義輝記 雷雨の章 その拾壱
[全1ページ]

【新たなる『兵器?』か『罠?』 の件 続き 】

 

?水関 近辺にて?

 

少し経って、愛紗達が駆け寄ってきた!

 

愛紗「どうされましたか! ご主人様!?」

 

一刀「愛紗! 兵の統率は…………?」

 

愛紗「朱里と雛里に、頼んできましたので…御安心を!」

 

一刀「それじゃあ、愛紗。 …この料理に見覚えは………無い?」

 

劉岱殿に直撃した陶器の器を見せるが…愛紗は、一目見て不定した。

 

愛紗「ご主人様! 私はこの地に来た時から、武を持って敵を葬る覚悟でいます! それが、何故、料理で歓待する必要がありますか!?」

 

鈴々「……愛紗の料理なら、一品で百人は逝けるのだ!」

 

星「うむ! まるで『河豚』だからな!」

 

桃香「……ごめんね………反論できないよ。 愛紗ちゃん…」

 

愛紗「私の料理は、こんな殺人料理じゃありません! 現にご主人様は、何回も私の料理を召し上がって………!」

 

俺は………うん、『天の御遣い』だから……かな?

 

   ダッダッダッダッダッダッ!

 

後方より華琳と袁本初様が、護衛兵を連なってこちらに……。

 

華琳「兵より事情は聞いたわ……。 春蘭にも聞いたけど、やはり料理はしていないそうよ…。 

 

まぁ、そんな事より、この罠を解除しなければ、先には進めないわね………」

 

麗羽「それなら、何十人か一斉に突っ込ませれば!!」

 

華琳「あのねぇ〜、こんな罠が設置してある度に、兵を突っ込ませるの? ……そうなれば、悪い方の増減になるわよ!

 

(増える…不満、反発、喧嘩  減る…士気、兵数、忠誠)

 

だけど、対処する方法も……」

 

 

ズッ! ズッズッ! ズズズズ!! ズボッ!!

 

華琳は、兵が引っかかった罠から、『何か』を取り出す。

 

……約1b近い木の板。 真ん中に丸めの棒が横にして付いている。

 

丁度 『 ╋ 』のような組み方。 上と下が遥かに長いのだけど。

 

これで、一方に体重が掛かると、もう一方が持ち上がる。

 

もし…そこに、何か乗っていれば……今のアノ状態………。

 

華琳「話を聞いて、多分と思っていたけど……やるわね。 残りの物も同じ仕掛けだと予想するけど、問題は板の長さよ。 

 

私なら、板の長さを全部バラバラにして、予測なんかさせない! 策を考えるなら基本よ!!」

 

いや…もしかして、同じ悪戯を仕掛けた事が…あるんじゃないか? 

 

    …………『阿瞞』ちゃん(嘘つきちゃん)?

 

華琳「なっ、何言ってるか知らないわよ!? そんな悪戯…」

 

 

『おぉぉ! 秋蘭見てみろ!! 懐かしい物があるじゃないか!』

 

あれは…………春蘭? あそこには例の罠がある所だが?

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

春蘭「懐かしいなぁ! 秋蘭! …よく、華琳様に引っ掛けられたものだが…。 呼ばれて行く度に、前方から『なんか』飛んできて 」

 

秋蘭「最初はよく当たっていた姉者だが、順応の早さには驚くよ。

飛んでくる物悉く避けて、そのたびに華琳様が悔しがって、いろいろと工夫して、姉者に当てたからな…………」

 

春蘭「うむ! …だが、今回のコレは、華琳様のやり方じゃないな。華琳様なら、もう少し上手く隠すぞ。 コレは、場所が綺麗過ぎて罠があるのが、すぐにバレてしまうではないか! ハハハハ!! 」

 

 

華琳「 (-_-#) しゅ (-_-)♯ ん ( -_-)♯ らん ♯♯♯ !! 」

 

 

春蘭「Σ(・ω・ノ)ノ  はいいぃぃ!!」

 

 

華琳「貴女に命じます!! ここの罠を全部、取り外しなさい!!」

 

春蘭「分かりました!!!!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

春蘭の活躍で、罠が全部外されたが……なんだ? あの避けたは?

 

映画『マトリックス』みたいな軟らかい動きで……華麗に!?

 

ちょっと待て! なんであそこで、すぐ立ち上がれる?

 

 

………全部、罠が解除されたら、反董卓陣営から春蘭に惜しげない拍手が響いた…………

 

………ちなみに、同じ事をやろうとした、袁本初様を皆で止めたよ。

 

◇◆◇

 

【 董卓軍迎撃体勢 最後の準備 の件 】

 

?虎牢関 門前にて?

 

信長「者共!! 反董卓連合は後少しで来る!! 準備を抜かるな! そこ! 『馬防柵』は簡単に外れないように、結んでおけ!

 

だが、『馬防柵』を強く持つな! 持てば策に異常をきたすぞ!!」

 

 

光秀「『弩』の準備を確認して下さい! 矢は反董卓連合軍から沢山いただきましたから、不足はありませんよ! 外す事を恐れてはいけません!!」

 

信長「光秀よ! 関の上の兵に『銅鏡』を持たせたか!?」

 

光秀「勿論です! アレも颯馬の策の一つですので! 信長様も『燃える水』や『***砲』の準備は出来ていますか!?」

 

信長「殺傷力は弱いが、敵を驚愕させるには、丁度いい! 『釜』の準備も定位置に置けるように、『竈』を準備したからな! 

 

『燃える水』か……使い勝手が悪い物だと思っていたが、颯馬の奴はとんでもない使い道を思いついたものだ!!

 

これなら、連合軍が十数万居ても勝てる見通しが出来るぞ!!」

 

光秀「私は…………颯馬が心配です。 日の本の戦も何回もありましたが、今回の策を行えば…死傷者の数は十万以上! 桁違いの罪を背負う事になります………」

 

信長「………これも、颯馬自身が決めた事。 男の子(おのこ)が決めた事を私達が言っても仕方なし! 罪に耐えきれないのなら、そこまでの者だと諦めるしかなかろう……!」

 

光秀「信長様!!」

 

信長「聞けぃ!! お前が、私が愛する男の子は……そんな弱い存在か? 大陸に到着して、散々悩んで自分の生きる道を見いだした強者ぞ!! 私達は………ただ、信じてやるのみ……違うか?」

 

光秀「………………………はい…」

 

信長「……今は迷うな! 颯馬から命じられた策の準備を優先せよ! …そして、この戦を勝利させてから、考えればいい!」

 

★☆☆            ★☆☆

 

?虎牢関 道の上にて?

 

三太夫「準備はいいか? そろそろ火種の点火をしとけよ! それと『玉』の数は揃っているだろうなぁ? 五カ所に二十個、向こうの対岸にも対になるように、準備するんだ!!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

姜伯約「三太夫様! 対岸側の準備完了しました!」

 

三太夫「よし! それじゃ、別働隊に『縄梯子』を準備させて『***』に向かうように命じてくれ! 後、『竹束』も矢も忘れさせるなよ? 天城の旦那の策……成功させるんだ!!」

 

姜伯約「御意!」スッ!

 

三太夫「さ──────て! 百地流忍術の凄さ、その身に味わってもらうぜ!! 」

 

★★☆            ★★☆

 

義弘「あはははは………凄い人数だね!」プルプルプルプル

 

信玄「どうしたのです? 天下の『鬼島津』が、高々十数万の兵を見て震っておいでですか? ならば、先陣は私に譲りなさい!! 」

 

霞「こん───なぁ大舞台で暴れるんやぁ!! 先陣ウチに代わりや! 神速の武と言うもんを見せて「だめぇー!!」おっ!?」

 

義弘「私が颯馬より信頼されて任されたの!! 島津のお家芸で董卓軍を導いて欲しいって……!!  …なら、私は自分の持てる最高の武を、この戦にぶつけるだけ!! 誰にも譲れないんだから!!!」

 

★★★            ★★★        

 

?虎牢関 門前にて?

 

謙信「……毘沙門天よ! 仲間達に力を与えたまえ!! この戦に勝利を!! オン、ベイシア…………………ソワカ!!!」

 

昌景「謙信殿…。 儂がもしかの時、御館様や信廉様の事、宜しくお願いしたい! 長年の宿敵殿に対して、申す事ではないが………」

 

謙信「何を弱気な! 『赤備え』で恐れられた貴公ともあろうが!」

 

昌景「……いやぁ、弱気ではなく強気でな! 

 

六十齢のこの歳で、まさか三国志の名高き名将達と戦えると思うと……武者震いが止まらぬのよ!! 

 

だから、この老骨最後の花を咲かせる心意気で挑ませてもらおうかと…思うのだ! 死ぬ気は無論ないがの(^▽^)v」

 

謙信「…フフフ。 流石は戦の御先達…見事な心意気。 ならば、越後の竜、軍神との異名に恥じぬ戦い振り…お見せしなければ!!

 

……しかし、万が一の事が起きた時、しかと承ろうぞ…昌景殿!」

 

☆☆★             ☆☆★

 

?虎牢関 関の壁上にて?

 

信廉「恋殿と忠勝殿は………どうです?」

 

華雄「大丈夫だ! すでに整っている!!」

 

ねね「恋殿は既に『隠れ』ましたぞ! それに『作業』も済んでいます! 恋殿の力があればアッと言うまです!!」

 

稟「忠勝殿も『伏兵』として潜んでいますので、ご安心を。 ………それにしても、この将達の力、天城殿の軍略……こちら側に付いて、つくづく良かったと思いますよ………」

 

信廉「私だって、あの絵を使って、矢を集めるなんて思いつきもしません! 颯馬の考えは柔軟で奇想天外………されど、相手を思いやる不思議な策が多いのが特徴ですよ!」

 

稟「敵を破るのが軍略……そう、思っていましたが。 そうですか、私も、天城殿の策の成し方を観察して、我が策に役立たせてみせましょう……!」

 

★★★            ★★★

 

俺は、虎牢関の壁上から水関を望む。

 

もうすぐ……反董卓陣営の兵や将が…………来る。

 

月様を守るため、皆を守るため……敵を殺さなければならない!

 

……今度は、人の命を万単位で奪う事になるのだろうな。 日の本で慣れた『策に因る人殺し』作業が、今は堪らなく…怖い……。

 

日の本の戦にも、大義名分や命を掛けて守りたい者達が居たから、幾千人の命を奪っても…正気を保てる事が出来たのだ。 

 

自分が正しいと『正当化』出来たから………

 

だが……今回は、規模が遥かに大きい! 策を動かせば数万…成功すれば十万以上の死傷者が出るのは確実────!!!

 

今までの戦では味わった事が無い…その者達の発する断末魔! 突然降りかかった策への怨恨! 残された者達からの冷たい視線! 

 

俺は…正気を保てるのか!? 

 

皆と一緒に……未来へと歩み続ける事が……出来るのか!?

 

……覚悟を固めた筈の意志が揺れ動き……体の震えが止まらない……………!!!

 

歳久「ここに居ましたか? 捜しましたよ颯…馬?」

 

軍略の師にあたる歳久殿が、俺の後ろから声を掛けてきたが…俺の引きつった笑顔を見ると、無表情でツカツカと近寄ってきた……。

 

これは……『不甲斐なさすぎです!』と叱咤されるか、頬を叩かれ激励されるか…まぁ、どちらでも今のこの状態から…抜け出せるなら構わない………と思っていた……が。

 

     フワッ……   ポフッ!  

 

俺の頭は……急に伸びてきた歳久殿の手に捕らわれ、何か『柔らかく良い香りがする』場所に……抱えこまれた。

 

………………えっ? もしかして、歳久殿のむn……!?

 

歳久「馬鹿颯馬……ホントに……馬鹿です! 貴方は……!!」

 

 

うっ! 本人を抱え込んで罵倒するなんて…羞恥心が……!

 

 

 

歳久「そんな顔をする前に、何故…私達を頼らないのですか!? 

 

今の颯馬に…私や教えた者達は、誰も軍略や策略には勝てないでしょう。 今回の策の数々を拝見して悟りました。 ………ですが!」

 

 

俺の頬に……温かい水が落ちた…………

 

 

 

歳久「………どうして、その『罪』を颯馬一人で背負い込もうとするのですか!!!

 

 

皆が皆、洛陽の方々を救おうとしています。 武が有るものは武を! 知が有るものは知を! 命有るものは命を持って!! 

 

颯馬……貴方は、策を持って道を示しました。 そして、私達もその道に従い進んで行るのですよ! その先を目指して────!!

 

……だから、その『罪』を背負うのなら、私にも分けて下さい。 良心の呵責に悩まれるのなら…私に吐いて下さい! …可能な限りなんとかしましょう。 颯馬が一人で悩み苦しむなど…私には……!!」

 

 

 

        ポン! ナデナデ〜!!

 

頭の上から、温かい物が………。 でも、重量がある………? 

 

家久「としねぇ、狡いよ……! 私も私も! こうやって頭ナデナデしてあげるからね!! 辛い事あれば、私にも喋ってねぇ!!」

 

二人とも、ありがとう───── 「颯馬!」 ──!!

 

慌てて離れると、少し膨れっ面をしている義輝?

 

 

義輝「…この馬鹿者共が! ここは戦場じゃぞ!

 

命のやり取りをする場所で惚けていたら、兵達に示しがつかん!!

 

特に軍師たるお前が、しっかりしなくてどうする!?

 

罰だ! …そこに、直立して目を閉じよ! 歯を食いしばれ!!

 

 

大声で怒鳴られ、慌てて言われた通りにする! 

 

颯馬(義輝の言う通り…ここは戦場だ! 敵も向かってきているのに! しっかりしろよ、颯……ムゥ!?)

 

俺の唇に、柔らかい物が…って、義輝!!!?

 

義輝「……ん! これで、わらわも想うままに戦える! 

 

…歳久では無いがな? 苦しみに堪えれないときは…わらわにも、存分に甘えてもよいぞ?」

 

俺との接吻で急に上機嫌になる義輝…。 

 

気遣い…ありがとう! ならば………策を少し改変してみよう!!

 

少しでも、『敵』を救うために!!!

 

◆◇◆

 

【 天水の攻防 の件 】

 

?その頃の天水 朝方にて?

 

天水守備軍…守将 立花道雪

卑弥呼、華陀、山中鹿介、村上義清、立花宗茂、立花道雪、高橋紹運、程仲徳、程遠志…約五千人

 

反董卓連合……総大将 山陽太守 袁遺(字は伯業)

 

広陵太守…張超、東郡太守…橋瑁 青州刺史…焦和他

 

……計五万人

 

?天水城 大広間にて?

 

道雪「……とうとう反董卓連合軍が、この城の東20里(約8.5キロ)に駐屯していると報告がありました。 兵数は約五万!」

 

宗茂「ご、五万!!!」

 

鹿介「これぞ、三日月が与えてくれた七難八苦! 某は越えてみせますぞ!! 尼子家再興のためにも!!!」

 

義清「流石、鹿介殿! 私も見習わなければいかんの!!」

 

程遠志「凄い自信っスね! だけど、どう戦うんスっか? オイラ達の十倍以上の人数があるのに?」

 

風「あいあ〜い、策はありますよ〜? ただ『道具』が欲しいんです。どなたかご存知ありません〜か?」

 

紹運「道具と言うと? この地は月様の本拠地だから、大概の物なら……「『鬼のお面』なんです」……はっ?」

 

風「颯馬さんと話をした時に、鬼の面を被って奇襲した話を聞いたんですよー! ですから、その策を風なりに変えようかな〜と、思ったんですが……ありませんですかね? 」

 

宗茂「鬼の面…」 紹運「鍋島……か!」 義清「?」

 

道雪「その話は、私達もよく知っております。 確かに『鬼の面』を使ったそうですが…ここには『鬼』なんて居ないですし………」

 

宗茂、紹運「「 ジィ─────! 」」

 

道雪「………二人は、後でお説教です!」

 

宗茂、紹運「そんな!」「義姉上!」

 

鹿介「では、代用ですか…………」

 

  ドドドドドドドドッ!! バン!!

 

卑弥呼「ヌフゥゥゥゥーン! 話は聞かせてもらったぁ──!!」

 

華陀「軍議の最中に済まない! 卑弥呼が貂蝉より預かった物があると言って急いできたんだ。 …許して欲しい!」

 

道雪「本来でしたら罰則ですが……その物を拝見させていただいてから、決めましょう!」

 

卑弥呼「お主達が困っていたら『こんな事もあろ〜かと〜ねぇん!』と言いだせばわかると、貂蝉が言っていたぞぉ? 

 

儂も無論、中身を見ておらん! 約束を破るのは、漢女道では許し難い行為だからのぉぉ!!」 クネクネ

 

程遠志「………………ウップ。 こ、この濃い方は、なんスっか?」

 

風「……………………………」ガクゥ

 

卑弥呼「儂は亜細亜「俺の医術の助手をしてくれている『漢女』だ」ダ〜リン! 儂に説明をさせてくれぇぇ!!」

 

鹿介「今は急ぎの時期。 卑弥呼殿…申し訳ないが、どうかお心鎮めてもらえないだろうか? また、次の機会にでも………」

 

卑弥呼「鹿介にそこまで言われたら、仕方ない! とりあえず『卑弥呼』と名乗りだけさせていただく!」

 

程遠志「了解スゥ! オイラは程遠志!」 

 

風「程仲徳でーす!」

 

道雪「……袋を改めさせていただきま───これは!?」

 

宗茂「ひゃあぁぁ───!! 初めて見ました! これが陳留で有名なアノ『仮面』ですか!?」

 

義清「これが………………格好いいの!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

紹運「『面』については、何とかなった……が、これだけだでは…」

 

義清「敵総大将を討つ手段がのぉ〜?」

 

鹿介「………………あっ! 『忍び』より颯馬殿から預かった袋があります。 困った時に中身を開けるようにと………」

 

道雪「では、拝見を致します……! これは? 颯馬殿…貴方は…どこまで予見して…!」  ( 袋の中身を全員に見せる )

 

 

卑弥呼「流石、貂蝉が肩入れするだけの『おのこ』だ! 面白いではないかぁ! ガハハハハハハハハ!!!」

 

華陀「やるな……! 俺も友の為、熱き友情の為!! ここで死傷者など出さないように治療に専念するぜ!!!」

 

 

二人以外『…………………………………………』

 

道雪「 これで懸念は無くなりました! 本日の夕方! 奇襲を開始します! 各々準備を!!! 」

 

一同『御意!!(おう!)(うむ!)』

 

◇◆◇

 

【 別働隊 最後の晩餐 の件 】

 

?天水攻略別働隊 駐屯地 夕方にて?

 

天水城付近は、河川の水量が豊かなため、広大な森林に覆われている。 

 

反董卓連合の別働隊は、近くに駐屯地を置くことも出来ず、

少し離れた…比較適見通しが良い場所に定めていた。

 

袁遺「………諸侯、明日明朝にて、天水の攻撃を開始する!」

 

諸侯『………………………………』

 

袁遺「それまでは、規律を守り穏やかに、そして静粛に……」

 

袁遺が全てを言う前に、諸侯達から歓声が湧き上がる………!

 

諸侯1『宴会の準備を整えろ! 前祝いだぁ────!!』

 

諸侯2『酒だ! 酒だぁ!! 飛びっきりの美酒を用意しろ!』

 

諸侯『この軍勢で、如何に勝てるか見てみたいモノだ!!』

 

☆★★         ★★☆

 

別働隊を編成した当初、諸侯達は緊張していた。 

 

天水の夜戦、黄巾賊の乱で非凡の活躍を見せた『董卓軍』と配下の『伏竜の軍勢』達。 少人数であの活躍、『天城』なる者の鬼謀。

 

天水にも、その将達が居れば……容易く此方が討たれる事…必然!

 

それが、行軍を開始してから情報が幾つかもたらされた! それも別働隊の諸侯達には吉報だった! 

 

壱、『天城』は、天水では無く水関に詰めている様子。 本隊がその策略で苦労しているが、損害は無いとの事。

 

弐、 天水付近の村々に、偵察に向けた兵達の報告だと、天水の守備兵は凡そ三千人! 正に『死角』としか思えない油断した配置処理!

 

諸侯は、歓喜に湧いた!! 

 

死ぬ覚悟で来てみれば、守備兵の少なさ、その少ない兵を操り、勝利をもぎ取る可能性がある策士も不在!

 

これなら、本隊に居るより別働隊で手柄を立てれば、自分達の点数稼ぎになるし、天水での略奪にも期待が持てる!!

 

…………ただ、一人の諸侯だけは、その行動に異を唱えた。

 

別働隊総大将 『遠遺』である。

 

遠一族の一人であり、袁本初の従兄弟にあたる、この人物。 

 

結構博識で、曹猛徳が『地位が高くなっても、知識を学ぶ為に努力する者は、袁伯業か私ぐらいのものよ!』と誰かに言ったらしい。

 

まあっ…それはさて置き、袁遺は総大将として油断せず、周辺に斥候を送り出し、敵の動向を用心していた。

 

☆★★         ★★☆

 

 

諸侯1『ハハハハ! 総大将様、そんなに天水の軍勢が怖いのですかぁ? 心配した事はありません! さぁさぁ、酒でも!!』

 

諸侯2『……………いやはや、臆病な総大将様だわい! これでは士気に響く──! そんなに怖ければ、女物の衣装を着て陣営の奥に隠れていればいい!!!』

 

諸侯3『総大将様に周辺確認してもらい、儂等は楽が出来るのだ! そんな事を申すと止められてしまいますぞ(笑)!? 』

 

諸侯4『……所詮、頭ばかりの文官の出。 俺らのような武官とは毛並みと考え方が、違うんですよ〜! ねぇ? 総大将様〜!?』

 

       ふぅ──────っ

 

………袁遺は、溜め息を漏らす。

 

されど…斥候を出し続けた。 

 

『あまりにも、あからさまに兵数が少ない! 本当に油断なのか? それとも、また何かの策の下準備か? ……判らない。

 

だが、判らないのなら…その油断を無くす努力を………!!』

 

そして、その考えは現実のモノとなった!!

 

   タッタッタッタッタッタッ!

 

斥候「申し上げます! 天水城より複数の将が、此方に向かっております! されど、敵将達は……どういう事か『袁本初』様の将旗を翻し、近づいております!!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

天水での道雪達の会話で、出てきました戦術が『化け物の術』と言われています。 検索したけど、策名がなかったので違う名称かも…。

 

九州の竜造寺勢が戦って不利の時に、鍋島勢が『鬼の面』を全員で被り襲撃して勝利したと言います。 

 

似たような話は、上杉謙信が能登進行を行った時に、城の城主を慕う村人達が鬼の面を被り襲撃したそうです。 

 

結果は不明ですが、お祭りとして今も行われていると聞いてます。

 

次回が、それぞれの策の結果になりますが、天水はバレバレでしょうね。

 

また宜しければ、読んでください。

 

 

 

 

 

 

 

説明
義輝記の続編です。 虎牢関の策最終準備と天水守備戦前半を投稿します。 また、よろしければ、読んでください。
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
2222 1932 8
コメント
禁玉⇒金球様 コメントありがとうございます! そうですね、真実を教えてあげるのも優しさです。 次回は、于吉が関与してきます。 更なる混乱をもたらすために。(いた)
↓そうでしたか貧乳でしたか…でも女人の柔肌に違いはあるまい。真実は時に残酷だが愛紗には「糞不味い」事実を知らせるべきかとお百姓さんと料理人が汚物を見る目で彼女を見てます。次はどの様に嵌めて屠るか楽しみです(禁玉⇒金球)
雪風様 コメントありがとうございます! 銅鏡の策は、皆さんが期待される程素晴らしい策じゃなくて、ただの目くらましです。 天水の策は、『三国平話』等の民間伝承より得ました。(いた)
虎牢関の策の銅鏡の策は、映画でも使われたあれかな?、天水の方は将旗で一瞬・もしくは数分の??状態が発生する・・その時間が勝敗の鍵やもしれぬ。(雪風)
shiban様 コメントありがとうございます! 熱○線も考えたんですが、銅鏡の大きさが小さいので諦めました。 連合軍壊滅の奇計は、二段重ねで、火計という答えでしたら半分正解です。 もう半分は、別の複合戦術になる予定です。(いた)
銅鏡を用意って、まさかアルキメデスのアレですか?でもアレって陸戦では未使用……。『燃える水』と組み合わせて大規模な○○なんでしょうか?(shiban)
naku様 コメントありがとうございます! この映画見たことないんですが、そんなCMがあったな…と。 ちなみに歳久さんは、どっちかと言えば貧乳に近いです。  (いた)
タグ
戦極姫 真・恋姫†無双 

いたさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com