人機武兵 EYES―アイズ― |
(基地見学か…)
学校の課外授業……バスでの移動中、俺は考え事をしていた。
(まさか…親父が働いてる所へ見学に行くことになるとか…最悪だ…)
そう、これから見学しようとしている日本関東兵器開発基地「パーシバル」は俺の親父が働いている所だった…
「ゼノア、ゼノア!お父さんが働いてるところを見れるの楽しみだね!」
「楽しみじゃねぇよ…」
別に親父を嫌っている訳ではなかった…しかし、昔からろくに相手もしてもらえずに恨んでいるのは確かだった。
「てか、ルミナ…何でお前はそんなに楽しそうにできるんだ?」
「だって、カッコいい機械が見れるんだよ!?」
「…あぁ、はいはい。お前は機械好きだったな…」
俺と喋ってるのはルミナ・アルケイン…腐れ縁と言いたいが、そう言えば怒られるので幼馴染と言っておこう。
「機械って言っても兵器だぞ?」
「うん、わかってる。でも、戦ってない兵器なら怖くないよ」
「…あぁ、そう」
俺はルミナとそんな会話をしながらバスに揺られ、基地へ着くのを待っていた……
しばらく揺られると、崖の側に大きな壁が見えた…「パーシバル」の壁と門だった。
「それでは皆さん、降りて下さいねー」
先生にそう言われ、前部座席から降りていく。
「これで皆揃いましたね……これから見学をする前に、まずはこの基地の取締役の方に挨拶をしてもらいましょう。リグロさん、よろしくお願いします」
先生に紹介され、一人の男が俺達の前に立った。
「えぇ〜…私の名前はリグロ・グレーヴェンです。これから皆さんには基地の内部を案内しますが、あまり周りを触らないようにして下さい。下手すると腕が消し飛びますからね」
「「「……」」」 (はぁ…この親父は…)
俺の親父、リグロは外見は真面目のように見えるが、性格は冗談が好き…しかし、その冗談は笑えないものばかりだった…
「それでは皆さん、ついてきて下さい」
親父はそう言い、先行した。
俺達はそれについていきながら説明を受けていた。
「わぁ…すご〜い…」
「はぁ…暇だ…」
ルミナは随分楽しそうにしていたが、俺は退屈だった…嫌いではないが好きでもない…機械に対してそんな感じだったからだ。
基地の内部へ入り、兵器が収納されている場所を聞かされた。
「あまり詳しいことは言えないですが、ここの通路を通れば戦争で使われる兵器が存在します…まぁ、皆さんにはあんまり関係はないですね」
簡潔に説明を済ませると、次へ移動し始めた。
(…兵器ねぇ)
戦争が好きな訳じゃないが、兵器というものには興味があった。
午前部を終え、昼食を食い終わると午後の部へ入った。俺達は一つの部屋へ入り、それぞれ椅子に座った。
「皆さんの机の上にある部品が見えますでしょうか…それをこれから1時間半で組み立ててもらいます。説明書は付いていますし、もしわからない事があれば我々従業員へ聞いて下さい…では、始めて下さい」
親父のその言葉で俺達は部品を組み立てだした。
※ちょっと出かけてきます
説明 | ||
西暦2392年――――― 人類は宇宙での生活を見事に成功させ、人類の約半数が宇宙へ移民した。 ここに、地上での生活をする人類と宇宙で生活する人類に分かれた。 宇宙に移民した人類は、コロニーと呼ばれる巨大な施設で生活し、地上の法などを引き継ぎながらも独自の文明を発展させ、地上との共存をしていた。 西暦2506年――――― 人類の大半が宇宙へ移民してから約100年余りの月日が流れた。 最初は十にも満たない数だったコロニーは十を超え大きくなり続けていた……大きくなり続ける宇宙移民した人類を危険視した地球政府は宇宙政府へ半数の人間の殺処分を命じた。 宇宙政府はこの命令に抵抗し、逆に地球政府への脅しに似た提案をした。 その結果、地球政府と宇宙政府は仲違いし、戦争は避けられなくなっていた。 地球政府も宇宙政府も従来の兵器も残しつつも、人型の兵器を開発していた。 「ミガレット派生型機」や「ウィリーア派生型機」などと呼ばれる量産型機…「イグニット」や「ラグニクス」など呼ばれる一機生産の主力機の二種類に分かれた。 両政府共に主力機や量産機を惜しみなく投入し、全面戦争が開始された。 西暦2558年――――― 戦争が回戦されてから半世紀が過ぎた頃、地球では主力機、量産型共に次世代型の兵器が開発されていた。 次世代主力機の中には「EYES」と呼ばれる機体が開発された……しかし、一機生産を続けれてきた主力機には珍しく「EYES型」として姿は少し変わりつつも同型が複数生産された…その理由は「EYES-SYSTEM」と呼ばれるシステムを載せていたからだ… 「EYES―01」「EYES―02」「EYES―03」の三機が開発され、戦地へ派遣する間際……地球への侵入を許してしまう。 「EYES型」が収納されている日本関東兵器開発基地「パーシュバル」が攻撃を受けてしまう……二号機と三号機は出撃をしたが、一号機はパイロットを攻撃時の爆破で失ってしまう…… そんな時、課外授業で「パーシバル」へ来ていた17歳の少年、ゼノア・グレーヴェンは1人だけはぐれ、基地の中を彷徨い、「EYES―01」の収納場所へ来てしまう。 その直後、部屋の下での爆撃を感じ、避難のために「EYES―01」の中へ入ると兵器は作動してしまう…… |
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