真・リリカルなのは 第十一章 機動六課設立編 第九十八話 最大級の激闘 ヴォルテールVS白天王 |
今、巨大な竜と虫が向かい合って居る
ヴォルテール「………………………………………」
白天王「………………………………………………」
そう、まるで戦う事が運命だったかのように、お互いを直視する
この時を待っていたと言わんばかりに………………
最早、これは魔法の戦いというより、怪獣戦争である
圧倒的なパワーと火力を誇るヴォルテールと白天王が戦えば、被害も尋常ではないだろう
キャロはヴォルテールの、ルーテシアは白天王の肩に乗り、お互いを見つめ合う
譲れないものがある者同士………………この2人は、案外似ているのかもしれない
ルーテシア「白天王……………行け」
ルーテシアの言葉を合図に、白天王がヴォルテールに殴りかかる
ドンッと巨大な音が鳴り響く
白天王の拳がヴォルテールの顔を殴ったのだ
キャロ「ヴォルテール!!!!!」
ヴォルテール「ウゴォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!」
倒れるのを何とか耐えきる
ヴォルテール「グギャァァァァァァァ!!!!!!!!!!!」
お返しだと言わんばかりに、白天王を殴り返す ヴォルテール
その時の衝撃が凄まじく、突風でキャロとルーテシアは肩から落ちそうになる
胸辺りを殴られた白天王は相当効いたのか、しゃがみ込んでいる
よく見ると、殴られた個所が凹んでいるようだ
白天王「っ!!!!」
ヴォルテールを睨み付ける白天王
ヴォルテール「グガッ!!!!!」
そんなのはお構いなしと言わんばかりに、白天王の顔を殴る
更に怯んだ白天王に追撃するべく、腹にも一撃を入れる
白天王「っ!!!!!!!!!!!」
再び白天王はヴォルテールの顔を殴る
ヴォルテール「ガオガッ!!!!」
ここからはお互いに殴り合いの連続である
そして、一発一発決まるたびに、衝撃で突風が発生する
回りに他の魔導師が居た場合、吹き飛ばされていただろう
エリオは少し離れた場所で見守っている
エリオ「キャロ……………」
小さくなったフリードを抱きかかえ、避難していた
あの場所に居れば、ヴォルテールか白天王に踏み潰されていただろう
ヴォルテール「グオォォォォォォ!!!!!!!!!!」
キャロ「うん、行くよ……………ヴォルテール」
竜使役による大技を放とうとする
キャロ「((大地の咆哮|ギオ・エルガ))!!!!」
キャロが技名を叫ぶ
そして、ヴォルテールの最強の技が発動する
ルーテシア「っ!?」
ヴォルテールの口から火炎が吐かれる
全てを燃やしつくす、最強の炎だ
白天王「っ!!!!」
白天王も防御態勢を取る
そして、ヴォルテールの炎に包みこまれる
ルーテシア「………白天王!!」
この一撃で決まると思われていたが、白天王は炎を振り払った
キャロ「そんなっ!!!」
驚くしかなかった
破壊神と恐れられているヴォルテールの最強の技
それを防げる生物が自然界に存在するとは………………
しかし、無傷ではない
白天王は名前の通り、体全体が真っ白だが、ヴォルテールの炎に焦がされ、所々が黒くなっていたのだ
ルーテシア「仕返し」
白天王の腹が光り出す
キャロ「魔力を撃ち出す気!?」
ヴォルテール「っ!!!!」
攻撃を阻止する為、ヴォルテールは白天王の腹を殴る
白天王「っ!!!!!!!!」
白天王は怯み、攻撃は中断される
ルーテシア「私の邪魔を………………」
ルーテシアの怒りが、そのまま伝わっているかのように白天王は暴れ出す
ヴォルテールに何度も拳を叩きつける
地震の様な衝撃に耐えきれず、落下してしまう キャロ
ヴォルテール「っ!!!」
しかし、ヴォルテールが受け止める
キャロ「ヴォルテール!!」
キャロの顔を見ると、何が言いたいかわかったヴォルテールは、無言のまま白天王に近づく
白天王「っ!!」
キャロの乗せた左手を白天王の肩に置く
その時、反射でヴォルテールの腕を弾く 白天王
キャロ「っ!!!」
ヴォルテールの手から飛び降り、白天王の肩に着地する
そして、そこに居る ルーテシアを見つめる
ルーテシア「…………………」
無言でキャロを睨む ルーテシア
彼女の瞳があまりにも鋭く、冷たい為、キャロは怯えてしまう
キャロ(怖がっちゃダメ……………私は話をしに来たのだから)
ゆっくりと1歩ずつ近づいて行く キャロ
キャロ「………………………」
ルーテシア「…………………」
2人の距離は近い
キャロ「もうやめて…………こんな事をしても意味はないよ」
キャロは必死に説得を試みる
キャロ「あなただって、本当はこんなことしたくないはずだよ?」
六課襲撃の際、ルーテシアはキャロを助けた
他人でも傷つくのが嫌だったのだ
それは優しさの象徴
そう感じたキャロは、ルーテシアとわかりあえる
戦う必要性は全くないと感じている
ルーテシア「私は母さんを取り戻す………………何があっても」
キャロ「………お母さんは、こんな事を望んで居ないよ」
ルーテシア「何故そんな事がわかる? 家族じゃない お前が」
キャロ「自分の娘が犯罪者になって喜ぶ親なんて、絶対に居ない。本当はわかっているのでしょう」
ルーテシア「わかるものか…………私には心がない。お前のように頼れる友達も居ない………私には母さんが必要だ!!!」
キャロ「っ!!!」
キャロはルーテシアに向かって走り出し、抱きつく
ルーテシア「っ!!」
その衝撃で2人共、白天王の肩から落下してしまう
キャロ「あなたには心がある!」
落下しながらも説得を続ける キャロ
ルーテシアに強く抱きついて、離そうとしない
ルーテシア「他人である お前にそんな事がわかるはずがない!! 心を持っている奴に私の事なんてわかるはずない!!!」
そう言って、キャロを振りほどこうとする
キャロ「心がないなら!!! どうして怒ってるの!!!」
キャロにそう言われ、頭が冷静になって行く ルーテシア
キャロ「どうして今、泣いてるの?」
そう、ルーテシアは涙を流して居るのだ
彼女自身が気づかない内に
そして、キャロの質問に答えられない ルーテシア
心がない自分が怒った? 泣いた?
そんなはずはない…………
そう頭で否定しても、実際に流れている涙が証拠である
キャロ「あなたには心があるんだよ? 絶対に!!」
ルーテシア「…………………………」
キャロ「友達が居ないなら、私が友達になる。だから、心がないとか言わないで……………あなたのお母さんは、その言葉を聞きたくないはずだから」
ルーテシアはキャロの言葉を聞き、何も言えなくなる
ルーテシア(そうか、そうなんだ……………)
私にも………心があったんだ
その事を知って、嬉しくて仕方なかった
ルーテシア「あり……がとう」
泣きながらキャロに礼を言う ルーテシア
キャロは頬笑む
キャロ「ヴォルテール!」
落下するキャロとルーテシアを優しく受け止める ヴォルテール
キャロ「これで………私達の役目は………」
言葉を言う前に気を失う キャロ
魔力が限界だった
それはルーテシアもであるが
ヴォルテールは2人を地面に寝かし、白天王と共に消える
すぐさまエリオが走ってくる
エリオ「キャロ!」
良かった………無事だった
エリオ「フェイトさん、みなさん…………絶対に帰ってきて下さい」
後は信じるしかない
なのは達が勝利するのを……………
キャロの活躍で、心のありかを知った ルーテシア
敵であっても心を通わせる
嘗ての なのはのようだ……………
そして、ルーテシアに吉報が届くのはまだ先のようだ
Stsもいよいよ終りが近づいてきました
そして、次回………遂に古の王、降臨す
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題名通りですね キャロはルーテシアを止められるのか? |
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