無題 |
「おはようございます、プロデューサー」
「ちはやん、おはよーん」
「プロデューサー、お話しがあるのですがよろしいでしょうか?
出来れば……ここではなくて別の部屋で」
くだけすぎた挨拶に硬い表情を崩さないまま、千早はプロデューサーに言った。
よほど重要な話なのだろう……二人にとって。
「分かった。小会議室が空いているはずだから、そこで聞こう」
「ありがとうございます……あの、誰にも聞かれたくない話なので助かります……」
「朝早くからお時間を取らせてしまって申し訳ありません」
「ところで話というのは何だ?」
「はい。……ん……してしまったらしいのです……」
「すまん、よく聞こえんのだが……」
「……妊娠……して……」
「……不躾なことを聞くが、いつから生理が来ないんだ?」
「二ヶ月ほど来てません……。で、今朝、市販の判定薬で調べてみたら……」
「なるほど。避妊はしていても、100%じゃないからな。……で、千早はどうしたい?」
「え……?」
「これからのことだよ。千早の意見を聞かせて欲しい」
千早の中にもう一つの命を与えたのは、紛れもなく自分だ。
責任を取ると一言で言っても、カタチは一つではない。
出来れば彼女が望むカタチで取るのが、俺にとっての一番の誠心誠意でありたい。
一秒を刻むが一分にも感じられるほどの長い沈黙。
千早が重く唇を開いた。
「これから、お休みを頂いてよろしいでしょうか? 病院に行って……」
「行って、どうするつもりだ?」
「……事務所にも、プロデューサーにも、迷惑はかけられませんから……」
「待てよ、千早!」
意を決したように席を立った千早を、後ろから捕まえる。
「俺にはそれが千早の本心だとは思えないよ。
大切な人を失った悲しみを知っている千早が、
そう簡単に自分に宿った一つの命を消せるはずがないよ」
「簡単じゃありません。……私だって、本当は……」
「結婚しよう、千早」
「……え?」
「千早が母親になりたいなら、俺は父親になるまで、だろ?
もう一人で抱え込むのは止めろよ、千早」
「プロデューサー……!」
「はーい、エイプリルフール名物、『どっきりカメラ』でーす
もー、千早ちゃん、なんだかんだ言ってプロデューサーさんに愛されているんじゃない!
憎いよこのど根性ガエル!」
「……え? じゃあ、千早、その、妊娠したというのは……」
「申し訳ございません……じゃんけんで負けなければ……くっ!
でも、その嬉しかったです……プロポーズ……」
千早は何かに浸っているように、頬を赤らめたままうつむき、何かをかみしめているようだ。
「今のはノーカウント、無効だ! こっちは騙されていたんだからな!」
「まさか、男に二言はないわよねぇ? 心当たり、あるんでしょ?
今ならたるき屋の特ランチ・デザート付きで口止めしてあげるわよ?
ホラ、千早ちゃんも……」
「分かったよ、おごるよ」
「仲良きことは美しきことかな、だな」
説明 | ||
ついカッとなって書いてしまった。だが私は謝らない! ……エイプリルフールだしネ。 |
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コメント | ||
亀レスですいません。イヤしかしDSでは日高愛タン13歳のママは29歳!……なんて事実ががが(星 倫吾) 神。(彬 ) |
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