真・恋姫無双〜Re:道〜
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 第二章‐漆話 『 天は蒼く黄天は沈む U 』

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邑を出てから数日、通りがけの邑で宿を取ったりしながら、ようやく太白達が目指していた場所についたらしい。路銀は二人共切り詰めれば半月は心配いらない位持っていたので特に不自由はなかった。そして今私達はとある邑の前にいる。

「ここが目的の場所なの?」

「そッス。一応親分が手を回しとくって言ってたッス」

「あのさ、二人共よく『親分が』って言ってるけど、その親分さんって誰なの?」

此処に来るまでに何度もその言葉がでていて次第に気になってはいたのでこの際に聞いてみる。

「悪党だって言ってたんさ」

「ええ?!」

驚きがそのまま声になって出てくる。だってつまりは私の邑を救ってくれたこの二人はその悪党の手下ということになる。驚くなという方が無理だ。二人を手伝ってあげたいなんて言ってしまったけど、実はものすごく危ないことに首を突っ込んでしまったのかもしれない。

「ついでに一刀さんって人もいるッスけど、その一刀さんと親分は『天の御使い』らしいッス」

「えええ?!」

さっきよりも驚きは大きかった。『天の御使い』の噂くらいは聞いたことがある。『一刀さん』とは今始めて聞いたけどその人と二人の親分さんが『天の御使い』で、でもその親分さんは悪党で二人はその部下でもう何がなんだか分からない。

「今は天水で董卓さんのお世話になってるッス」

「ごめん、ちょっと整理させて」

つまり今二人は『天の御使い』で『悪党』の親分さんの指示で此処に来ていて、これから黄巾党首領に会いに行く、となんとか最小限理解出来る範囲で整理をしておく。乱世を治める天の御使いが悪党とは疑問が残るけどそんな疑問を上げればキリが無さそうなのでとりあえず、ありのまま受け入れておこう。それに何よりも二人が邑を救ってくれた事実は変わらない。

それよりも邑に入ってからどうにも違和感を感じる。他の邑には無い違和感。男の人たちが農作業をしているから農村なんだろうがそれにしてはやはり何かが引っかかる。

「おい!そこの三人!お前等他所者だな?此処に何しに来た?」

一人のガタイの良い男に呼び止められた。

「張牛角って人に用があるッス」

そう言って太白は手紙を渡す。何が書いてあるのかは見えなかったけどそれを読んだ男は、

「ちょっと待ってろ」

と言って邑の奥の方へ行ってしまった。

「ねぇ、張牛角ってだれ?」

「自分もよく知らないッス。ただ親分が天水で知り合った賊の頭目の知り合いらしいッス。」

 

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程なくしてさっきの男がが戻ってくると三人に着いてくるように言って、邑の奥にあるすこし大きめな家の中に案内された。中には二人の人がいて此処に案内した男は外に出て行ってしまった。

中にいた二人、一人は恰幅のいい髭面の男、その隣には白い服の女の人。黒髪を白い布で結っているが独特な結い方をしていて、紅い瞳と相まってまるで兎の様にもみえる。

「俺が張牛角だ。あんた等の親分っつー橘の旦那のことは((?燕|ちょえん))から大体聞いてる。だが、話じゃ二人じゃなかったか?」

「るーちゃんは途中で色々あって手伝ってくれるんさ」

「ど、どうも」

「まぁいいや。で人手を借りたいって事らしいがどん位いるんだ?」

「そんなに沢山はいらないッス」

「んん。じゃ、((?固|すいこ))の一団だけでいいな」

「それでいいッス」

なにやらどんどん話が進んでいってしまうが着いていけないので隣にいる白妙に聞いてみることにした。

「ねえ、白妙、この邑って一体何なの?」

「知らないんさ」

「あたしが教えてあげよっか?」

ふりむくと兎の子が傍に来ていた。

「ここは牛角さんが一旗あげようとして作った邑で各地で牛角さんが気に入った賊を集めてる、いわば賊の邑なんだよ」

「ふぇ〜すごいんさ」

「賊の邑…ですか」

「そ、『黒山賊』って名前にするらしいよ」

つまりこの邑の違和感は村人全員が賊だったからなのだとようやく理解した。

「ところでお姉さん誰なんさ?」

「ふふっ、あたしがさっき言ってた?固だよ。よろしくね」

そう言った?固さんは本当に賊かと疑うほどに優しそうに笑っていた。

 

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あとがき

 

すぐに黄巾と合流するかと思ってた方、すいませんそんなことはなかったのですよ。

さりげに賊要素が多くなってますからw和輝が裏で色々やってますがその辺は別で書きますよ。まあ二章も残り二話くらいで終わりますのでその直後にでも載せたいと思います。

で、今回出した新キャラ?固さんですが…兎です。とりあえず前回と合わせて新キャラを簡単に紹介したいと思います。

 

 

姓・高

名・順

字・無し

真名・鬼灯

 

『陥陣営』で恋こと呂布の部下。両端に刃が付いた薙刀を得物として使用している。影で恋のことを支えており、恋の家族(動物達)のご飯などは彼女が全て用意している。給料の大半を恋に費やしているらしい。

 

 

姓・?

名・固

字・((白兎|はくと))

真名・((稲葉|いなば))

 

兎。黒山賊のために張牛角の声を掛けられた賊の頭目。普段はお姉さんだが色々問題を起こすトラブルメーカー。農作業が得意で賊の邑で農作業を始めたのは彼女です。武器は鋼の((杵|きね))。耳がいい。

 

 

 

こんな感じです。

 

ではまた次回!!

説明
あとがきにて追加されたオリキャラの簡単な説明ありです

『Re:道』と書いて『リロード』ということで

注:オリキャラでます。リメイク作品
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コメント
雪月さん>そうですね。考えることをやめた人から順に納得している傾向が…そう考えると賊なんかは順応が早い印象が(ツナまん)
たしかにそう言われてみればそうだよね 一刀と橘さんの肩書きって全部成り行きで本当なだけに、常識人ほど判断できずに意味不明という・・・(雪月)
ま、もう暫くは白雪からは変態扱いですねw(ツナまん)
naoさん>まあ和輝ですからw賊とつるむ位は友達感覚でやってしまいますよw(ツナまん)
nakuさん>はたして本当にそうかな忘れちゃいけない、一刀を変態扱いしているのは白雪だということを!(ツナまん)
kyogo2012さん>まあ橘家は極道ですからwww(ツナまん)
黒山賊を味方につけるのか?和輝ならうまくやれそうだなw(nao)
ふむ。悪党か。そういえば、そういう感じがありますね。あの人は・・・・・・・・・・www(Kyogo2012)
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