真・恋姫無双 北郷一刀最強伝 第七話双竜の力 |
地平を覆い尽くすほどの、黒く蠢く黄巾党の群れ。
敵の前線に近づけば近づくほど、自らの視界には敵兵しか映らない。
そんな絶望的とも思える状況で、少女は唇の端を軽くつり上げて笑っていた。
それは虚勢でもなく、ただ彼女の心のままの表情である。
???「ふふふ・・・なかなか雄壮な眺めだな」
前方には荒野を埋め尽くす八千の賊。
それと対峙するのは、槍一振りだけの己一人。
常人ならばすくみ上がるか、なりふり構わず逃げ出したいと思うその状況で、少女はかつてない高揚感に包まれていた。
今の彼女の心にあるのは、匪賊をうち倒す事への喜びと、己が武勇を発揮出来る場を得た事への感謝のみ。
八千人分の足音は地鳴りなどという生易しい例えでも物足りないほどの轟音。しかし高揚しきった彼女には、それが“歴史という名の舞台”へと上がる自分を祝福する喝采にしか聞こえない。
そして役者は喝采に答える義務があった。
???「趙子龍。今より歴史に向かい、この名を高らかに名乗りあげてみせようぞ!」
槍は陽光を鋭く受け止め、まるで光の衣を纏っているように眩しい輝きを放つ。
その輝きに気付いた黄巾党の先陣が、その足をゆっくりと止め始めた。
趙雲「たった1人を相手に怯みを見せるか。やはり賊は賊、群がらなければ屑か」
鼻で笑うと同時に槍先を向け、趙雲は黄巾党を嘲笑った。
屑と呼ばれた黄巾党の群れは止めた突撃の速度を再び戻す。
自分達を屑呼ばわりした愚か者を八裂きするべく、活動を再開し始めた。
趙雲は苛立ちを隠そうともせず、眉を軽く顰めた。
趙雲「常山の昇り竜、趙子龍! 悪逆無道の匪賊より困窮する庶人を守る為に貴様達を討つ! 悪行重ねる下衆共よ! 我が槍を正義の鉄槌と心得よ!」
雄々しい名乗り口上が戦場を震わす。
趙雲「いざ――――参るッ!!」
趙雲は自分の愛槍を手に構え疾風の如き速さで敵に斬り込んでいった。
趙雲「はいはいはいはいはいはいィィィィィィィッ!!!」
ザシュ!!ズバ!!ザク!!
黄巾党B「ぐわっ!」
黄巾党C「ぐげっ!」
黄巾党D「がはっ!」
趙雲「恐れる者は背を向けろッ! 恐れぬ者は掛かって来い! 我が名は趙子竜! 一身これ刃なり!」
趙雲の動きは蝶のように華やかで優雅な動きをしていた。
黄巾党にしてみれば死蝶という名の死神に見えているのかも知れない。
だが、所詮は趙雲一人で八千の黄巾党を相手にするのは無謀以外の何物でもない。
その証拠に趙雲の槍捌きが少しづつだが雑になってきた。
黄巾党A「1人を相手に何をやってんだ! 取り囲んでなぶり殺せッ!」
趙雲「出来るならするが良い。そうしなければ貴様等はただ無駄に命を落とすだけ。
そう簡単にできると思うなッ!!」
一閃!!一閃!!!
と槍を振るうが疲れがたまってきたのか徐所に鋭さが失われてきた。
黄巾党E「調子に乗るなよこの野郎!!」
趙雲「し、しまった!!」
ザシュ!!
黄巾党の一人一瞬の隙を突き趙雲の背後をとった。
だが、その攻撃は趙雲に届くことはなかった。なぜなら趙雲を斬ろうとした
その男は死んでいたからである。
黄巾党E「ガハッ!!!」
趙雲「こ、これは一体!」
趙雲が振り向くとそこには刀をもった一人の少年が立っていた。
その少年こそ趙雲が背後から斬られる前に神速の速さで賊を斬った。
天の御遣い北郷一刀である。
北郷「一人で黄巾党八千に挑むなんて無茶をするな〜・・・まっ、俺も人のことは言えないか。」
趙雲「き、貴公は一体?」
趙雲がそう聞くと北郷は趙雲の顔を見ながら・・・・
北郷「俺か?俺の名は北郷一刀、世間では天の御遣って呼ばれている男さ」
そう答えると趙雲の顔が驚きの顔になる。
趙雲「き、貴公があの幽州の啄県に舞い降りたという天の御遣いか!」
北郷「そうだよ・・・さてと、趙雲まだ戦えるか?戦えるなら俺に力を貸してくれ!」
北郷が力強くそう言うと趙雲は当然といった表情で・・
趙雲「無論だ!!北郷殿!!!
北郷「そうか!!・・・・北郷一刀!!目標を駆逐する!!!」
っと某アニメの名ゼリフを言う北郷一刀であった・・・・
その言葉が引き金となったのか再び黄巾党八千の軍勢が
二人に襲いかかった。
北郷「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
趙雲「せぇぇぇぇぇぇぇぃっ!!!!!」
二人の気合を込めて振るった刀と槍そして神速と疾風
の速さがすべてを斬り裂きそして貫く。
いかに黄巾党の数が多くても意味がないなぜなら北郷と趙雲が強すぎるからである。
北郷「お前らに見せてやるよ!!天の御遣いの本当の実力ってやつをなっ!!!」
趙雲「聞けぃ! 下衆ども! 我が名は趙雲! この名を聞いてまだ恐れぬなら、我が命を奪ってみせよ!」
北郷(又某アニメの名ゼリフ)と趙雲が高らかに吼えた。
二人の咆哮が天と地を揺らした
黄巾党の部隊が二人の咆哮に怖気ついていると二人の後ろからものすごい勢いで
北郷と趙雲に近づいている軍勢があった。
愛紗「我らの力を見せる時だーーーー!!!!全軍突撃!!!!!」
鈴々「皆で力を合せて悪い奴らをやっつけるのだ!!!」
やってきた軍勢は北郷の仲間の愛紗と鈴々がようやく到着したのであった。
ちなみに桃香と朱里と雛里は本陣で指揮を執っていたのであった。
目の前の敵に散々な目にあわされてさらに援軍が来たことを知った。
黄巾党は瞬く間に混乱した。
更に、公孫賛は素早く黄巾党の部隊の背後をとり一気に攻めたのでさらに混乱した。
この策を考えたのは勿論本陣で指示を出している朱里と雛里である。
こうなってしまっては黄巾党の部隊の壊滅も時間の問題だった。
戦の勝敗が決し、逃げ崩れた黄巾党軍の掃討を北郷は全て公孫賛軍に任せた。
北郷は趙雲と話をするため趙雲を探していると、向こうも北郷を探していたようだった。
北郷「怪我はないか?趙雲」
趙雲「これは北郷殿お気遣いかたじけない。幸いに怪我は全くありません。
それより・・・先ほどから気になっていたのですがどうして私の名を」
北郷「公孫賛から趙雲っていう客将がいるって聞いたんだよ」
北郷がそう答えると趙雲は何かを決めたような顔で・・・
趙雲「うむ・・まさにその通りでも、もう伯圭殿をもう主とは呼ぶことはないでしょうな。」
そう言いながら趙雲は公孫賛の陣がある方角見ながらそう言った。
北郷「え?なんで?」
気の抜けた声で趙雲に聞くと理由を語りだした。
趙雲「伯圭殿は決して無能ではないのだが・・英雄としての資質がなさすぎる」
どこか面白そうに言う趙雲であった。
北郷「それで、公孫賛の客将をやめるっていうのか・・・・」
趙雲「いやっ・・それだけではありませぬ
私は今日、自分の槍を預けるに値する人物を見つけましたので。」
趙雲が北郷の質問に答えると趙雲は北郷の眼前で膝をつき・・・
趙雲「わが槍を北郷殿に授けましょう。私を北郷殿の臣下に加えていただきたい。」
そう趙雲に言われた北郷は訳が分からなかった。
北郷「どうして、俺の仲間になりたいんだ?俺はまだまだ太守として未熟だぞ」
北郷に理由を聞かれた趙雲は北郷を納得されるために口を開く。
趙雲「私は大陸中を渡り歩き自分の主を探していました。魏の曹操・呉の孫策
二人とも確かに英雄の資質はあったのですが・・はっきりいって肌に合いませんでした。
ですが北郷殿に助けていただいた時に何かを感じたのです。ですから私を臣下にお加えください!」
趙雲の主張を聞いた北郷は・・・・・
北郷「わかった!趙雲・・・お前の力この大陸を平和にするために力を貸してくれ!」
趙雲「ありがとうございます!北郷殿・・それと私の事は真名で呼んでいただきたい」
趙雲がそう言うと北郷は頬を書きながら・・・・
北郷「わかった・・それじゃ教えてくれないか趙雲の真名を」
趙雲「わかりました。私の真名は星といいます。
これからよろしくお願いいたします我が主」
その言葉を聞いた北郷は自分の新しい呼ばれかたを聞き・・・・
北郷「(主か・・・・なんかかっこいいな)ああ!こちらこそよろしく星!」
ガシッ!!
朱里と雛里の真名を聞いた時と同様に固い握手をするのであった。
このことを、桃香たちに報告するために本陣に戻った北郷だったが。
幽州の青龍刀愛紗にこっぴどく怒られる北郷であった。
ちなみに、星はと言うと北郷が愛紗に怒られている間に公孫賛に北郷の仲間になることを告げ更に桃香たちに自分の真名を教え桃香たちも星に真名を教えるのであった。
ちなみに愛紗の説教はかれこれ一時間近く続いた所でようやく終わり。
星と真名を教えあった所でようやく北郷もようやく一息つくのであった。
この戦いで趙雲と言う頼もしいなかまを得た北郷
この出会いがこれから何を生むのか・・・・
いま新しい外史の扉が開かれる。
説明 | ||
こんなに早くできるとはおもわなかったのでUPします。次は番外編を書いたあとに反董卓連合編を書こうと思います。 あと、この間ガンダムのことを書いたら以外にも好評だったので今回のSSでも少しばかりガンダムネタを使ってみました。 |
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コメント | ||
「恐れる者は背を向けろッ!恐れぬ者は掛かって来い!」一度いいから言って見たい!!!(リンドウ) 刹那ですかいww(零壱式軽対選手誘導弾) 一刀本当の強いな・・・まだまだ底が見えません。(ブックマン) よし!これからは一刀・H・セイエイと呼ぼうww(MiTi) いい感じに最強ですね^^wwww(タンデム) ・・・・面白いぞ・・・・どんどんやれ(マテコラ(Poussiere) どこの刹那・F・セイエイww(へたれ雷電) 最強とのことなので頭脳面でも活躍していただきたい。(sin) |
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