運命の幽波紋 第三話『神と戦乙女とスタンド使い』 |
「ここです! この神殿が私達の住んでいる所です!」
はしゃぐロスヴァイセに連れられては来たのはどっからどう見ても神様とかが住んでそうな神殿。
「………(゚Д゚)」←開いた口が塞がらない
こ、こいつぁすげぇよ……。
俺の家も結構な豪邸といえるが、この神殿は違うッ!
如何にも有名な建築士が建てたような感じのする外見ッ!
その周りを覆う神聖な光ッ!
こいつぁすげぇーッ!神様が住んでいそうな匂いがプンプンするぜぇーッ!!
心の中で叫んでいるとロスヴァイセに呼ばれる。
「何をしているんですか?早く行きますよ!」
そしてロスヴァイセに手を引かれて神殿の中に入る。
神殿の中にはいると、スーツ姿の女性達がせわしなく動いていた。一見、何処にでもいる会社員に見えるが、その腰や背中に背負っている物によって違和感を覚える。
女性達が持っているもの───────それは剣。
剣士が使う剣である。
「………エエエエェェェェェッ!?」
「ど、どうしたんですか!?」
頭を抱えてうずくまる俺にロスヴァイセが声をかけてくる。
「な、何でもない。すまなかった、いきなり取り乱して」
俺が謝ると、そうですかと言ってまた歩き出す。これは俺の推測だが、一番奥に向かってるんじゃないかなと思われる。そこら辺を見ていくと、歴代の勇者やら何やらの額縁が飾られているのが見えた。
「へぇー……。 結構、歴代の勇者ってのも沢山いるもんだな……」
武器を掲げている所を描かれている絵が多くて、光輝く剣を掲げている剣士、それと正反対の魔剣を振り続ける厳つい鎧のおっさん。そんな風に見ていく中、俺の目にふと写り込む絵があった。
三人の男性が不思議なポーズを取り、壁から出てくるような感じて描かれた絵だ。
何故かこの絵をどこかで見たことのあるような気がしたのでじっと見ていると────
「これカーズさんとエシディ神とワムウさんじゃねぇーか?」
俺の独り言が聞こえたのか先に進んでいたロスヴァイセが戻ってきて、ああ、この絵ですかと言って説明をしてくれた。
「この絵は遠い昔に戦争があった時代……3つの勢力が闘っていたときに、一つの勢力がこれを見つけたんです。 少量の血をこの石像に浴びせると動き出すと言われていて、血をかけられて復活した石像は流法と言う特殊な技能を使って暴れ出したと聞いています。 ですが途中からいなくなってしまったらしくて、今では死んでしまっただろうと言われています」
それを聞いた俺は頭を抱えた。自分の近くにそれに完全確答する人がいたからだ。
「(何で波紋が効かなかったのか、今完全に分かったわッ!! 既に((究極生命体|アルティメット・シイング))だったからだよォォォォォォーーッ!!)」
そして俺は考えるの止めた。
そんな事で五分か十分位ロスヴァイセと話しながら歩くと、結構な大きさの扉に行き着く。装飾とかはほとんど無いのだが、中から発せられるオーラは凄まじい。
「ロスヴァイセ、ここは?」
なんとなくすごいものが出てきそうなので聞いておく。
「ここは、この神殿の主“オーディン”様の部屋です」
実際に、神様に会った事がある俺が言うことじゃ無いがこの世界にも神様がいる事がびっくりですしょうがない。
オーディンって言うと北欧の主神、ここで一番強い人と言うわけだ。
まあ、何にせよ結構凄い人と対面する事になっていたようだ………。
† † †
「オーディン様ー! ちゃんと仕事してますかー?」
その声と共に開けられたらドアの先には、のんびりと紅茶を啜る老人がいた。片目に眼帯を付けて、所々に武器が何かで付けられた痕であろう傷が、どれだけ強いってのが良く分かる。
「なんじゃロスヴァイセ? また儂に尻を触られにきたのか?」
その強そうな人が開口一番変態発言する。ニヤニヤと笑いながらちょっかいを出すのは何時もの事なのだろうか。
「バッ!? バカじゃないんですか!? そんな事のためにここに来たんじゃありません!」
顔を紅くし俺の後ろに隠れるロスヴァイセ。
「…………やれやれだぜ」
そして溜め息をつく俺。
今日でいろんな事が起こりすぎてツッコミが間に合わない、そう思う奏華だった。
そんなわけで、あの後から時間が少し経ち部屋の中。
ロスヴァイセがさっき起こった事の末端を話し、それを俺が細かく話す。
「ふむ。 ではお主はその波紋と言うものでフェンリルを倒したというのか?」
「おう、そういうことになるな」
実際、俺もあれがオーディンを殺せるフェンリルなんて知らなかったからな。あん時はロスヴァイセが怪我してたから早々に終わらせなけりゃいけなかったし。
「そう言えば、お主はなんでこんな所にいたのじゃ?」
「ちょっくら修行がてら、ここに連れてこられてな」
カーズさんめ………何が修行がプレゼントだ。半分死にかけたじゃねーか、死なないけど。
老人………オーディンの爺さんと話しているとロスヴァイセが思い付いたように言う。
「奏華さん! 今日はもう遅いですし、ここに泊まっていったらどうですか?」
何やら顔を紅くして大きな声で言うのでこちらもびっくりしてしまった。
「おおう。 そ、それはいいが、爺さんはいいのか?」
「大丈夫じゃよ。 部屋は………空きがないから「私の部屋なら空いてますよ!」ロスヴァイセの部屋を使うといい」
何か話がとんとん拍子で進んでいるような気がする。
まぁ、何とかなるだろ(楽観的)。
† † †
奏華さんが部屋を出て行き、私は肩の力を抜く。
「ロスヴァイセよ。 『勇者』を見つけたようじゃな」
タイミングを見計らったような感じでオーディン様が聞いてくる。やっぱりこの人には、いろんな意味で勝つことは出来ない。
確かに自分の中では、彼の存在が大きくなっている。
所詮一目惚れというやつだ。
昔の人が恋というものは簡単になってしまうとは、よく言ったものだと私は思う。
「遠回しにでも勇者について教えないといけませんよね?」
そう、そこである。
勇者の意味を知らない彼に、勇者になってくださいと言っても意味も分からずにOKを出してしまいそうだ。
それでは意味がない。私は勇者の本当の意味を知った状態で彼に告白したい。
私が決意を固めていると、オーディン様が思い出したように言う。
「そう言えば、ここら辺りにそれに関する書物があったはずじゃ」
ガサガサゴソゴソと本を探して約三分。
「おお! これじゃよ」
そう言ってオーディン様は私に一冊の本を渡してくる。そこに書いてある本のタイトルは『勇者について知らない彼に意味を伝える本』
…………何というか、これ以上ない程的確なタイトルだ。
それでもオーディン様が私のような者に対して、こんな物をくれるのだからさっきの変態発言については許そうと思う。
「オーディン様、ありがとうございます。 大切に使わせていただきますね!」
はやる気持ちを抑えて、部屋を出る。向かうは彼が向かった自分の部屋。一応地図もそこら辺に書いてあるから間違えはしないだろう。
一人になったオーディンはフッと呟く。
「新たな世代を見守るのは大人の役目。 お似合いなお主等なら大丈夫じゃろう」
オーディンの呟きは部屋に反響して消えていった……。
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真実とは!!現実を見て知る時があるという事を忘れるな(迫真) | ||
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