ガールズ&パンツァー nazi zombie army またジョイナスさんと戦います!
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光の根源に向かうみほ達であったが、またもカール達とは別れて移動している。

車体には前回と同じくマリとルリ、マルゴットが乗っていた。

空は黒く染まり、夜空に上がっている月が不気味に光る。

天空に伸びる光を道標にして向かっていたが、戦車でも通れないほどの瓦礫の山に塞がれて通れない。

 

「諦めるしかなさそうね・・・」

 

「はい、迂回します」

 

砲塔に座っていたマリがそう呟くと、キューボラから上半身を出していたみほが答え、別の道を探した。

銃声がゾンビの唸り声に混じって聞こえる中、ひたすらみほ達は移動を続ける。

 

『1・・・!』

 

「うわっ、な、なにぃ!?」

 

「ま、またか・・・!?」

 

沙織が驚けば、麻子が震え始めた。

車内で不安になるみほ達に、マルゴットが察した言葉を漏らす。

 

「どうやらフェアバーンさん達が何かを見付けたらしいですね」

 

「見付けたって・・・?」

 

「あの光の下へ向かう為のです・・・」

 

ルリの質問に答えると、光が天に差している方を見た。

聞こえてくる銃声が小さくなったり大きくなったりするのをエンジン音と共に聞いていると、目の前にゾンビとガイコツが姿を現した。

 

「目の前にゾンビとガイコツが!」

 

「どうやらそこら中に居るようですね!」

 

「迎撃します!この数なら榴弾は必要ありません。機銃で撃ち倒してください!」

 

華からの報告に優花里が砲弾を抱えながら言うと、みほは指示を出した。

次に麻子にも指示を出す。

 

「麻子さん、そのまま目標に進んでください」

 

「分かった。轢き殺しても構わないな?」

 

「はい、出来れば余り轢き殺さないように」

 

「むやみやたらと轢き殺すつもりはない・・・」

 

返答した麻子は操縦桿を握り、W号を巧みに操った。

無線席にいた沙織は、麻子がこの現状に慣れ始めたのかと思ったが、次の子供の声で、その幻想が打ち破られる。

 

『2・・・!』

 

「うぅ・・・この子供の声だけは慣れない・・・!」

 

「やっぱり慣れてないんだ・・・」

 

機銃を構えながら、沙織は怖がりながらも操縦する麻子を見て、そう口にする。

彼女等の乗るW号は出来るだけゾンビを轢き殺さず、目的地へと着々と近付いていく。

ガイコツは轢き殺しても構わないので、ゾンビと一緒に居る以外容赦なく轢き殺した。

バラバラになった骨が履帯に細かく潰される。

進んでいる途中にも、子供が数字を言う声が、聞こえてくる。

 

『3・・・』

 

『4・・・』

 

『5・・・』

 

その声は5番目を言った時に聞こえなくなったが、今度は数字を纏めて言う声が聞こえてきた。

 

『1・・・2・・・3・・・4・・・5・・・』

 

「一体何が・・・?」

 

華が不安そうに言う中、次はあの図書館広場で散々聞こえてきた声が聞こえてくる。

 

『Come and keep company with it!』

 

どうやらカール達が謎を解いたようだ。

それと同時に無線機からコルネリウスの声が聞こえてくる。

 

『聞こえるか?!私だ、コルネリウス・フォン・ブルンスマイヤーだ!』

 

「みぽりん、あの人から!」

 

「えっ?一体何が・・・?」

 

沙織からの知らせに一同が無線機に耳を傾ける。

砲塔に居る華と優花里は左右にあるハッチを開け、車外にいるマリとルリ、マルゴットに聞こえるようにする。

ここではゾンビに襲われそうなので、安全な場所へ移動する事をみほが決め、マイクでコルネリウスに伝えた後、安全に聞けそうな場所へ移動するよう麻子に指示を出す。

 

「ちょっと待ってください。麻子さん、安全な場所へ」

 

「分かった・・・」

 

「一体何事なんでしょうね・・・?」

 

「さぁ・・・?何か見付けたのでは?」

 

優花里と華が雑談を交わしている間、安全な場所へ到着する。

周囲にゾンビは居ないと告げたマリに、みほは頷いてからヘッドフォンを耳から外して手に取り、外にいる彼女達に聞こえるよう離し、沙織が音量を上げる。

 

「良いですよ」

 

『よし、伝えるぞ。君達には一端ベルリンから離れて欲しい』

 

コルネリウスから伝えられた用件に、少しみほ達は困惑した。

 

「え、ベルリンから離れろ・・・?」

 

マルゴットがまず口を開いた瞬間、みほはその理由を問う。

 

「どうしてベルリンから?」

 

『今の状態の君達ではではこの騒動を解決する物を探すには危険だ。一端ベルリンから離れ、体制を立て直す。余りにも情報が少なすぎる。水路に向かってくれ。そこで船が君達を乗せてくれる』

 

「フェアバーンさん達は?」

 

『彼等に対しては、船の船長が知らせてくれる。戦車は乗せられないから放棄するしかあるまい。では、健闘を祈る』

 

コルネリウスからの無線が切れると、みほ達は言われたとおり、水路へと向かった。

途中、航空機が死者の帝都の空を飛んでいたが、この都市には着陸するスペースもないので、助けてくれる見込みは無いとして無視した。

いつの間にか雨が降り始めており、雷まで鳴っていた。

そのまま進んで邪魔なバリケードを踏み壊して水路へと出た。

向こう岸と繋ぐ広場には、男と女の巨大な彫刻が建っており、男の彫刻の右手には逆さに死体が吊されている。

これを見たみほ達はやや不信感を抱いた。

丁度カール達も向こう側から現れたので、ルリが手を振る。

あちらも手を振って返して来た。

戦車から降りたマリ達が、向こう側のカール達の何かを話した後、近くにあるハンドルを回して水路の水門を開き始めた。

次の瞬間、自爆ゾンビとスナイパーゾンビが現れ、一行を襲ってきた。

だが、あえなく狙撃銃を持つ者達に片付けられる。

排除すれば船の汽笛が聞こえ、水路に船が現れる。

 

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『さぁ、地獄からの脱出だ!乗る準備をしてくれ!』

 

船に乗っている男が全員に聞こえるよう、拡声器で伝えてくる。

少し安心したみほ達であったが、そんな彼女等を待ち受けるかのように、オカルト将軍が広場に現れた。

 

『As for bending, missing it is・・・!』

 

『奴を倒してから乗ってくれ!』

 

船の船長が、霊体ことオカルト将軍を倒すまで乗せないと拡声器で告げる。

一行もオカルト将軍を倒さねば、ベルリンから脱出できないと分かっており、元から倒すつもりであった。

オカルト将軍は周囲に頭蓋骨を旋回させ、地面に複数の魔法陣を出し、出た魔法陣の数だけのゾンビを召還させる。

 

「あいつか・・・!」

 

「こう広ければ、楽に倒せそうだな・・・!」

 

カールが口にすれば、ボニファーツが簡単に倒せると悟った。

召還されたゾンビを全部倒したが、地面からゾンビが這い出て来る上に、オカルト将軍が周囲に魔法陣を出して、またゾンビを召還させる。

 

『Joey eggplant!』

 

ゾンビを排除していたみほ達は、教会で倒した方法を取ることにした。

キューボラから頭を出して、マリとルリに告げる。

 

「教会であの霊体と倒した方法を取ります!」

 

「あの方法を?聞くかどうか分かんないわよ?」

 

「大丈夫、余りパターンは変わっていないように見えます」

 

みほがそう伝えた後、マリはルリの肩を叩いてオカルト将軍の周囲を旋回する頭蓋骨を撃つよう伝える。

 

「ルリちゃん、あの周りを回っている頭蓋骨を全部撃ち落とすわよ」

 

「うん、分かった。周りのゾンビは他の人達に任せて良いかな?」

 

「良いんじゃないの?あいつ等はゾンビとガイコツで丁一杯だし」

 

ルリからの疑問に、マリがゾンビ相手に手こずるカール達を見ながら答えた。

 

「うん、分かった」

 

手に持っている狙撃スコープ付きリーエンフィールドNo4を構えながら頷いた。

マリとルリはオカルト将軍の周りを旋回する頭蓋骨を撃ち始める。

他の者達は、ゾンビやガイコツの排除に奮闘している。

物の数秒後、周囲にある頭蓋骨は全て消えた。

霊体化が解けたオカルト将軍は、周囲を見渡し、再び霊体化しようとする。

この機をみほは見逃さず、優花里に徹甲弾を装填と華にオカルト将軍の頭に照準するよう命じる。

 

「優花里さん、徹甲弾装填!華さん、照準を頭へ!」

 

「「はい!!」」

 

言われたとおり、優花里と華は指示された事を行動に移す。

榴弾を排出して徹甲弾を詰め込むと、それを華に知らせた。

 

「装填完了!」

 

「はい、照準完了!」

 

「撃って!」

 

照準が完了したことを知らせた華に、みほは砲撃を命ずる。

引き金が引かれ、砲声が響くと、発射された徹甲弾がオカルト将軍の頭に向けて飛んでいった。

ちゃんと頭部に命中したが、まだ倒せていないらしく、オカルト将軍は魔法陣からガイコツを多数召還する。

 

「まだ倒れないか!クソったれめ!」

 

M1A1トンプソンを撃ちながら、まだオカルト将軍が倒れていないことに苛立つカール。

近接武器を持っている者達もゾンビやガイコツ相手に奮闘しているようだが、敵の数が多すぎてかなり手こずっている。

みほ達の元に自爆ゾンビが向かってくるが、沙織がMG34で排除する。

 

「ちょっ、来ないでよ、もう!」

 

機関銃で他のゾンビを撃ちながら沙織が言う。

全く出番のない麻子はただ震えているしか無い。

 

「頼む、頼む・・・来ないでくれ・・・」

 

震えながら言う麻子。

いつの間にか全ての頭蓋骨が消え、オカルト将軍が実体化していた。

また絶好のチャンスが訪れた為、みほは徹甲弾による直ぐに砲撃を命じた。

 

「((射|う))て!」

 

徹甲弾は頭部に飛び、再びオカルト将軍に大ダメージを与えた。

だが、まだ倒せない。

 

「倒せないだと!?二回で倒せたのに!!」

 

ヒゲがM1バズーカを担ぎながら言う。

ゾンビとガイコツの数も増え、さらにスナイパーゾンビやマシンガンゾンビが召還された。

 

「厄介な奴まで出て来やがった!」

 

スナイパーゾンビやマシンガンゾンビの銃撃と狙撃を避けながら、ショウグンが叫ぶ。

数の暴力に呑まれる中、ツェーザルが多数のガイコツに引っ掻かれ、命を落とした。

 

「ツェーザル!クソッ!!」

 

部下を失ったボニファーツは怒りに燃え、向かってくるガイコツを手に持っているStg44で一掃する。

ツェーザルの死は全員に聞こえていた。

 

「し、死んだ・・・?」

 

気付かずに死んだアントノービッチを思い出し、今にも取り乱しそうなみほであったが、W号の装甲を叩いてきたマルゴットに気付き、顔を合わせた。

 

「取り乱さないで!貴女が落ちれば、脱出できない!」

 

突然、説得されたみほは気を取り戻し、砲撃を命じようとする。

しかし、まだオカルト将軍は実体化しておらず、マリとルリが頭蓋骨を全て撃ち落としてない。

二分後、全ての頭蓋骨を撃ち落としたという報告がルリから来た。

 

「みんな撃ち落としたよ!」

 

「今です、西住殿!!」

 

「既に照準が出来ております!」

 

「みぽりん、頑張って!」

 

「早く倒してくれ・・・」

 

ルリからの知らせに優花里がみほに告げ、華も既にオカルト将軍への照準が出来ている。

全員からの応援の声に、みほは砲撃を命じた。

 

「射て!!」

 

発射された徹甲弾は頭部に飛んでいき、オカルト将軍を倒した。

 

『Have it stolen in such a place; ・・・』

 

オカルト将軍が地面に倒れていけば、一行を襲っていたゾンビとガイコツは自然に倒れ、スナイパーゾンビとマシンガンゾンビはカール達によって倒された。

倒されたのを確認した船長は、直ぐに一行に船に乗るよう伝える。

 

『急げ!早く船に乗るんだ!!』

 

一行が船に向かう中、ボニファーツはツェーザルの死体を川に捨てた。

 

「済まない、埋葬できなくて・・・」

 

川に落ちたツェーザルに告げながら、船に乗った。

みほ達も戦車では乗れない為、出来るだけ持てる物は持って、戦車から出始める。

 

「みんな急いで!あの船長、気が短そう!」

 

リンダが急かす中、みほ達も船に急いだ。

船に乗る最中、今まで乗ってきたW号をみほは見る。

短い間であったが、型は違うが愛着のあるW号戦車だ。

初めて戦車に乗ったが小学4年生であり、最初に乗ったのもW号戦車だ。

ここで放棄するには些か抵抗感があったが、背に腹は代えられず、放棄することを決定した。

最後に船に乗ろうとしたマリが手榴弾をW号戦車J型に放り込み、自爆させた。

一行全員が船に乗ったのを確認した船長は船を動かした。

 

「これで終わったのでしょうか・・・?」

 

「そうだと良いんだけど・・・」

 

「だが、まだ終わっていないようだぞ・・・」

 

優花里が凭れ掛けながら言えば、沙織が空を見上げながら言うが、麻子がそれを否定した。

 

「皆さん、余り大きな怪我はなさっていないようですが・・・」

 

華が周囲を見ながら言った。

彼女の言うとおり、全員が無傷であるはずもなかったが、幸い直ぐに治療できるほど軽傷だ。

みほは自分で頭に包帯を巻く中、倒したオカルト将軍の声が聞こえてきた。

 

『まだこれで終わりでは無いぞ・・・!』

 

「まだ終わりじゃない・・・」

 

その声に少し身震いするみほ達であった。

船はベルリンの水路を渡り、街を離れようとするが、まだこの惨事は解決などしていない。

解決しようにも、今の状態ではコルネリウスの言うとおり不可能だろう。

みほ達を含む一行は船外で暫しの安息を取ることにした・・・

 

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