機動戦士ガンダム異聞?旭日の旗の下に?第6話
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これまでのあらすじ

 

 

 

 U.C.0079年1月3日。地球から最も遠い宇宙都市サイド3とサイド4はジオン公国、プラントを名乗り、地球連邦政府に対し独立戦争を挑んできた。開戦から僅か1ヶ月で両陣営は人類の総人口の約半数を死に至らしめた。そして、ジオンとザフトは地球降下作戦を発動させ、3月中に地球の3分の1を占領下に置き、膠着状態に移行した。

 

 この時、中立の立場をとった大日本帝国はMS開発計画である「V作戦」を発動、本土防衛の要として、MSを開発、量産、配備が進んだ。

 

 時同じくして、地球連邦軍もMS開発計画「G計画」と宇宙軍再編計画である「ビンソン計画」を発動、反撃の準備をしていた。

 

 U.C.0079年12月上旬。サイド7宙域にて試験航行をしていた紺碧艦隊は、サイド71バンチコロニー「ヘリオポリス」に向かうザフト機動部隊を発見、警戒体勢に入っていたが、ザフトはジンを発艦させ、ヘリオポリスに向かわせた。だが、それはザフトの陽動作戦であり、本来の目的はヘリオポリス内で開発中の連邦軍新型モビルスーツの強奪だった。紺碧艦隊司令前原は、ヘリオポリス内にアレックスとジム・クゥエルを潜入させた。

 

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第6話 ヘリオポリス崩壊前篇

 

 

薩摩パトロール艦隊旗艦八咫烏型強襲揚陸艦2番艦「薩摩」艦橋

 

「ヘリオポリスに急行せよ。ですか?」

 

 艦長椅子の沖田十三准将は、モニターの高杉大将から指令を受けた。その内容は、ヘリオポリスの避難民救助であった。

 

『そうだ。現在高野大臣は、アスハ代表と会談中の大高総理に今回の事情を説明している』

 

「しかし、あそこには紺碧艦隊がおります。彼等でも救助活動は行えるはずですが」

 

『だが、紺碧艦隊の艦数でも、ヘリオポリス全住民を収容する事は難しい。だからこその君達だ。幸い、君の艦隊はサイド7に一番近い位置にいる。今から最大船速で急行すれば間に合うはずだ』

 

 

 

 薩摩パトロール艦隊の戦力は八咫烏型の2番艦である薩摩を旗艦に、高雄型重巡洋艦2隻の艦隊戦力、機動戦力は、ジム・コマンド宇宙戦仕様2機、ジム2機、ジム・キャノン2機と、高雄型に搭載されている77式艦上航宙戦闘機「宙式電征」6機であった。

 

 

 

「わかりました。直ちに我が薩摩パトロール艦隊は、これよりサイド7に急行します」

 

『うむ、頼むぞ』

 

 通信を終えると、沖田は直に指揮に移った。

 

「全艦に通達!航路をサイド7に向け最大船速!」

 

 薩摩パトロール艦隊は、進路をサイド7へ変更し、最大船速で急行していた。

 

 

 

 

 

 

サイド7、1バンチコロニー「ヘリオポリス」内部

 

 イ601から発艦した安室と唯衣は、ザフトに探知されないよう、迂回進路を取り、ヘリオポリス内部に潜入した。

 

「これは酷いな…」

 

 安室達が目にしたものは、戦火に焼かれたヘリオポリスの都市だった。因みに、安室達が見ている映像は、イ601に送られていた。

 

『富嶽より富嶽1番、並びに富嶽2番、そちらから連邦のモビルスーツは見えるか?』

 

 通信長の問いかけを聞くと、安室は唯衣の乗るクゥエルにモールス信号でそれを伝えると、クゥエルは1時方向を指さした。そこには、かすかだが先程半蔵からの映像で映っていた機体があった。だが、半蔵の見せた映像の時と違い、その色は灰色だった。

 

「富嶽1番より富嶽、MSを発見。だが先程と色が違う、拡大投影の写真を送る」

 

 安室はコンソールを操作し、頭部のサブカメラを使いモビルスーツを拡大投影し、撮影、画像は直ちにイ601に送られた。

 

『富嶽より富嶽1番。写真を受け取った。これより高解像して検証する。引き続き偵察活動を続行せよ』

 

「富嶽1番了解」

 

安室は通信を切ると、クゥエルに近づき、接触回線で話しかけた。

 

「篁大尉。民間人は確認できるか?」

 

『モビルスーツの足下に技術士官と思われる女性一人、民間人を6人確認、男性4人、女性2人です』

 

 唯衣は、カメラを超望遠モードでMSの足下にいる7人の人影を確認していた。そうか、と安室は答えると、偵察活動を再開しようとした、その時だった。

 

「……!」

 

 その時、安室は3つのプレッシャーを感じ取った。ニュータイプの感というべきだろうか、一つは幼さを感じ、もう一つはどす黒い憎しみを、最後の一つは嘗ての強敵と同じプレッシャーを感じた。

 

「この感覚は…シャア?ララァ・スン?嫌違う…誰だ…?」

 

 安室は考えるのを止め、偵察を続行した。

 

 

 

 

 

 

イ601富嶽号艦橋

 

 その頃、前原は送られた写真と半蔵からの映像を比較していた。先程までトリコロールだった機体が今は灰色になっている。何故そうなるのか、前原は頭を回転させた。そして、ある予想に行き着いた。

 

 

 

もしや連邦はミノフスキー・イヨネスコ型核反応炉の開発に成功していないのではないのか?

 

 前原の予想は当たっていた。この当時、モビルスーツの動力はバッテリーが基本であった。確かに核動力ならば性能を飛躍的に増大させる。だが、プラントである発見がされたのだ。ニュートロンジャマーの存在である。この微粒子は核分裂反応を抑制する効果があり、当初ジオンで開発されていた核分裂炉搭載のMSの開発は凍結し、MS用バッテリーを使用したMSが主流となったのである。連邦のG計画も例外ではなく、試作機の全てが新型のMSバッテリーを搭載した高性能機であった。ここが、日本のガンダムと連邦のGの違いであった。

 

 

 

 前原が結論に行き着いたと同時に、薩摩パトロール艦隊がこちらに向いつつあるとの暗号電文を入手した。

 

 頃合いだな、前原がそう感じたその時だった。

 

「司令!富嶽2番から緊急連絡!「我、ザフトト交戦状態ニ有リ」以上です!」

 

「くっ!覚悟はしていたが、こうも早く見つかるとはな!」

 

 前原は悔しそうに呟いた。

 

 

 

 U.C.0079年12月、今、日本の努力が試されようとしていた。

 

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キャラ設定

 

 

大日本帝国

沖田十三

初出:宇宙戦艦ヤマト

概要

 帝国宇宙軍准将。薩摩パトロール艦隊司令兼強襲揚陸艦「薩摩」艦長。紺碧会メンバー。前世では戦艦大和に乗艦しており、天一号作戦で大和と共に戦死した。

 

説明
今回は前後編の前編です。
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コメント
…考えたんだけど前世記憶持ちって原作でのアドルフとハインリヒの例から考えて日本にしかいないって保証は無いよな。ラウ・ル・クルーゼとかが前世記憶持ってたりしたら洒落じゃ済まんことになりそうな…そう考えるとどす黒い憎しみのプレッシャーがめっさ気になる。(プロフェッサー.Y)
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機動戦士ガンダム 機動戦士ガンダムSEED 紺碧の艦隊 トータル・イクリプス クロスオーバー 宇宙戦艦ヤマト 

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