魔法少女リリカルなのは〜原作介入する気は無かったのに〜 第百十二話 海中の修学旅行(中編)
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 「……はやてさん?俺の聞き間違いですかね?脱衣麻雀とか聞こえたんですが?」

 

 「別に間違ぅてへんよ。確かに脱衣麻雀って言うたもん」

 

 うん。俺の耳が悪くなった訳では無い様だ。

 

 「ていうか脱衣麻雀がどういったものなのか分かってんの?」

 

 「負けたら服を脱いでいく麻雀や」

 

 「……何でやろうと思ったんだよ?」

 

 「ちょっとしたリスクある方がドキドキして面白そうやん♪」

 

 それが理由か!?

 コイツってそういうリスクを楽しむタイプだったっけ?

 

 「(……いや)」

 

 よく考えたらコイツって乳揉み魔の一面もあったよな。

 つまり服を脱がせる本命は俺じゃなくてアリサ又はすずかのどちらかという事か?

 …有り得る。男の裸なんか見るより女の裸(コイツの場合特に胸)を見る方が需要あるだろうし。

 つまり俺に脱衣麻雀を持ち掛けてきたのはルールに則って俺ではなくアリサとすずかの服を脱がすためと言う訳か。

 全く…計算高い奴だぜ。

 

 「(つかアリサとすずかが全く反応無いんだが)」

 

 俺はチラッと2人を盗み見る。

 アリサとすずかは…………固まっていた。

 まあ、そうだろうな。『脱衣麻雀』なんて宣言されてノリノリになる様な2人じゃないし。

 

 「どや?脱衣麻雀やらへん?」

 

 「俺よりも他の2人に聞けよ」

 

 はやては俺から未だに固まっている2人に向き、声を掛ける。

 

 「アリサちゃん、すずかちゃん、どうやろか?」

 

 「「………………はっ!?」」

 

 お?再起動したか。

 

 「ああああ、アンタ何言ってんのよ!!//////」

 

 「そそそ、そうだよ!!!だ、だだ、脱衣って……//////」

 

 「罰ゲームみたいで面白そうやろ?」

 

 「「面白くなんてないわよ!!!(面白くなんてないよ!!!)////」」

 

 顔を赤くしてはやてに抗議するアリサとすずか。

 うんうん。女子ならそれが脱衣麻雀に対しての普通の反応です。

 

 「ノリ悪いなぁ2人共」

 

 ブーたれるはやて。こりゃ脱衣麻雀はお流れだな。

 

 「しゃーないな。脱衣麻雀はわたしと勇紀君の一騎打ちという事で」

 

 「チ ョ ッ ト マ テ」

 

 「んー?」

 

 「俺はそもそも『やる』だなんて一言も言ってないんだが?」

 

 「ええっ!!?」

 

 何でそんなに驚かれんの!!?

 

 「男の子やったら普通脱衣麻雀に喰い付いて参加するやろ!?」

 

 コイツの中での『男の基準』ってどうなってんの?

 まあ、喰い付く奴がほとんどだろうけどさ。

 

 「まさか勇紀君、その歳でまだ女の子に興味無いんじゃあ…」

 

 「アホな事言うな。充分に興味ある年頃だっつーに」

 

 「「「「「「「「「「嘘ぉっ!!?」」」」」」」」」」

 

 ヴァ〇ガー〇に夢中になっているアリシアと誠悟以外の皆が驚愕の表情で俺を見る。ポーカーも太鼓の達人も中断して。

 え!?何でそんなオーバーに反応すんの!?

 

 「冗談やろ勇紀君!?自分の部屋にエロ本の1冊もエロゲーの1本も置いてない様な男の子が女の子に興味あるとか言うても説得力無いで!?」

 

 「何でお前が俺の部屋の事知ってるんだよ!?」

 

 サーチャーか!?サーチャーでも使われて監視されてんのか俺は!?

 

 「そう言えば勇紀君が来る前にシュテルちゃんやレヴィちゃんとの会話で2人がそんな事言ってたよね」

 

 ふと思い出した様に呟くすずかの言葉を聞き逃さなかった俺は即座にシュテルとレヴィの方を見るが2人には目を逸らされる。

 まさかアレか!?俺の部屋のマンガやゲームを借りに来た時に実はチェックされてんのか!?

 

 「……クラスの男子達は学校に本を持ってきてコソコソと読んでる姿を偶に見かけますから」

 

 「そうそう。『おっぱいが好きだー』っていう男子もいれば『お尻』『太もも』『耳たぶ』等々、女の子の身体のどこが好きなのかよく話して意気投合したり論争したりってのもあるよ」

 

 視線を逸らしたままシュテルとレヴィが口にする。

 うん。それは知ってるよ。俺もお前等と同じクラスなんだし。

 

 「でもユウキはそういった会話に加わってる事ってないですよね?」

 

 「だから心配なんだけどねー。『本当に女の子に興味あるのかな?』って感じで」

 

 「失礼な!俺だってエロ本見た事ぐらいあります!!」

 

 謙介の家にはその手の本は大抵揃っている。((貧乳|ペッタン))から((巨乳|ボイン))、純愛に凌辱、SM、コスプレ、多人数プレイ等々。

 しかもアイツの家に遊びに行くと毎回新しい本が増えてるんだぜ。謙介のお父さんが買ってくるらしいけどな。

 しかしご両親……お父さんの方はともかくお母さんの方はそんな現状に対して何とも思わんのかねぇ?

 ていうか俺だって実は持ってるよエロ本。未だにシュテル達が見つけてないだけで。

 白昼堂々とは読むのに抵抗あるし、夜には義妹が俺の部屋にいますから読むタイミングが無いだけで。

 

 「あー……確かに謙介の家に遊びに行った時、偶に読んでるよな」

 

 突然誠悟が会話に割って入って来た。

 誠悟の正面には項垂れているアリシアの姿が。ヴァ〇ガー〇の勝負は誠悟に軍配が上がった様だ。

 

 「あれ?でもお前、この前謙介からエロ本貰ってなかったっけ?」

 

 「そこでサラッと俺の行動バラさないでくれます!?」

 

 だが時既に遅し。

 部屋にいた女性陣の視線が俺に突き刺さる。項垂れていた筈のアリシアと

 

 「ほぅ?ユウキ、我等に何の断りも入れずエロ本を?」

 

 「ふふ…一度ユウキの部屋は徹底的にチェックしないといけませんね」

 

 ……何でこのタイミングで戻ってくるかなぁ?

 先程まで部屋を出ていた筈のディアーチェとユーリの姿もあった。

 てかエロ本貰うのに貴女の許可いるんですかディアーチェさん?

 

 「ついでに誠悟。ユウキはどの様な女が載っている本を読む傾向にあるのだ?」

 

 ディアーチェは誠悟に『正直に言え』と言わんばかりの迫力を込めて詰め寄る。

 そのディアーチェに感化されてか他の皆さんの威圧感も素晴らしいものである。

 だけど誠悟。俺は信じているぞ。お前はそう簡単に

 

 「スタイルは気にせず……ですなぁ。ただ、以前謙介の家で見てたエロ本に出てた内容はコスプレとツインテールがメインの内容で、勇紀は僅かに反応してたけど」

 

 ……((親友|とも))を売り渡す奴だと知って軽く絶望した。

 俺は目で『何でバラすんだよ!?』と訴えたが『この状況で真実を((告白し|ゲロッ))ちまわないと俺が殺られる』と訴え返された。

 友情よりも己の身の保身を取られた。

 ちなみに俺は別にコスプレやツインテール好きって訳じゃありませんよ?少し反応しただけですからね。

 

 「「僕の(私の)((時代|ターン))がやってきた!!!」」

 

 立ち上がって力強く宣言するレヴィとアリシア。

 

 「「むぅ…(私も昔はツインテールだったのに)」」

 

 ぷくぅーっと頬を膨らませるなのはとフェイト。

 

 「私は髪が短いです…」

 

 「わたしもや」

 

 「こうなればコスプレ路線で攻めるしか…」

 

 「私もツインテールにしようかな…」

 

 シュテル、はやて、アリサ、すずかも何か小声で言っておられる。

 

 「あのさ……麻雀はしないのか?」

 

 何やら話がズレつつある流れを強引に戻してみる。

 

 「ん?せやな。じゃあ面子は今座ってる4人で脱衣すんのはわたしと勇紀君だけ」

 

 …やっぱ脱衣麻雀すんの?

 

 「脱衣のルールは半荘1回終える毎に持ち点の少ない方が脱ぐっていうルールで」

 

 「ふむふむ」

 

 「ただし役満の直撃は例外。振り込んだ時点で1枚脱ぐ事」

 

 「振込みだけか?ツモ上がりの場合は?」

 

 「天和と地和以外は無しや。ま、基本的に直撃出来たご祝儀みたいなもんやね」

 

 ……つまり役満振り込んでハコテンになったら一気に2枚脱ぐ…と。

 

 「ちなみに四暗刻単騎、国士十三面待ち、大四喜、純正九連はダブル役満扱いや」

 

 「役満複合の直撃は?」

 

 「ダブルやったら2枚。トリプルやったら3枚脱ぐルールや」

 

 …俺が着てるのはパジャマの上下にTシャツとパンツ。点差による負けにせよ、役満直撃にせよ全裸になるまでの猶予は4回。

 もしくはダブル役満2回くらったら即全裸か。

 

 「それとハコテンは無し。ちゃんと((南四局|オーラス))まで続けるよー」

 

 あら?だとしたら直撃、ハコテンでの2枚脱ぎは無いって事か。

 

 「それから四連刻、大車輪、八連荘、百万石、十三不塔もアリ、人和も役満扱いなー」

 

 「ういうい」

 

 「赤牌は無し。原点は25000点」

 

 「オーケーオーケー」

 

 ル−ルを確認したらはやてがスタートボタンを押して、卓上に積まれた牌が出現する。

 

 「ほな始めよか。『勝者は敗者に1度だけ何か命令出来る』権利を賭けた脱衣麻雀開始や!」

 

 「待てやコラ」

 

 何気なく言い放ってサイコロを振ろうとするはやてに制止を掛ける。

 

 「どうしたん?まだ何か確認する事あるんか?」

 

 「ある。『勝者は敗者に1度だけ何か命令出来る』権利なんて一言も聞いてないんだが?」

 

 「言い忘れてただけや♪」

 

 『てへぺろ☆』なんて仕草をするはやて。殴ったろかコイツ。

 

 「……待ちなさいよはやて。そんな権利があるなんて聞いてないわよ」

 

 「そうだよ。聞いてないよ」

 

 修羅の様な気を纏ったアリサとすずかがはやての方を向く。

 その顔は……無表情だった。

 はやてはビクッと身を竦ませながらポツポツと答える。

 

 「や……脱衣麻雀なんやし……リスクだけじゃなく……リターンも無いと割に合わんし……」

 

 …普通の人だったら異性の裸を見れるだけで充分だというのに。

 あ、コイツの場合は同性か。

 

 「これぐらいの景品みたいなもんあった方が俄然やる気が沸くし……」

 

 その景品に俺の意思が含まれていないのは如何なものかと思います。

 

 「……だったら私も参加するわ」

 

 ほら見ろアリサも参加………って、へ?

 

 「私もやるよ、脱衣麻雀」

 

 次いですずか。

 

 「正気かお前等!?」

 

 ここはむしろ反対するべき場面でしょうが!?

 

 「だったら僕も参加するよ」

 

 「私も打つよ」

 

 「私も参加しようかしら」

 

 「我もだ。ついでに子鴉に復讐してくれる」

 

 レヴィ、なのは、リンディさん、ディアーチェ……続々と部屋にいる女性陣が参加表明をする。

 何つーか瞳の奥が燃えてる様な気がするんですが…。

 

 「どうするんだ勇紀?」

 

 「どうするも何も……この様子だと俺が何言っても聞いてくれんでしょ」

 

 誠悟も俺もやや呆れ気味だ。

 

 「しゃーない。こうなったら勇紀君と打つ面子を3人決めんで。12人おるからちょうど3グループに分けられる。半荘1回で各グループのトップが決勝卓に参加出来るっちゅー事でどうや?」

 

 「「「「「「「「「「異議なし!」」」」」」」」」」

 

 はやての言葉に皆が口を揃える。

 ていうかここにいる全員麻雀出来るのか…。

 

 「ほなクジ引きでグループ決めや。脱衣が怖い人は挑戦するの止めてええんやで」

 

 というよりも脱衣麻雀自体止めて普通の麻雀にすればリスクそのものが無くなるじゃねえか。

 そう思った俺は悪くないと思います………。

 

 

 

 急遽、脱衣麻雀の参加者を決める事になった予選。

 その第1グループ。

 面子ははやて、レヴィ、ユーリ、プレシアさん。

 

 「立直!!」

 

 元気良くレヴィの声が室内に響く。

 俺と誠悟はその様子を眺めている。ヴァ〇ガー〇していても良いのだが、((見|ケン))に徹して皆の実力を見定めておくのだ。

 

 「(ドラ切りで立直?余程高い役なのかしら?)」

 

 プレシアさんは僅かに思考した後、手牌から安牌を切る。この一局は降りたのかな。

 

 「(うーん……レヴィの捨て牌から察するに待ちとしては索子、しかも七索、八索、九索辺りのどれかが危険やなぁ)……これはどうや?」

 

 はやては牌を切りながらレヴィに確認する。

 

 「むぅ……通しだよ(僕が欲しいのは八索。六索じゃないよ)」

 

 レヴィはちょいムスッとして返答する。レヴィ、顔に出したら丸分かりだぞ。もっとポーカーフェイス出来る様にならないと。

 

 「六索が通るんですね?なら私も六索切って追っ掛け立直です」

 

 牌をツモり、六索を横向きにして千点棒を場に出すユーリ。

 

 「ううー…振り込みません様に振り込みません様に…」

 

 祈る様に呟きながら牌をツモる。

 

 「ふう…安牌だよ」

 

 レヴィがツモ切ったのはユーリの河にも捨てられている南。

 

 「……これはどうかしら?」

 

 続いてプレシアさんが河に捨てたのは四萬。

 二人共、首を左右に振る辺り、当たり牌ではないのだろう。

 で、次ははやてなんだが

 

 「ツモ……役はツモのみや。500・300やね」

 

 安手でサラッと流した。立直分の千点棒も2本入り、合計で3100点の収益だ。

 

 「うぅ…そんな安手で僕の((混一色|ホンイツ))、((一気通貫|イッツウ))が…」

 

 「そうやって場を流すのもディアーチェっぽいです」

 

 上がれなかったレヴィとユーリはちょいガッカリ気味だ。

 

 「私としては助かったわね」

 

 ホッと一息つくプレシアさん。

 

 「脱衣麻雀の言い出しっぺとしては負けられん。次の局いくよー」

 

 落とし穴に牌を落とし、スタートボタンを押すと新たな山がセットされる。

 その後ははやてのほぼ独壇場だった。

 皆がテンパイする前…又はテンパイした直後に((嶺上開花|リンシャン))が炸裂し、自分が親の時はワザとノーテンで流局して場を進めていく。

 レヴィ、ユーリ、プレシアさんははやての勢いを止められず、結局第1グループははやてのトップで終局した………。

 

 

 

 第2グループ。

 面子はシュテル、なのは、アリサ、リンディさん。

 

 「ツモ!!親ッパネの2本場で6200オール!!」

 

 東場はやはり勢いがあるアリサ。

 この親ッパネは他の3人からすればかなり痛いぞ。

 

 「アリサちゃ〜ん……少しは手加減してよ〜」

 

 「なのは。残念だけど『獅子は兎を倒すのにも全力を尽くす』ものなのよ」

 

 「はあ…何とかしてアリサさんの勢いを止めないといけないわねぇ…」

 

 「(東場でのマイナスを出来るだけ抑えて南場で巻き返すのが一番確実ですね)」

 

 皆から点棒を受け取り、牌を落とし穴に落とす。

 

 「さあ…このまま突き放させて貰うわよ」

 

 …南場に突入してもその勢いを維持出来たら勝てるんだろうけどな。

 3本場はシュテルが安手で軽く流し、東四局はアリサが((和了|あが))るよりもリンディさんが一歩早く((和了|あが))り、遂に南場が来てしまった。

 

 「むぅ〜……」

 

 配牌後、自分の手牌を見てアリサが唸る。

 

 「どうして南場になると勢いが失速するのかしら?」

 

 だよねぇ。

 タコス娘とは違って集中力が切れたり乱れたりしてる訳でも無いのに、南場になると東場の時の様な爆発的な勢いが無くなってしまう。

 これが持続出来たなら、将来プロ雀士でメシを食っていけるぐらいの実力者なのに本当に勿体無い。

 

 「うぅ…ツモまで良い牌がこなくなってる」

 

 6巡程回ったが未だに配牌時から変わらずの3シャンテン。有効牌を1枚も引き寄せず、全てツモ切り中である。

 

 「アリサ、そのドラをポンです」

 

 ここでシュテルが動く。ドラの八筒を鳴き、手牌から一索を出す。

 シュテルの捨て牌からするともうテンパってそうだな。((断公九|タンヤオ))が濃厚の捨て牌。だが、シュテル及び場の捨て牌に見える筒子の数が少ない事から((混一色|ホンイツ))、((清一色|チンイツ))の可能性も捨て切れない。

 アリサもそれぐらいは気付いているだろう。

 

 「ふぅ…。やっとテンパイ出来たよ。立直」

 

 同巡になのはが立直を宣言する。アリサの表情が僅かに歪む。

 

 「じゃあスジ」

 

 九萬を切って立直したなのはの直後にリンディさんは六萬を切る。

 

 「……やっと有効牌が来たわ」

 

 アリサの手牌が一歩前進した。

 

 「問題は何を切ろうかしら…」

 

 なのはは立直。シュテルはドラポンの1副露。リンディさんは立直をかけておらず鳴いてもいないがテンパってそうな捨て牌。

 俺は一旦アリサの側から離れてシュテル、なのは、リンディさんの順に手牌を覗かせて貰う。

 

 「(ふむふむ…)」

 

 一通り見て再びアリサの側へ。

 今のアリサの手牌の中には3人の当たり牌がある。アリサはここで放銃せずにこの局を乗り切れるかな?

 

 「むぅー……勝負!!」

 

 あ、その牌は

 

 「すみませんアリサ。ロンです」

 

 シュテルが手牌を倒す。

 

 「((対々和|トイトイ))、ドラ3。満貫です」

 

 「…やられた。((断公九|タンヤオ))だと思ってたのに」

 

 アリサが切った牌はシュテルの当たり牌。

 

 「まあ良いわ。次いくわよ(こうなればさっさと場を進めて逃げ切るわ)」

 

 新たな牌がセットされ、次の局に移行する。

 

 「ごめんなさいねアリサさん。ロンだわ」

 

 「にゃーーー!!!?」

 

 「ツモ!!8000・4000だよ!!」

 

 「何で私が親の時に!?」

 

 「ロンです。跳満」

 

 「うひぃーーー!!!」

 

 他の3人が物凄い勢いで攻め始め、アリサの点数がどんどん減っていく。

 結局

 

 「私がトップだ♪」

 

 「くっ…後一歩届きませんでしたか」

 

 「((南四局|オーラス))で上がれたら逆転トップだったのに…残念だわ」

 

 「……………………」

 

 決勝進出が決まり、喜ぶなのはと悔しそうな表情のシュテル、リンディさん。

 後は東場で稼いだ点数以上に南場で失点し、真っ白に燃え尽きているアリサ。

 こうして第2グループの予選は幕を閉じた………。

 

 

 

 第3グループの予選開始。

 面子はディアーチェ、フェイト、アリシア、すずかだ。

 

 「ねぇフェイト?」

 

 「何、姉さん?」

 

 「フェイトって点数計算出来たっけ?」

 

 「……………………」

 

 アリシアの疑問に対し、無言になるフェイト。まさか計算出来ないのか?

 

 「点数は自己申告だよ〜。どうするの〜?棄権する?」

 

 ちょっとイジワル気味に聞くアリシア。

 

 「だ、大丈夫だよ!!満貫以上の点数なら覚えてるから!!」

 

 「じゃあ満貫未満は?」

 

 「う……」

 

 「いっておくが我は親切に計算してやるつもりはないぞ」

 

 「じゃあ私が計算してあげるよフェイトちゃん」

 

 「あ、ありがとうすずかぁ……」

 

 「すずか。甘やかしちゃダメ!!自己申告は絶対だから!!」

 

 「姉さん、そこを何とか……」

 

 「ダメ!!」

 

 「うぅ……」

 

 あ、フェイトが精神的にダメージを負っている。

 対局開始前にこんなんで大丈夫か?

 

 「じゃあサイコロ振るよ」

 

 すずかがサイコロを振り対局が開始された………。

 

 

 

 〜〜ディアーチェ視点〜〜

 

 ふむ。我から見て上家フェイト、対面すずか、下家アリシアか。

 親のすずかがサイコロを振って山から我等は牌を取り始める。

 ユウキは誠悟と共に我とフェイトの間に座り、カップヌードルを食べながらフェイトの手牌を覗いていた。

 どこから調達したのだ?そのカップヌードルは…。

 

 「「ぶっ……」」

 

 そんなユウキと誠悟がフェイトの手牌を見てるといきなり吹き出した。

 

 「(こういったゲームでは常に冷静なユウキがカップヌードルを吹き出すだと!?)」

 

 フェイトの奴、余程良い配牌だというのか?

 

 ※フェイトの手牌

 

 『東』『東』『南』『南』『西』『西』『北』『北』『二筒』『四筒』『五筒』『七筒』『八筒』

 

 すずかが中を切り、フェイトがツモった牌を手牌に加え、二筒を捨てる。

 

 「チーだ!!」

 

 我はフェイトの二筒を鳴き、1枚捨てる。

 先程のユウキと誠悟の反応から察するに、この局は早く流すべきだと思う。

 で、アリシアが捨てて2巡目。

 すずかが不要牌を捨て、フェイトの番になる。今度もツモった牌を加え、八筒を河に出す。

 

 「それもチーだ!!」

 

 これで2副露。一筒、二筒、三筒の順子と七筒、八筒、九筒の順子。

 元より我は((全帯公|チャンタ))狙いであったのでこの鳴き方で問題は無い。

 

 「(出来れば面前で揃えたかったがな)」

 

 アリシアの捨て牌を確認する。

 2副露した事で我は既にテンパイ。待ちは九索と白のシャボ待ちだ。

 アリシアが捨てたのは八索。……惜しい。

 すずかもアリシア同様に八索を捨てフェイトのツモ。

 

 「わ、綺麗」

 

 ※フェイトの手牌

 

 『東』『東』『東』『南』『南』『南』『西』『西』『北』『北』『四筒』『五筒』『七筒』 『西』←ツモ牌

 

 フェイトは手牌から七筒を捨てる。

 

 「「……………………」」

 

 ユウキと誠悟は無言。

 

 「(自分の身嗜みに関しては厳しいユウキが鼻からカップヌードルのエビを出し、呆然としてフェイトの手牌を見ておるだと!?)」

 

 フェイトの奴、テンパりおったか?

 我はツモった四萬をそのままツモ切る。

 

 「これいらないや」

 

 アリシアが捨てたのは六筒。

 フェイトが僅かに反応する。

 

 「(まさかもう((和了|あが))りか?)」

 

 フェイトは六筒を見て悩んでいる。

 

 「(トップを取って決勝戦にいきたいけど、姉さんをラスにはしたくないし……ここは見逃してもいいよね)」

 

 フェイトは特に動かず。

 ((和了|あが))りではなかったのか。だとすれば鳴くかどうかで悩んでいたというのだろうな。

 しかしその背後で驚愕してるユウキと誠悟が気になるな。

 その後、すずかが二萬を捨て再びフェイト。

 

 「あ……」

 

 ※フェイトの手牌

 

 『東』『東』『東』『南』『南』『南』『西』『西』『西』『北』『北』『四筒』『五筒』 『北』←ツモ牌

 

 ブバッ!!×2

 

 「汚っ!!?」

 

 ユウキと誠悟が突然カップヌードルのスープを吐き出した。

 よく見ると2人共僅かに身体が震えている。

 フェイトが四筒を捨てるが我はそれよりも

 

 「(何かある…絶対に何かある…)」

 

 2人の様子からますますフェイトへの警戒を高める。

 そして我がツモる番。

 ツモった牌は五筒だった。

 

 「(フェイトの奴は我に二筒、八筒と鳴かせ、河には七筒が捨てられておるな)」

 

 ふむ……。筒子ばかり切るという事はフェイトの手牌は萬子もしくは索子を中心に役作りしていると見た。

 

 「なら((五筒|これ))は通……」

 

 ビュオオオオオッ

 

 「っ!!?」

 

 我は五筒を捨てようとした手をすぐに引っ込める。

 な、何だ今のとてつもない悪寒は!!?

 

 「(まさかフェイトの奴、筒子しか捨てていないのにも関わらず筒子の((清一色|チンイツ))で手牌を染めておるのか!?)」

 

 そうだ!きっとそうに違いない!

 ユウキと誠悟の反応がそれを示唆しておる様な気がする。

 ……仕方あるまい。

 

 「(((全帯公|チャンタ))は潰れるが…)」

 

 我は手牌から白を捨てる。

 この五筒も持っていて損は無いであろう。四筒、六筒を揃えれば((一気通貫|イッツウ))が出来る訳だしな。

 

 ジーーッ…

 

 む?

 ユウキが我の手牌を覗き込んでいた。

 

 「(ディアーチェの奴、勘が良いな)」

 

 何やら我の手牌に思う所があるのか?

 

 「いーらないっと」

 

 続いてアリシアが捨てたのは

 

 「(五筒だと!?)」

 

 それはフェイトの当たり牌だと我が睨んだ牌だぞ!?

 案の定フェイトは先程同様微かに反応する。

 

 「(…さっきはただの役満だったのに今は四暗刻単騎に大四喜だから四倍役満。こんなの((和了|あが))ったら姉さん泣くよね)」

 

 結局フェイトは五筒にも手を出さず。

 何だ?また((和了|あが))りではないのか?鳴くかどうか迷ったのか?

 ユウキと誠悟は唖然としておるが…。

 

 「(フェイトの手牌がますます読めんな)」

 

 我がフェイトの手牌を推察してる間にすずかがツモり、七索を捨てる。

 そしてフェイト……

 

 ※フェイトの手牌

 

 『東』『東』『東』『南』『南』『南』『西』『西』『西』『北』『北』『北』『五筒』 『白』←ツモ牌

 

 ブクブクブクブクブク…×2

 

 ユウキと誠悟は口から泡を吹き、白目を剥いていた。

 

 「(だから何なのだその反応は!?)」

 

 フェイト本人は一向に((和了|あが))らず、鳴きもしないのに後ろの2人が過剰に反応する。どちらの反応が正しいのだ!?

 フェイトは手牌から抜き出し、河に捨てる。その牌は((五筒|・・))だった。

 

 「(???五筒は不要牌だったのか?それとも待ちを変えたのか?)」

 

 …まあ、いずれにせよ我の手牌にある五筒はフェイトにとって安牌だというのが分かった。

 我がツモったのは……九索。

 

 「(シャボ待ちのままだったらこれで((和了|あが))れていたのだが…)」

 

 仕方ないので五筒を捨てる。フリテンの白単騎待ちだが五筒を持っていると役無しだしな。

 その時

 

 「あっ」

 

 我の手が手牌の1つに当たり、表向きで倒れた。

 3人の視線がその牌に集まる。

 表向きになったのは白。フリテンだが我の上がり牌だ。

 慌てて牌を戻すが、全員にはしっかりと見られていた。我とした事が不覚である。

 

 「ふーん……ディアーチェは白あるんだ。……って、私も引いちゃったよ。いらないからツモ切りー」

 

 アリシアがツモ切ったのは我が晒したのと同じ白。

 

 「(コレ((和了|あが))ったら四暗刻単騎、大四喜、字一色で五倍役満。けど白はディアーチェも持ってる訳だし、姉さんの白は見逃しても大丈夫)」

 

 フェイトは我とアリシアを何度か見た後、小さく頷いていた。

 

 「立直いいかな?」

 

 すずかがツモり、四索を横にして千点棒を場に出す。

 我を含め、フェイト、アリシアも特に反応無し。

 

 「私のツモだね」

 

 フェイトがツモり

 

 「ツモ切りだね」

 

 そのままツモった牌…九索を捨てる。

 一瞬カンするか考えようとしたら

 

 「ローン♪」

 

 アリシアが上機嫌気味に宣言した。

 

 「嫌!!」

 

 「ロンロンローン」

 

 「嫌嫌嫌!!」

 

 アリシアの宣言を首を振って嫌がるフェイト。

 

 「姉さん、お願い見逃して」

 

 やや涙目の上目使いでアリシアに懇願するフェイト。

 

 「……しょうがないなぁ」

 

 「っ!!ありがとう姉さん!!」

 

 「何ちゃって。((平和|ピンフ))のみ」

 

 「そんな!?」

 

 「麻雀って非情なものなんだよフェイト。お姉ちゃんは相手が家族だろうと手加減しません」

 

 「姉さんの馬鹿ーーー!!!」

 

 フェイトは席を立って走り出し、部屋を出て行った。

 

 「アリシア、それは無いわー」

 

 「全くだ」

 

 ユウキと誠悟はアリシアを批難する。

 

 「むっ…何か文句ある?」

 

 「フェイトはな、最初この手牌から…」

 

 「勇紀、もう良いよ」

 

 む…フェイトが戻って来た。意外に早かったな。てっきりどこかで塞ぎ込むものとばかり思っていたが。

 

 「皆もいきなり飛び出していってゴメンね。続けよう」

 

 そういって席に座るフェイト。

 だが次の東二局からは…

 

 「ロン。白、中、((対々和|トイトイ))、((混一色|ホンイツ))。跳満」

 

 「うひゃっ!!?」

 

 「ロン。((平和|ピンフ))、((純全帯|ジュンチャン))、((三色同順|サンショク))、ドラドラ。倍満」

 

 「うひぃ!!」

 

 「ロン。((清一色|チンイツ))、((断公九|タンヤオ))、((一盃口|イーペー))。倍満」

 

 「にゃううっっ!!?」

 

 ……フェイトラッシュの始まりだった。

 ((和了|あが))るまでが早く、しかも高い打点で攻めまくる。

 フェイトが親の時はすずかが安い手で流すが、とにかく容赦が無い。

 

 「(今の所アリシアが全て放銃してるから我に被害は及んでいないものの、何という奴だ)」

 

 グングンと点差が開いていき、遂にオーラス。

 ラス親はアリシアだ。

 

 「うううぅぅぅぅ……」

 

 唸るアリシアに

 

 「……………………」

 

 自分の手牌を無表情で眺めるフェイト。

 もう我やすずかは役満を上がらぬ限り逆転は出来ぬな。

 アリシアは……まあ…その…何だ。ご愁傷様としか言い様がない。

 オーラスは淡々と進んでいく。先程までは7〜10巡目辺りで((和了|あが))っていたフェイトも今回は特に((和了|あが))る事無く12巡目を迎えた。

 

 「ポン!!」

 

 我が捨てた三索をアリシアが鳴く。更に

 

 「ポン!!」

 

 すずかが捨てた四筒…

 

 「チー!!」

 

 我が捨てた六筒…

 

 「ポン!!」

 

 我が捨てた八萬と一気に4副露でアリシアは((断公九|タンヤオ))のみの裸単騎で身構える。

 

 「アリシアよ。勝負を諦めたのか?」

 

 「まだ諦めてないもん!!今から八連荘狙うもん!!」

 

 成る程…八連荘か。確かにそれが成功すれば一気に巻き返す事も可能であるな。

 すずかはアリシアの捨て牌をじっくり見てから

 

 「私はコレに賭けるよ。オープン立直」

 

 自分の手牌を晒して立直する。

 オープン立直は有りなのか?視線で子鴉に尋ねてみるが

 

 「問題無いよー。オープン立直は有り有りで振り込めば役満、ツモれば3飜や」

 

 どうやら有るとの事だった。

 オープンされたすずかの手牌は高め低めの無いメンピンで六、九萬待ち。

 

 「すずかよ。場に六萬も九萬も3枚ずつ切れておるぞ?」

 

 残りは1枚ずつ。そんな待ちで((和了|あが))るのは厳しいのではないか?

 

 「アリシアちゃんが引くのに賭けたんだよ」

 

 確かにアリシアは裸単騎だから両方引いたら役満振り込みになるが、確率的には期待出来そうにないであろう。

 王牌に眠ってたらそれで終わりだし。

 フェイトと我がツモって捨て、アリシアのツモ番…

 

 「すずか、私を舐め過ぎだよ。そんな狭い待ちを引く訳……」

 

 喋りながら牌をツモり、そのまま硬直する。

 …………まさか

 

 「……………………」

 

 静かに1枚しか無い手牌を切り、待ちを変えたアリシア。

 

 「(アリシア、引きおったな)」

 

 六萬か九萬のどちらかを。

 手牌から出て来たのはドラだった。

 

 「はい」

 

 すずかはツモれず、場に牌を出す。

 

 「ポン」

 

 その牌……東をフェイトが鳴いた。

 

 「(???フェイトの風牌は西の筈?)」

 

 東を鳴くという事はもう、安手で((和了|あが))れる準備が整ったという事だろうか?

 鳴いた後は、手牌から一筒を捨てる。

 

 「我の番か……っと、コレは初牌だな」

 

 我は今引いた南をそのまま捨てる。

 

 「ポン」

 

 しかしすぐフェイトに鳴かれる。

 むぅ…場風である南を抱えておったのか。なら東を鳴いても問題無いという訳だ。

 フェイトがまた牌を捨て、再び我が引いたのは……西。

 

 「(2連続の無駄ヅモだな)」

 

 小さく溜め息を吐き、そのまま西を捨てると

 

 「ポン」

 

 またフェイトに鳴かれた。

 フェイトの場には東、南、西が3副露されている。これはまさか……

 そこで改めて気付く。ユウキと誠悟が口をあんぐりと開けている事に。

 すずかとアリシアもフェイトが鳴いた副露の牌を見て冷や汗を掻いている。

 フェイトが牌を捨て、我もフェイトの現物を切る。

 で、アリシアのツモ番。

 

 「……………………」

 

 固まったアリシア。

 しばらく無言で呆然と自分のツモった牌を見ている。

 

 「どうしたの姉さん?早く切らないとゲームが進まないよ?」

 

 「………あは、あはははは〜。……ねえ、フェイト」

 

 「何?」

 

 「東一局の時はゴメンね。お姉ちゃん今とっても反省してるんだ〜」

 

 「ううん。別に気にしてないよ」

 

 「ホント!?」

 

 「うん。だから早く切って場を進めて」

 

 「ありがとう妹よ。お姉ちゃんは愛してるよー」

 

 アリシアはそう言ってツモった牌……((北|・))を切った。

 

 「ロン!!大四喜、字一色のトリプル役満!!」

 

 パタッと自分の手牌を倒し、宣言するフェイト。手牌は北と發が2枚ずつのシャボ待ちだった様だ。

 

 「にゃわーーーーーーー!!!!?」

 

 続いてアリシアの絶叫が響き渡る。

 ガタッと立ち上がった瞬間、アリシアの手牌が倒れる。その牌は案の定、すずかの当たり牌の1枚である六萬であった。

 

 「はい。役満直撃のペナルティで脱衣いこかー」

 

 そこへ追い討ちをかける子鴉の慈悲無き一言。

 

 「何で!!?予選は脱衣無いって言ってたじゃん!!」

 

 「それは順位がラスによる脱衣の事や。役満直撃は普通に脱衣有効やで」

 

 「嘘ーーーーっ!!!?」

 

 哀れアリシア。

 

 「「素直に六萬切っておけばただの役満で済んだのに」」

 

 ユウキと誠悟が声を揃えて言う。

 トリプル役満だから3枚脱ぐ羽目になるのか。

 

 「とりあえずルールなんだから脱ぎなさいよアリシア。3枚脱いでも下着姿で済むでしょ?」

 

 そうだな。我等女性陣はパジャマの上下にシャツ、そしてブラにパンツと着衣は全部で5枚ある。

 アリサがそう言うと『うっ…』と声を詰まらせるアリシア。

 どうしたのだ?

 

 「じ…実はお風呂にちょっと長居したから風呂上りの直後はのぼせ気味だったんだ」

 

 「「「「「「「「「「それで?」」」」」」」」」」

 

 「で、暑かったからその…パジャマの中はシャツ着てなくて……ブラも外してて……」

 

 待て……という事は今のアリシアはシャツを着ておらず、ノーブラという事か!?

 なら3枚脱ぐという事は……

 

 ガタッ!!×2

 

 その言葉を聞いて立ち上がるユウキと誠悟。

 その視線はアリシアに注がれている。ガン見している。

 

 「ぬぐぐ……」

 

 誠悟はともかくユウキがアリシアの裸を見るだと!?

 いかん!!もしアリシアの裸体を見てユウキがアリシアを意識でもすればアリシアが我等を出し抜いてリードする事に……

 

 「でもルールは守らないとね。そんな訳で……アリシア・テスタロッサ!!ぬ…脱ぎます!!////////」

 

 自分のパジャマに手を掛け、捲り上げて服を脱ぐ直前

 

 「ユウキは見ちゃダメですーーーー!!!!!!!!」

 

 ブシャーーーーー!!!!!!

 

 「うぎゃああああっっ!!!!め、目がーーーーー!!!!?」

 

 ユーリがユウキの目にコーラをぶちまける。

 そしてアリシアが

 

 「どりゃーーー!!!!(勇紀以外の男の子に見られてたまるかーーーー!!!!!)」

 

 パジャマを脱ぎつつ誠悟にドロップキックをかます。

 

 「ふごおおおおおぉぉぉぉぉっっっ!!!!!!!?」

 

 そのまま部屋の壁まで吹っ飛ぶ誠悟。

 ……痛そうだな。

 

 「……脱いだよ!!こ、ここここ、コレで良いよね!?////////」

 

 パジャマの上下を放り投げ、パンツも脱いで生まれたままの姿になるアリシア。

 こうして最後の予選はフェイトの勝利という形で終了するのであった………。

 

 

 

 〜〜ディアーチェ視点終了〜〜

 

 うぐぐぐぐ……酷い目に遭った。

 ユーリにコーラをぶっかけられた俺。

 あれから目の痛みが治まるまで多少の時間を要した。

 

 「ううっ…イテテテ…」

 

 あ、誠悟も目を覚ました。

 

 「何で俺がこんな目に…」

 

 確かに。

 誠悟は何もしてないよな。トリプル役満直撃のペナルティで服を脱ぐ事になったアリシアの裸を見ようとした瞬間、攻撃されたみたいだし。

 

 「誠悟、誠悟」

 

 俺は誠悟を手招きする。

 

 「何だ勇紀?」

 

 「お前、アリシアの裸見れた?」(ボソボソ)

 

 俺がコーラをかけられ、誠悟が攻撃される直前アリシアは服を捲り上げていた。その時俺はアリシアのお腹と下乳を僅かに見た。

 

 「……一瞬だけだが上半身は拝めた」(ボソボソ)

 

 「マジか!?」(ボソボソ)

 

 「マジだ。……実にえがった。綺麗なピンク色だった////」(ボソボソ)

 

 鼻の舌が伸び、だらしない表情になりながら教えてくれた誠悟。

 ……そうか、見たのか。しかもピンク色……

 

 「《……ユウ君、まさか羨ましいとか思ってる?》」

 

 「《アハハハハ、ナニヲオッシャルダイダロスサン。ソンナワケナイヨ?》」

 

 「《疑問形になってるよね!?しかも念話なのに声が裏返ってるし!!》」

 

 キノセイキノセイ。

 

 「《……まあ、ユウ君も男の子だもんね。そういう事に興味持つのは分かるけど…》」

 

 し、仕方ないやん!!!知り合いとはいえ、女の子の裸体ッスよ!!アリシアも身長がややフェイトより低いだけで発育は充分過ぎる程なんですよ!!スタイル抜群なんだよ!!

 俺は同性愛者じゃないんだ!!異性の裸を見たいと思うのも可笑しくないもん!!!

 で、今話題に出てるアリシアだが

 

 「うーーーーーーっ!!////////」

 

 布団にくるまって顔を真っ赤にしながら唸っています。

 はやてが言うには『決勝戦が終わるまでそのまんまの姿でおらなアカンで!』との事。

 つまりあの布団を引っ剥がせば全裸のアリシアとご対面と言う訳だ。

 

 「(もっともそんな事はせんがな)」

 

 したら俺は物理的にも社会的にも死ぬ事になる。

 

 「「「「「「「「「「…………………………」」」」」」」」」」

 

 この部屋にいる女性陣の手によって。

 

 「と、とりあえず決勝戦やろう!」

 

 無言のプレッシャーが怖いので俺は急かす。

 面子はなのは、フェイト、はやてのオリジナル娘だ。

 どいつもコイツも強いから気を引き締めんとな………。

 

 

 

 〜〜はやて視点〜〜

 

 決勝戦が始まって半荘2回が終了し、今は3回目の半荘のオーラス。

 

 「勇紀、それロンだよ。これで私の逆転トップ」

 

 勇紀君の捨てた牌でフェイトちゃんが((和了|あが))る。

 

 「コレでわたし、なのはちゃん、フェイトちゃんが1回ずつトップやな」

 

 この決勝戦は半荘5回勝負と定めとる。

 5回終わるか就寝時間の10時前…9時55分になった時点で試合は終了。単純にトップ取った回数の1番多い人が優勝で『勝者は敗者に1度だけ何か命令出来る』権利を得られる。

 この『敗者』っちゅうのは予選で負けた人も含まれるから伊東君を除くこの部屋におるメンバー全員が対象やね。

 ちなみにトップ取った回数の多い人が2人以上おる状態で時間切れによる打ち止めになった場合は誰もその権利を得られず引き分けで終わる。

 で、今その半荘の3回目が終わった訳やけど

 

 「……よいしょ」

 

 勇紀君がシャツを脱いだ。

 勇紀君はまさかの3連敗で1人だけ脱衣しとる状態や。

 パジャマの上下とシャツを脱いで上半身は裸、残るはパンツのみや。

 勇紀君、身体鍛えとる言う割には細いなぁ。

 ザフィーラみたいにムキムキでもなければクロノ君みたいにガッチリしとる訳でも無い。ユーノ君みたいに細いわ。

 けど…

 

 「「「「「「「「「「////」」」」」」」」」」

 

 やっぱ異性の裸やもんなぁ。

 ついつい視線がいってまうわ。

 伊東君は同性の脱衣やからガッカリしとるけど。

 

 「勇紀君。このままでええんか?3連続ラスとかもう逃げ場無いで?」

 

 次ラスやったら全裸やし、わたし、なのはちゃん、フェイトちゃんがまたトップ取ったら権利獲得にリーチやで?

 

 「…だなぁ」

 

 『だなぁ』ってそんな呑気に返事して…。

 知らんで負けても。まあ、わたしは手加減せえへんけど。

 

 「((見|ケン))だけじゃなく実際に打って3人の実力はよく分かったし…」

 

 ん?

 

 「ここからは…」

 

 ゾクリ…

 

 「様子見を止めて…」

 

 な、何や!?

 この得体の知れんプレッシャーは!?

 

 「マジで勝ちにいきますかね」

 

 勇紀君の視線が鋭くなる。

 

 「ユウキの奴、ようやくマジメに打つようだな」

 

 「ええ…『御無礼モード』発動ですね」

 

 わたしらの背後で王様とシュテルの言葉が聞こえてきた。

 ……嫌な予感するなぁ………。

 

 

 

 〜〜はやて視点終了〜〜

 

-2ページ-

 〜〜キャラクターステータス〜〜

 

 NO.0006

 

 高町なのは

 

 LV   81/ 999

 HP 7700/7700

 MP  680/ 680

 

 移動力     7   空  S

 運動性   130   陸  A

 装甲   1900   海  C

 照準値   155   宇  −

 移動タイプ  空・陸

 

 格闘 193 命中 195 技量 197

 射撃 213 回避 195 防御 214

 

 特殊スキル 援護防御L2

       ヒット&アウェイ

       集束攻撃

       ガンファイトL7

       アタッカー

       底力L6

 

-3ページ-

 〜〜あとがき〜〜

 

 何か麻雀が長い。修学旅行(というよりも麻雀編)は前後編で終わらせるつもりだったのに。

 …まあ、いいか。

 対戦相手はなのは、フェイト、はやてのオリジナル娘。

 3連続ラスの勇紀が『御無礼モード』に入ったので次回は無双します。

 今回、脱衣の犠牲者第1号としてアリシアが脱ぎました。

 次回は……ぶっちゃけまだ決めてないです。オリジナル娘の誰かを集中的にひん剥くか全員ひん剥くか悩んでます。

 ただ、勇紀はこれ以上脱ぎません!!絶対に脱ぎません!!

 男の全裸を見たいと思う読者様なんかいないと思うんで。

 ま、小説なんで『見たい』というより『読みたい』という表現が正しいですけど。

 後は勇紀の『御無礼モード』をガチの強運設定にするか全自動卓であるにも関わらず、イカサマ使っての無双にするかぐらいですね。

 どっちが良いかなぁ?

 

説明
神様の手違いで死んでしまい、リリカルなのはの世界に転生した主人公。原作介入をする気は無く、平穏な毎日を過ごしていたがある日、家の前で倒れているマテリアル&ユーリを発見する。彼女達を助けた主人公は家族として四人を迎え入れ一緒に過ごすようになった。それから一年以上が過ぎ小学五年生になった主人公。マテリアル&ユーリも学校に通い始め「これからも家族全員で平和に過ごせますように」と願っていた矢先に原作キャラ達と関わり始め、主人公も望まないのに原作に関わっていく…。
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コメント
御無礼モード・・・なんか聞いただけで嫌な予感しかしないんですがそこんとこいかがで?(海平?)
御無礼って単語だけで何か寒気がするんですが、それは(黒咲白亜)
はやて主催のイベントは色んな意味で危険だな、だが面白いので観察続行! 最初の被害者は言いだしっぺのはやてだと思っていたんだけどアリシアだったか、2人へのプレシアの雷撃まだー? とかいって見る。(鹿島 遥)
ルールがわからんからフェイトのてがすごいんかわからん(T_T)(カムクラ)
誠悟をなんとかして、三人娘を全員ひん剥いて、予選敗退メンバーもひん剥こう。それでいいじゃないか。(shohei)
↓無意識にフラグ建てるのがうまいんだからそう言う事書かない!!!!!(肉豆腐太郎)
まずは初めまして。ハーレムは私も大好きですけど、この主人公おかしすぎる。あんなに女性陣がアピールしているのに、何故自分がモテている事に気づかないのか……。ここまで過剰な鈍感は異常すぎる。更に男性陣の劣化ぶりったら……。主人公以外の男性にも華を持たせなさいよ。オマケにこの主人公ロクに原作に関わっていないクセに、モテる理由が顔ぐらいしか無いじゃないですか。それと、女性陣達の出演が偏りすぎです。(かろとん)
よく考えたらパンイチなんだよな..オッキしたら即バレるな そ〜れそ〜れ(ゲス顔(ナラヤ)
・・・・このルールだと解釈にもよるけど敗者への命令権、回数は一回だけど人数に制限は無いよね?よし、誠悟を眠らせて予選敗退メンバーもひん剥こう。肌色成分激盛りだwww(プロフェッサー.Y)
ムダヅモ無き改革っぽい能力使うと面白いかもねぇ。(Rinks)
とりあえず誠悟を部屋から追い出してからすればいいのに。勇紀以外に見られるってみんなわかってるはずなのに・・・(悠)
まるでわけがわからないよ(´д`)(アインハルト)
覇気とか使うのでは?(肉豆腐太郎)
いったい何が起こる…そして、勇紀怖ぇ(アラル)
教えて!!!!!!ルールを!!!!!誰か〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(肉豆腐太郎)
勇紀には三人娘を全員ひん剥いて欲しいですね。もちろん『御無礼モード』はガチの強運設定で。(俊)
麻雀のルール知らないから何がどうなってるのか全くわからない。誰が勝とうが誰が負けようが何故?しか思えない………麻雀のルール知っている人が羨ましい(ohatiyo)
とりあえず女の子全員脱がしちゃえ!! 大丈夫誠悟さえ殺って見れなくすれば良いだけだから。(グラムサイト2)
アサシン『咲‐saki‐のように無双・・・・・・・・・その後のユウキを見る目がどのようになるのでしょう?・・・・・・・・誠悟の記憶を写真にしてほしい!!』(アサシン)
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