IS 2体の魔神皇帝 |
一夏「弾、セシリアを呼んでくれ」
弾「何だその変なやつ」
トラックの荷台にあるイレイザーヘッドを見て弾は首を傾げる。
一夏「爆発被害を抑える装備だ。これをセシリアに使わせる」
弾「山田先生とかじゃ駄目なのか?」
一夏「之を使用するには精密射撃をする必要がある。今俺以外でそんな腕を持ってるのは
セシリアだけだからな」
弾「一夏は何をするんだ?」
一夏「後で話す」
弾「了解。直ぐ呼んで来る」
弾がセシリアを読んでくると一夏は事の詳細を話し、セシリアは快く了承して
イレイザーヘッドを束に手伝ってもってSティアーズに量子変換した。
一夏「下準備は完了っと。俺は寝る」
弾「明日には俺達は学園に向うんだよな?」
束「そうだよ。明後日にはドラコノサウルスとの戦闘になると思うよ」
弾「俺も今の内に休んでおきます」
束「鈴ちゃん達も」
鈴達も各々自室へと向かい明日の移動に備えた。
一夏「・・・」
箒「・・・」
清香「・・・」
この3人は部屋に入ったは良いのだが一夏は窓の外・・・正確には月を見たまま全く動かずにいる。
箒と清香は風呂に入った後布団に潜り込み一夏の様子を見ていた。
箒「声を掛けずらいな・・・」
清香「一夏、何を考えてるんだろ・・・」
箒「わからん・・・ん?」
清香「如何したの?・・・あ」
二人はガラスに映っている一夏の姿を見て少し驚いた。右目に眼帯があるのだ。
一夏「ん?如何した?」
清香「如何したって・・・その眼帯・・・」
一夏「あぁ。瞳が髑髏の形だからな・・・」
箒「あ、あぁそういう事か・・・」
大抵の者達には威圧というのか恐怖のようなものを与えるだけのようだが・・・。
箒「なぁ・・・ドラコノサウルスと如何戦うつもりなんだ?」
一夏「まだ第2段階までしか思いついてない」
箒はふとドラコノサウルスについて思い出した事を思い出したようで
何か悩むような表情になる。
箒「・・・奴を倒して良いのだろうか?」
一夏は少し考えてから自身の考えを話す。
一夏「個人的感想をいえばNO。人間はドラコノサウルスに滅ぼされても文句は言えないだろう」
清香「私もかな・・・。でも皆が死んじゃうのは嫌・・・」
一夏「死んだら死んだだ。友人が死ぬのは嫌な気分だがな」
意外と冷たい一夏の一面を見て清香と箒は悲しくなってしまう。
彼は2人の表情を見ても何も言わず眠り落ちた。
箒「・・・」
清香「一夏って時々だけど何でこんなに冷たいのかな?」
箒「一夏は感情の一部がまだ欠落しているみたいなんだ。だから時々酷く冷淡になるんだ」
清香はポロポロと泣き出してしまった。
清香「一夏・・・」
箒「もう寝よう。な?」
清香「うん・・・」
その夜、清香は箒に抱きついて離れなかったとか。
翌日の食堂・・・
3人は一緒の卓で食事をしていたが3人の空気は今までとは違った。
一夏は朝から一言も喋っていない。清香は話し掛け辛く黙っている。
箒は何時も通りだが無口である。
鈴「あの3人今日はやけに静かというか・・・」
セシリア「冷えていますね・・・」
弾「多分一夏が何か言ったのが原因じゃないか?」
ラウラ「如何いうことだ?」
弾はお茶を飲んでから説明をする。
一夏は感情かいくつか欠落していて酷く冷酷というのか冷淡になる事。
それが昨日なんらかの事で出たのだろうということ。
それが3人の空気が悪い原因だろうという事。
シャル「あの3人に限ってそんな事無いと思うんだけどなぁ・・・」
束「そうでもないよ・・・。結構前に似たような事があったから」
千冬「たしか箒の可愛がっていたハムスターが死んでしまったときだったな・・・」
束と千冬の話だと二人が5歳の頃の時にそれがあったそうだ。箒は2歳の時にハムスターを飼い始めた。
そのハムスターが寿命で死んでしまったのだ。とても可愛がって面倒を見ていた箒は一夏に何で死んだのか
きくと彼は何の感情のぶれも無く「寿命。生きている物はいつか死ぬ」と発言したそうだ。
それを聞いた箒は悲しくないのか?と聞き返した。
一夏は「悲しい?如何いうことだ?少し嫌な感じはするし寂しくはあるが」と発言。
さらに追い討ちをするように「鼠系の動物は大抵寿命が短いのを解っていたのか?」
等の事を聞いたので箒は之にキレた。
箒は一夏の竹刀で攻撃し一夏は恐らく自分が悪いのだろうと防御しかしなかった。
この大喧嘩を後、3ヶ月ほど箒は一夏の口を聞かなかったそうだ。
一夏は何度か誤ったりしてはいたが何処が悪かったのかは結局解らなかったそうだ。
だが自分の発言が原因なのは解っていたので箒はそれを知り一応許したそうだ。
鈴「・・・一夏って昔から『死』に関しては嫌な感じがするとしか感じなかったんですね」
セシリア「ですけど寂しいと感じる優しい心があったのは確かですね」
千冬「私に関しては居ないほうが良いとまで言われた事があったがな・・・」
束「剣蔵叔父さんに懐いてたしね・・・ちーちゃんはいっくんが9歳になるまで邪魔者
・・・というか居ても無視されてる扱いだったし」
ラウラ「あの兄様が・・・喧しいという感じで扱っていたと思っていたのですが・・・」
千冬「一番グサリと来たのは母さんと間違えられて『地獄に戻れ』といわれた事だったな」
シャル「そんな事まで・・・」
一同は3人を見てから元学園のあった人工島へ向う準備に入った。
シャル「でもドラコノサウルスが眠りに付く可能性もあるよね?」
ラウラ「可能性はあるが極端に低いだろうと兄様は言っていたぞ。
それ所か人類は滅ぼされた方が良いのかもしれないとも」
シャル「もしかしたらそれが原因かもね・・・」
ラウラ「だな・・・」
此処まではよかったのだがシャルがラウラに抱きつこうとしたりしたのだった。
ラウラはシャルにバックスピンキックを食らわせたらしい。
一夏「出発するぞ」
束「OK〜」
千冬「無事に戻れるとよいのだが・・・」
箒「一夏・・・」
一夏「?」
清香「大丈夫かな?」
一夏「解らん。だが多分大丈夫だ」
ラウラ「私は打鉄で後方支援を行ないます」
一夏「了解した」
弾達も出発の挨拶を済ませた。そして一行は元IS学園であった人工島へと出発した。
束「どういっくん?スカルホースの調子は?」
一夏「前よりじゃじゃ馬になったかな。姐さんに似て」
束「じゃじゃ馬なんてイヤン♪」
箒「クネクネしないで下さい」
一夏は後ろに箒と清香を乗せてスカルホースを久しぶりに運転していた。
外見は変わっていないが戦闘形態が追加されているそうだ。
一夏「説明書読んだけどよ・・・3連装光子力ショックカノン砲って・・・
戦艦じゃねぇんだぞこれ・・・実弾も撃てるみたいだし」
箒「元々高出力だったから丁度いい武装だな」
一夏「4門も搭載する必要ないだろ」
清香「重武装(汗)」
束「やりすぎちゃった(テヘ♪)」
一夏「撃ち抜くぞ姐さん・・・」
説明書を読んだだけでかなりの重武装になっているのを確認したようだ。
他にも色々武装が搭載されているので戦闘車になっている。
今現在は何も変わっていないのだが魔神パワー『変態』の技術の応用で
3連装砲が格納されている。
束「カイザーとかとエンジンを同調させれば前線補給用の機体にもなるからね」
一夏「今回は箒が使う事になるな」
箒「・・・わかった」
清香「・・・」
一時間程で到着した。施設は生きているが人間の気配が無い。
完全にゴーストタウンのようになっており潮風が一層不気味な雰囲気を出している。
各自は元々使っていた部屋に向う。ベット等は備品輸送を担当する班が持っていったので無い。
なので各自今夜寝袋を使う事になっている。
一夏「飯作るか」
箒「道具・・・」
一夏「コートに一式しまってある」
清香「手伝うね」
昼食を食べた後と夕食の後、警戒の為に周囲を飛行。ソナーなどを仕掛けたりしてその日は終了した。
千冬SIDE
一夏?『GAAAAAAAAAAAA!!!』
箒?『GOAAAAAAAAAAAA!!!』
千冬「二人とも・・・何故・・・」
清香?『世界が終る・・・私達が終らせる・・・』
千冬「何・・・?」
清香?『2人の意思・・・私はそれに従うだけ・・・』
清香の瞳には光がなくまるで意志はあるが一夏と箒にだけ従う人形のようになっている。
私の周りには背骨が飛び出ている束、頭の無い鈴、上半身の消し飛んでいるオルコット
下半身が無くなり出血多量で動かないラウラ、左半身の無いデュノア、四肢の無い更識姉妹が
まるで道端の塵のように死んでいる。
一夏と箒は完全にマジンカイザー2機と同化している。
そのカイザー2機は・・・悪魔そのものといっていい外見になっている。
言葉で表すなら終焉の魔神であろう・・・。
そして清香は二人が私に手を向けたのを見ると牙斬刀と同じ形状のクナイをつかい私の首を・・・
千冬SIDE OUT
千冬「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
束「なになになに!?!?」
一夏「うるっせぇな・・・」
箒「どうしたんです・・・?」
千冬の大声で寝ていた束や一夏達も起きてきた。
千冬(・・・ゆ、夢か・・・しかしリアルだったな)
千冬は起こしてしまったので謝って一夏達を寝かせた。
千冬「なぁ束・・・」
束「どったのちーちゃん」
千冬は先程見た夢を話す。束は飛び起きて千冬を見る。
束「ちーちゃんもその夢を?」
千冬「束もか?」
束「私は・・・」
束も似たような夢を何度も見ているようだ。やはり一夏と箒に異変が起こり
清香もその随伴者となっているようだったという。
束「なんなんだろうね・・・この夢」
千冬「わからん・・・だが経験した事があるような感じがするな」
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