英雄伝説〜焔の軌跡〜 リメイク
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〜某日・深夜〜

 

「あそこか……」

「?あの。何だか様子がおかしくありませんか?」

ルークたちと共に物陰に隠れていたルフィナは出入り口付近に倒れている猟兵らしき存在をに視線を向けて呟き

「もしかして見張りの兵でしょうか?―――アリエッタ、建物内から人の気配はしますか?」

「はい。ですが、だんだんと減って、います。」

「ハアッ!?どういう事だよ、それは!?」

「まさか私達より先に襲撃をかけている別の組織の者が?しかし一体どの組織が……」

アリエッタの口から出た答えを聞いたルークは驚き、ルフィナは建物内にいる謎の襲撃者達の正体を考え込んでいた。

 

「―――まさか。”身喰らう蛇(ウロボロス)”の者達ではないでしょうか?」

「!!それは………!」

イオンの推測を聞いたルフィナは表情を固くし

「”身喰らう蛇(ウロボロス)”?何だそりゃ。」

聞き覚えのない組織名にルークは首を傾げた。

 

「その事については後で説明します。ルーク、予備用の”リバースドール”は持っていますか?」

「へ?一個なら持っているけど……」

「でしたら万が一の事を考えてルフィナに渡してくれませんか?僕達の知る組織の者達が襲撃者ならば、相手は相当の手練れです。(中には”六神将”やあのヴァンにすら届く程の者達や彼らをも超える存在もいるそうです。)」

「!!わかった。ルフィナさんだっけ?よければ持っていてくれ。」

イオンに耳打ちをされて血相を変えたルークは荷物の中から人の形をした小さな人形を取り出してルフィナに渡した。

 

「あの。これは一体?」

「えっと、俺の故郷だけに伝わっている”身代わりマペット”と同じようなものだよ。だけど効果はアレとは効果は段違いで、持ち主が死にかけても生き返してくれるんだぜ。」

「え。でしたら私よりもジュエ卿が持つべきです。私よりジュエ卿の身の方が大切ですし」

命の危機が訪れた時に身代わりとなる人形の効果を聞いたルフィナは目を丸くした後イオンに視線を向けた。

 

「僕は大丈夫です。同じ物を持っていますから。」

「それに、イオン様、アリエッタが守ります。心配する必要、ないです。」

「………わかりました。でしたらありがたく、受け取らせて頂きます。」

「後、ついでにこれも持っておいてくれ。この薬は命も呼び戻すと言われるほど効果が高い回復薬だから。」

「わかりました。こちらもありがたく受け取っておきますね。」

二人の説明を聞き、押し問答する時間もあまりないと判断したルフィナはルークから受け取った人形と透き通った水色をした液体が入った瓶と共に懐に入れた後、ルーク達と共に建物内に入って行った。

 

〜”D∴G教団”ロッジ・”楽園”〜

 

「これは………下種共が。」

ルーク達が建物内に侵入したその頃、冷たい雰囲気を纏わせるアッシュブロンドの髪の青年は地獄絵図すら生温いと思われる部屋内を見回した後、身体中に十字の傷を残した二人の少女を見て憎悪がこもった目で呟き

「……こんな風になっても人は生きていられるのか……?これでも、生きていると言えるのか……?」

青年の傍にいる黒髪の少年は人形のようにまるで表情を動かさず、髪の色だけ違い、容姿が瓜二つの双子らしき少女を見つめていた。

 

「………この無数の十字傷(クロス)。これは自分達で付けたものだ。恐らく自分達を保つために必要だったのだろう。」

「………それでも、生きたかったのか………(これが生きている人間……)……レーヴェ、この子達が生きているところを見たい。”結社”で引き取れないか?」

「ヨシュア………そうだな……―――――!!」

少年の提案に青年は若干の驚きの表情を見せた後、建物内に入って来た新たな侵入者の気配を感じ取って目を細めた。

 

「敵の援軍?」

「いや………恐らくだが各国の軍部や遊撃士協会が集めた精鋭による壊滅作戦のメンバーだろう。奴等と鉢合わせるのはこちらとしても望ましくない。後の事は奴等に任せて行くぞ。」

「この子達の事も任せるの?」

「…………連れて行くのは一人が限度だ。」

「わかった。じゃあ一番近くの橙色の髪の子でいい。」

「ああ。――――行くぞ、ヨシュア。」

そして夕焼けのような橙色の髪の少女を抱き上げた青年は少年と共にその場から音もなく立ち去った。

 

「これは……!」

一方建物内に入り、そこら中に散乱している猟兵や研究者らしき人物達の死体を見たルフィナは驚き

「ぜ、全員、殺されてやがる………!」

「やはり”彼ら”の仕業ですか。」

ルークは信じられない表情で呟き、イオンは重々しい雰囲気を纏い

「…………………――――!!散って!!」

目を閉じて周囲の気配を探っていたアリエッタが叫んだその時、声に反応したルークたちが散開すると共に天井が破壊され、僅かに人間だった風貌を残した異形の者が落下して来た!

 

「オォォォ…………」

「な、なんだコイツは!?」

「悪魔?い、いえ、人間!?」

突如現れた異形の存在にルークとルフィナは戸惑い

「その人、元人間、です。変な事、言って、ます。”グノーシス”、と。」

「!!報告にあった教団が開発していた薬物ですか!」

「ハアッ!?」

「まさか――――”悪魔化(デモナイズ)”!?」

イオンの口から出た聞き覚えのある話を思い出したルークは驚き、ルフィナは信じられない表情で異形の存在を見つめた。

 

「オォォオオォォッ!!」

「チッ、やっぱりこうなるか!」

飛び掛かって来た異形の存在の攻撃を後ろに跳躍して回避したルークは剣を鞘から抜いて構えた。

 

「―――”空の女神(エイドス)”の名の元に貴方を浄化します。アリエッタ、ルフィナ!行きますよ!」

「「はい!」」

静かに祈った後号令をかけたイオンの号令にルフィナとアリエッタは頷き、ルークと共に戦闘を開始した。

 

「それっ!!」

「ガァッ!?」

イオン達と共に自らの得物であるボウガンを構えたルフィナは矢を数本を放った。放たれた矢は異形の存在に刺さり、刺さった場所から血を噴出させたが

「オォォオオッ!!」

異形の存在はまるで痛みを気にしないかのように猛スピードでルフィナに詰め寄り、剛腕を振るった瞬間

「アクアプロテクション!!」

アリエッタの声が建物内に響くと同時にルフィナの前に大気中の魔力が集束して水の盾となり、異形の存在の剛腕を受け止めた。その時ルークとイオンが地面を蹴って同時に異形の存在に詰め寄り

「烈破掌!!」

「掌底破!!」

「グギャアッ!?」

それぞれ手を守る手甲を付けた片手に闘気を纏わせた拳を異形の存在の側面に命中させる瞬間、纏わせた闘気を爆発させ、二つの闘気の爆発を受けた異形の存在は吹っ飛ばされて壁に叩きつけられた!

 

「――――来て、光の鉄槌!」

その時アリエッタが魔力を纏わせたぬいぐるみを掲げた瞬間、異形の存在の頭上が光り

「リミテッド!!」

「ガアアアッ!?」

光の柱が落下し、異形の存在を貫いた!

 

「行け!――――インフィニティスパロー!!」

魔を貫く光の柱を受けて怯んでいる異形の存在を逃さないかのようにルフィナは法剣の刃を飛び回らせ、飛び回る刃は次々と悪しき存在の身体を傷つけた。

「開口!無窮に崩落する深淵!」

イオンの声に反応するかのように異形の存在を囲むようにドーム型に空間が歪み始めた。

 

「グラヴィティ!!」

「ガアアアアアアアアッ!?」

歪んだ空間は異形の存在を圧し潰すかのように強烈な重力を与え、突如襲ってきた重力に逆らう術もない異形の存在は地面に叩きつけられた。そこにルークが地面を蹴って天井に届くほどまで跳躍し

「大雪斬!!」

闘気を纏わせた剣で異形の存在を縦に真っ二つに斬り、斬られた異形の存在は人の血とは思えない青色の血を噴出させながら絶命した!

 

「何だったんだよ、コイツは………」

剣に付着した血を一振りして振り払ったルークは異形の存在の死体を見つめながら剣を鞘に収めた。

「………今は子供達の救出が先決です。行きましょう、ルーク。」

「ああ。」

そしてルーク達は建物内を探索したが一向に子供達は見つからず、まだ探していない最後の部屋に入ると信じられない光景があった。

 

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今回の話でお気づきと思いますが以前と同じようにレンを早期に救済する代わりに本来のレンの代役を務めるキャラクターをオリジナルキャラとして登場させました。なのでもしかしたら原作のルークとアッシュみたいに、同じ顔のキャラクターが剣を交えるという場面があるかもしれませんww

説明
第7話
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