重ねた手から |
重ねた手と手を離さないで。
ずっとずっと、繋がってて。
無理を言ってるのはわかってる。
永遠なんてないことはもう知ってる。
それでもなお、繋いでいて。
私はこの手を離さないから、
あなたもその手を離さないで。
「ふわぁ。ねむいぁ。」
窓際で彼はつぶやいた。いつも一緒に昼食を食べている親友たちは、今日は別々だ。だから二人きりなのに、彼は口に手を当ててあくびをしている。逆光になっていて彼の表情を読むことは難しいけど、おそらくとても間抜けな顔をしている。それを見ていると、不意にとっても悲しくなった。
「ん、どうした?何かあったか。」
私が離さない左手のことを言っているのだろう。かなりきつく握りしめている。自分でもわかっている。でも離せない。
「真一、おねがい。もう少し、このままでいて。」
私は言った。うつむいてしまったからわからないけど、彼はとても困っていると思う。自分だって何でこんなことをしているのかわからない。たまに自分が壊れてしまう。わからない。
すると彼は右手を私の頭に乗るとそっぽを向いて言う。
「別にいいよ。」
いつもはヘタレなのに、こういうときだけ格好いい。そんなのずるい。
彼の手を握っていたら、悲しさはどこかに消えていく。
説明 | ||
華詩さん>>http://www.tinami.com/creator/profile/5948のとあるシリーズの二人を少し書いてみたくて…。 二人とも凄くかわいくて生き生きとしているんです。 華詩さん。許可ありがとうございます。 |
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小説 とある 二次創作 重ねた手と手は離れることなく永遠に | ||
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