三都フランチェスカ学園物語 第6話 3つの交差
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輝が屋上にいる一方、実チームは体育館にいた。何故ならエレベーターが到着したのは誰もいない体育館だった。

 

「まさか体育館にエレベーターがあるとはな…」

 

「とにかく行こう、早くしないとここも…」

 

「とにかく出よぜ〜」

 

そう言って呑気な態度で乃川が体育館の扉を開いたその瞬間。

 

「ギャフゥゥゥゥゥゥゥ!!」

 

「「!!」」

 

扉を開けたその時、乃川の顔面にラ○ダーキックのような飛び蹴りがクリーンヒットし、2人はビックリして扉の横に背中を瞬時においた。

 

「チッ!10ポイントのカスだったか…」

 

髪をお団子に結んでいて短いスカートに明らかに見え見えの褌を身に着けている少女が実と一刀を殺気立っている視線で見る。

 

「おいおい…この学園って褌が隠れブームか?」

 

「そんな訳ないよ!」

 

2人は慌てて体育館を出てグラウンドに向かった。その後ろ姿を見た少女は懐から携帯を取り出し、電話をかけた。

 

「蓮華様、750と2000ポイントの二人を発見しました、おそらくグラウンドに向かうかと…」

 

『わかったわ…あなたも私達と合流しましょう』

 

 

 

実と一刀は必死になって走っていた。

 

『聞こえる〜実君』

 

イヤホンマイクから琴音の声が聞こえた。

 

「聞こえるが何だ!」

 

『さっきのは呉軍の風音蓮華の側近の一色思春、かなりの実力者で危険人物よ…』

 

「だろうな、開けてビックリ玉手箱のように煙じゃなく飛び蹴り当てる暴力女だからな」

 

『という事は…あの…子…』

 

所々ノイズが入り、通信が出来なくなった。

 

「っていうか初日でグラウンドを上履きで走るとはな」

 

「そう…だね…」

 

グラウンドの中心で呼吸を整える2人。だが…2人に安息はなかった。

 

「見つけたわ…2000ポイント」

 

2人は声がした方を見た。そこにはモニターで見たあの子だった。

 

「あらら…呉軍のキャワウィー大将がお見えとはね…」

 

息を切らせながら実は笑みを浮かべて言った。

 

『『『蓮華様ーー』』』

 

風音蓮華の後ろからさっき出会った思春と黒髪でロングヘアーの少女と眼鏡をかけている穏やかなで大人しそうな少女がやって来た。

 

「さあ…これで4対2…おとなしく捕まってもらうわ」

 

胸を張って蓮華が言うと一刀はヤバイと感じたが、実はというと…

 

「んで?」

 

実は何事もないような顔で答えた。

 

「少し大きいお尻と暴力褌女に清楚の黒髪娘にポケーッとしたおっとり系巨乳娘が俺を捕まえる事が出来るとは思えないが?」

 

実のまさかの余裕な態度と挑発に焦る一刀。

 

「お…おい実…」

 

「どうやら命がいらないようね?2人とも?」

 

体を震わせながら蓮華が言い放つ。

 

「えっ!俺も!?」

 

何故か自分も含まれて驚く一刀。

 

「それと…手に持ってる武器を捨てて動かないことを薦める」

 

「何を言う!!」

 

思春が木刀を突き出した瞬間、実が胸のホルスターに入っていた特殊ゴム弾装填の銃を瞬時に取り出して撃ったのだ。

 

『バァン!!』

 

一つの銃声の後、思春が木刀を落として手を抑えていた。

 

「動くなと言った筈だが…」

 

「くっ!」

 

「思春!?」

 

「動くな…」

 

思春の側に行こうとした蓮華に銃口を向ける実。

 

「側に行くなら武器を捨てて見逃してからにしてもらおうか?俺は女の顔に傷を付けたくないんでね…」

 

「わ…わかったわ…」

 

蓮華達は実の言う事に従い、武器を捨てた。

 

「よ〜し、素直な子はいい嫁さんになるからな…行くぞ一刀」

 

「あ…ああ…」

 

それを確認した実は一刀を連れて走り出した。蓮華達は思春の側にやって来た。一刀は後ろの彼女達を見ながら走っていた。

 

「なあ…実。どこでそんな射撃を…」

 

「ハワイで銃と呼ばれる物は全てを教わった」

 

「ハワイ!?」

 

「旅行のプランの一部にあってやっただけだ」

 

『それでもあの早撃ちは凄すぎだろ…』

 

平然と答える実に一刀は冷や汗をだして思った。

 

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輝side

 

屋上の女子達を一掃した輝達は倒した女子達から分捕った双眼鏡でグランドにいた実と一刀を見ていた。

 

「流石兄さん」

 

「す…凄すぎだろこれ…呉軍の主力達を退けるって」

 

輝はその光景を見て少し微笑み、加山と大神は驚きを隠せなかった。何故なら麗羽を倒した後、周辺にいた女子数人を瞬時に木刀で一掃したのだ。そして麗羽達は加山が持っていたロープで縛られていた。

 

「さて…こっちも行こう」

 

輝はエレベーターではなく階段を降り始めた。

 

「エレベーターで行かないのかい?」

 

大神の一言に輝は溜め息を少し零して振り向いた。

 

「エレベーターで行ったら…」

 

「途中で止まってしまい、かえって敵に捕まるリスクが出る、だろ?」

 

自分が言う前に加山が代わりに説明して、輝が微笑んだ。

 

「おっと…忘れてた」

 

輝は戻ってエレベーターの中の階数ボタンの一階を押して、ドアを閉めるボタンを押し、瞬時にエレベーターの外に出た。エレベーターは誰も乗せずに下がっていった。

 

「行きましょう…もしかすると乱戦になるかも…」

 

「ら…乱戦…」

 

「覚悟決めろ大神、さくらちゃんが来たんだから」

 

「ああ…」

 

加山の言葉に大神は少し覚悟を決めた顔をした。

 

足音を消しながら階段を降りる3人。そして3階に到着したその時、一本の矢が輝の横を過ぎった。

 

「矢!?」

 

驚く大神と加山をよそに輝は矢が放たれた場所を見ると、そこには弓を構えた黒髪の美女がいた。

 

「あの子は?」

 

「巴里花組の北大路花火、容姿端麗で成績優秀。大和撫子という言葉が似合う子」

 

加山の説明が終わると同時に花火は矢を放ち、輝は銃で迷いなく撃ち落とした。

 

「あと茶道と華道に弓道部のエースだけどな…」

 

「大神さん、花火さんを突破して曲がった階段を下りれば教室に近いんですよね」

 

「そうだけど…」

 

「そう…なら!」

 

輝は両手に持っている銃を腰にあるガンポケットに納めて花火に向かって走り出した。

 

『向かって来る!?』

 

花火は心の中で驚きながらも矢を弓にセットし照準を輝に向けた。

 

『そこっ!』

 

花火は輝に向けて矢を放つと、輝は鞘の付いた木刀で居合いで落とした。そして彼女が矢を手にしようとした瞬間、輝が花火の首もとに木刀を突きつけた。

 

「武器を捨ててください?捨てなきゃこの木刀で頭をかち割ります」

 

輝の言葉に冷や汗を流した花火はしゃがんで弓矢を床に置いた。それを見て輝が花火の弓矢を手に取ろうとした。

 

その時。

 

「貰ったぁ!!」

 

花火の背後からグリシーヌが戦斧を輝に突き当てた。輝はそのまま倒れ込んでしまった。

 

「輝君!!」

 

「大丈夫か!?」

 

倒れた輝の側に近寄った。

 

「捕まえたんデスか〜?」

 

「やりましたか?」

 

グリシーヌの後ろから褐色肌の少女とさくらがやって来た。

 

「みんなー見つけたのだ!!」

背丈が小さい女の子が大神達を見て大きい声を出した。

 

すると後ろから少女達がやって来た。

 

「男が3人、しかも2000ポイントがいた!?」

 

「愛紗、3人合わせて何人なのだ?」

 

「うむ…計3250だな」

 

「はわわ…油断しないでくだしゃい!!」

 

「朱里ちゃん、噛んじゃったよ〜」

 

「よっしゃ!!結構ポイント貯まるぞ」

 

「お姉ちゃんには負けないよ〜」

 

鈴々の後ろからやって来た少女達に大神と加山が顔を引きつった。

 

「蜀軍の強者達が…」

 

「ヤバいだろ…この状況」

 

2人が観念しようとしたその時だった。

 

 

 

「ポイントポイントうるせえな…」

 

『!!??』

 

一同が声がした方を見ると輝がゆっくり起き上がった。だが…さっきまでの雰囲気が違っていた。

 

「あ…輝君?」

 

「何だ大神?可愛いさくらちゃんがいるからって手抜いてんじゃねえよ?」

 

いつもなら大神の事は『さん』づけなのに呼び捨てにされた事に大神と加山は驚きを隠せなかった。

 

「まぁ兎に角…加山、大神連れて逃げろ」

 

「に、逃げるって言っても囲まれてんだぞ」

 

「なら階段で逃げろ…」

 

「しかし…」

 

「俺は大丈夫だよ…行け」

 

「…わかった、行くぞ大神」

 

加山の言葉に首を縦に振って階段を降りていく。

 

「さて…まずは」

 

そう言って輝が手に持っていた木刀を落とした瞬間。

 

『バン!バン!』

 

瞬時に両手に銃を出して蜀軍とさくら達にに向けて発砲し、鈴々ともう一人の少女と褐色の少女のこめかみに弾(たま)がかすり、3人は倒れて気を失った。

 

「まずは2人…」

 

「鈴々!!」

 

「蒲公英!!」

 

「心配しんな?軽く脳震盪(のうしんとう)を起こして寝てるだけだ…」

 

そう言って輝は二丁の銃のマガジンを装填して銃をガンポケットにしまい、落ちている木刀を拾って窓を開けた。

 

「さて…」

 

 

 

 

「逃げるか!」

 

 

 

 

そう言って輝は3階の窓から飛び降りて綺麗に着地して走り出した。

 

彼女達が驚いて窓から下を見ると輝が上を向いてこちらを見て、ニヤリと笑って走り去った。

 

『無駄に戦って捕まるのはゴメンだぜ…』

 

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ヤマトside

 

時間を戻して、アキラ達が屋上から降りていく時にヤマトと左慈と干吉の3人は教室3つ分の広さを持つ図書室にいた。

 

図書室に置いてある大型のロッカーがエレベーターに変わり、3人が降りると掃除用具が入ったロッカーに早変わりした。

 

「ここは…図書室?」

 

「C僚の図書室か…」

 

「我々はラッキーですね」

 

「ラッキー?」

 

干吉の言葉に疑問を持つ大和は首を傾げた。

 

「C僚の図書室は比較的に我々の教室に近いんです。一旦外に出てA僚1階非常口のドアを開けて直ぐに我々漢女組の教室です」

 

「それじゃあ…ん?」

 

干吉の説明を聞いて大和が口を開いて指をさして何かを見つけ、左慈と干吉が振り向くと机の上にテディベアが置いてあった。

 

「何で図書室にテディベアが?置物…」

 

「マズイ!!」

 

大和をよそに左慈と干吉が驚いて図書室のたった1つしかないドアを開けようとした。だがドアは開かず一ミリも動かず、大和は何が何だか解らずにいた。

 

すると…

 

「やったー大成功!!」

 

本などを貸し借りする受付の長い机から3人の少女が姿を現した。

 

「おぉ〜!!2000ポイントがいるぞ!?」

 

「うん!!図書室に待ち伏せして正解だね!」

 

「あとはみんなと連絡して来るまで閉じ込めておかないとね!」

 

3人の少女達が大和達を見て喜んでいた。

 

大和はそれを見て干吉と左慈の背中を叩いて2人は振り向いた。

 

「あの3人、高校生に見えないんですけど…」

 

「ア!アイリス達は高校生だよ!!」

 

「君って失礼だね!!」

 

「リカ達は立派な高一だぞ!!」

 

大和の言葉に3人の耳に届いて反論した。だが…大和は。

 

「怒り方がかなり幼い気がするのは自分だけですか?」

 

「仕方ないですよ…左からイリス・シャトーブリアン嬢、コクリコ嬢、リカリッタ嬢、3人とも三都歌劇団の子役ですから…」

 

「ああ〜失礼ですけど…背丈から見て納得です」

 

「納得してる場合かおい!」

 

干吉の言葉に納得した大和にツッコミを入れる左慈。そしてコクリコが携帯で仲間に一斉送信した。

 

「劇団みんなに一斉送信したよ」

 

「くっ!どうする…」

 

コクリコの発言に冷や汗をかく左慈に大和がドアの前に立った。

 

「開かないなら…破るだけです!」

 

そう言って大和は右の拳を強く握り締めた。

 

「オラァ!!」

 

『ドゴォーーーーーン!!!』

 

大和の渾身の一撃が開かなかった扉をぶっ飛ばした。

 

「ふぅ〜案外開くもんですね?」

 

「嘘だろ…超能力で閉まってた扉を一撃で…」

 

「我々は…勝利のカードを手にしているものですね…」

 

大和の一撃に左慈と干吉は驚きを隠せなかった。

 

「さっ…早く出ましょう?」

 

そう言って大和を先頭に左慈と干吉が図書室を出ようとした瞬間、大和の横から拳が飛び出した。だが、大和は辛うじてアームブロックで危機を脱した。

 

「へぇ〜アタイの突きを初見で防ぐなんてな…」

 

頭に鉢巻きを巻いて空手の胴着を着ている女が大和を称賛した。

 

「あなたは確か…桐島流琉球空手を使う空手部部長の桐島カンナさん?」

 

「アタイの事知ってんのか?何か嬉しいぜ!」

 

頭を掻きながら照れるカンナ。

 

「カンナ!!照れてる場合じゃないよ!!」

 

「おっと!そうだった…」

 

アイリスの声に気づいて構えるカンナ。

 

「あらら…暴力反対で〜す」

 

「図書室のドアぶっ壊しといて何言ってんだ?」

 

「ハハハ…」

 

笑いながら銃と木刀を左慈と干吉に投げ渡した。

 

「お二人は逃げてください…狙いは自分のようですし?」

 

「逃げるって…お前の相手は…」

 

すると干吉が左慈を引き止めて首を横に振った。

 

「左慈…ここは逃げるのも上策です」

 

「大和を見捨てるのか?」

 

「大丈夫ですよ?死ぬわけじゃないんですから」

 

笑顔で答える大和に何も言えなくなる左慈。

 

「わかった…行くぞ!」

 

「はい…」

 

左慈と干吉は図書室を出て走り出した。

 

「三人は二人を追ってくれ!」

 

「わかった!行こうアイリス、リカ」

 

コクリコの後にアイリスとリカが続いて二人を追いかけて行った。

 

「一ついいか?」

 

「はい?」

 

「おめえ…名前は?」

 

「俺の名は高野大和です…よろしくです」

 

そう言ってファイティングポーズをとる大和に拳を強く握り締めるカンナ。

 

「んじゃ…行くぜ!大和!!」

 

「応ぅ!!」

 

二人が同時に動き出し、互いの右の拳と腕が交差して互いに顔をかすめた。

 

説明
クリスマスとバレンタインであんなはっちゃけた小説投稿しましたが…友人に『何で麗羽にしたの?』と聞かれて…

まあボインだしタカピーの女から恋する女になる所が自分の脳内で再生して今に至ります。

アニメ版の月ちゃんのバストって華琳と同じぐらいだけど…やっぱり月ちゃんに興奮したぜ(ドヤァ)

ゲフンゲフン…取り乱しました…バレンタイン小説の最後で発表した作品ですが…兄で炎繋がりで最近本が…

それではどうぞ〜
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