真・リリカルなのは 第十二章 非道なる報復編 第二話 師弟対立 |
任務中に敵味方関係なく皆殺しされ、冷静さを欠く レイン
しかし、殺戮を仕出かした男の顔を見て、全身の血が引いていく
帰り血で汚れた刃を持つのは、嘗ての自分の師
レインに魔法を教え、ウィンタムソードとシェリムを託してくれた人だったからだ
リトナ「こうやって顔を見合わせるのは、本当に久しぶりだ」
レイン「……………何故だ?」
リトナ「ん?」
レインは小さな声で呟いた
レイン「何故…………こんなことを?」
リトナ「こんなこと? ああ、ゴミを処分した事か?」
レインに再び怒りが戻ってくる
犯罪者とは言え、人間である奴らをゴミと言われた事に
そして、自分の部下をゴミ扱いされた事に
レイン「ふざけんなよ…………アンタは!!! 人の命を何だと思ってるんだ!!!!!」
ウィンタムソードをシュヴェーレンモードVer2にし、師に対して怒鳴る レイン
リトナ「…………………………」
リトナは何も答えない
レイン「こいつらは、俺の大事な部下だった……それを殺した揚句、ゴミ扱いだと………俺を舐めるのも大概にしろ!!!!」
怒り心頭なレイン
それに対して、どこまでも冷静なリトナ
この2人が戦えば、勝敗は見えているだろう
リトナ「そうか、お前は身も心も、管理局に汚されたのだな」
剣を振るい、こびりついている血を払う
リトナ「私が救ってやろう、レイン……………私にはお前の力が必要だ」
レイン「アンタをブッ飛ばして! ゆっくり話を聞いてやるよ!! 弁明出来るんならな!」
レインは真っ直ぐにリトナに向かって走り出す
腕に装着されたスノボーに氷が纏い、槌のような形になる
レイン「アイスハンマー!!!!!」
氷の槌でリトナの頭を狙う
ガキィィィンと甲高い音が鳴り響く
デバイスと思われる剣で、レインの一撃を受け止めた
リトナ「本当に成長している。どうやらシュヴェーレンモードを完全に使いこなしているな」
リトナは腕力でレインを弾き飛ばす
レイン「クッ」
リトナ「だが、シュヴェーレンモードだけに頼っているようでは、私には勝てん」
リトナはレインの師だけあって、マリッジデバイスの事についても詳しいようだ
レイン「だったらこれでどうだよ!!!」
ウィンタムソードに魔力を溜める
レイン「アイスバスター!!!!」
雪でコーティングされた魔力弾を放つ
リトナ「魔力変換資質「雪」にも磨きが掛かっているな」
レインの技は、あっさりと切断される
リトナ「やはり強力な魔力変換だな。私に必要な力だ」
レイン相手に全く苦戦していない リトナ
レベルが違い過ぎるようだ
リトナ「レイン、私は管理局を滅す。手伝え」
レイン「はぁ!? 何を言ってるんだ!!」
リトナ「管理局のような腐った組織が、世界を淘汰してはならない。利益だけ求め、不要な者を切って捨てるような奴らしかいないのだぞ?」
リトナは管理局に強い恨みを持っている
それは今までの敵にも居た
いや、犯罪者の半数は管理局に対して憎しみを抱いて、罪を犯し、報復しようとする
リトナもその1人かもしれない
レイン「俺は!!! 管理局が正しいって信じてる!!!! 上層部の連中が屑でも、今の管理局には、カイトの旦那が居る。ルナの姐さんが居る。なのはの姐さんが居る。そして、スバルやティアッ子、アマルが居る! 俺にとっちゃ、それだけで十分だ!! 俺が信頼できる人が居るからな!!!」
リトナ「残念だ、レイン……私はお前を殺さねばならない。後に邪魔になるだろうからな」
リトナは剣を構える
レイン「やってみやがれ!!!! 返り討ちにしてやるぜ!!!!」
レインがそう叫ぶと、リトナはとてつもない速さで、レインの後ろに回る
レイン(速い!!)
リトナは剣を突き刺してこようとする
レイン「舐めんな!」
ウィンタムソードを盾代わりにして、リトナの攻撃を防ぐ
しかし、リトナの刃が刺さった場所が悪かった
嘗て、脱獄犯の銃弾を受け、小さなヒビが入っている個所があった
そこに刃が付きたてられたのだ
ヒビはどんどんと大きくなる
最初の小さなヒビに気づき、修理していたのなら、こんなことになならなかっただろう
ウィンタムソードは真っ二つに割れた
レイン「なっ!?」
リトナ「っ!!」
これはリトナにとっても予想外だったらしく、驚いている
しかし、隙を見せる様な男では無い
そのまま刃を突きたて、レインを刺そうとする
レイン「クソッ!!」
急所は外したが、脇腹を刺されてしまう
レイン「痛って!!!!」
リトナ「急所を外したか。反応も中々のものだ」
弟子の血が付いた刃を見つめる リトナ
リトナ「一様、聞いておこう。私と共に来る気は?」
レイン「あるわけないだろ………」
急所を外したものの、刃は深く刺さった
その為、大量に出血し、レインの意識は朦朧としている
リトナ「私が何故、お前の師になったか……わかるか?」
レイン「……………………」
レインはリトナの質問には答えない
いや、答えられない
答えを知らないからだ
リトナ「欲しかったのさ、お前のレアスキルが。お前の持つ魔力変換資質「雪」は必ず、私の役に立つと思ったからだ」
衝撃の事実に崩れる レイン
その顔には涙が見える
リトナ「だからこそ、お前にはウィンタムソードというデバイスと、マリッジデバイスであるシェリムを授けたのだ」
レインは、もうリトナの言葉が耳に入らない
ショックだったのだ
リトナが自分の師になってくれた理由が、自分の力を利用する為だったと言う事が……
リトナ「シェリムは私が作り上げたマリッジデバイスの中では最高傑作だ。何せ魔力変換資質「雪」を持つ、お前専用として創ったのだからな」
知る者が少なく、所持者もほとんど居ない
それもそのはず
マリッジデバイスとは、リトナが管理局へ復讐する為に開発した兵器なのだから
他のデバイスと一体化し、新たな力となる
しかし、使用出来る者は限られる
マリッジデバイスを使用する為の絶対条件は、魔力変換資質所有者であることなのだ
リトナ「だが、お前にシェリムを授けたのは間違いだったようだ」
リトナの手にはシェリムが握られていた
レイン「…………シェリ……ム」
意識を失いそうになりながらも、シェリムに手を伸ばす
レインにとっては、家族の様な存在なのだ
リトナ「レイン、よく聞け。お前もこのまま管理局に留まっていると、私と同じ絶望にぶち当たることになる。そうなる前に、私の元へと来い。待っているぞ」
リトナはシェリムを連れ去って行く
レインの魔力変換資質「雪」が、それほどまでに欲しいのか、殺すと言いながらも止めは刺さなかった
いや、もしかすると弟子を殺したくないという想いがあったのかもしれない
だが、レインは危険な状態だ
あまりにも血を流し過ぎている
レインは意識を手放した
何らかの異変を察知したのか、レインが倒れている場所に管理局員達が集まった
局員「タウネイ三等陸尉!? 一体何が!?」
1人の局員がレインを発見する
局員「まだ息がある………早急に連れて帰らねば」
彼のお陰で、レインは一命を取り留めた
しかし、相棒のシェリムは連れ去られ、デバイスのウィンタムソードは砕かれた
もう、レインに戦う術はない
管理局に反旗を翻す、嘗ての師を止める事は叶わないのか?
そして、1つの疑問が生じる
マリッジデバイスを創ったのがリトナだとすれば、何故 左近は地球に居たのか?
そして、彼とクイント・ナカジマの関係は?
そして何より、管理局を恨む理由とは?
彼がぶち当った絶望
それは、管理局の闇だった…………………
次回はレインとリトナの昔話です
お楽しみに〜
説明 | ||
レインは師に勝つ事が出来るのだろうか? | ||
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