真・リリカルなのは 第十一章 機動六課設立編 第百十話 極限閃光 |
レイジングハートに自分の想いをぶつけ、ブラスターモード3を発動する なのは
シャーリーがあれほど念を押して使用を避けさせようとしたのだが、ヴィヴィオの圧倒的な強さに使用せざるおえない状況となってしまった
しかし、ブラスターモード3を使用しても、ヴィヴィオに勝てると言う保証はない
体に掛かる負荷に耐えきれず、死んでしまうかもしれない
一種の賭けである
なのは「ブラスターモード3……」
これが3の力か………
体中から力が溢れてくる
なのは「さっさと終わらせよう……………行くよ、レイジングハート」
レイジングハート【Yes マスター】
なのははヴィヴィオに接近する
ヴィヴィオ「ママ!!」
いきなり近付いて来た なのはに焦る ヴィヴィオ
体は勝手に動き、なのはを拳で貫こうとする
しかし、ヴィヴィオの拳は空を殴っただけだった
ヴィヴィオ「え?」
なのははヴィヴィオの攻撃を躱したのだ
その時のなのはの動きが見えなかった為、ヴィヴィオは困惑した
ヴィヴィオ(ママ、一体何所に?)
なのははヴィヴィオの後ろに立っていた
なのは「ヴィヴィオ、もう少しの辛抱だよ」
ヴィヴィオ「ママ…………」
なのはが語りかけた為、自分の後ろに居る事はわかった
こんなときでも自分を気にかけてくれる母の優しさが、嬉しくて溜まらなかった
なのはなら、必ず自分を助けてくれる
そう思わずには居られなかった
ならば自分に出来る事は、泣きごとを言わない事
もう余計な事は考えないでおく
それが一番いいと判断した
なのはの事が心配だが、心配した所で自分は何も出来ないのだから…………
ヴィヴィオ「ママ、ヴィヴィオ信じてる…………ママなら必ず助けてくれるって」
なのは「っ!! 当たり前だよ!!! ヴィヴィオ!!!」
娘の言葉が嬉しくてしかたなかった
自分の所為でスカリエッティに攫われ、改造されてしまった
恨まれても仕方ないと思った
けど、ヴィヴィオは自分をママと呼んでくれる
十分だ………それだけで戦う意思が湧いてくる
なのは(私も命を掛ける!!)
レイジングハート【ブラスタービット展開!!】
4機のビットを出現させ、魔法補助を行わせる
なのは「コスモ・ストライク!!!」
巨大な魔力弾を撃つ なのは
ヴィヴィオはそれを受け止めるが………………
ヴィヴィオ(弾き返せない……………これがママの底力)
そのまま直撃する ヴィヴィオ
なのは「あのレアスキルを何とかしないと……………」
幾ら なのはでも聖王の鎧を破るのは難しいのだ
レイジングハート【マスター、このブラスターモード3状態ならば、あの技が使えます】
なのは「…………あれか」
レイジングハートの言う技とは、なのはは何年も掛けて開発しようとした砲撃である
しかし、結果は失敗
その技は未完成に終わっていた
なのは「けど、あれは加減を間違えるとヴィヴィオを殺してしまうかもしれない」
レイジングハート【しかし、あのレアスキルを破る技はあれしかありません。スターライトですら破れない能力なのですよ?】
なのはは悩む
レイジングハートの言ってる事の方が間違いなく正しい
本来のなのはなら迷いなく新技を披露していただろう
しかし、それを向けるのが娘となると話が変わってくる
人間は大切な人が関わってくると、それだけでプレッシャーとなり、本領発揮できない場合もある
医者が自分の親族の手術をした場合、成功率が極端に下がるように
嘗てヴァイスが妹ラグナの目を奪ってしまったかのように
なのは「……………………」
なのはは自分の腕を見る
レイジングハートを持ちながら、震えているのがわかる
こんな状態で砲撃を撃てるはずがなかった
なのは「私は……………」
自分が情けない…………
絶対に助けると言いながら、私は……………
ヴィヴィオ「ママ! 大丈夫だよ!!」
ヴィヴィオが、なのはに語りかける
なのは「ヴィヴィオ?」
ヴィヴィオ「私なら大丈夫だよ! 絶対死なないよ!! だって…………だって私はママの娘だから!!!」
なのはとレイジングハートの会話が聞こえていたのか、ヴィヴィオもなのはを説得する
ヴィヴィオ「ママ! 思いっ切りやって!! ヴィヴィオを助けて!!!」
なのは「ヴィヴィオ……………………」
腕の震えが止まる
なのは(ヴィヴィオ、私は助けているんじゃなく、助けられているんだね)
そうだ、ヴィヴィオを助けることで、攫われた失態を取り戻そうとしている自分が居る
恥ずかしい事だ…………全く、自分が嫌になる
なのはは真っ直ぐヴィヴィオを見据える
なのは「こっちも命を掛けている……………そうだ、失敗なんて恐れてどうする。私はヴィヴィオを救いに来たんだ!!!」
覚悟を決めた なのは
なのは(ゴメンね、ヴィヴィオ……………こんな情けないママで)
けど、これだけは信じてほしい
私はヴィヴィオを………………心の底から愛している
なのは「レイジングハート!!」
レイジングハート【魔力収束率54%】
なのはなら確実に覚悟を決める
それがわかっていたレイジングハートは、既に魔力収束を始めていたのだ
なのは「ここからは時間との勝負!!」
なのはのその言葉を合図に、ヴィヴィオは なのはに襲い掛かる
しかし、ブラスタービットがそれを許さない
魔力をレーザーの様に放ち、ヴィヴィオに攻撃する
その為、上手く なのはに近づけない
ヴィヴィオ「ママ…………ママ」
ヴィヴィオはもう祈るしかなかった
なのは「レイジングハート!」
レイジングハート【魔力収束率87%】
もう少しで撃てるようになる
ヴィヴィオ「っ!! ママ!! 躱して!!!!」
虹色の魔力砲を放つ ヴィヴィオ
なのは「っ!!」
4機のビットがフィールドを構築し、なのはを囲む
ヴィヴィオの砲撃から身を守った
ヴィヴィオ「っ!!!!」
再び接近を試みる ヴィヴィオ
ビットが迎撃しようとするが、ヴィヴィオはビットの攻撃を躱していく
そして、なのはを守るフィールドを力の限り殴る
1発では壊れないが、何度も何度も拳を打ちつける
ヴィヴィオ「痛っ」
ヴィヴィオの拳からは血が滲み出ていた
レイジングハート【魔力収束率100% いけます!!!!】
なのは「ヴィヴィオ……………行くよ!!!」
ヴィヴィオ「うん!! ママ!!!」
なのは「極限閃光!!! コズミック…………ブレイザァァァァァァァ!!!!!!!!」
レイジングハートと4機のビットから放たれる眩い閃光
その光は視界を全て桃色に染めていく
スターライトを超越する圧倒的な光
聖王の鎧並みの防御を持った者でなければ、非殺傷と言えどもただではすまないだろう
その証拠に、極限閃光はゆりかごを貫き、半壊させた
光が収まると、元の幼い姿となり、倒れている ヴィヴィオ
そして、雲1つ無い青い空が見える
丁度ゆりかごの半分が消滅したのだ
それを見ていたクロノ達は、唖然とするしかなかった
あれほどの巨大なロストロギアを半壊させたのだから……………
最早、人間の力とは思えない
更に言うならば、極限閃光はもう少しで次元震を起こす所だった事が後日判明する
人工的に次元震を起こす事は不可能だと管理局内では言われていたが、その考えを否定された事になる
なのは「レイジングハート………」
レイジングハート【大丈夫です、マスター 生命反応はあります】
なのは「良かった」
なのははゆっくりとヴィヴィオに近づいて行く
ヴィヴィオ「う………」
ヴィヴィオを目を覚ました
なのはの技によって、体内のレリックウェポンは消滅したようだ
自分に近付いてくる なのはが視界に映る
ヴィヴィオ「ママ、来ないで!!」
なのは「え?」
近付く事を拒む ヴィヴィオ
ヴィヴィオ「立てるから…………1人で、立てるから!」
ヴィヴィオはゆっくりと立ち上がる
ヴィヴィオ「立てたよ!!」
ヴィヴィオは何時も転んだ時、フェイトに立ち上がらせてもらっていた
自分で立ち上がるのは初めてだ
なのは「ヴィヴィオ!!」
なのはは溜まらず涙を流してしまう
そして、ヴィヴィオの所まで走り、抱きしめる
なのは「良かった………本当に良かった」
ヴィヴィオ「ママ………ママ!!!!」
ヴィヴィオも泣きながら、なのはに抱きつく
漸く………漸く親子の絆を取り戻す事に成功した
しかし、まだ終りでは無い
極限閃光により、軌道を変え、本局への直撃を間逃れたゆりかごだが、このままではクラナガンへと落下してしまう
クロノ「なのは!!!」
なのは「クロノ君」
クロノから映像通信が届く
クロノ「今すぐ、ゆりかごから脱出するんだ。残りの半分はアルカンシェルで粉砕する」
なのは「わかっ!!」
クロノに返事を返す前に倒れる なのは
ヴィヴィオ「ママ? ママ!!」
クロノ「どうしたんだ!? なのは」
心配する2人
なのは「ここにきて…………ブラスター3のデメリットが」
体中に走る激痛
ブラスターモード2の時とは比べ物にならない痛みだ
動く事もままならない
なのは(どうすれば…………このままじゃ)
クロノ「仕方ない…………急いでフェイトを向かわせる!!」
カイト「その必要はない」
クロノの言葉を否定し、颯爽と現れたのはカイトだ
クロノ「天城! 何時の間に!!」
バルガミドレイセスを打ち破り、一時の休息を得たカイトはゆりかご内に侵入していたのだった
カイト「そんな事はどうでもいい。アルカンシェルは何時でも撃てるんだろうな?」
クロノ「ああ、準備万端だ」
カイト「よし」
ヴィヴィオ「パパ! ママが、ママが!!!」
激痛に魘される なのはを見てパニックになる ヴィヴィオ
カイト「喚くな!! 高町なのはの娘なら、こんなことぐらいで動揺するな!!!」
慌てるヴィヴィオを諌める カイト
カイト「時間がない。さっさと行くぞ」
ヴィヴィオを抱きかかえ、なのはを背中に乗せる カイト
そして、ゆりかごから脱出する
なのは「ありがとね……………カイト君」
カイトの耳元で礼を言う なのは
カイト「フン、まだ喋れるほどの気力が在ったか」
なのは「そう…………だね」
その一言を最後に、なのはは何も言わなくなる
気を失ったようだ
そして、半壊状態のゆりかごはアルカンシェルによって消滅する
フェイトやはやてが待つ場所に降り立った カイト
はやて「カイト君! なのはちゃんは!!!」
カイト「恐らくブラスターモード3を使ったのだろう。正直不味い容態だ」
はやて「シャマルが居る場所まで案内するわ!」
カイトとはやてはシャマルが居る場所まで向かう
ヴィヴィオはフェイトが預かった
ヴィヴィオ「なのはママ…………」
フェイト「大丈夫だよ、ヴィヴィオ」
不安な表情をしているヴィヴィオの頭を撫でる フェイト
ヴィヴィオ「フェイトママ?」
フェイト「なのはは絶対大丈夫。こんな所で死ぬ人じゃない」
そう言うフェイトだが、彼女の表情も暗い
フェイト(なのは……………ヴィヴィオを置いて行ったりなんてしちゃダメだよ)
なのはが無事であることを祈るしか出来ない フェイト
ゆりかご消滅により、長かった戦いに終止符が打たれる
みな、酷く傷つき、ボロボロであった
しかし、六課メンバーで諦める者は1人も居なかった
何故ならば、なのはの背中を見ていたからだ
彼女の存在が、諦めと言う考えを消し去ってくれた
最後の最後まで足掻いた
その結果が、この勝利だ
恐らく、この戦いは管理局の歴史に名を刻む事になるだろう
たった1人の男の興味から始まった大激闘
しかし、その男の後ろには謎の影があった
最高評議会と言う名の影が……………
そして、もう1つの影が迫っている事を、まだ誰も知らない
〜スカリエッティのアジト〜
ヴェロッサ「この辺りだな」
ヴェロッサは、ウーノの頭の中を見て、ある場所にやってきていた
そして、大きな部屋に巨大なカプセルが1つ置かれていた
ヴェロッサ「間違いない…………これは地上に連絡した方がいいな」
ヴェロッサの目の前にあるカプセルには黄色い液体と女性が入っていた
ヴェロッサ「先ずはシャッハにっ!?」
突如、腹に激痛が走る
見てみると、刃が背中から腹にかけて、貫いていた
ヴェロッサ「な……に?」
頭が混乱する
そして、何とか後ろを振り向く
すると、白いマントに覆われた男が、自分を刃で貫いていた
?「悪いが邪魔だ…………消えてもらおう」
無理やり刃を抜き取る
その時、真っ赤な血が飛び散り、白いマントを染めていく
ヴェロッサ「お前は一体…………」
ヴェロッサは意識を失う
彼の回りには血の海が出来あがっていた
謎の男は、ヴェロッサが気を失ったのを確認すると、カプセルの前まで移動する
?「こんな形の再会になってしまうとは…………」
カプセル内の女性に語りかける謎の男
?「すみません。不義だとは思いますが、あなたの亡骸、利用させてもらいます」
ヴェロッサを貫いた刃でカプセルを斬る
黄色い液体が流れ出し、女性が地べたに倒れる
謎の男はマント脱ぎ、全裸の女性に被せる
?「あなたを殺したのは管理局だ…………私は管理局を許さない。あたなにも協力してもらいますよ、クイントさん」
そう、カプセルに入っていた女性はクイント・ナカジマ
スバル、ギンガの母親だ
彼女は殺されたのだが、亡骸はスカリエッティが保存していたようだ
そして、謎の男との関係とは?
物語はまだ、終幕を見せない
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娘を救え! なのは!! | ||
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リリカルなのは あくまで主役はなのは・・・・・・と思う 流れは原作 魔法少女リリカルなのはStrikerS | ||
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