これが私のハーレムエンドだ。
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「・・・世界は終わるぞ。・・・お前がどんなに足掻こうとその事実は変わらない」

 

銃弾と砲火の雨のなか対峙したその男は顔に喜悦の歪みを残して声を荒げた。

星型の西洋式要塞、五稜郭はいまや風前の灯だった。続々と政府軍が侵攻し、味方の陣地は悉く壊滅した。

 

その政府軍の兵士たちもまた精神を魔に食われ赤い一つ目の鬼と化していた。

その銃口は無慈悲に降伏するものすら手にかけ、断末魔の叫びが響く。戦場はまさに地獄。

それをこの男は望んでいた。

 

「・・・ついに俺の悲願が、達成するのだ」

 

男は呟く。鷲鼻の偉丈夫だった。

彫りの深い顔は皺くちゃになり手にした手袋には星型の紋章が刻印されていた。

それを青ざめた顔で憎憎しく睨むことしか男たちには出来なかった。銃弾を腹に浴びて死の淵にふらつく新撰組副長、土方歳三と

この男の罠に一度は死に、冥府の穴が開いた奇跡に蘇った田村幸太郎。その両名を地に倒して男は勝利を確信した。

 

怨霊たちが嗤う。その中には大和朝廷に殺されたアテルイがいた。

謀略に憤死した菅原道真がいた。大魔縁となった崇徳上皇がいた。この男は亡霊たちを率いこの世を地獄に変えることが悲願だといったのだ。

 

 

だが、その中をつきすすむ気配を感じた。

その感覚に覚えがある。その人間に見覚えがあるといった方が正しいか?

 

銃弾が殺到するなかを軽快に大地を駆け、身に迫る弾丸を手甲で弾き、甲高い音がゆっくりと、そして確実な殺意として男に迫っていた。

亡霊たちが剣をつき立てようと襲いかかる。その白刃よりも胴を薙ぎ西洋の軍靴が兵を吹き飛ばす。

陽炎の煌きとともに蹴られた兵士たちは呆然とした。元の人間の顔に戻っている。

亡霊のみを祓う拳。それに怨霊たちは実体を持たない黒い巨人となり腕を奮う。その腕が掴まれた。

驚愕に大きく開かれた瞳は天地が逆さまになったのを知覚する暇すらなく霧散させられる。

 

怨霊たちは恐怖した。

蹴りの一撃がアームストロング砲の燃え盛る砲弾を粉みじんに粉砕し火花を飛ばす。

槍衾を回転した蹴りで竜巻が巻き起こり、振り上げた拳が霊を粉砕し生身に解放する。

 

地獄の釜がいま、開かれようとするなか。

怨霊の怨嗟がこの北の地を闇に変えようとしている最中、その野望はひとつの拳に覆されそうになっていた。

傾いた神社の境内。石段を殺到してくる気配に土方歳三はうなりをあげた。

 

新撰組の中で知らぬものはおるまい。

 

十一番隊の組長であり、幼い顔立ちはそのままに拳を大きく弓を番えるように飛び出した少女の名を・・・

 

「・・・桂。」

それに安堵の笑みを浮かべ、対峙した男は今までとは比べ物にならないほど殺気を少女に送る。

 

「・・・やはり現れたか。裏切り者」

 

憎い。そう男は手を翳し、そこに星型の文様が書かれた紙片を出す。

それは少女に向かって生き物のように黒い鴉に変化し鋭く尖った嘴をその少女に突き刺さらんと殺到する。

それを同じく少女の手にも紙片が現れ、白い鷹に変化し、鴉を悉く爪で引き裂き、紙吹雪に変えた。

 

「未だに恨み辛みに悶えている人に言われたくないから」

 

そう少女は呆れたといわんばかりの口、さらに男に怒気が高まる。空気が張り詰めるのを土方歳三は感じた。

 

 

 

燻ぶる硝煙が周囲に立ち込める。

五稜郭は陥落した。それを遠くに見つめながら地の渦に飲まれていく男の遺骸を一瞥した。

冥府の穴は閉じ、その力で蘇った田村幸四郎と、失血死寸前の土方歳三の命を繋ぎとめていた力は失われた。

彼らは死ぬ。幕府軍の最後の抵抗もここに潰える。そして頑なに武士を貫いた男もまたここで潰えるのだ。

 

「・・・やつは死んだのか?」

歳三は少女に尋ねた。

 

ゆっくりと鼓動をとめる心臓にドーマンセーマンの印を刻む。

その心臓を握りつぶし黒い戦装束の少女は「別れ」を告げた。

 

「・・・土方副長。ありがとうございました」

悲願は果たされたこと。彼が後の世に転生しても必ず追いかけて倒すという呪いを心臓にかけたと少女は語った。

土方は嘆息した。そして自分が死ぬのだと彼は笑った。俺はここまでやれたと。土方はわらった。

 

「この世界は・・・どうなるんだろうな。」

「大丈夫です。どんなに時が移ろっても人の思いは闇に負けません」

「本当に、キミはすごいな。」

「副長だってすごいですよ。最後の武士の魂を見せていただきました」

「・・・ああ。俺はサムライだったかい?」

 

「はい。」

その言葉にサムライになった男は静かに息を引き取った。

その生き様に涙しつつ、少女は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

朝の日差しを受けて長い夢から覚めた。

長い夢を見ていた。その瞳に涙の痕、それは「思い」を受け継いだ証。

海鳴りのする海岸線を窓辺から見つめつつ、聖祥学園初等部の制服に袖を通した。そして、少女は今を歩き出した。

 

 

闇の書事件の終わりに・・・その子は私たちの友達になりました。

長い黒髪に笑顔が似合うその少女の名前は・・・

 

「愛ちゃん」

自分の名を呼ばれてきょとんとした顔で振り返る。

高町なのは・・・ちゃんだったよね?その隣は・・・ええと、フェイト・テスタロッサちゃんだったかな?

 

「なぁに?なのはちゃん」

「あのね、昨日のことなんだけど・・・」

口篭るなのは、警戒した表情のフェイトを見て、場所を変えて・・・

 

「・・・この感覚、」

世界がモノトーンに変わっていく。それは、結界が展開された事実。

なのはたちは身構えた。それに軽くウィンクして踊るように二人に向き直る。

 

「へぇ・・・結界だってわかるんだ。なのはちゃんたちは」

「まな・・・あなたは一体?」

魔力を感じた愛は昨日、下校途中に結界を展開。式神を召還しなのはたちを襲わせた。

・・・といっても気絶狙いだったけど。それを鮮やかな手際で撃退したなのはたちを前に現れた少女。

 

「・・・質問していいかな?・・・あなたたちは一体、なに?」

防護服に身を包み、魔法杖を構えたなのはたちに桜庭愛は笑顔で尋ねた。

 

「ん、昨日は質問に答えてくれたし今度はこっちがいう番だよね」

フェイトの問いかけに愛は答える。

 

「・・・陰陽師?」

「そう。占いで運気を呼んだり星の輝きで未来を予想したり・・・」

なのはたちは不思議そうに愛を見ている。それに杞憂かと愛は思う。

(どうやら転生体じゃなさそう。異常に魔力が高いし、それに実戦慣れしてるからどちらかがそうかなって思ったんだけど・・・)

 

・・・いっちょ、一槍討ってみるかな?

なのはたちの前に焔が噴き上がる。それにビクッとレジングハートとバルディッシュを機動し、魔法少女になる二人。

 

「愛ちゃん」

そう呼ばれるのは嬉しいな。と焔から現れたのは赤いワンピース水着、足には白いブーツ。

手首には赤いリストバンド。星型の記章が入っている。長い黒髪が風に靡く。なのはたちの前に女子プロレスラーが現れた。

 

「・・・それが、愛ちゃんのバリアジャケットなの?」

そう尋ねられ、こくんと頷く。そしてこの格好になったからには戦うと愛は宣言した。

それに高町なのはは悲しそうに首を横に振り、フェイトは身構えたけど辛そうで・・・・。

 

 

 

「もう・・・そんな顔しないで」

二人と対峙して愛の方が根をあげていた。

 

 

・・・事情を話そう。

そう思った。

 

 

 

・・・巻き込んでしまうかも知れない。

私の敵になるかも知れない。でも、そのときは・・・そのときだ。

 

 

 

 

 

「・・・そんなことがあったんだね」

なのはたちは静かに言葉を紡いだ。連綿と続く因縁。この時代に目覚めたときから戦いは確定した。

その時は迫っている。あの男の怨嗟の声は未だ聞こえてくるのだから。未来は予測の範囲ながら最悪の様相を呈していた。

 

巨大地震とともに「魔人」は現れる。それを夢で見るのだ。

「未来視」とでも言おうか。そうなる可能性があり、その最悪の結末を予想できてしまう。

 

「まなは強いね。・・・私だったら怖くて動けないよ」

「・・・義を見て動かざるわ勇無きなり。こんな未来ってそのときに嘆きたきないし後悔したくないだけ」

 

フェイトもなのはも私の話を真剣に聞いてくれた。

それは二つの事件を経験した二人の強さ。そして・・・二人の優しさだった。

・・・立ち向かうのはたった独りだと思っていた。その恐怖に抗いながら強くなろうと決めていた。

 

 

でも、・・・あの時と同じ。

明治の空の下、目の前に笑顔があった。

「ともにこの東京を守ろう」そういった人たちがいた。

 

 

そして・・・いまも変わらずに手を差し出した暖かな手がここにある。

 

 

「・・・ともに戦おう」

その言葉に胸はいっぱいで、しかし巻き込みたくないと思って怯えて、

「大丈夫だよ、まな。運命は、未来はまだ変えられる。私も、なのはも力になりたいんだ」

 

 

その言葉がとてもあったかくて・・・私は、ともに闘う友を得た。

この絆はいまに続く道しるべ。かくして、戦いの物語は幕を開ける。

 

桜庭愛はその手を幾重に重ねていく。

 

「我々も力を貸そう。桜庭愛」

ヴォルケンリッターとその主も協力してくれた。

 

「あなた専用のISをつくってあげるよ」

その出会いとともに力を幾重にも束ねながら・・・

 

 

「私も手伝わせてくれ。私はお前の幼馴染なんだぞ」

そのポニーテールの少女は私を抱き寄せそう囁いた。

剣道に身を置く道場の中で剣道着で力強く篠之乃箒はそう顔を赤らめながら告げていた。

 

 

んー、この頃は中学生時代。転校続きだった・・・。

小学校まで海鳴市にいて、卒業と同時に転校。高校入学時に全寮制のIS学園に入学した。

 

「お前の専用機は展開は許可することはできん」

織斑千冬先生から固く誓約を誓わされている手前、専用機をもつセシリアを傍目で見る日が続く。

それは・・・唯一の男性生徒「織斑一夏」が転入してくるまで・・・

 

「・・・先生。」

「千冬先生。どうしてですか・・・織斑くんの「白式」あれは・・・私の専用機「赤緋」のプロトタイプですよね」

「そうだ。お前の専用機はお前のパーソナルデータを下に組まれた日本政府所有のIS.特殊装備「フツノミタマノツルギ」

広範囲殲滅用荷電粒子砲を四門、右上腕部にパイルブランガー。左装装甲にガトリング砲。圧縮空気砲を装備、

背部リュートンリフレクター「ヤタノマガタマ」を持つ最強の機体。内閣府の許可なく展開ができないトリプルオートロックのIS」

 

「私は私の専用機を何故、展開できないんですか?」

「お前は、未曾有の大災害を予知した。そのことで内閣直属となり学費もすべて国から出されている」

 

「それは・・・知っていますし、感謝しています。ですが、」

「お前の専用機は「誰も知らない」機体だ。」

 

・・・それは亡霊企業に狙われるからですか?

織斑先生は答えない。自分の生態認証を得て生み出された機体なのに・・・

 

私は怒りがこみ上げてきた。

この学園にいる専用機もちは・・・4人。

 

イキリス代表候補生、セシリア・オルコット。

中国代表候補生、  鳳・鈴音

先ごろ編入してきた・・・フランス代表、シャルル・デュノア。

・・・・独逸代表候補生、ラウラ・ボーデビッヒ。

 

私は一般生徒扱いで授業に出る。

ちやほやされる専用機持ち生徒を尻目に見ながら起こる気もしない有事に備えるだけの操縦者。

 

「お前の望みはすべて叶えたはずだ。外出自由、アルバイトの許可、単独での渡航、部の設立も認めた。」

「ありがとうございます・・・」

 

・・・外出の自由。この学園に籍を置きながら違う学園の生徒になっている。

 

・・・アルバイトの許可。「女子プロレス」の試合を行い、金銭を得ている。

 

・・・単独の渡航、平行世界、魔法世界を行き来している。

 

・・・部の設立。「女子プロレス同好会」

 

「単位制ゆえにお前の自由と、権利が保障されていることを忘れるな」

単位さえとれば授業にでなくてもいい。それが保障させている。私は専用機持ちではない。

政府の所有する「兵器」としての運用を求められる。それが国が私を生かしている理由・・・それは後天性催眠術によりロックされ、

この学園と織斑千冬のダブル認識で初めて思い出す特秘事項であり、自白剤でもそれを引き出すことは出来ない。

 

・・・覚えていないのだから、仕方が無い。

 

ただ、不意をうたれなかければ遅れをとることはない。

遅れをとっても次の一手には即時、対応できる。

 

・・・納得はいかないが仕方がない。

「わかりました。あと渡航先の詳細報告はレポートとして提出しておきます」

そう納得した顔で

 

 

 

 

まあ、いい。ここの制服は好きだし。

一礼して職員室から退出する。行き交う友人たちと話したりしながら一時の時間を満喫。

「山田先生と密会したり、部室に女の子連れ込んだりしてもお咎めなしなのは最高だしね・・・。」

 

 

まぁ、千冬ねえを困らせても悪いし・・・

と思案顔で廊下を歩いていると・・あれあれ、また、やってる。

教室では織斑一夏を取り合い、ファースト幼馴染、セカンド幼馴染、セシリアがいいあっている。

 

それにいたずらっぽく微笑むと・・・

「一夏くん、少しいいかな?」

 

三人の視線がいっきにこっち。うんうん仲がいいよね♪

私に声を掛けられると織斑くんは「助け船」とばかりに立ち上がり共に教室を出て行く。

 

「ワリィ・・・愛が呼んでるんだ」

それにセシリアが不満そうな声をあげるものの、箒は残念そうに納得し、鈴はつむじを曲げて・・・

 

「悪いな・・・親友。」

「いいよ。織斑、困っていたっぽいしさ」

箒の幼馴染の私は箒を通じて友人になっていた。もちろん、鈴とも親友なのだ。

 

「それでどうなの?・・・最近、変なことないの?」

「ああ、トーナメントの無人機械かな。ラウラのときはありがとうな。お前が迅速に避難させてくれたらしいじゃないか?」

連れ立って歩きながら最近のことを聞く。・・・なるほど、こっちは大丈夫みたいね。

 

その様子を・・・伺い歯軋りをするヒロインズを傍目で見ながら。

(あー、この状況も楽しいけど、・・・ちょっと企画で発散しちゃおうかなー♪)

 

 

 

「・・・お前は私の嫁に気があるのか!」

食堂に来ていきなり銀髪の幼女・・・もとい黒眼帯の少女が私を詰問する。

 

「・・・まな。一夏とあんなに楽しそうにお話してた」

シャル。シャルロット・デュノアも羨ましい・・・もとい、恨めしそうに見ている。

それは箒も鈴もセシリアも同じ・・・。

 

 

「・・・あれ、私の性癖、忘れちゃったのかな?」

ビクンと5人が面白いほど硬直した。

 

 

ラウラ「・・・・あんなことを他にもしていたのか、貴様ー」

シャル「うぁ、え、ええー・・・それじゃ、箒や鈴にも?」

鈴「わかってたけど・・・変態。−変態−!」

箒「私が体験したのを他にもしたのか、き、きさまぁー」

セシリア「・・・・・(失神して倒れる)」

 

「まー・・・私の事は置いといて、」

一夏と一緒の夜をすごしたいかー!

 

え、ええっ!

「日本には・・・夜這いという文化があります」

 

「既成事実つくっちゃえばいいじゃん」

あ、5人の目がらんらんと輝きだした。うん、いいね。本気の目になった。

 

「・・・どういうルールですの」

セシリア飲み込みがはやいね。・・・いい食いつきっぷり。

 

「ISでの戦闘では教員側の許可もいるし、機体の性能差じゃ文句もあるでしょ?」

なので、生身の戦闘。「プロレス」なんてどうかな?

 

シングルマッチ。総当たり戦。・・・これならお互いに文句はないね?

ヒロインズはコクリッと頷く。うん、いい感じ。

 

「ただし、5人じゃ「織斑」くんの拒否権もあると思うので、私も参加するけど・・・いいよね?」

あ、露骨にいやな顔したな・・・鈴に箒、

 

 

 

「みんなも知っての通り、私は男は大ッ嫌い。・・・だからこそ、織斑くんの代表になれると・・・思わない?」

 

 

 

説明
リリカルなのはと、インフィニットストラトスであらすじみたいなものを
つくりました。

てへっペロw

次回は「織斑一夏杯」IS学園プロレスマッチです。
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インフィニットストラトス リリカルなのは 高町なのは 織斑一夏 

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