えんむすび
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 とある男女が、カフェでお茶をしていました。

 その男女は、たまたま女が落としたハンカチを男が届けた際に、お互いに何か運命的な物を感じ、所謂一目惚れに陥りました。そして、そこから何かしらの縁を持てないかと、男が勇気を出してお茶に誘い、女はそれを心よく受け、二人でカフェへと入ったまでは良かったのですが、何を話していいのやらと、先ほどから気まずい沈黙が続いています。

 しかし、気まずい沈黙とはいえ、お互いに意識しているところがあるためか、嫌悪感があるというよりも、むしろその逆で、好意に満ちていました。お互いにちらちらと顔を見ては、目線が合うと気恥ずかしさで顔を逸らす。見た目は立派な大人であるのに、対応が初々しく、見ているこちらが恥ずかしくなるほどでした。

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 さて、そんな様子を宙から見ていた天使はゆっくりと弓を構えました。

 彼女は、愛のキューピット。頭には光る天使の輪っかを乗せ、知的な印象を与える眼鏡をかけ、純白のワンピースのような服装をしています。少し開いた背中からは、白い大きな羽のようなものが生えています。人間に起こる恋愛の問題を取り払う、ほんの些細な後押しをする親切な天使です。

 彼女の放つ矢は、恋に悩む男女それぞれに勇気ときっかけを与えます。先ほどの二人が出会ったきっかけも、彼女の能力が起こしたものです。

「さて、これで最後の仕上げね」

 そう言って、彼女はゆっくりと、矢の照準を男へと向けます。お茶に誘ったという男の行動を賞賛して、今回の起点は彼の方にするようです。男女によるこれといった差はありませんが、気持ちが先に動いた方を射るというのが天使のルールで決まっているのです。

 距離は一〇メートルあるかないかというくらいで、この距離なら誤射の心配もありません。普通の人間には見る事も、触れることも出来ない天使ですが、だからといって近づき過ぎるのもご法度です。なんせ彼女が人間の近くを通過するだけで、新たな恋のきっかけを量産してしまうからです。もちろん、その始末も彼女たち天使が付けないといけないわけですから、彼女はこのおおよそ一〇メートルという距離を大切にしているのです。

「それっ」

 彼女はそう言って、矢を放ちました。彼女の放った矢は、勢いよく男に向かってまっすぐ飛んでいきました。

もう少しでカフェの窓ガラスを通過する、という寸での所で、突如現れた何者かに矢は振り落とされてしまいました。

「なっ!?」

 彼女は驚きました。まさか、自分の打った矢が振り落とされるなんて、微塵にも思わなかったからです。

「けけけ、何ださっきのへなちょこ矢はよぉ。ハエが止まるほど遅いぜ」

 矢を撃ち落とした者、悪魔が欠伸を交えながらそう言いました。全体的に赤紫色の容姿で、頭からは二本の触覚が伸び、背中には翼があります。刺々しい印象を与える悪魔は、先端が赤く塗られた三又の槍を持っています。彼女の矢を振り落したのもおそらくこの槍でしょう。

「だ、誰の矢がへなちょこですって!?」

 彼女は怒っていました。少なくとも、キューピットの中でも優秀な彼女は、プライドが高かったようです。

「ああ、聞こえなかったのか? もう一回説明するのは面倒だからなあ……ほら、もう一発撃ってみろよ」

 槍の先端をちょいちょいと動かして、悪魔は天使を挑発します。それを見て天使は、天使らしからぬ怒りの表情で弓を構えました。

「後悔させてあげますわ」

 そう言うと、天使はもう一度男目掛けて矢を放ちました。

先ほどとスピードは段違いでしたが、悪魔は余裕の表情でそれを槍で振り落としました。

「けけ、こんなもんで終わりかよ? 暇つぶしにもならないぜ」

「どうやら、私を本気にさせたいみたいね」

 天使の表情はいつの間にか本来の天使だったものへと戻り、笑顔になっていましたが、威圧感とでもいうのか、内心から溢れる怒りがかえってその顔から恐怖を感じさせます。

「上等じゃないの!」

 そう言うと彼女は一気に三本の矢を持ちそれを複数回連射。もし仮に、人間が彼女を視認出来たとしても、彼女が矢を構えた動作すら目で追う事は出来なかったでしょう。つまりは、それほどの速度だったのです。

 しかし、悪魔もそれに合わせるように連続で来る矢をすべて迎撃します。カフェの前には、人間には見えない無数の愛の矢が刺さっています。

「け、こんなもんかよ。だったらそろそろこっちもいくぜ!」

 そう言って、悪魔は三又の槍を天使に向かって投げつけます。それはまるでポセイドンのように力強く、空気を切り裂いて飛んでいきます。

「くっ」

 寸でのところで、天使は大きく横に羽ばたいて回避しました。

「ちっ、逃げるのだけは一人前のようだな」

 そう言って、悪魔は右手から次の三又の槍を生み出します。

「どうやら、先にあなたを倒さないといけないようね」

 そう言って、天使は愛の矢から、魔を滅する光の矢へと変えました。

 天使は眼鏡を中指で押し上げ、悪魔が首をごきりと鳴らすと、天使と悪魔の戦いが始まりました。

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 そんな様子を同市内の神社から神通力で見守っていた、縁結びの神様はため息をつきました。

「何だよ、せっかく男女が気まずさから脱出できそうって時に……」

 愚痴るようにそう言うと、神様はその場で横になりました。

もとより、数を数えることすら気が遠くなるほどの年月を生き、それまでに何度も男女の縁を見守ってきた神様ですが、最近はどうも退屈なのです。恋のきっかけにせよ、愛を伝える手段にせよ、時代と共に移り変わっていくものだとは分かっていても、神様にとって、最近の男女の恋愛模様はあまり面白味がないようです。

 そもそも、縁結びの神社にわざわざ出向く客が減っているという事もあり、信仰心が薄れているため、神様自身が弱体化しているといった事実もあるのですが、胸躍るロマンチックな恋模様があまりにも減ったために、神様はあまり元気がありません。その為、神様自身が同市内とはいえ、直接男女に力添えすることは出来ないのです。

「まあ、恋文なんてのもあったが、あれは手元に残るからいいもんだと思うんだよね私は。実際、神社だって記念に絵馬とか置いていくしね。しかし、今は電子メールや通話アプリとかそういうのが主流みたいだしなあ。うーむ……」

 ごちるように神様はそう言って、横になったまま、先ほどの天使と悪魔の戦闘を鏡越しに見ます。鏡の中の映像では、矢と槍が無数に飛び交い、稀に二人が接触しては離れるを繰り返し、なかなか決着がつきそうにありません。

 それを見て、神様にいたずら心が芽生えます。にやりと笑い、これは名案だとつぶやきながら、一人嬉しそうにしています。と思うと、急に真剣な表情になり、正座をし、固く目を閉じて静かになりました。

 おそらく一〇秒程度だったでしょう。神様が目を開けると、先ほどには感じられなかった威厳がそこにありました。神様は穏やかな表情のまま、自身の右の手のひらを口の前に持ってくると、ふうーっと、小さく息を吐きました。それは神通力を使った、神の息吹でした。さほど強い力が働いたとは思えませんが、息を吹き終えると、威厳もどこかに吹き飛んでいったのか、先ほどの飄々とした顔つきに戻っており、頬杖を突き、にやにやしながら鏡を見つめ始めました。

「さてさて、どうなることやら……」

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 先ほどから激しい戦闘を繰り広げていた天使と悪魔の両者に若干の疲れが見え始めました。両者の力はほぼ互角といったところで、なかなか決着がつきません。

「……何だよ、案外出来るじゃねえか」

「……ふん、息を切らしながら言う台詞じゃありませんわ」

「け、お互い様だろうが」

 しかし、天使はこの状況に焦りを覚えていました。そうです、彼女の目的は悪魔を倒すことにあらず、あくまで男女にきっかけを与えるのが彼女の使命です。

 悪魔も似たような事を考えていました。彼が徹底して邪魔をしなければいけないことは、男女のきっかけであって、彼女を倒すことではない、と。ただ、彼女を倒してしまえばそれはそれで解決するのですが、少しでも油断すると愛の矢が男を射てしまうのです。

 お互いに一呼吸を置いて、再び激しい戦闘が繰り広げられると思ったその時です。突如、強い風が吹きました。

「なっ!?」

 それに一番驚いたのは悪魔です。その風は人間たちや下界には全く影響を与えず、自分だけが強風の影響を受けているという事に。当然の強風に一瞬気をとられた悪魔は決定的な隙を作ってしまいます。

「チャンス!」

 状況が見えないにしても、天使はこれを好機とばかりに、悪魔に向かって矢を放ちました。しかし、彼女も突然のことと、疲労があいまって判断が怪しいものとなっていました。

「あ」

 彼女は矢を放った後に気が付きました。悪魔に放った矢は、光の矢ではなく、愛の矢だったということに。しかし、気が付いたところでどうとなることもなく、放たれた愛の矢はそのまま悪魔の胸を射抜きました。

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 一方、カフェ店内の男女は相も変わらず気まずい沈黙を続けていました。

このままではいけない。お互いにそうは思っているのですが、一体何から話していいのやら、何を話せばいいのか、さっぱり見当がつきませんでした。

 彼らは運命というものに憧れてしまうロマンチストでした。望んだシチュエーションと当てはまってしまったがために、一瞬の行動力はともなったのですが、出会いのシチュエーションを考えてはいても、実際に事が起きた後のことは全く考えていないのでした。

そもそも、そういった特異なシチュエーションに憧れる事自体が、現実的なその後を考えさせなかったのでしょう。理想と現実のギャップとでもいうのか、二人は自分のカップに視点を落とし、相手の顔をまともに見る事も出来ないでいました。

 そこに、小さな何かが起きました。

 二人の見つめるカップがカタカタと揺れ始めたのです。それを見て、いち早く何かを察知した男が彼女に言いました。

「地震です! テーブルの下に早く隠れてください!」

 突然の声に彼女は一度ビクッとしましたが、すぐに頷いてテーブルの下に隠れました。彼もそれに続き、急いでテーブルの下へと入りました。

直後、揺れが激しくなり、彼らの目の前に先ほどまで口をつけていたカップが落ちて、大きな音を立てて割れました。

「きゃあ!」

 店内では彼女と他の客たちの悲鳴があちらこちらで聞こえます。

 彼は破片が飛んできては危ないと思い、彼女を守るようにして、彼女を抱きしめました。

「あ」

 そこで初めて、二人の目が合いました。テーブルの下は狭い為、とてもその距離は近かったようです。

 そして、お互いに固まってしまいます。地震はまだ収まっていませんが、彼らの時間だけが、そこで止まってしまったかのようです。

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 さて、天使の愛の矢で射抜かれた悪魔は、しばらくその場でぐったりと宙を漂っていました。

「ど、どうしよう……」

 前例のなかった出来事に、天使はおどおどとしています。マニュアルに忠実であったが為に、彼女は今何をどうしたらいいのか分からず、思考停止状態に陥っています。そのせいか、地上で地震が起き、人々が軽い混乱状態にあることも、男女の姿が窓から見えなくなったことにも気づくことが出来ませんでした。

 それから少しして、悪魔はぴくりと身体を動かし、意識を取り戻しました。

気だるげに顔を上げると、天使と目が合いました。

「やってくれたな……」

 悪魔のうらめしげな声が空中で響きます。しかし、そこで悪魔が自身の異変に気が付きました。

「ちょっと待て、どうして俺は消滅していない?」

 それを聞いて天使がビクッと反応します。

「そ、それは……えーっと……」

 普通、光の矢に悪魔が射抜かれた際、その魂が浄化され、悪魔は消滅するのですが、プライドの高い天使は、自分の手違いで愛の矢で射抜いてしまったなどと言えるはずもありませんでした。

「それに、何だこの感情は!? お前を見てると……何だか、胸がドキドキして仕方がないんだ!」

 悪魔がそう言い放つと、しばらくそこで時間が止まってしまったかのようでした。

「……え?」

 お互いにしばらく思考回路が回復せず、混乱していましたが、天使だけが、現状を少しずつ理解し始め、静かに頬を紅潮させていくのでした。

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 それを見ていた、えんむすびの神様は大笑いしました。

「ははは、まさかこっちにも効果があらわれるとは思ってなかった。しかし、これはこれでなかなか面白いことになりそうだ。」

 そう言いながら、一人にまにまと鏡を眺めていました。

 そんな時、神社に参拝客がやってきました。足音に気が付き、社から出て、賽銭箱の前に意気揚揚と出た神様でしたが、来客の顔を見て、少しげんなりとしました。

「よう、ご無沙汰してるぜ」

 そこには地上世界とは異なる、悪魔や地下世界を総べる大魔王が隣に女性の肩を抱きながら声を挙げました。大魔王は頭に牛の角のような冠を被り、派手なマントを羽織っており、はたから見れば屈強な大男でした。

「お久しぶりです」

 その隣で、天使と天上世界を総べる女神が軽くお辞儀をしました。彼女もまた、天使と似た純白の服装をしており、柔和な笑みからは、物腰がやわらかそうな印象を受けます。

「ああ、あんたらか」

 まるで興味がないとでもいった態度で、賽銭箱にあぐらをかき、頬杖をつきながら神様はぞんざいに答えます。

「なんだい、随分つまらなそうだな。そう思って来て正解だったか」

「いや、あんたらが来たからつまらないんだよ」

「本当に恋愛に至るまでの男女にしか興味ないのですね」

「……その言い方をされるとちょっとあれだな」

 そんな他愛のない、冗談交じりの雑談が終わると、三人は笑い合いました。

「で、結局何しに来たんだ?」

 そう神様が聞くと、女神が愛おしそうに自分のおなかに手を当てます。

「実は……私たちの間に子供が出来まして」

「ほー、そいつはめでたいねえ」

「まあ、その報告にちょっとな。なんせ、俺たちを惹き合わせてくれた、えんむすびの大神様だからよ」

 そういって、大魔王は野太い声で、高らかに笑いました。

「……大神様だと、また別の神様になっちまうんだがな」

 苦笑しながらも、そう答えるどこか神様は嬉しそうです。

「その安産祈願もかねて、こうしてやって来たってわけさ」

 そう言いながら、大魔王は女神のおしりを撫でます。

「ちょ、ちょっと、こんなところで」

「あー、はいはい。そういうのは余所でやってくれ」

 目の前でいちゃいちゃとし始めた異色のカップルを前に、神様はまた興味がないような顔に戻りました。

「そういや、さっきまで何してたんだよ」

 大魔王がそう聞くと、我に返ったように神様は、

「ああ、そうだったそうだった」

 そう言って、二人を社に案内し、見つめ合う男女と、何やら言い合いを始めた天使と悪魔が映った鏡を見せました。

「ほほー」

「あらあら」

 それを見た二人は状況を理解したらしく、神様と同じように、にまにまし始めました。

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「あ、あの……さっきはありがとうございました」

 地震がおさまり、席に戻った女がうつむきながらそう言いました。

「いや、とんでもない。こちらも、どさくさに紛れて抱き着いてしまったりして……」

 男はそう言いながら頭をかきます。

その後、また沈黙が訪れてしまいましたが、再び目線が合うと、気恥ずかしさを感じながらも、お互いに目を背けようとはしませんでした。

「「あの――」」

 不思議と、二人の声は重なりました。

 それから、お互いに笑って、どちらからと言う事なく話を始め、先ほどまでの気まずさは何だったのだろうかと言わんばかりに、会話が弾んでいきました。

 

「一体何だってんだよ、この気持ちはよ! お前どうしてくれるんだよこれ!」

 半ばパニックのような形相で悪魔が天使に怒鳴ります。

「え、えっーと……その……」

 天使はすでに感づいていました。悪魔に愛の矢によって恋のきっかけを与え、それが自分に惚れてしまったという事に。

 しかし、そこで自分が責任を取らなければいけないのか、天使と悪魔が接点を持つなんてありえないとか、そもそも私はこいつが好きなのか、などと彼女の脳内で様々な思考が交錯し、言葉が出てきません。

 痺れを切らした悪魔が天使の肩に掴みかかります。天使は咄嗟の事に避けることも出来ず、そのまま固まってしまいます。

「あ」

 戸惑いながらもお互いに意識していることも相まってか、思っていた以上に近い顔の距離や、触れた部分に何かを感じ、両者の鼓動はどんどん高鳴っていくのでした。

 

 その後、神様は聞きたくもないのろけ話を散々聞かされた後、さっさと二人帰らせ、一人鳥居に腰掛け、市内をぼんやりと眺めています。自身の力とは違った方面の恋愛模様も見ることが出来、神様は少し満足気です。口ではいやいやと言っていましたが、実際のところ、二人の間に子供が出来たことも内心では喜んでいるのです。

「全く、これだから恋模様ってのは面白いねえ」

 神様の楽しげな笑い声が市内に響いた、かも知れません。

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「――めでたし、めでたし。」

 絵本を読み終えた母親が、静かに本を閉じました。

「面白かった!」

 それを聞いていた子供が、楽しそうに母親の膝の上ではしゃぎます。

「ふふ、あなたにも素敵な人が出来るといいわね」

「それにしても、何だかこの男と女の人って、お父さんとお母さんの話にそっくりだね」

 それを聞いた母親は少し驚いた顔をした後、ふふっと笑い、子供の頭を優しく撫でました。

「そうだねー」

「僕もいつかこんなふうに恋したりするのかな?」

「さあ、どうかしらね。あなたのすぐそばで、天使が矢を構えているのかも知れないわね」

 そんなことを話していると、玄関の方で音がしました。

「あ、お父さん帰ってきた!」

 そう言って、子供は母親の膝から飛び降り、玄関へと走っていきました。

「全く、本当にどっちに似たのやら……」

 母親はそうつぶやいて、絵本をテーブルに置き、玄関の方へと歩いて行きました。

 

 その夫婦は人間だったかも知れませんし、人間ではなかったかも知れません。

 それを知っているのは、間接的に手を貸した神のみぞ知る――というやつなのかも知れません。

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「結局、私が手を貸した何て誰も分かってないわけだから、そりゃ参拝に来るわけもないし、客も増えるわけでもないのか。……おや? こんな寂れた神社に思いつめた顔をした麗しき女性が……はて、今日は何かの日だったか? ……なるほど! そうかそうか、よし分かった。どれ、このえんむすびの神様がそなたにお力添えしましょうぞ」

 なんだかんだで、神様は今日も楽しそうです。

 

説明
見えない力がこういうものでもいいんじゃないかなー何て思う今日この頃(苦笑)

三人称視点+群像劇+いつもと違う文体で色々アレ。まあ、練習と言う事で。
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