運命の幽波紋 第二話『通りすがりのスタンド使い』 |
あれから転生して早十数年。
神様に最高の家族を頼んだが、何故か転生当時に捨てられあの人達らしき人に拾われるとは思ってもいなかった。
ジョルノ・ジョバァーナ
ディオ・ブランドー
よりにもよって真の帝王の似の人達に拾われるとは……。
拾われて知ったことだが近所には、柱の男達やジョースター家などのジョジョのキャラに酷似している人が沢山いた。それぞれ家庭を持ったり、独身を貫いている人がいる。
不思議と皆は喧嘩もなく至って普通に生活をしていて、なんかどうでも良いって感じになっている。神様が面白半分でやったのだろうか、そう思わずにはいられない。
少し遅れたが、自分の自己紹介をさせてもらおう。
俺の名前は((虚片奏華|むなかたそうか))。自由主義者でありながら一応れっきとしたスタンド使いだ。
スタンド名は((運命|デスティニー))。
凄く安直だが、タロットカードを引いてこの名前になってしまったから今更変えることも出来ない。
そんな事はおいといて、近距離パワー憑依型のスタンドで任意に憑依をする事ができる。スタンドの形は人型………というより俺と瓜二つと言っても過言ではないくらい似ているという、完全に人のスタンドである。俺と運命を取り替えて動かしてみてもバレないくらい色も、形も同じというのはある意味神様の悪意を感じたのは俺だけではないはずだ。
そして、俺は神様から貰った紅い羽織を何時も着ているのだが、運命も俺と同じ様にこの紅い羽織を着ている。しかも大きさも全く同じという訳の分からないことになっている始末。
メイン武器は拳で((世界|ザ・ワールド))や((星の白金|スタープラチナ))のスピードを超える程のパンチが繰り出せる。
どうしてこうなった。どうしてこうなった。
大事な事なので二回いいましry。
能力についてはおいおい話すとしよう。
スタンドはこんなだが、俺はある特殊な波紋が使える。
神様からの餞別らしく、扱うことができれば君の助けになる筈と念話で教えられた。
波紋は波紋なのだが、サンライト・イエローではなくターゴイズブルーでもない。
はっきり言って((黄金|ゴールド))の色の波紋だった。初めは山吹色の波紋と見間違えたが、波紋の伝道師であるツェペリさんがこれは知らないと言うのだから間違いは無いだろうとのこと。
ターゴイズブルーのような能力としては、身体能力の向上、治癒能力、そして凄まじい位の回転をかけることができる。
決して黄金の回転ではない。
黄金の回転ではない。
大事な事だったので二回言わせて貰った。
と、まあこの位だ。
一応、高校2年生になって学校に行かなければならないのだか、小さいときにカーズさんに勉強を教えてもらったら進度が速すぎて大学の勉強するところまで行ってしまったのである。
そのため、今現在俺は学校に行っていない(というか行けない)。余りにも他の生徒がやる気を喪失させるから在籍するだけで良いとのことだそうだ。
そんなことより今、俺は北欧の森の中にいる。
何でこんなところにいるかって?それは柱の男達の何気ない一言から始まったんだ。
† † †
〜柱の男達の家〜
「コォォォォォォォ……」
「よし、それまで」
そう言って波紋の呼吸を制止させるのは柱の長のカーズ。今、俺は波紋でカーズさんの輝彩光刀が出来ないかと検証をしている最中だ。腕と肘の間から出すので、腕の周りにあるチリなどに波紋を流し込んで刀の形に作り出す。後はイメージのアレで何とかなる。因みに柱の男達には波紋はきかなかった。
「おお、カーズ様。 ここにおられましたか、探しましたぞ」
「んむ? ワムウかどうした」
「はい、例の件ですが見つかりましたのでご報告に参りました」
「おお! 例の件、見つかったのだな!」
何やら、ワムウとカーズさんが話しているが良くないことが起こりそうな予感がビシビシ感じ取れる。
そして次の瞬間、その考えが当たる事になる!
「奏華よ! 今のお前は強くなった。 なのでこのカーズが直々に良い物をやろう」
マズーイッ!!絶対にマズーイッ!!ヤバい程に嫌な予感しかしねェーっ!!
「お前には北欧に行ってもらう。 カーズがやるのは修行だ。楽しんでこい」ニヤニヤ
やっぱりふざけたことだったーッ!!ド畜生がァーッ!!
そんな事で俺は、((ジョルノ似|父親))、((DIO様似|祖父))に許可を取って北欧にいるわけである。
「何、現実逃避してんだ俺はよぉ〜……。 言ってて虚しすぎるわ」
そう言って歩き出す俺。
さっきから同じところをぐるぐる回っているような気がするのだが……。
とりあえず、空に飛べば位置がわかるけど何となくそんな事したくないと思いながら歩き続ける。
しばらく歩いて、座るのに丁度良い木の根本があったから座ることにした。
「コォォォォォォォ………うし。 回復はこんくらいでよしとして後は貯めとこ」
体に波紋を流して疲れをとり、何かあったときように貯めておく。
木の根本に座っていると風と木漏れ日が気持ち良い感じを出してくれている。
少し位寝るのは大丈夫だろう………と思いながら目を瞑る。
その時だった。少し離れた所から女性の悲鳴が聞こえたのは。
† † †
あれからどれだけ走っただろうか。息も絶え絶えになってこのまま止まればどれだけ楽になるだろうか、そんな考えを頭から吹き飛ばしながら木々に埋め尽くされた森の中を走る。
「はぁっ、はぁっ………逃げなきゃ…はぁっ……何とかあそこへ逃げられれば……」
走りながら目的の場所を再確認する。
その時、後ろからガサガサっと何かが動く音がする。
「!? もういや!!」
女性は残り少ない力を振り絞り木々の間を飛んでいく。
女性が飛び出した瞬間、目の前に白銀の色をした生き物が現れる!
「えっ!? きゃう!!」
急ブレーキをかけたが、少ない力では体を止められる訳なく白銀の生き物に突っ込む。
「グルゥァッ!!」
その生き物は突っ込んでくる女性を後ろにかわしながら自らの持つ鋭い爪で太股を切りつける!
宙に舞った女性は受け身を取りながら転がる、だが太股を切りつけられ立つことが出来ず這って動くことしか出来ない。
「うぅ……い、嫌こっちにこないで……」
女性は目の前にいる生き物……狼……フェンリルに言う。
だが、狼はそんな言葉をお構い無しにどんどん迫ってくる。
「(あぁ……もう私は死んじゃうのか……嫌だな…結婚とかまだしてないのに…)」
今までの思い出が走馬燈となって映し出される。
そして女性は思い、最後の力を振り絞って叫ぶ。
「(誰でも……誰でも良いから)
助けてくださいッ!!」
その時女性は見た。
「((黄昏の波紋疾走|トワイライト・オーバードライブ))ッ!!」
黄金に輝く気を身にまとい目の前の狼を殴り飛ばす青年の姿を。
† † †
い、今起こったことをありのままに話すぜ!
『俺が女性の悲鳴を聞きそこまで駆けつけたら大きな狼が女性を殺そうとしていた……』
な、何を言ってるかわからねーが気が付いたら狼を波紋で殴り飛ばしていた………。
相手は突然変異とか異常発達とかそんなもんじゃ断じてねぇ……。
もっと恐ろしい何かの片鱗を味わったような感じだぜ……。
そんな御託は置いといて、今やらなきゃならねぇことは女性を助けて、わんわんおをフルボッコにすることッ!!
ならばッ!やってやれないことはないッ!
さあ来いッ!
俺の心の声が通じたのか狼は雄叫びを上げて突進してくるッ!
「グラァッ!!」
ブォォンッ!!
狼は俺の前まで来ると自慢の爪を横凪に払う。俺はそれを体制を低くすることで避ける。結構な力を込めて振るわれた爪の攻撃は狼を横に一回転させる。狼はその反動を使い脚の攻撃に移る。
ビュンビュンッ!!
「おっと! そらよっと!
ハハハハハハッ!! 良いねぇッ! 面白いぞ犬ッコロ! 最高に『high』ってヤツだァァァァァッ!!」
高らかに笑い両手に波紋を流し込むッ!
この戦闘は長引かせるのは御法度だッ!早急に終わらせなければならないッ!
ならばッ!どうすれば敵を無力化できるのか?
そんなのは簡単だ。
波紋を練って物理で殴りまくれば良い。
そして狼はこの波紋を危険なものと判断したのか、フェイントを織り交ぜながら攪乱してくるッ!
「遅いッ! 遅すぎるぞッ!」
俺はフェイントを掛けながら動き続ける狼をとっつかまえ、斜め前方に放り投げるッ!
「ガァォッ!?」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァァァァァーーッ!!」
ラッシュの嵐だぜッ!!
ボコボコに殴られた狼は綺麗な放物線を描いて遠くの森の中に吹っ飛んでいった。
そして俺はさっきわんわんおに攻撃されていた女性の所に行く。近くまで行くと、女性がぽーっとした顔でこちらを見てくるがそんな事は関係無い。
傷が酷い太股の所に波紋を流し込み治癒力を促進させる。
傷が綺麗さっぱり無くなると、少しの間目を瞑っていた女性が目を開き驚く。
「えっ? 何で? さっきの傷は!?」
「驚いているところわりぃんだけど、傷は直させて貰ったぞ」
俺がそう言うと女性は、はっとして頭を下げる。
「す、すいません。 助けてもらったばかりか傷まで治してもらって……。 あの……失礼じゃなければあなたの名前を聞いても良いですか? 私の名前はロスヴァイセと言います」
「俺か? 俺の名前は虚片奏華。
────────通りすがりのスタンド使いさ」
この出逢いが運命だったのか、それは誰にもわからない……。
to be contenue
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転生してから捨てられる………FU☆ZA☆KE☆N☆NA☆ | ||
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