真・恋姫†無双 刀蜀・三国統一伝 第九節 蓮華の悩み・魏王との交渉
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まえがき コメントありがとうございます。クリスマス前なのに独り身で寂しく小説書いてるsyukaです。これはこれで楽しいからいいんですけどね!会社の同期と飲みに行くから寂しくないぜ!(女子はいない模様) さて、今回は蓮華と曹魏陣営メインのお話ですね。曹魏勢を凄い久し振りに登場させます。個人的には風と凪押しですね。桂花がもうちょっとデレてくれればいいんですが・・・。それでは皆様、ごゆっくりしていってください。

 

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 孫権さんを探しに市に俺だったが、当然の如く地理を把握していないため立ち往生していた。

 

「まいったな・・・。」

 

 誰か知った人でも見かければいいんだけど、孫権さんたち以外はまだ謁見の間に残っている。知った顔と言えば鈴くらいだ。

 

「私が上空から探しても良いのだぞ?」

「鈴があの姿で出てきたら、建業の人達が腰抜かしちゃうから駄目。」

「そうか?」

「そうなの!」

 

 とは言ったものの、市に出てから既に30分くらいは経過している。どうしたものかなぁ・・・。

 

「おーい! 一刀〜!」

「ん?」

 

 どこかで聞き覚えのある声に振り向いてみれば、そこにはこちらに走ってくる小蓮の姿があった。

 

「こんなとこでぼーっとして何してるの?」

「ぼーっとはしてないよ。 孫権さんを探してたんだけど、ここの地理が分かんなくて迷ってたんだ。」

「お姉様を・・・ねぇ。 もしかして、惚れちゃったの!?」

「どうしてそうなるかな・・・。 違う違う。 さっきの会議中にさ、孫権さんが水蓮にあんなこと言われちゃってたでしょ?」

「あんなこと?」

「?」

「シャオ、会議に参加してなかったよ。 兵の鍛錬してたから。」

「・・・。」

 

 そう言えばいなかったな。

 

「実はかくかくしかじかで・・・。」

 

 シャオに会議での出来事を掻い摘んで説明した。便利だな、かくかくしかじか。

 

「そんなことがあったんだぁ。 まぁ、一刀とお母様たちが参戦しないのには驚いたけど、お姉様は大丈夫だと思うよ?」

「どうして?」

「だって、お姉様すぐに怒って一人で抱え込んで自分で解決しちゃうもん。 大体は思春とか冥琳に諭されるんだけどね〜。」

「なるほど。 けどさ、一人で抱え込んでるならすぐに楽にしてあげたいじゃん。 その捌け口になれればなって。」

「一刀も面倒な役回りやってるんだね〜。」

「そうかな? 俺も今までそうしてもらいながら生きてきたからね。」

 

 小さい頃は困ったからなぁ。下手に何でも出来る俺は幼い頃、目の敵にされていた時期があった。軽いいじめもちょいちょいあった。あの頃は辛かった・・・そんな時に家族や親戚にどれだけ救われたか。北郷流を身に付けてからは心構えも変わったからな。

 

「一人で抱え込んだままは辛いだけだからね。」

 

 あの頃に芽生えた微かな心の闇は未だに残っている。俺が会得した奥義を使おうとすれば、微かな闇が一気に膨張し光を意識ごと全部持って行かれてしまう。まぁ、今は鈴の力もあって光の部分が九割以上を占めているから大丈夫なんだけどね。それに、今の俺には仲間という光がたくさんあるから。

 

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「気遣ってもらえてる姉様は幸せ者だな〜。 姉様がそれに気付いてないのはまた別問題だけど。」

「そこはいいよ。 皆が皆、俺のことを良く思ってくれているとは考えてないし。 けどそこと俺が気遣うのは別問題だからね。」

「・・・だから姉様や母様が目を付けたのかな?」

「ん?」

「な、なんでもないよ!!」

「??」

 

何か言ったように聞こえたけど・・・気のせいかな?

 

「と、とにかく姉様を探してるんだよね! さっき見かけたから案内するよ!」

「う、うん。」

 

 俺はシャオに手を引かれ市を駆け抜けた。

 

・・・

 

「姉様〜〜〜!」

 

 シャオに手を引かれ走ること10分、ようやく孫権さんを見つけた。森を抜け、川の畔に獣道が開けると岩場に座っている孫権さんがいた。穏と甘寧さんもいるんだけど・・・なんか空気がピリピリしてるな。

 

「何用だ?」

 

 俺たちが近づいたことに気づき、先に言葉を発したのは甘寧さんだ。

 

「さっきの一件があったからさ、様子を見に来たんだよ。」

「貴様が見に来るようなことでもない。 さっさと立ち去れ。」

「まぁまぁ〜、一刀さんは心配してきてくださったのですから〜。」

「・・・。」

 

 孫権さんが視線だけこちらに向けてくる。

 

「いいわ。 思春、下がりなさい。」

「・・・はっ。」

 

 甘寧さんが一歩下がる。

 

「・・・私に何か用? 母様に何も言い返せなかった私を笑いに来たのか?」

 

 きっついなぁ。まるで自分に関わるなと言われているようにも感じる。

 

「姉様、そんな言い方しなくても・・・」

「いいよ、シャオ。」

 

 俺は前に出ようとしたシャオを片手で制した。

 

「違うよ。 孫権さんのことが心配だから来たんだ。」

「・・・姉さまに気にかけておくよう言われたから来たのでしょう? 私は母様や姉様とは違って甘くない。」

 

・・・

 

何と言うか、考え方が凝り固まっているとでも言えば良いのか・・・そう言えば前に雪蓮が言ってたな。

 

「蓮華は王族としての誇りが〜の一点張りなのよね〜。 もっと肩の力を抜いていいと思うのよ。」

 

あの時の雪蓮はもっと自覚を持てって冥琳にお小言を言われてたっけ。思わず苦笑いを浮かべてしまったのは言うまでもないけど、確かに孫権さんはもっと砕けた考え方をしても良いと改めて思う。 ・・・俺や桃香はもう治らないというか、うちのきっちり役は愛紗に任せているからな。 あぁ、もっとしっかりしてください!と二人で正座させられながら叱られてる三人の図が目に浮かぶ。 怒られた場数が違うから、どやっ。

 

「なんで一刀はそんな勝ち誇ったような顔してるの?」

「特に意味はないよ。 ただ、うちの可愛い頑固者のこと思い出してただけだから。」

「?」

 

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〜〜

 

「っくしゅん!」

「愛紗ちゃん、どうしたの〜? 風邪?」

「いえ、そのようなことはないのですが・・・誰かに噂されているのでしょうか。」

「愛紗ちゃん人気者だもんね〜。 美髪公なんて二つ名もあるし♪ お姉ちゃんは鼻が高いよ〜♪」

「まだ続いていたのですね・・・。」

 

〜〜

 

「それはともかく、孫権さんはそんなに肩肘張らなくてもいいんじゃないかな?」

「そのようなことはない。 私は王族としての責務を考えて行動しているだけだ。」

「それ。 王族としての責務とか抜きにして、一人の孫権仲謀として動いてもいいんじゃない? 自分自信に素直になってもさ。」

「王族としての責務を放り出し、誇りを捨てろと言うのか?」

「そうは言ってないよ。 そうだなぁ、雪蓮みたく・・・あそこまでとは言わないけどさ、もっと自分のやりたいようにやっていいんじゃない? 孫権さんは雪蓮や水蓮が王族として誇りや責務を忘れているとか考えているわけじゃないでしょ?」

「当然だ。 お二人共、戦には目がないが臣下や民のことを常に考えている。 私とて例外ではない。」

「うん、それはそうだね。 じゃあさ、水蓮や雪蓮が最後まで孫権さんに指揮を取らせることを渋っていたんだけど、これを聞いて思いつくことはある?」

「・・・私に軍を統率するだけの実力がないから。」

「それもあるかもね。 けど、雪蓮はともかく水蓮はずっとこう言ってたよ。 私のこの選択は本当に正しいのか・・・ってね。」

「っ・・・。」

 

 発しようとした言葉を彼女が飲み込んだのがわかった。少なからず動揺しているみたいだな。

 

「戦好きの雪蓮はともかく、戦の経験が少ない我が子に自軍の指揮を・・・本陣を任せるのはどうかと。 そんな中で自分が戦場に赴かないなどあって良いものなのかってね。」

「そのようなこと・・・」

「水蓮が言うはずがない。 って思ってたでしょ。 孫権さんが思ってる以上にあの人は自分の子たちのことを考えてるよ。」

「母様・・・。」

 

 悔しいでも寂しいでも申し訳ないでもない、何か複雑そうな表情を浮かべる孫権さん。俺も母さんたちに心配されてるんだろうな〜って水蓮と話してると考えさせられた。親の心子知らずか・・・俺も人のこと言えないな。

 

「孫権さんは議会の時に王である水蓮や雪蓮が何故指揮を取らないのかって反発してたけどさ、こういう時こそ見せ場だと俺は思うよ。」

「・・・どういう事?」

「自分はここまで出来るようになったんだぞーって。 戦の勝利を自分の成長として水蓮たちに見せつけてやればいい。 そうすれば水蓮たちが心配することも減るし、孫権さんの自信にも繋がると思うんだけど・・・。」

「・・・くすっ。」

 

 あっ・・・笑ってくれた。表情も雰囲気も先ほどより随分と柔らかい。

 

「北郷って聞いてたより男の子なのね。 出来るようになったんだぞーって・・・市の子供たちと口調が変わらないんだもの。 くすくすっ。」

「んー・・・そんなに子供っぽい?」

「えぇ。 なんだか姉様と似たような感じ。 戦場では猛威を振るうのにこういう時は子供みたいにのほほんとしてる。 それなのに真面目な話をしてる時は確信をついて来る。 食えないところが特にね。」

「そうかなぁ?」

 

 なんか前に冥琳にも同じようなことを言われた気がする・・・俺って戦場であんなに生き生きしてないよなぁ。だって、

 

「あははは♪ ほらほらほらほら! 私が満足できる相手はいないのかしら〜? ま、いないなら用はないもの。 殺してア・ゲ・ル♪」

 

 ・・・あーんなこと俺、言わないもん。

 

「あ〜ぁ、なんかあなたと話してたら小難しいことで悩んでた私が馬鹿らしく思えてきたわ。」

「お姉様が小難しいことに頭を抱えてるのなんていつものことじゃん。」

「今回は特によ。 いきなりこんな大役任されたんだもの。 袁術を攻める時は指揮を任せられたけど、今回の相手はあの魏・・・曹操なのよ? 動揺しても仕方ないじゃない・・・。」

 

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 曹操さんか。会うのも久し振りだけど、今もっとも警戒しないといけないのは彼女たちではない。恐らく、于吉と左慈という者たちの方が厄介だ。母さんたちが捜索してくれてるけど・・・大丈夫かな?

 

〜〜

 

「! 今一刀が私のこと考えてたわ!」

「何をいきなり言い出すのですか・・・。」

「補充した一刀分から伝わってきたのよ! あぁ、戻ったらまた一刀をぎゅーってしてあげないと♪」

「いつもの親バカモードですね。」

「菊璃が子離れ出来るのはまだまだ先になりそうですね。」

「というか無理だろう。 鞘香の一刀離れできないところは絶対菊璃の血だろうな・・・。 いや、母さんと菊璃の一刀バカがそのまま鞘香にいったのか?」

「鞘香ちゃんが兄離れできるのは無理そうだね〜。」

「・・・悩みの種は増えるばかり、か。」

 

〜〜

 

 なんか寒気がしたんだけど・・・。

 

「まぁいいわ。 私も私なりにやってみるわ。」

「桃香・・・劉備も軍の指揮はあまり経験がないんだ。 そっちも配慮してくれると助かる。」

「そうね。 姉様や曹操のように戦慣れしてそうにないものね。」

「不器用だけど頑張り屋さんだからさ。 今回は彼女の成長も視野に入れて俺も参戦を控えたから・・・って言っても心配で仕方ないっていうか。」

「北郷は心配性なのね。」

「心配性・・・なのかなぁ。 守りたい子がいっぱいいるんだ。 俺や桃香と慕ってから参入だったり、戦をして互いの武を認め合ってからの参入だったりと経緯はバラバラだけど俺の無茶な言に一つも文句を言うことなくついて来てくれてる仲間ばかりだから。」

「一番無茶してそうなのが北郷のようにも見えるけど。 姉様を矢の的から庇ったのだって北郷だったじゃない。 それでは体がいくつあっても足りないわ。」

「俺は俺が出来る限りのことしかしてないよ。」

「できる限りのこと・・・ねぇ。」

 

 何か言いたげな視線を送ってくる孫権さん。間違ったことは言ってないはずだけどな?

 

「お姉様、一刀の場合はほとんどが出来ることに当てはまるから気にしないほうがいいよ。」

「・・・器用なのも大変なのね。」

「あ、あははは。」

 

 こういう時にどう反応すればいいか困る。

 

「・・・私も北郷みたいに単純に物事を考えられれば苦労しないのに。」

「そう聞くと俺、何も考えてないようにも聞こえるなぁ。」

「ち、違うわ! あなたは・・・蜀の子たちのほとんどが純粋で、己の意志で動いているように見えて羨ましいの。 私はどうしても自分に課せられた責任・・・っていうのかしら。それに拘っていたから。 ・・・いえ、それに甘えていたのね。」

「それでいいんじゃない? 何でもかんでも一人で出来る人なんていないんだから。 今から雪蓮みたいに戦闘狂・・・もとい、戦上手になれって言われても難しいでしょ?」

「当然よ。 姉様のあれは天性のものだもの。 感で動いてるって冥琳がぼやいていたわ。 私が逆立ちしたって敵いっこないわよ。」

「うん。 それもそうだね。 けど指揮系統だったらまだどうにか出来る範囲内じゃない? 冥琳に穏、亞莎に愛璃と教えを乞うにはうってつけの人達がいっぱいだし。」

「私が愛璃様や冥琳様ほどの“こと”を教えるのは難しいですが、基礎的なことでしたら教えられますよ〜。」

 

 穏レベルの基礎ってどのくらいなんだろうか・・・。朱里や雛里と同レベルと置き換えただけでもその凄さは測り知れることなんだろうけど。

 

「教えを乞うことは簡単。 けどそれをどうするかは本人次第・・・ということね。」

「そういう事。」

「となると、北郷は良い先生に恵まれていたのね。」

「え? どうしてそこで俺の話に? というよりも、孫権さんの前で俺何かしたっけ?」

 

 前に建業に来たときというと・・・雪蓮の薬を取りに行ったあたりか。取りに行ったというよりも鈴に牙の破片をもらったんだけど。

 懐かしいな。

 そう言えば鈴と会ったのもその時だったね。

 

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「美々と美紅との模擬戦したじゃない。 私、思春と一緒に見ていたもの。 あの二人相手に余裕のある立ち回り。 うちにいる将でも難しいとおもうのに、あなたは平然とやってのけた。 独学にしても師に教えを乞いたにしても、並大抵の努力でないことくらい分かるわ。 知略にしても、愛璃がお墨付きを出していたし。」

「愛璃の件に関しては初耳だな。」

「あんな子が弟だと大助かりよね〜。 攫ってきちゃおうかしら♪ なんてことも言ってたわ。」

「・・・。」

 

 夜道には気を付けよう。いつの間にか攫われてましたなんて洒落にならねぇ・・・。

 

「あ、愛璃のことはともかく! 師に恵まれていたことは確かだね。 うちの祖父母にしても両親にしても人が出来ているというか規格外というか・・・とにかく凄い人たちらしいんだ。」

「らしい?」

「うん。 分かりやすく言うなら昔の偉人の項羽とか光武帝あたり。 その感覚に近いかな。」

「そ、それは確かに規格外ね。」

 

 そのあたりとかじゃなく本人様だったのが本当に驚きなんだよね。まぁ、俺からしてみれば桃香も愛紗も鈴々も、目の前にいる孫権さんだって十二分に規格外なんだけどねぇ。

 

「そんな人たちに色々と学ばせてもらったからね。 身の振り方然り、武然り、知然り。 怒り方は母さんに似てるってよく言われるかな。 ・・・全然怖くないって言われるけど。」

「ふふっ、怒ってるところを想像出来ないもの。」

「そうかなぁ?」

「そうよ。 いつも笑顔で・・・例えるなら日輪のような。 こっちがどんなに暗くても眩しいくらいの光で照らしてきて、こっちまで心が暖かくなってくるような。 そんな印象ね。」

「そんな大袈裟な。」

「大袈裟なんかじゃないわ。 今、実際にそう感じているのだもの。」

「そう言ってくれるとありがたいんだけど・・・なんか気恥ずかしいね。 悪い気はしないけどね。」

 

 顔が少し赤くなってるんだろうな。体温が少し上がったようn「だーれだ?」・・・いきなり目隠しをされる俺。恥ずかしさとかどっかに飛んでいったよ?流行ってるの、これ?

 

「・・・管轤さんですね、その声は。」

「ふむ、バレてしまっては仕方ないですね。 正解です。」

 

 バレてしまっては仕方ないといった上では、むしろ正解以外の答えがなさそうだけどな・・・。視界が開けると孫権さんが呆気にとられ、甘寧さんや穏も少なからず驚きを隠せないでいる。

 

「私に気配を感じさせないとは・・・何者だ?」

「一刀様の将をやらせていただいる、管轤と申します。 以後、お見知りおきを。」

「軍議にはいなかったわよね?」

「そうだっけ?」

「えぇ。 菊璃様と電話でお話していましたから。」

「・・・。」

 

 電波が通じるのかという疑問はぶつけても無駄なのだろう。前に卑弥呼と貂蝉も携帯で会話してたし。

 

「その時に、目隠し云々の話を母さんから聞いた、と。」

「一刀様は超能力者ですか!?」

「今の会話から大体察せられるって・・・。」

 

 何かキャラ変わってないか?いや、素の状態がこうなのかな?

 

「むぅ、影刀様にも美桜様にも悪戯は通じませんでしたし・・・才能ないのでしょうか。」

「本当に何してるんですかあなたは・・・。」

 

 いつものお姉さんキャラが蕾姉ちゃんみたいになってるよ。

 

「っと、そうではありませんよ!」

「してきたのはあなたの方です。」

「それもそうでしたね。」

 

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 この色々気が抜ける感じはまさに蕾姉ちゃんそのものだ・・・。二人分とか勘弁してくれ。

 

「鈴さんと燼さん、並びに文台様、伯符様の準備が整ったとのことなので、呼びに駆けつました。」

「優先順位を間違ってます。」

「すみません、出来心でつい。」

 

クールなお姉さんの印象がどんどん崩れていく・・・。

 

「母さんたちとどこかへ行くの?」

「うん、ちょっと野暮用でね。 どうしても外せない用事だから。」

「・・・そう。」

「それじゃ・・・。」

「待って!」

「?」

 

 孫権さんが俺の裾を掴んできた。何か急ぎの件でもあるのだろうか。

 

「・・・その・・・私の真名、受け取ってもらえないかしら?」

「・・・いいの?」

「自分自信に素直にって言ったのはあなたよ? それに・・・私だけ仲間はずれにされてるみたいに感じるもの。」

「・・・俺、ずっと嫌われているものかと思ってたから安心した。」

「嫌ってなんかないわ! ただ、どこか掴みどころがないというか・・・怪しいなぁって思ってたから。」

「俺、掴みどころありまくりだけどなぁ・・・。 隠してることないし。」

「と、とにかく! 私の真名を受け取って欲しいのよ! 母様や姉様もあなたに預けて、冥琳の危機も救ってもらって、私もこうして大きな不安から解放してくれたわ。 それでも駄目・・・かしら。」

「・・・分かった。 俺のことは真名も諱も持ち合わせてないからさ、一刀って読んでくれると嬉しいかな。」

「分かったわ。 ・・・我が姓は孫、名は権。 字は仲謀。 我が真名、蓮華をあなたに預けます。」

「・・・ありがとう。 蓮華、これからよろしくね。」

「っ、えぇ!」

 

 満面の笑みを浮かべる蓮華。笑ったらこんなに可愛いんだな。いつも見てた気難しそうな表情とは大違いだ。

 

「それと、また悩みが出来たら相談してよ。 一人で抱え込むのは良くないからさ。 蓮華も俺にとっての大事な人だから。」

「えっ!? それは流石に早すぎるというか・・・//」

「?」

 

 間違ったことは言ってないよね?

 

「とりあえず俺は行くね。 甘寧さん、穏、後は蓮華のことよろしくお願いします。」

「は〜い。」

「・・・ふんっ。」

「それでは皆様、失礼します。」

 

 甘寧さん、なんか不機嫌そうだけど・・・ま、いっか。俺は踵を返し、管轤さんと共に城へ向かった。

 

「思春ちゃん、不機嫌そうだね〜。」

「・・・そのようなことはありません。 ただ、あの男が馴れ馴れしく蓮華様にものを言っていたのが気に食わぬだけです。」

「それを不機嫌と言うのですよ〜。」

「・・・。」

 

 あの男、蓮華様を誑かしおって・・・しかし、それより気になるのはあの女。私が気配を察知出来ぬ者など片手で数えられるほどしかいなかったが・・・相当な手練だな。要注意だ。

 

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・・・

 

 

 帰城後、すぐに俺も身支度し雪蓮たちと合流。その後、建業から二里ほど先の荒野に来ていた。

 

「一言伝えてこなくて良かったの?」

「今会ったら離れるのが辛くなりそうだから。 実際、今だって最悪の事態に備えて戦線に加わるって言いに行きたいくらいだよ。」

「一刀も心配性ねぇ。」

「娘が出来たら嫁には出さんと言い出すな、これは。」

「そんなことは・・・。」

 

 ありえるかも。

 

「で、こんなところまで来て何をするのよ? 曹操ちゃんのとこに同盟の話を持ち込んで戦争を回避できないか話に行くとまでは聞いているのだけど。 そもそも馬もないし、簡単に行ける距離じゃないわよ?」

「私と燼の背中に乗ればすぐに着く。」

「まさか人間を背中に乗せることになるとは思わなかったぜ!」

「・・・冗談ではなさそうね。」

「・・・私らも腹を括るしかなさそうだな。」

 

 戦地へ向かう時より深刻そうな表情を浮かべる水蓮と雪蓮。とりあえず、そんなこんなで鈴と燼は竜へと姿を変え、俺が鈴。 二人が燼の背中に乗り出発。

 

******三分後*****

 

 本当にすぐ着いちゃった・・・。眼前にあるのは目的地であった陳留。今まで来たことはなかったけど、鈴たちに案内を間違いはないだろう。

 

「おや、何事かと思えば懐かしい顔があるではないか。」

「えっ? ・・・華雄!?」

 

 なんでここに?反董卓連合以来、消息を絶っていたけど・・・。

 

「なんで陳留に?」

「今は曹操様の下で武官をやっているからな。 連合でそこにいる孫策に打ち負かされて以来、無様に落ち延びた私は数人の部下と共に各地を転々としてな。 ある日、出会ったのが・・・」

「華雄さ〜ん。」

 

 市の方から女の子たちが駆けてくる。

 

「あれ〜? 前に森で助けてくれたお兄さんだ〜。」

「君たちは確か俺たちが黄巾党を追ってた時に会った・・・」

「天和だよ〜♪」

「ちょっ!? 姉さん!?」

「え〜、何〜?」

「いきなり真名を・・・あ、いや。」

「?」

 

 真名がどうたらって聞こえたんだけど・・・。

 

「・・・失礼しました。 私は人和と言います。 以前は危ないところを救っていただき、ありがとうございました。」

「あぁ・・・あの時はごめんね、怖がらせちゃって。 あれも一応うちの将だから。 あんな見た目でもいいやつなんだよ。」

 

 多分。

 

「えぇ〜!? あんな怪物が!?」

「地和姉さん! 他所の将を怪物呼ばわりは失礼ですよ!」

「・・・まぁ、いいよ。 あの見た目は俺も怪物呼ばわりされて仕方ないって思ってるから。」

「は、はぁ。」

「へぇ〜。 ま、いっか。 私は地和。 皆の可愛い地和ちゃんです♪」

「・・・。」

「反応薄!」

「自分で可愛いって言うのも・・・ねぇ。」

「そこで俺の方を見ないでもらえるかな、雪蓮。」

 

 俺だってどう反応すればいいか困ってたんだ。 察してくれ。

 

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「ところであなた方は一体どなたですか?」

「そう言えば前に自己紹介してなかったね。 では改めて。 俺は北郷一刀。 今は成都で劉備の下、相をやらせてもらってるよ。」

「北郷一刀・・・噂に聞く蜀の女たらし。」

 

 ・・・なんて噂が流れてるんだ一体。

 

「ふむ、間違ってないな。」

「そうだな。」

「・・・誰も庇ってはくれないんだね。」

「事実だもの♪」

「・・・。」

「そちらの方々は? 北郷様の部下の方ですか?」

「いや、ちがくて。」

「我は呉王、孫堅文台である。」

「で私は、その娘の孫策よ。 よろしくね♪」

「一刀の嫁の鈴だ。」

「鈴姐さんと兄貴の部下の燼だ。」

「・・・俺、いつから燼の兄貴分になったの?」

「ん? 姐さんの旦那だから兄貴じゃねぇか。 かてぇことは気にすんな!」

「・・・う、うん。」

 

 蒼にも全く同じことを言われたよ。俺、兄貴分って柄じゃないのになぁ。

 

「蜀王に呉王・・・今が戦前だということを理解しての行動ですか?」

「うん。 戦の前だからね。 火種は付いちゃったけど、まだ爆発はしてない。 火種のままならまだ消せる可能性はあるから。」

「・・・曹操様に話し合いは通じないと思いますが。」

「それでもだよ。 万が一でも可能性はあるなら試す価値はあるからね。 やらない後悔よりやった後悔・・・ってね。」

「(・・・変な人。)」

「華雄、よければ謁見の間に案内してくれないかな?」

「承知した。 三人とも、出来ればどこかで時間を潰しておいてくれ。 私は後で合流する。」

「分かりました。」

「は〜い。」

「・・・。」

 

 俺たちは華雄の案内で謁見の間に向かった。

 

「あの北郷一刀って男、本当に強いのかしら? 華雄さんが模擬戦で負けたって言ってたけど。」

「強そうには見えなかったけど・・・服を脱いだら筋骨隆々だったり? 似合わな〜い! あはは♪」

「でもお姉ちゃんは結構好みかな〜。 頼りがいありそう♪」

 

・・・

 

 城の前で待たされること10分。ようやく許可が出たので俺たちは謁見の間へ足を踏み入れた。

 

「突然の申し出に承諾をいただき、ありがとうございます。」

「そうね。 私も少なからず驚いたわ。 けど、あなただけならまだしも呉王とその娘までいると言うじゃない。 世間話をしにきたわけではないのでしょう?」

「勿論。」

 

 あたりを見渡せば魏の重鎮らしき人たちがそろい踏みだ。明らかに怪しい人間を見る目でこちらを見ている。まぁ、戦前にこんなに堂々と話し合いをしましょうというのも我ながら怪しすぎるからな。気持ちは分からないでもない。

 

「呉と蜀が同盟を結んでいることは既に先の戦で把握済みよ。 それと、あなたに矢を射った者についてはその場で打ち首にしたわ。 生首があるけど、証拠に見せてあげましょうか?」

「いや、遠慮しとくよ。 出来れば丁重に弔ってくれるとありがたい。 その人と面識はないけど、その人の意志で動いたわけではないって分かったから。」

「あっそ。 分かったわ。 それで、今回は私たちに何を要求しに来たのかしら?」

「次の戦の中止。 並びに、三国同盟の提示・・・かな。」

「何? 負けるのが怖くて媚を売りに来たの? これだから男って生き物は嫌いなのよ!」

 

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 あの女の子の言葉、きっついなぁ。俺が嫌いじゃなくて男が嫌いなのか・・・。

 

「違うよ。 戦に勝てる算段もついている。 けど、俺たちの・・・呉と蜀の目標はあなたたち魏を含めた同盟こそが最終目標なんだ。 俺自身の考えとしては無理に戦争しなくてもいいんじゃないか? って考えてるんだけど。」

「それはあなたたちの考えであって、私の考えではないわ。 あなたたちが降伏し、私の下につくのならかんがえなくもないわね。」

「それじゃダメなんだ。 複数の国が力を持ち、交流してこそそれぞれの国益や民の生活が安定する。 曹操さんの考えなら一つの国が大きすぎる力を持つことになる。 そうしたら時が流れた未来に亀裂が走る危険性が最も高い。」

「この時代、複数の王は必要ないわ。 勝者はあなたたちか、私か。 そのどちらかしかないのよ。」

「・・・手を取り合うことはできないのか?」

「口説い!」

「っ・・・。」

「あんたも頑固ねぇ。 心が狭いのかしら?」

「貴様!」

「春蘭! 下がりなさい。」

「しかし!」

「下がれ!」

「っ・・・はっ。」

 

 雪蓮の挑発にも流石に乗らないか。夏侯惇さんは曹操さんに促され後方へと下がった。納得のいかない表情を浮かべているのは当然だろう。

 

「・・・分かりました。 今日はこのあたりで引きましょう。 ですが、これだけは伝えておかなくてはなりません。」

「・・・聞きましょう。」

「俺たちのことをよく思っていない輩がいます。 この場合の俺たちとは蜀、呉、魏の三国。 その者たちの名は左慈、于吉の二名。 俺に矢を射った魏兵を洗脳したのもそのどちらかでしょう。 それと、こちらの調べで前皇帝である霊帝の崩御も毒殺であったことが分かっています。 蜀に対し五胡兵三十万を襲わせたのも、かの者たちでしょう。」

「・・・証拠はあるのかしら?」

「物証はできません。 ですが、十分にお気を付けください。 いつ、どこで狙われているか分かりませんので。」

「・・・分かったわ。」

「それでは・・・失礼します。」

 

 俺たちが謁見の間を出ようとしたその時、先ほどの子が何かを呟いた。

 

「あの男の言は信用できないわね。 どうせ華琳様に媚を売りにきただけよ。 ほんと目障り・・・矢が刺さったまま死ねば私たちも楽だったのに。」

 

 あぁ・・・罵倒ってこんなに心に突き刺さるもんなんだな。なんだか胸が痛いや。

 

「貴様・・・今なんと言った?」

 

その言葉が聞こえた瞬間・・・空気が凍った。鈴が殺気を惜しげもなく解放している。この場にいる誰もが身動きを取れないでいた。

 

「な・・・何よ! ほんとのことじゃない! 男なんて皆屑よ! それ以上でもそれ以下でもないわ!」

「ほう・・・まだ減らず口を叩くか。 我の愛する一刀への侮辱・・・貴様、このままのうのうと生きられると思うなよ?」

 

 鈴が一歩前に踏み出す。魏の将たちが臨戦態勢を取る。

 

「桂花! 下がりなさい!」

「鈴! 止めろ!」

 

 俺が鈴の目の前に出て静止を促す。・・・どうにか止まってはくれた。殺気も収めてくれたけど、納得のいかないと顔に出ている。

 

「今回は戦いに来たわけではないでしょ。」

「・・・そうだな。 すまない、私も衝動に駆られてしまった。」

「ふぅ・・・。」

 

 その場の何人かの安堵する溜息が聞こえる。

 

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「曹操さん、迷惑をかけました。 すみません。」

「いいわ。 発端はうちの者だもの。 気にしないでちょうだい。」

「ありがとうございます。 では改めて俺たちはここで失礼します。」

「華雄、邑の外まで案内しなさい。」

「御意。」

 

 俺たちは華雄の案内で城を出た。

 

 一刀、我は野暮用がある故、少し城に残る。城門のあたりで少し待っていてくれ。

 ・・・暴れちゃダメだよ?

 分かっている。

 

「どうしたのかしら? まだ何かある?」

「一言伝えておこうと思ってな。 ・・・今度、卑劣な手で一刀を陥れてみろ。 私が貴様たちを同じ目に合わせてやる。 まぁ、正々堂々とやってあいつを出し抜けるとは思わんがな。」

「あら、やってみなくては分からないわよ?」

「ふむ。 卑劣な者はいなさそうだ。」

「・・・疑っていたのかしら?」

「気分を害させたなら詫びよう。 我もあいつが心配故に頭に血が昇っていた。 そこの家臣らと同じようにな。 特に言い残すこともあるまい。 我は一刀の下へ戻ろう。 さらば。」

「えぇ。」

 

・・・

 

 城門で鈴を待っている間、華雄から色々と話を聞いた。連合の後に何があったか。天和たちとの出会い。彼女たちの護衛にあたっていることなど。俺たちの近況も彼女に報告した。

 

「それにしても、随分と華雄は雰囲気が穏やかになったね。」

「私も猪のように突進するだけではこの乱世、生きて行けぬと学んだからな。 お前はまた一段と力をつけたようだが。」

「鈴・・・さっきの女性、実は竜なんだ。 彼女の力も借りてるから気の運用幅は広がったかな。」

「なるほど。 先ほどの殺気、ただものではないと踏んではいたが竜か! 一度仕合ってみたいものだ。」

「・・・そこは変わってないね。」

「武人だからな。」

「ほんとに丸くなったわよね〜。 連合のときとは別人だわ。」

「あの時は死んでもおかしくない状況だったからな。 生き延びれたのは私の天命が僅かにでも残っていたのだろう。 それと、月様はご健在か?」

「月? うん。 元気にしてるよ。」

「そうか・・・良かった。 私も息災だと伝えておいてくれ。 それと、あなたの側を離れることになってしまい申し訳ない・・・と。」

「そっか・・・了解。」

「待たせたな。」

 

 いい頃合に鈴も戻ってきたな。

 

「じゃあ皆揃ったところで俺たちは建業にもどるよ。」

「うむ、達者でな。」

「華雄もね。」

 

 俺たちは華雄に見送られながら陳留を後にした。

 

*******数分後********

 

「二度目でもこれは慣れないものね。」

「まったくだ。」

 

 燼の背中に掴まっている雪蓮たち。このスピードの中、口ではあぁ言いながらも普通に会話出来てるあたり順応してるみたい。

 

 まったく・・・

 ん?どうしたの?

 お前は前々から思っていたが隠すのが下手だなと思ってな。

 何が?

 お前、あの小娘に罵声を言われた時の表情・・・いかにも苦しみを背負い込んでいるものだったぞ。

 あれは・・・確かにぐさっと来たけどさ、よくわかったね。

 お前をずっと側で見ているのだ。当然だ。

 あはは。鈴には敵わないな。

 よし、城に戻ったらお前を慰めてやろう。

 ・・・お手柔らかにお願いします。

 

建業に戻った夜、鈴に抱きしめられながら眠る俺だった。とてーも恥ずかしかったのはまた別のお話。

 

-12ページ-

 

あとがき 皆様、あけましておめでとうございます!年が明けてもうすぐ二月のこの時期にあけおめというのも何ですが、とりあえず!今年もよろしくお願いします。さてさて・・・今回は蓮華、華雄、張三姉妹など、いろんな方々に出てきてもらいました。個人的には天和ちゃん推しですね。桃香と似ているとは言わせない。桃香も可愛いですが。いや、桃香の方が好きです!←うるさい さて、次回はちょろっと番外編を挟もうと思います。時事的なものですが、楽天のエースことマー君がヤ軍入団決定いたしました!おめでとうございます!ということで・・・ 次回、番外編・軍師も武官も竜も入り乱れ蜀勢交流戦! でお会いしましょう。

 

説明
何でもござれの一刀が蜀√から桃香たちと共に大陸の平和に向けて頑張っていく笑いあり涙あり、恋もバトルもあるよSSです。
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コメント
是非、続きを! 楽しみにしていますから!(いた)
気長に続きをお待ちしています(mame)
桂花・焔耶・思春。このバカ三人がいないだけで話し合いがスムーズになると思うのだが?(西湘カモメ)
一刀は一刀で孫権こと蓮華を堕とし始めてるし。完全に堕とされた時が楽しみです。(俊)
あ〜あ、魏の面々も一番敵に回しちゃいけない人物(龍?)を敵に回したか。戦場で地獄を見るんだろうな。(俊)
魏が敗北どころか壊滅フラグを立ててしまった・・・一刀が魏陣営にいないだけでここまで愚かに見えるものかなぁ? 桂花はともかく華琳や春蘭は実力差を見極められるはずですし(本郷 刃)
魏は勝ち目あんまないのに勝きまんまんか・・まぁ華琳らしいけどw(nao)
そこで鈴が暴れて全てを壊してしまえば…というのはさすがに乱暴な話かな?(mokiti1976-2010)
きた〜〜!!待ってました!今回はかんろがまたずいぶんとはっちゃけてましたねw そんなお姉さんも好きだ!(オイ 続きを楽しみにしてます!(レヴィアタン)
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