義輝記 雷雨の章 その拾弐
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【 虎牢関 対陣 の件 】

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

現状況

 

水関の将、兵共に無傷で虎牢関に撤退。

 

島津義久の『特製すまし汁』を食した兵士数十人が寝込む。

………現在回復に向かう。 

 

《 虎牢関 》

〈《伏竜の軍勢》〉 島津義久、義弘、歳久、家久、武田信玄、信廉、山縣昌景、上杉謙信、天城颯馬、足利義輝、織田信長、明智光秀、本多忠勝、百地三太夫 

 

〈《董卓軍》〉呂奉先、陳公台、張文遠、華雄

 

〈《洛陽軍》〉郭奉孝 

 

計…約二万五千人

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

《 反董卓連合軍 》

 

こちらも兵は無傷に近い。 

 

ただ、家久の『疑心暗鬼の計』や颯馬の『借矢の計』により心に傷を受ける者多し。 何人か罪を告白し、捕縛される。

 

島津義久の『特製すまし汁』を喰らったエン州刺史『劉岱』が負傷。

 

 

前衛……豫州刺史『孔ユウ』、済北の相『鮑信』、河内太守『王匡』

中衛……『袁本初』、『曹孟徳』、『孫伯符』

後衛…『袁公路』、エン州刺史『劉岱』、その他

 

計……約十三万六千人

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

?虎牢関 反董卓連合軍陣営にて?

 

虎牢関より十里(約4,3`)にて、態勢を立て直し、虎牢関を望む。

 

戦の前に戦場視察し状況判断。 

 

虎牢関……『昔、誰かが虎を牢に入れて飼ってたよー だから関の名前は《虎牢関》なんだ!』と読んだ記憶があるが………何あれ? 

 

 

? 馬防柵? ?

 

虎牢関の門前に見える……竹を束ねて組み立てた柵が、道いっぱいに広がる。 所々に間が開いてるのは、通行のためか?

 

策の二列目から、董卓軍の兵達が三列に並び、弩と弓をこちらに向けて攻撃準備を整えている。

 

……………………もしかして、これが『馬防柵』!?

 

 

? 道両端の巨石群 ?

 

さっきまで、道が綺麗に清掃してあったのに……虎牢関に近付くにつれ、道の両端に大岩(成人男性3人、横に立ち並んでも隠れる大きさ以上)がゴロゴロと落ちている。

 

この巨石群は、かなり長く続いており、俺の感覚で約1`程あるのではないか?……そう思う程、続いている。 

 

しかも、これは…自然に落ちてきた訳じゃない! 

 

切り立った道の両端の崖が、この付近に入ると、あまりにも無惨な凸凹にされているし、割れ後も新しい! 

 

……でも、この時代に爆薬も無いし、建設機械なんか…勿論有るはずも無いのに、なんでこんな具合に!?

 

不気味な偉容を誇る虎牢関見入る俺に、華琳が問いかける。

 

華琳「虎牢関に棚引く『アノ』牙門旗だけど、誰なのか答えなさい!!」

 

華琳さん………未知なる英雄に会える喜びは分かりますが、俺に覇気をぶつけないで! 教えるから、教えるから!!

 

一刀「織田木瓜紋、桔梗紋、立葵。 『第六天魔王』織田信長、『文武両道の名将』明智光秀、『花実兼備の勇士』本多忠勝だよ!」

 

華琳「ふ───ん、覇王を超えるの? その『魔王』って禍々しい称号は!? 答えなさい、一刀!!」

 

そ、そこに食いつくの? 

 

覇王は……項籍(項羽)が最初に覇王を名乗ったと言うから人の位で、魔王は…神だからな。正解には仏だったかな? 

 

でも、信長の『第六天魔王』は自称だし……。 

 

華琳と同じ感じなのか?…と思い、説明したらイイ笑顔で笑っていた。 ……………………会ったら絶対一波乱あるぞ。

 

それと、一つお願いがある。 今回の虎牢関戦で先陣は必ず避けて欲しい! あの柵が…俺の考えている物と一緒ならば…非常に危ない。

 

華琳は…不信感を表していたが『今回だけよ!』と承知してくれた!

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

そろそろ、時間も経ってるから戻ろうと提案すると、軍師達…桂花、朱里、雛里が……残念そうな顔をして、こちらを見る。

 

多分、虎牢関の馬防柵や巨石群の様子が、気に掛かるのだろう。

 

不用意に入り込めば、損害は間違い無し。 だから、その被害をなるべく抑えるためにも、その策の全貌を見破らなくてはならない!

 

気持ちはよく分かるよ………。

 

だけど………俺達だけの軍じゃないんだ。 他の諸侯達との混成軍だから規律を守らなければ、軍の瓦解が始まるんだ。

 

盟主たる俺が遵守の姿勢を見せなくては……………。

 

そう説得してから華琳に提案して、引き上げを開始した。

 

◆◇◆

 

【 華琳様の懸念 の件 】

 

?虎牢関 曹孟徳陣営内にて?

 

私は、考えていた。 虎牢関の攻略方法を……………。

 

基本は数による正攻法。 

 

しかし、私は『囲魏救趙の計』(一刀曰わく『啄木鳥の計』)を使うため、別働隊を天水に派遣し攻略を命じた。 

 

送った間者からの報告は、まだ来ていない……が、今頃攻撃が開始された事だろう。

 

虎牢関が、天水陥落で動揺して、その時に応じて抜ければ良し。

 

もし、防御を固めれば、別働隊が洛陽と虎牢関に進撃を行い、洛陽を包囲して封じ、虎牢関を挟み撃ちで撃破する。

 

桂花や朱里、雛里にも後で意見を聞くと、戦術において間違い無しと太鼓判を押された。 ……ただ、一つの懸念さえ除けば。

 

『別働隊の諸侯達が、どこまで統制が取れる行動が出来るか?』

 

『山陽太守 袁伯業』は、麗羽と違い勤勉な真面目な男。 その分、周りの者達と打ち解ける事が難しい青年と私と軍師達には見えた。 

 

惜しいわね……後、数年後には胆が練れて、一角の人物に成れるはずだと予感がするんだけど…………

 

麗羽の意向で、まだ名声も風評さえも無い家柄のみで決定した、別働隊の総大将役を引き受ける羽目になったのは、不運としか言いようがない。 

 

勝利を得られる以上の兵数が居るのだから、問題は無いと思うけど…

 

もし、失敗したら…………力責めしか無い……か。

 

その時は……残念だけど……私の『知』では『人智を超えた謀将』の謀には勝てないと、素直に認めてなければならないようね………

 

◆◇◆

 

【 麗羽、対抗策を講じて攻める の件 】

 

?虎牢関 三里(約1.3`)前にて?

 

私の下に届いた情報に拠れば…『虎牢関に十三段の柵が張り巡らせられ、内側の柵には『弩』を持つ部隊。 城壁の上に弓と銅鏡?を持った部隊が居るようですわね?

 

……水関で藁人形に矢を射ったため、あの弓部隊達を黙らせるだけの矢が、圧倒的に足りませんが…仕方ない事ですわ。 将として袁家として、矜持に関わる事ですもの!! 後悔など有りませんことよ!!

 

勿論、対策も無しに突っ込めば……………いい的になりますわね。  

ですが、私も負けてはいませんわ! 斗詩さん! 猪々子さん! 直ぐ準備してきた『物』を用意なさい! 袁家の力を舐めていただいては困りますわ!! おーっほっほっほっほっ!!!

 

    『袁本初は、前方の将兵達に『楯』を渡した』

 

 

***          ***

 

余談であるが…………

 

材質は木だが、前面に『動物の革』を張り付けてある。 大多数は馬革であるが、中には猪や鹿等もある。

 

大陸北方は、馬の育英が盛んである。 中には運悪く死ぬ馬も…。

 

袁家では、その死体を加工して防具を強化し、戦力増強をしていた歴史がある。 そのため、対弓の防具強化も当然出来ている。

 

ちなみに、革は一度茹でて干して加工した物。 ただ張り付けても強度不足のため、革をこのように強化しなければ、実用には使えない。

 

これを使用すれば、矢からの攻撃は多少防げる。 楯は全員分は無いため、敵の『馬防柵』を破壊して出来た『竹束』を利用して防具に変えれば一石二鳥。 

 

***          ***

 

 

麗羽「皆さん! コケ脅しに屈してはいけません! 木の本格的な柵ならまだしも、竹束を纏めただけの柵など強度不足!! 遠慮は入りません! 突撃を!!」

 

前衛『うおおおぅぅぅ────────!!』

 

袁本初の命令を受け、突撃を行う前衛の兵士達!

 

馬で突撃すれば簡単に倒れそうだが、他の諸侯達の歩兵達が入り乱れて、突撃する事が出来ず立ち往生のまま。

 

それに『馬防柵一段目』だけあって、特に厚く頑丈に敵の侵入を阻む防護柵となっているために、崩すのは容易ではない。 

 

そのため、そこに居ると…『馬防柵二段目』から潜む兵士達が『弩』を放ってくる!

 

シュン! シュー!  カッ! カカッ! グササッ!!

 

兵士「おぉ! 防いでくれるぜ!」 「むっ!」「グゥ−!!」

 

袁本初の楯は大幅有効だったが…………中には運悪く、楯を貫き通して体に刺さる者もいた。 強度不足もあるし、敵兵の技術の差もある。 こればかりは、運次第の事だ。

 

中には迂回を試みる者もいたが、両端を巨石群で阻まれ、後ろに下がろうとする者は、友軍に押し出され前進を強制される!! 

 

何回も突撃を繰り返し、『馬防柵』に防御疲労を積もらせる前衛諸氏の兵士達。 ……『普通』の相手であれば非常に有効な策であり、短期間で虎牢関を落とす事も……不可能ではなかった。

 

 

『天の御遣い達』でなければ……………………

 

 

◇◆◇

 

【颯馬の策謀 の件 】

 

?馬防柵内側にて?

 

信長「矢を射った者は後ろに下がれ! 矢を掛けた者は前に出よ!」

 

信長は、いつもの南蛮渡来の上掛けを靡かせ、兵のすぐ傍で指示を出す! 陣頭指揮こそ、士気を高め勝利をもたらす物だと信じて!

 

柵の内側では三人一組で右回り(時計回りで)入れ替わり立ち替わり《矢を射る→右側に避けて矢を掛ける→後ろに回り射る準備》と繰り返し、矢を掛ける隙を無くしていく。

 

そのため、前の『弩』が放った瞬間に引き倒そうと突入しても…次の矢が早くも敵兵に向け放たれて…命中する!

 

★★☆

 

光秀「こちらも行きます! 放て!!」

 

虎牢関の上より明智光秀が、弓部隊に命じて矢を放つ!!

 

此処はまでは、どの軍も同じ……だが、普通と違うのが颯馬の策。

 

光秀「天鏡隊! 反射を!!」  ピカッ!!! 

 

兵1「う! 眩しい…うわっ!!?」

 

兵2「目くらませか……グフッ!」

 

『銅鏡』に『日の光』を反射させて、目潰し! 

 

単純だが『道具』と『日の光』があれば、回数無制限! 材料費も準備もいらない、後片付けも無いと良いこと尽くめ。

 

…………敵にしてみれば、堪ったものではないのだけど…………

 

★★☆

 

桂花「北郷………すこ〜〜し聞きたいだけど……。 アンタ……あの策知っていた………の(怒)!!」

 

一刀「知識としては知っていたかな…………って」

 

桂花「なんで! そんな凄い策を教えないのよ!!」

 

朱里「一刀さん! 狡いです!!」

 

雛里「うぅぅぅ〜〜〜〜!!」

 

学校の授業で『長篠の戦い』を習っただけだから、詳しい事は知らないんだよ! 学校の先生は、『歴史』という学問を教える事が専門で、『軍事教練』を教える訳じゃないんだよ!!

 

華琳「その広く浅い『学校』とやらの『知識』で、先陣を譲れと言ったわけね。 今の反董卓連合軍に、矢は殆ど無い状態……。 天城の策にまんまとしてやられたわ………」

 

桃香「………………………………………」

 

愛紗「………………………………………」

 

鈴々「……………ニャハ」

 

華琳「何を言いたいのか分かるけど………今は、それ所では無いわ。

この事態を何とかしなければ…………」

 

★★★

 

雪蓮「迂闊には攻めれないわね…!」

 

冥琳「何を人事のように言っているのだ? 雪蓮! このままでは、今度は私達が向かわさせられる事になるのだぞ!?」

 

祭「全くだ! あの時の藁人形が………まさか、あの様な謀があるとはなぁ! あの世で堅殿に申し開きもできぬわい………!」

 

蓮華「ちょっと、祭! 冗談でも止めなさい!! これ以上『家族』を失うのは……嫌なのよ」

 

祭「権殿……お気持ちは嬉しいが、人は必ず死ぬもの。 それなら美しき退き際を目指したいと、儂は思っておりましての!」

 

雪蓮「はいはい! そんな暗い話は無し! 今は虎牢関を抜く手立てを考えましょう!? 冥琳、なんか考えは無い?」

 

冥琳「我々が今出来る選択は無し。 曹孟徳提案の別働隊の動きと袁本初の考えた対策、どちらかの策による効果次第で、我々が動く事になるのだろう…………」

 

◆◇◆

 

【 天水側の策と于吉の暗躍 の件 】

 

?天水攻略別働隊 駐屯地にて?

 

袁遺は、配下の諸侯を呼び寄せ意見を聞くが…………

 

『副将の将旗を持っているのだ! 何を悩む必要がある若造がぁ!』

 

『アハハハハ〜! もし、あの将達を止めたり傷つけましたら、責任は貴方が取って下さいねぇ? 袁遺殿!?』

 

こんな意見が大多数。 

 

………っと言うか、酔っていて呂律が回らないような将もいる始末。

 

袁遺「………良いでしょう。 会いますので、その者達を此方に通すように。 それと、諸侯達には…私達の会見を同席して、御覧下さい。 後日、詰問を受けた場合の立会人をお願いします!!」

 

袁遺は、語気を強めて謁見参加を諸侯に強制した。

 

★☆☆

 

道雪「身体が不自由なため、このような体勢で申し訳ありません!」

 

優雅な動作で、挨拶をする天水守将『立花道雪』、配下の

『高橋紹運』『立花宗茂』の三人。

 

中央に立つ袁遺、左右に並ぶ諸侯達。 袁遺の顔は無表情にその様子を頷き、諸侯達は酔眼朦朧の表情で、三人を見つめている。

 

袁遺の下に入っている情報は、『三人の将が城の門より出て、袁本初の将旗を持って、こちらに向かっている』との事。

 

門から他に将兵は、出て来なかったが、城の城壁は篝火が焚き付けられ、更に兵が出撃する気配があるというが………………

 

袁遺「………では、何故…袁本初様の将旗を御持参されたのか、私達に説明を承りたい!!」

 

袁遺より問われると、道雪は胸元より刀袋に入った『短刀』を取り出し……両手に捧げて、前に差し出した。

 

道雪「この『短刀』を袁本初様にお渡ししたく………」

 

諸侯の一人が、道雪や配下二人の姿を舌なめずりしながら、横から出て来て手を伸ばす!

 

袁遺「失礼ですぞ……………!!!」

 

  ───『斬』────!   ブシュッ!!

 

手を伸ばした瞬間………宗茂が隠し持っていた短刀を取り出し、その腕を切断した!!

 

諸侯1 「な、何をする!! き、気でも違ったか!?」

 

宗茂「義母上、義姉上、今です!!」

 

 ザッシュッ!! 「ギャァァァァ─────!!」

 

諸侯の問い掛けに声では応えず、刃で応えて斬り伏せる!

 

紹運も道雪の『黒戸次』に分解して隠していた槍を接続して、その槍を使い他の諸侯を突き倒す!!

 

道雪「お命、貰い受けます!!」

 

道雪は、手に持っていた短刀『雷切り』を持ちいて、逆袈裟切りを仕掛けるが……………

 

袁遺「むん!」

 

腰の剣を抜いて、身体の前に逆手に持ち、防御して対抗する! 

 

中に居た警護兵は何も出来ず、外に飛び出し援軍を呼びに行く!!

 

三人と対峙する袁遺は、剣を構えたまま問い掛ける!

 

袁遺「貴女達は………三人だけで、この場から逃れることがお思いですか? すぐにでも援軍が周りを囲み逃走経路を絶たせてもらいますよ!」

 

すると、三人は顔を合わせるとクスクスと笑い出す。

 

袁遺「何が可笑しいのです! 私達の軍は五万! 貴女達は三人! 城の兵を使ったとしても約三千! どう足掻いても勝ち目など!?」

 

???『この軍に居る屈強なる兵士達よ!! この可憐なる謎の巫女『卑弥呼華蝶』を『お姫様抱っこ』で受け止めてみよぉぉ─!!!』

 

  ズズドドオオオオォォォォォォォォォ──────────!!!

 

道雪「卑弥呼からの合図ですよ!」

 

袁遺「なに!? 何が遭ったのだぁ…………!?!!」グフゥ!

 

紹運「……お主の殺害で、この役割は終わりだ。 義姉上! 宗茂! 我々も外に出て加勢を!!! 」

 

宗茂「はい!」ワクワク

 

  タッタッタッタッ!!!

 

袁遺「……グゥ……別働隊は…し、失敗…に、終わる…かぁ」ガクッ

 

     スゥ─────   !

 

外史の管理者の一人『于吉』が、音もなく現れる。

 

于吉「…悔恨に彩られた良き『死体』ですね。 私の策に使う『駒』になってもらうため、回収させていただきますよ」フフフ

 

     カッ!   ────スゥ!

 

于吉が印を組むと、袁遺の遺体と于吉自身の周りが光輝き、そのまま消え失せる。 …そこには、袁本初の将旗と諸候達の遺体が残った。

 

★★☆

 

??「いくぞぉ! その名も高き信濃の勇将『義清華蝶』じゃ!!」

 

??「某の名は『鹿介華蝶』! 三日月よ! 天水を守るため、我に七難八苦を与えたまえ!!!」

         

五万人が野営する天水攻略の別働隊に、天水守備隊が突撃を起こす!

 

勿論、ただ突撃しただけでは無い。 策に基づいて…………

 

*************************

 

風「それでは、手が開いています風が説明させていただきます〜!」

 

まず、軍議中に卑弥呼さんと華陀さんが持ってきてくれた袋の中は、『大量の華蝶仮面の仮面』があったのですー。

 

それでー、颯馬さんの渡してくれた袋の中には、将旗が…!

 

二人とも、いつ手に入れたのですかねぇー 謎ですねー(棒読み)

 

それらを含め、風が考えた策はー

 

 

《壱》…守将の三人に袁本初の将旗を掲げ、敵中枢まで入り込み、主な将を討ち取る! 最低でも守将を討ち取る事。

 

《弐》…卑弥呼さんに敵陣営中央へ突撃してもらう。

 

《参》…三面を『華蝶仮面の姿』をした将兵で攻め込む。

 

の三本ですー!!

 

 

将兵は、正面の城門から出ないで、裏側からの城門から出てもらいましたー。 周りの林に潜みながら、敵陣営左右に向かいますー。

 

後、風は敵陣営の目を城に釘付けにするため、城壁に篝火を焚き付け

明るくしましたよー。

 

城壁より敵陣営を望むと…………阿鼻叫喚、地獄絵図には程遠い賑やかな声が〜〜〜!?

 

天水兵「俺は『華蝶仮面三〇四号』だ!」

 

天水兵「儂は『華蝶仮面四〇〇号』じゃい!」

 

天水兵「俺様は『華蝶仮面三百三号』だ! 俺様の前に恐れ跪くがいい!!」

 

敵兵「ギャァァァァ!」 「変態共、来るなー!」

 

う〜〜ん、策は成功のようですねぇー あぁ、安心したら眠気が…

 

ウトウト……… ウトウト………

 

*************************

 

後に………衝撃と大音響だったため、卑弥呼に突撃の方法を聞いたところ、跳躍して上空より敵陣営真ん中に『落ちた』と言われ、唖然となった。

 

それと、暗闇の同士討ちを避けるため、天水兵は上半身裸で突撃して行った。 無論、将はそのままの衣装を着用したが………。

 

 

★★★

 

天水城城門側より、新たなる『華蝶仮面』が現れた!!

 

    バ─────────ン!

 

??「天水に住まう無辜の民達を襲う不届き者共! 董仲穎様に成り代わりお仕置き致します!!」

 

??「わ、私の愛と正義の……や、槍を受けよ………」

 

??「私達は、天水を守る『大友華蝶戦隊 参鬼蝶だ!!』」

 

敵兵「新たな変態達が現れたぞぉぉ!!」

 

敵兵「に、逃げないとぉ! 逃げないとぉぉぉぉ!!!」

 

敵兵「もぉう、襲われるのはぁ! ごめんだぁぁぁ!!」

 

三鬼蝶「……………………………………」

 

…………その後、別働隊は纏める者が不在のため統率が取れず、多数討ちとられながら、それぞれの故国に帰っていった。

 

天水守備隊……二千五百人

 

負傷者……軽傷のみ、死亡者無し。 

 

反董卓連合別働隊

 

総大将…袁遺及び各諸候死亡

 

死傷者……約五千人 捕虜…二百人 負傷者…生き残りの兵全員(トラウマ含む)

 

後日談

 

華蝶仮面「天水の地に多くの仲間達が!? くぅ! 私も其方に行き華蝶と生きるべきか? だが、忠誠を誓った主達仲間を残して行くのも……!!!」

 

華蝶仮面二号「星華蝶…悩みは分かるわ。 だけど、貴女は陳留の平和を守る使命を捨てるつもりなの? それに、天水の平和を死守した華蝶達が、使命を捨てた貴女を迎える訳がないでしょう?」

 

華蝶仮面「…………そうか、そうだな。 すまん、二号」

 

 

◆◇◆

 

【 于吉の謀 の件 】

 

?劉岱軍陣営?

 

劉岱「ウグゥ! グワァァ───────!!」

 

寝台の中で、劉岱は苦悶の表情を浮かべて…呻き声を発す!!

 

劉岱「何故! 何故!? 儂がこのような目に!!! 儂は皇帝陛下の同族! 皇帝にさえ成れる男なのだぞ!? それが………このようなザマとは………………」

 

??「………全くです。 貴方は、こんな地位に甘んじる御方ではありません」

 

劉岱「だ、誰だぁ!?」

 

于吉「……導師『于吉』と申します。 お初にお目にかかります、劉岱様」ペコ

 

劉岱「儂に……グウ! な、何の用だぁ!?」

 

 

于吉「貴方様を、皇帝の玉座へ導くために参上致しました……!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

本当は、このまま連合軍を殲滅するつもりでしたが、たまたま、閃きましてね………。 于吉の謀略を出してみました。

 

袁遺は実在の人物です。 最後は袁術との戦いで敗走後、部下の裏切りに遭い亡くなったそうです。

 

迷走が続く物語ですが、またよろしければ読んで下さい。

 

説明
義輝記の続編です。 虎牢関の戦闘続編と天水の戦い後編を投稿します。 よろしければ読んで下さい。 
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コメント
knight Rider様 度々の誤字報告ありがとうございます! 見返しがなかなか出来ないためお手数かけます。 (いた)
誤字報告:その七と同様の誤字です。 一刀「織田木瓜紋、桔梗紋、立葵。 『大六天魔王』織田信長・・・,  でも、信長の『大六天魔王』は自称だし……。  大六天魔王→第六天魔王 (KTR30000)
禁玉⇒金球様 返信コメントありがとうございます。 まぁ、夜の営みはどこまで書けばいいの? と言う事もありますので、今は……。 今週はリアルが忙しくなりそうですので、明日に投稿する予定です。(いた)
いえいえ一刀と曹操との遣り取りは好きですよ寧ろもっと犯って下さい、獲るのは命じゃなくて乳とか腕とか指とか足とかティクビとかです、爛れた傷跡も可。執筆速度に脱帽です。(禁玉⇒金球)
原作キャラは死なすのは苦手なんで、全員生かす方向です。 次回は少しグロくて、作者本人が書いて些か気分が悪くなった作品です。 そういえば『チンコモゲロ』は今回初ですね。 曹操陣営内のやり取りは、すいません多分このままです。(いた)
禁玉⇒金球様 久々の長文のコメントありがとうございます! まぁ…大事なのは身内であり仲間ですからねぇ。 (いた)
さて多分この作品で未だに出てない一言を一刀君に、「チンコモゲロ」、いやね元祖曹操陣営との遣り取りが微妙にイラッと来るのです付き合う前の楽しい一時っぽくて。袁遺さんが逝った原作キャラも片乳位は逝きませんか?グロイの歓迎。民は見た「国賊華蝶仮面が大量に湧いたぞー!!」(禁玉⇒金球)
当然ですがまだまだ成長途上の一刀君に一喜一憂してます、今回彼は……袁紹軍を餌にしやがった!!!不確かな情報は害にも為り得るが何という腐れ外道の作法か教えてやればマシだったのに、連合が一枚岩じゃないにしても此れは酷すぎる…(いいぞもっと穢れろガハハ)。以前のコメにありましたが「死んだ英雄」いや「総大将に殺された英雄」になったよ。(禁玉⇒金球)
naku様 返信ありがとうございます! 次回、二人には活躍してもらいます! 一応…華雄は、三話に一回ぐらい台詞が……。 まぁ、鈴々も活躍の場を考えてみましょう………  (いた)
連合軍の弱点は、兵糧や領地だけではありません。 史実通りなら結束の弱さもあります。 次回は、連合軍の反撃となりますが…… (いた)
雪風様 コメント及び誤字指摘ありがとうございます! 早速直しました。 流言も兵糧攻めも、他の作者様がこの作品より素晴らしい策を考案されるので、思い付かない事情があります。(いた)
連合側の弱点!?と言えば・・兵糧・留守にしてる領地の事等・・・流言・兵糧不足・・さあ大変だ(雪風)
牙紋旗では無くて、牙門旗じゃない?そして、伏龍陣営側の次の一手は・・そして連合陣営側は、戦法変更あるいは・・兵糧の事も思案せねばならない・・(雪風)
次回も早速作業に取りかかってますが、流琉や季衣の活躍が増えて、鈴々の出番はまだまだ先に。 ちなみに、この作品で一番出番無いのは『華雄』です。 作者もたまに忘れています。(いた)
naku様 久々の長文コメントありがとうございます! 皆さんのコメントを見て、次の作品を書いてる部分が結構多くて楽しみにしています。 義久の料理は原作からです。 鈴々を絡ませようとしても、策の応酬が多いため出せるのが難しくて…。(いた)
mokiti1976-2010様 コメントありがとうございます! どんな暗躍かは次回になりますが、虎牢関の戦いそのものに関与してきます。(いた)
于吉さんの暗躍が…ただでは終わらない感じがしますね。(mokiti1976-2010)
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