですか?」

 

「お嬢ちゃん、そりゃ秘密ってもんだ!これを言っちまって真似されたらたまったもんじゃねえよ!」

 

「むむむ、それは一理ありますねー」

 

「ま、騙されたと思って一つ買ってってくんな!最後尾からちゃんと並べよ?」

 

風は言われた通り屋台の列に並ぶのですが、人が結構並んでいて少し疲れました

霞ちゃんも流流ちゃんとも合流したいのですが

 

「おっちゃん!また食いに来たったわー!」

 

おやおや、この声は霞ちゃんですねー。隣に流流ちゃんもいますし、丁度よかったのです

 

「霞ちゃーん、流流ちゃーん。待ってましたよー。少し厄介な事になってるようなのです」

 

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「一刀は呉におるんか・・・」

 

霞様が苦い顔をしています。それはそうですよね、折角兄様に会えると思ってたんですから

 

「お話を聞く限りではお兄さんが呉の村で農業を営んでるらしいのですよー」

 

「え?一刀、畑とか耕せるん?っていうか、農業やっとるって何なん?」

 

「嘘はついて無いみたいなのですよー。つく利点も考えられませんし」

 

饅頭を口に含みながら風様と霞様が話し合っています。兄様が農業ですか。きっと素敵な畑が広がっている気がします。お手伝いしてあげたいなぁ

 

「何にせよ」

 

饅頭をすぐに食べ終わった霞様が立ち上がり腕を組み直します

 

「勝手に呉領に立ち入るわけにもいかんしなー。平和になっても、やっぱり他国の将が勝手に領土入ったら何事かと思うし」

 

「一度、華琳様に報告すべきですよね」

 

「せやなー、戻ろか。秘密の食材を仕入れたのが最近やから一刀がまた来るっちゅー事は無いやろ」

 

「この村で一泊して、日が昇ったら出立するで」

 

「・・・・・・ぐぅ」

 

風様がいつも通り寝ています。疲れていたのでしょうか。私も、会えなかった分とても寂しくて、疲れました

 

「風、起きや。宿を探しに行くで」

「・・・・・・おぉ?はい、それでは行きますよ流流ちゃん、宝ャ」

 

「はい!」

 

どうして、兄様は帰って来てくれないんですか?

兄様はやっぱり、私達の事が・・・・・・

 

 

説明
早く一刀を登場させたいのに、登場出来ない不思議を体験しております。
この回で、一刀が何処にいるのかが分かるところです
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コメント
ぬぅ、すれ違っちゃったか〜!一刀登場までまだかかりそうですなw(nao)
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