義輝記 雷雨の章 その拾六
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【 火牛の計? の件 】

 

?虎牢関 周辺にて?

 

ンモウゥー!! 

 

ドドドドドドドッッッ!!!

 

袁兵5「う、牛が突っ込んでぇぇぇ! ゲッフッ!!!」

 

クルクル ポシャポシャポシャ! 

 

クルクル ポシャポシャポシャ!

 

袁兵6「離れろ!! また『黒い水』だ! きっと、『燃える水』と同じ火が着く水に違いない!! 奴ら、俺達を焼き殺すつもりなんだ!!」

 

シュ────────ン!! 

 

トッ! トッ! トッ!

 

袁兵7「牛から離れろ! 虎牢関より離れろ!!! 『火矢』を射てきたぞ!! 燃えたら───昨日と同じだ!!!!!」

 

思い出されるのは…………昨日の出来事。

 

前衛全員による『黄泉路への舞踏会』!!

 

《『焔の舞台』で━━『死の踊り』を━━━

━━━『披露』する事に━━━━なった━━━!!》

 

ブルブルブル  ブルブルブル  ブルブルブル

 

袁兵『もう嫌だ!!! 俺は兵を辞める! 国へ帰るぞ!!』

 

袁兵『逃げるぞ!! 焼き殺されないうちに!!』

 

袁兵の結束の弱さが……………軍を崩壊に導き始めた……

 

★☆☆

 

クルクル ポシャポシャポシャ! 

 

クルクル ポシャポシャポシャ!

 

星「何だ!? 数が急に増えだしたぞぉ!! 」

 

華琳「落ち着け!! 冷静になり、道の中央に集まりなさい! そして、周りを天幕で覆い『竹筒』からの液体を、なるべく防ぐのよ!!」

 

朱里「こ、怖くなんか『伝令!!』しゃぁぁぁいい!!」

 

雛里「あわぁぁぁ! 朱里ちゃん!! 急に抱きしめないでぇ!!」

 

タッタッタッタッ!  ドタン!! 

 

桃香「あわわわ! だ、大丈夫ですかぁ!?」ダッ!

 

曹兵「す、すまん…孟徳様にで、伝令を…!!」

 

華琳「どうした!?」

 

曹兵「はっ………! こ、虎牢関より、松明を括り付けた牛の大……軍が……迫って………!」ガクッ(気絶)

 

華琳「なっ!!」

 

★★☆

 

雪蓮「ちょっ!! 数多過ぎ! いくら何でも、これじゃ反応出来ないわよ!!!」

 

冥琳「いや、道の真ん中に陣取り、幕を周囲に張り巡らせれば、

避けれるはずだ!! 」

 

タッタッタッタッタッタッタッタッ!!

 

明命「待って下さい! 虎牢関より牛の大軍が、角に松明らしき物を付けて、こちらに向かっています!!」

 

蓮華「えっ!!!」

 

祭「儂等を燃やし尽くす策か!!」

 

★★★

 

颯馬「袁家は退いて行くようだな!」

 

義輝「じゃが………陣形は保っておる。 案外しぶとい奴等よのう」

 

信長「本気で火計を仕掛ければ、奴らは一網打尽!! 天下は楽々制しようぞ!? 颯馬が命じればな………!」

 

皆の視線が集まるが、俺は横に頭を振る。

 

颯馬「俺は………甘いかも知れないが、出来るだけ将兵を助けたい! 無闇やたらに殺すのは、この国にとって不利益だ!」

 

古代大陸の事を、日の本に居た際に読んだが……戦乱や飢饉等で、大陸の半分ぐらい人口が、この時代に減少したと書いてあった。 

 

一度の戦で万単位で人が死ぬのだ。 国力が下がる事になっても、当然だ!!

 

それに、貂蝉より頼まれている。

 

貂蝉『この世界は、本来は『天の御遣い 北郷一刀』が大陸を統一に力を貸す《物語》なのねぇん! だからぁ、その北郷一刀に関わる将は、生かして貰わないと、貴方達が元の世界に帰れなくなるわよぉ………。 わかったぁん!?』(^_-)-☆バチン!!

 

うぉ〜〜!! 思い出したら、寒気がぁぁぁぁ!!!

 

颯馬「と、とりあえず………牛が抜け出した後、三太夫の『鳳仙花 弐』を投下して、反応を見る。 もし、これで降伏、最低でも退かせばそれでいい。 もし、それでも攻勢を示すのであれば…最終の策で殲滅だ!!」

 

………そうなれば、この大陸で暮らす事になるのか………。

 

せめて、俺以外の将は日の本へ帰れれば、いいなぁ…………。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

義弘「今なら、相手も弱っているし……非は向こう側にあるんでしょう? 天子様に逆らったのだから、当然じゃないの?」

 

信玄「『鬼島津』と異名を頂くだけ勇猛な発言ですが、事はそう単純ではありませんよ?」

 

謙信「うむ、日の本のように『万世一系』の天子様なら破格の重みが増すが、大陸の天子様は…禅譲にて、その都度に御移り変わると…」

 

信廉「ですから…天子様といえど、今度の大乱で『天子として資格無し』と見なされば、他の方に天子の座を明け渡せねばなりません!」

 

義弘「天子様は、『勝てば官軍』の通りになるわけね。 皆で説明しなくても良いのに! ……で、今すぐに殲滅しては駄目なのは?!」

 

昌景「簡単な事! 菓子の『綿飴』と同じと考えれば良い!」

 

****   ****

 

家久「ゴニョゴニョ(昌景さん…休日の時は、その姿を利用して〜お店の人からオマケ貰ったり、割り引いて貰ってるんだって!?)」

 

歳久「ゴニョ(流石……年の功と言うか、狡賢いと言うか………)」

 

****   ****

 

信長「『綿飴』は纏めてしゃぶると、甘くて美味いものだ……」

 

光秀「信長様………話が進みませんので、お静かに!!」

 

****   ****

 

義輝「結局はじゃな! 今、頭を撃破すると、残りの残党共が勝手に動き出して、始末に負えん!! じゃから、勢力を弱めて小さくなった時に、一網打尽としてしまえば簡単で早い! と言う事じゃ!!」

 

義弘「ふ〜ん、なるほどね………」

 

◆◇◆

 

【 助け舟到来 の件 】

 

?虎牢関 連合軍にて?

 

《袁紹軍》は、一時後退して兵を纏めるが、逃亡兵の流れは止まらず、袁紹軍五万が四万となる。 

 

更に崖上よりも『黒き水が入った竹筒』が、数多く投下されるのを知り、逃亡に拍車をかけて何とか三万近くが残る。

 

《曹操軍》《孫策軍》とも兵の逃亡は少なかったが、『火球』や『竹筒』の攻撃で体力的・精神的疲労を受けて、深刻な状況に陥っていた………。

 

★☆☆

 

桃香「う、牛! 牛!! 牛がぁぁ!!」

 

桂花「言われなくても分かるわよ!! 対処が浮かばない駄巨乳は黙ってなさい! 朱里、雛里! 対処方法は、何かある!?」

 

朱里「無理ですぅ〜よ!! あんな近くまで来てるのにぃ、準備せずに対処なんてぇ〜!!! ああっ──────☆!? 」

 

桂花「な、何!? 何か思いついたの?」

 

朱里「ひゃい!! ごめんなさい! 違います!!! 」

 

桂花「あんたねぇ──────!!!」

 

朱里(こんな時に!……新作八百一の内容が浮かぶなんてぇぇ!!)

 

雛里「………! 桂花さん、アレ!!」

 

桂花「!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

……麗羽に、大口叩いたけど、結局はこうなったようね……。 

 

一刀の策で、何とか応戦したけど……とんでもない程の『黒き水』の量!! 一体……いつから準備していたの?

 

将兵や私までも『黒き水』を避けきれず、何発か被ってしまった。

 

これで、『火球』が迫れば………全員焼死は…間違い無し………

 

私の持てる戦略戦術、全部使って行った用兵が、ここまで返されるなんて、これも『天の意志』なのかしら………。 

 

***   ***   ***

 

『天城颯馬』…本当に『長城』と化して、この私を阻むなんて!

 

私や桂花、朱里、雛里達を出し抜き、見事に全滅に追い込んだ策の数々。 でも、この準備……短期間で、ここまで出来る物なのか!?

 

大量の『燃える水』、『竹細工』、『藁人形』…………。

 

しかも、水関の藁人形の計略で使用した『似顔絵』なんて、間近で人物を見て描かなければ、到底出来ない程の出来映えだ──!

 

あ!! 何進との謁見の際に、私の方を見て作業をしていた『御遣い』が一人……! あ、あの時から───────!?

 

………それじゃ………勝てるはず………ないじゃない………!!!

 

***   ***   ***

 

ははははは………『人の夢』と書いて『儚い(はかない)』と読むけど………本当に儚いわね……………。

 

私の覇道も……恋も……中途で終わる…『華琳!!』──えっ!?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

華琳「……一刀?」

 

一刀「ボォーとしてるな! 華琳!! まだ、俺達は死んではいない!! 戦えるんだ!! …なら、諦める訳にはいかないだろう!?」

 

華琳「………けど、どうすれば……牛の大群は間もなく……!?」

 

一刀「援軍を頼んだ!! すぐに来てくれる!!!」

 

         『えっ!?』

   

ブゥゥゥゥ──────────ン!!

 

シュルルルルル────────ゥ!!

 

 

『『ドカァーン!!』』  

 

 

「ブモモォォォーーーーー!!」 

 

 

ドドドドドドド ググッ! 

 

ドドドドドドドドド!!

 

牛の大群が、こちらに向かってくる少し手前で…行群を二手に分けて、我が軍を避けて通り抜けて行く………………。

 

後ろから『投げられた大岩』によって……!!!

 

季衣「華琳様! 大丈夫ですかぁ!?」

 

流琉「華琳様! 遅くなり申し訳ありません!!」

 

華琳「……季衣! 流琉! 」

 

一刀「牛の突進が来るなら『障害物』で遮ろうと思って……!」

 

***   ****   *****

 

『この辺りで使えそうなのは、両端にある《大岩》だ。 その《大岩》を苦も無く操れる《二人》を呼びにいったんだよ。』

 

『兄ちゃんが来てくれたんですけど、流琉がそれでも泣きやまなくて……。だから、兄ちゃんが元気になるように《おまじない》をしてくれて…』

 

『季衣!! 喋っちゃダメ!!!』

 

『流琉の《おでこ》に……《チュー》して貰ったんですよ…! 流琉ばっかりズルいや! ボクもして貰いたいのに〜〜〜!!』

 

『 ? 』 

 

『 /////// 』

      

『…………………………………………………』

 

 

 

 

 

 ………しばらく お待ち下さい…………

 

 

 

 

 

一刀「……俺が、何をしたって、いうんだぁぁ………」ボロボロ

 

 

愛紗「自業自得です!」 鈴々「羨ましいのだ…」 

 

桃香「ご主人様殺して、私も……」 

 

雛里「もげろ…」

 

朱里「 …暗闇の中、去勢され嘆き悲しむ一刀さんの頬が、涙に濡れ月の光が青白く輝き照らす……。 そして、一刀さんを慰めるため、白魚のような細い手を伸ばし、涙を拭う美しき宦官。 ……いつしか二人には、愛が芽生え、手と手を取り合い寝台の上に…! ブゥー」

 

星「朱里! 鼻血を出しながら倒れるなんて…どうした!? むっ! これでは……稟の存在価値が半分以上無くなってしまうぞ!?』

 

*****   ****   ***

 

一刀「女の子専用の『元気が出る《おまじない》』だって……と及川から教わったのに……」ボロ!

 

桂花「うっさい! アンタなんて『砂糖水』に浸かって溺死しなさい

!! それとも『砂糖で出来た落とし穴』に落ちて、窒息死した方が良い!? 」

 

一刀「なんで…! 俺が死ぬのが確定なんだよ!?」

 

華琳「桂花! そんな事は、許可出来ないわ!!」

 

桂花「華琳様!!」

 

一刀「華琳……!」

 

華琳「『砂糖』は、とても高価な品よ? 一刀如きに使う必要は無いわ。 普通の水と土で、充分代用できるから!」フン!

 

一刀「 orz 」

 

★★☆

 

??「はぁーい、イチャイチャしてるとこ悪いけど、ここは戦場だから、空気読まずに声掛けさせて貰うわよ!?」

 

??「いつもの事ではないですか? 姉様?!」

 

??「…曹孟徳様、戦場にて礼を略させてもらう。 我らは…」

 

華琳「堅苦しい敬称も喋り方は不要。 ここは戦場…! そうでしょう? 『江東の知恵袋』周公瑾?」

 

冥琳「それは確かに。 では、『覇王』曹孟徳殿…でよろしいか?」

 

華琳「結構。 で、要件は?」

 

冥琳「それは、我が主『孫伯符』より………」

 

**  **  **

 

雪蓮「貴方が、曹操軍の『天の御遣い』君ねぇ!? 私は孫伯符! よろしく!! 話はいろいろ伝わっているわよ? ……女誑しとか?」

 

一刀「 _| ̄|○ 」

 

**  **  **

 

冥琳「 ……… ( ̄△ ̄) 」   グイグイ

 

雪蓮「 痛い! (≧Д≦) 冥琳! 耳引っ張らないでぇー!!」

 

蓮華「お見苦しいところを申し訳ない…孫仲謀だ。 私達の軍も合同で行動をさせて頂きたいと、提案するのだが如何か?」

 

華琳「私達は、副将袁本初を救出に向かう。 後、一時的に私の指揮下に入ってもらうけど、それで良ければ……」

 

蓮華「…………………………!」

 

雪蓮「良いわよ! 曹孟徳殿に従えばいいのね。 この戦場限り…という事で? 」

 

華琳「その通り。 この戦場で統率する者が二人も居たら、纏まる物も纏まらなくなるわ。 唯でさえ『人智を超えた謀将 天城颯馬』達を相手取るのだから……………」

 

雪蓮「………………………………………」

 

 

◆◇◆

 

【『表裏暗転の計』 の件 】

 

?虎牢関 周辺にて?

 

流琉「あの…………華琳様?」

 

華琳「………何かしら?」

 

流琉「何故、皆さんは……真っ黒に汚れているんです? 董卓軍が、また何かしてきたんですか?」

 

春蘭「何を言っている?! これは『燃える水』を被ってしまい、こんな姿になったのだぞ!!! しかも、奴らは『火牛』を使ってて我らを焼き殺そうと──「これ…『燃える水』じゃないですよ」…は!?」

 

冥琳「何だとっ!? では、教えて貰いたい!! これが『燃える水』ではなく、いったい何なのだ!?」

 

流琉「え〜と、ちょっと失礼します!」 クンクン、クンクン

 

冥琳「…………………どうだ?」

 

流琉「…………これは『墨』です! 『燃える水』なんかじゃありません!」

 

流琉、季衣以外『────────────────!!!!!』

 

華琳「何ですって!!」

 

冥琳「何ぃ────!?」

 

季衣「流琉は、料理をする為か…匂いに、とても敏感なんです!」

 

一刀「なぁ、華琳? この『松明』って、牛の角に付けてあった物か? 全く燃えた形跡が無いんだが…………」

 

明命「ああぁぁぁ、この松明ですよ!! 牛の角にあったのは───────!!」

 

祭「ちょっと待てぇぇい!! それでは、まるで……………」

 

 

 

『火計を偽っていたと聞こえるが…………!!!』

 

 

 

冥琳「……情報を整理しよう。 我らに投げつけた竹筒の中身は『墨』、牛は『偽火牛』で通過しただけ。 この二つで奴らの得になる事は?」

 

雛里「昨日と今日で、壮絶な火計を見せられましたので、火計に相対する恐怖が倍増しています!」

 

桂花「そうね……。 結束力が強い曹操軍なら全軍一丸になり、対抗等出来るつもりだったけど……体が怖くて動けなかったわ……」

 

穏「こちらの孫策軍も、逃走の数は〜微々たる物です〜! ですが〜被害が出てしまったのも事実ですぅ〜。 と、するとですねぇ〜、結束力が弱い袁紹軍なんか特に拙いかも〜〜?」」

 

朱里「それに、火計は準備も資金も掛かりますから、何回も続けて出来ません。 それに、ここは洛陽の唯一の入り口、火計を行い過ぎても後始末が大変ですし、遺体処理も時間が掛かります」

 

冥琳「逃亡するようにすれば、後始末は楽になり…尚且つ洛陽軍の凄さを喧伝する事も出来る。 損をするより、得になる事が多いな!」

 

??「それに………天城の旦那は、人をあまり殺したくないのさ。 軍師という職業柄、徹しているけどねぇ…」

 

     

     『!!!!!』

 

 

 

思春「───『百地三太夫』!」

 

三太夫「お初にお目にかかる! 『伏竜の軍勢』なんてこっぱずかしい名前なんて名乗りたくないから……『百地三太夫』の名前だけ名乗らせてもらうよ! ………『甘興覇』のねえちゃんは、少し前に会ったよな? 」

 

思春「………………………………」

 

雪蓮「……今の話、どういう事? 颯馬が『人を殺すのが嫌い』って? あんな大規模な火計を行ったのに!?」

 

三太夫「おいおい、戦乱の世に『人を全く殺さない策』なんて不可能は事は、一軍を統率する姐さんに判らない訳無いだろう? しかも、旦那は軍師だぜ!? そんな絵空事とうの昔に捨ててるよ………」

 

一刀「………………………………」

 

三太夫「旦那は……『必要悪』で人を殺す。 なるべく派手な奇策で、敵が著しく戦意を失うように。 そうすれば、他の奴らは降伏、もしく逃走してくれるだろうしさ。 無用な犠牲が出ないうちに…… 」

 

雛里「なら、今の『火牛の計』や『火球』のは!?」

 

三太夫「『火球』も『火計』の恐怖を、思い出させるのが主な目的。それと、アンタ達が被った『黒き水』は、推察の通り『墨を溶かした水』だし、牛の松明に火は着けずに突撃させたんだ!」

 

朱里「じゃあ! この策は『火計』じゃなく!?」

 

三太夫「正確には、『火計』と『疑心暗鬼の計』を合わせた『表裏暗転の計』と言うらしい。 表に派手な策をぶちかまし、裏で真の策を行う。 しかも、相手が知らない内に、すり替わる寸法…てな」

 

華琳「『表裏暗転の計』……言い得て妙だわ……」

 

桂花「悔しいけど………見抜けなかった方が敗北して当然。 …でも! なんでアンタが策の全貌を話すのよ!? これって裏切りじゃ??」

 

三太夫「姐さん達に見破られた時点で、この策はお終いさ。俺は旦那の『願い』を伝えに来ただけだよ………」

 

華琳「一応聞くだけなら。 後は、判断次第に依るわね?」

 

三太夫「ここから撤退して「はい、却下!」………」

 

愛紗「武人が負けたまま撤退出来るか! それに『天城颯馬』の野望を食い止めるのが我らの役目!! そんな事は納得………!!」

 

星「…待て、愛紗! お主の私怨はさておき、私はどうも、その事で納得がいかんのだ!」

 

穏「はいはぁ〜い! 私もですよぉ〜!!」

 

星「宦官の張譲と言えば、腹黒い十常侍の筆頭、一時は皇帝陛下も操ると言われた権力者。 それが、今の皇帝陛下と側近を排除するためにとはいえ、わざわざ仲が悪い最大軍閥総帥『袁本初』と手を組む行為!」

 

穏「自分が反乱軍の総帥となり〜皇位を簒奪するかと思えば、その意思も無さそうですから〜。 それに〜、袁本初と組めば御自分の権力がかなり矮小化するはず〜。 損をする部分が大部分なのに、この連携……物凄く変なのです〜!! 」

 

 『……………………………………………』

 

三太夫「まぁ、叶えられないのは重々承知だ。 ただ、この『想い』……天城の旦那にある事だけは、覚えていてくれ!」 スッ

 

  ………………………………………………………

 

華琳「…………言いたい事、考える事は……それぞれあると思う。 でも、今は袁本初の救援を優先するわ!! 昨日までの袁本初なら、真っ先に逃げ出す筈だけど、今の『麗羽』は、最後の一人になっても抗戦するはず!」

 

雪蓮「………いいわよ。『覇王』曹孟徳の采配、直に確かめさせてもらうわ!」

 

流琉「華琳様! 負傷者の皆さんは、凪さん達に任せてあります!」

 

一刀「行こう、華琳! 袁本初様を救い出そう!! ……『友達』の身が心配何だろう? 」

 

華琳「ふ、ふん! 『強敵』がそう早く消えられては、私の『覇王』としての道筋に、楽しみが無くなるのが嫌なだけよ!!」

 

一刀「『強敵』と書いて『友(とも)』と呼ぶ。 天界ではな…」

 

華琳「黙りなさい!(♯-_-) …全軍!!! 虎牢関に向かい進撃!」

 

『オオォォォーーーーーーーーーー!!』

 

華琳「伝令! 凪達や後衛の袁公路達にも中衛が前進した事を伝えよ!! もしかの時、援軍を要請するかもしれないと!!!」

 

伝令「はっ!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

前作の話が意外と好評で良かったんですが……その分、今回の話が『答え』になったか心配です。

 

流琉の話は、前の話で頑張ってくれた礼と他の作者様の砂糖の話を書いてみようかなと思いまして………。

 

凪の話は、途中入れるつもりが……他の将の話に変わってしまい、べつの話で埋め合わせしようかなと。

 

4月まで、リアルが忙しくなりますので、投稿遅れるか文章が短くなるかわかりませんが、なんとか虎牢関、いや洛陽の戦いまで終わらせたいとおもいます。

 

また、宜しければ、次回も読んでください。

 

説明
義輝記の続編です。 宜しければ読んでください。 3/8に修正をしました。
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コメント
小次郎様 コメントありがとうございます! 作者としては予想外の誉め言葉が多くて驚いています! 最後の策は、今まで作品の中に出した戦術が合わさったものになります。  (いた)
とんでもない策が更にある。颯馬の智謀には脱帽です。凄く期待してます。(小次郎)
雪風様 ご指摘ありがとうございます! 孔明の兵法に曰わく『策を行った時、成功と失敗を同時に考える事。 そうすれば対処もすぐ浮かぶ』と。 颯馬も承知していると思います。(いた)
此度は心か・・、ただ、あまり連合側を追い詰めすぎると窮鼠猫を噛む・・の状態になるからの・・。見極めの機会も重要なり。(雪風)
次回が、虎牢関戦最後の敵(生贄)と強烈無慈悲な戦術を用意しています。 もしかすると二話に跨がるかもしれませんが……。 話の構成は大体出来てますが、戦術名の名前を付けるのに数日悩んでいます。 (いた)
naku様 絶賛コメントありがとうございます!! 構成は大体出来てたんですが、理論武装をどうしようかと悩んでのこの結果。 投稿した後『まだ、考える余地があるのでは?』と散々後悔した作品です。 作者としては一安心してます。 (いた)
禁玉⇒金球様 お誉めの言葉ありがとうございます。 前作は簡単に出来たのに、この作品は『解答』を書かなければならないため、かなり悩みました。 ホント良かったです! (いた)
人(若しくは城)を攻めずに心を攻めるを体現しましたね正に心理戦の極致の一つ素晴らしい!!。自陣営ではないが味方の戦死に罪悪感をからっきし感じない損得勘定が下手な総大将と最大効果を実行実現し続ける軍師、どっちが聞こえ善いかな?さあ皆で考えよう。(禁玉⇒金球)
ふかやん様 コメントありがとうございます! そこまで褒められれば颯馬も喜びましょう! 次回は虎牢関戦での最後の敵と最後の秘策となります。 こちらも、ご期待の程を………(いた)
流石は天城殿。よもやこのような策を生み出していたとは…!今の彼は中華を代表する孫武や白起、楽毅と言った名将にも引けを取らないのでは!?(ふかやん)
mokiti1976-2010様 コメントありがとうございます! 上手く説明出来たか心配でした。 『身体』ではなく『心』を攻める策です。 次回も上手く書ければ良いなぁと思っています…… (いた)
人の心の弱さを衝く…さすがの策ですね。続きに期待。(mokiti1976-2010)
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