真・恋姫†無双 AFTER STORY 聖なる魔人と過激なる外者 |
一刀が犯してしまった罪………
それは人を殺めるという殺害行為
しかも罪を償った人の人生を奪ってしまったのだ
それにより一刀の精神状態は
壊れ始めていた
六節 ?罪と罰と恐怖?
一刀「そ……そんな…………」
俺は灰となった犯人の服を掴み、持ち上げた
震える声を隠せなかった
一刀「う……………嘘だ…………」
俺がそう呟いていると後ろから
愛紗「ご主人様!!」
真桜「隊長!ここにおったんか!!」
愛紗と真桜が息を切らせて走ってきた
真桜「随分とまた入り組んだとこにおったんやな」
一刀「…………………」
愛紗「ご主人様がご無事で何よりです
それで………あの輩は何処へ逃げたのですか?」
一刀「………………」
俺は只々黙っていた
いや、放心状態だったから黙るしかなかったんだ
愛紗の言う輩は俺の掌の上にいるのだから
愛紗「??ご主人様?如何なさいましたか?
っ!!もしかしてお怪我でも!?」
愛紗が血相を変えて聞いてきたがそれに返答することすらできない
一刀「…………愛紗、真桜」
真桜「ん?なんや、隊長?」
愛紗「何でしょうか?」
俺は力なく言った
一刀「ごめん…………後は任せた………
俺、ちょっと行かなきゃいけないところがあるから……………」
愛紗「ご主人様?」
真桜「ちょお!ウチらに丸投げする気かいな!?」
一刀「ごめん……………」
俺はそう言うと両手に灰を持ち、重い腰を上げその場から立ち去った
ここからは俺が立ち去った後の話だ
真桜「隊長………どうしたんやろ?」
愛紗「そうだな…………あまり顔色がよろしくなかったように見えたが………」
真桜「にしても……犯人何処行ったんやろ?
こんな袋小路に逃げ込んだとしても隊長からは逃げられへんで?」
愛紗「確かにそうだが………ご主人様は大丈夫であろうか………」
真桜「これ終わり次第隊長のところ行ってみますか?」
愛紗「あぁ………そうだな」
そう言うと愛紗と真桜はその周辺を探し始めた
愛紗「足跡も何もないな………真桜、何かあったか?」
愛紗はふと真桜に聞いた
それが一刀の異変を裏付ける証拠に繋がったのだ
真桜「いや……何にもありませんよ?
ん?………いや、ありました」
愛紗「むっ?何があったのだ?
輩の凶器か?足跡か?」
真桜「そんな大層なモンちゃいますよ」
真桜「何か山のように盛られている『灰』はありますけど?」
愛紗「っ!!『灰』だと!!?」
愛紗は血相を変えて聞き返した
真桜「え、えぇ………何かとんでもない量ですよ
しかも、服の中にありますよ?
何か変ですねぇ………まるで人が灰になったみたいでっせ?」
愛紗「っ!!見せてくれ!!」
真桜「あだっ!?」
愛紗は真桜を押しどかした
愛紗「……………っ!!この『灰』は………あの時の!?」
真桜「あいたた………一体どないしたんですか?愛紗様…………
その『灰』を知ってるんですか?」
愛紗「えぇっと………それはだな………」
愛紗が返答に困っていると、突然
ズズズズズッ!!
愛紗「っ!!何だ!?」
真桜と愛紗の目の前に大きな穴が現れたのだ
真桜「これって………『闇行』ですやん………」
そしてその『闇行』から
左慈「愛紗!!真桜!!」
于吉「お二方、ご無事ですか!?」
管理者である于吉と左慈が現れた
愛紗「于吉、左慈………?」
真桜「どういう意味や?無事って?」
左慈「今の今迄ここに北郷が居ただろう!?」
愛紗「っ!!………やはり………そういう事ですか………」
于吉「その様子では無事のようですね………して、北郷さんは何処へ?」
真桜「隊長ならどっかへ行ってしもうたけど………何があったんや?」
左慈「くそっ!一足遅かったか!
于吉!探し出せるか!?このままだと他にも被害が及んじまう!」
于吉「勿論できますよ」
真桜「ちょお!どういう事や!?隊長に何があったんや!?」
左慈「説明は後だ!お前等は警邏隊の二人に連絡つけて城に戻れ!今すぐだ!!」
愛紗「了解だ!いくぞ真桜!!」
真桜「何がどうなっとるんや!?説明してーな!」
その袋小路は慌ただしさをだし、一瞬で静かになった………
その頃一刀は……………
一刀「…………………」
顔面蒼白で『あるところ』に来ていた
そこは………
見張り兵A「っ!!隊長!!ご苦労様です!!」
一刀「……………あぁ、お疲れ様」
見張り兵B「何か取り調べの御用でしょうか?」
一刀が来ていたのは成都で事件が起きた時にその犯人の頭を冷やさせる場所
云わば牢屋だった
一刀「あぁ…………実は聞きたい事があってさ…………」
見張り兵A「??何でしょうか?」
一刀「……………今空いてる牢獄ってあるかな?」
見張り兵B「空き牢獄……ですか?
確か一番奥の牢屋なら空いていますけど………
誰かぶち込むのですか?」
一刀「…………あぁ…………極悪人をね……」
見張り兵A「そうですか……分かりました
今私が鍵を開けてしますので………」
見張り兵Aが奥まで走っていった
見張り兵B「………しかし…どのような極悪人なのでしょうか?」
一刀「…………………」
一刀は見張り兵Bの問に答える事も無く牢の奥へ歩いていった
見張り兵B「隊長………………?」
見張り兵A「えぇ〜っと………あっ、ここだここだ」
見張り兵Aは懐から大量の鍵を取り出し、鍵を開けた
見張り兵A「しかし、隊長はどのような極悪人を捉えたんだ?」
見張り兵Aが疑問に思っていると
一刀「…………開けた?」
ふらふらと歩く一刀が見張り兵Aに聞いていた
見張り兵A「っ!!は、はい!!こちらです!!」
見張り兵Aは一刀に空き牢獄を案内した
見張り兵A「隊長…………どのような極悪人を捉えたのですか?」
一刀「……………ん?
あぁ………だけどそれより………ちょっといいかな?」
一刀は振り向き見張り兵Aに力無く微笑み『ある頼み事』をした
見張り兵A「……………隊長?何ですか………?」
一刀「俺が牢屋に入ったら鍵を掛けてくれ
他の罪人達と同じようにな………」
見張り兵Aは声を荒らげて叫んだ
見張り兵A「隊長を牢屋に入れる!?
そんな事自分はできません!!
何故この国の頂点に立つ貴方が牢屋に入れなければならないのですか!?
理由をお話ください!!」
一刀「……………理由は話せない……
頼む………言う通りにしてくれ……
こうでもしなければ俺の気が保てない………」
見張り兵A「出来ません!!!」
一刀「やるんだ………これは隊長命令だ……」
見張り兵A「出来ません!!!!」
頑なに断る見張り兵Aに俺は
一刀「隊長命令だ!!!やれ!!!」
見張り兵A「っ!!!」
職権乱用に等しいような強引な命令をした
突然の俺の大声に見張り兵Aは驚き、後ろに下がった
一刀「………………命令だ」
見張り兵A「く…………くそっ!!!」
見張り兵Aは乱暴に牢屋の扉、もとい檻を閉め鍵を掛けた
そしてそのまま一刀に見向きもせず出口へと走っていった
一刀「…………俺は人を殺したんだ……
罪を償った人を…………灰にしてしまったんだ………」
俺は牢屋の端で座り込み只々虚ろに地面を見ていた
一方左慈達は……………
左慈「はぁっ!?成都の城にいるだと!?」
于吉「えぇ………何故そこに向かったかは分かりませんけど……」
一刀を保護する為成都の城へと向かっていた
左慈「今頃愛紗達が城の奴らを集めてるはずだ
その間に北郷を見つけねぇと……」
于吉「そうですね………既に第一症状にまで陥っています
このままだと本当に響窃が復活してしまいます」
左慈「ったく………面倒臭ぇことになっちまったぜ!」
左慈の口からは最早愚痴しか出てこない
于吉「ふぅ……………むっ?ここのようですね………」
于吉は成都の城の『あるところ』で立ち止まった
左慈「……………はぁ?何でまたこんなとこにいるだ?
アイツ頭沸いてるんじゃねぇか?」
于吉「恐らく彼なりの反省なのでしょう
何せ罪もない人を殺してしまったのですから……」
左慈「全く…………さっさと北郷のとこ行って、城の大広間に引きずってでも連れて行くぞ」
左慈はそう愚痴ると一刀のいる牢獄に歩いていった
……終……
説明 | ||
一刀の『猛毒』が遂に牙を剥いた! 掌の暴走した『体気吸収』により、罪を償った男を あの『灰』にしてしまった……… 一刀は正気など保っていられなかった……… |
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コメント | ||
自分の意思とは関係なく触れたものを灰にしてしまうなら誰とも接触しない牢に入るのは解決策がみつかるまではいい案かな?(nao) | ||
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