英雄伝説〜焔の軌跡〜 リメイク
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ルーク達がエルベ離宮へと続く周遊道に到着すると剣撃やアーツが発動する音が絶える事なく聞こえ続けてきた。

 

〜深夜・エルベ周遊道〜

 

「……どうやらもう、始まっているようだな。」

遠くから聞こえてくる戦いの音を聞いたフレンは真剣な表情になり

「……質はこちらが上だけど、数は圧倒的に向こうが上よ。王都の特務兵達が気付くまでに早いとこ終わらせるわよ!」

「ああ。……っといたぜ!」

シェラザードの言葉に頷いたルークは増援らしき特務兵達がバダックやクルツ達が戦っている場所に向かおうとしているのを見つけた。

「よし………いくぜ、みんな!」

「ええ!」

「フッ……第1幕の始まりだ。」

「うふふ、楽しいサプライズパーティーの始まりね♪」

「へっ、久しぶりに暴れるぜ!」

「アリエッタの敵、みんな倒す、です。」

そしてルーク達は増援部隊に近づき、オリビエは特務兵達の足元に威嚇射撃を放った。

 

「!?何者だ!!姿を現せ!」

目の前に撃たれた射撃に部下達と共に足を止めた特務兵の将校は叫んだ。

「うふふ、こんばんは♪」

すると闇夜の中からレンが出て来て微笑みながらスカートを摘み上げて会釈した。

 

「こ、子供!?」

「何者だ!?」

「ここは今、一般人は立ち入り禁止だ!それにこんな夜更けになぜ、こんなところにいる!?」

レンの登場に部下達が戸惑っている中、将校はレンを睨んで叫んだ。

 

「クスクス、”か弱い女の子”のレンにそんな物騒な物を向けるなんてそれでも国を守る軍人かしら?」

「聞いているのはこちらだ!質問に答えろ!!」

武器を向けられても一切恐がらず、逆に自分達の気分を逆なでするようなレンの態度に苛立ちを感じながら将校は叫んだ。

 

「うふふ………仕方ないわね……レンがここにいる理由はあなた達、情報部――――リシャール大佐の野望を達成させない為よ♪」

「なんだと……!貴様のような子供ごときが大佐の悲願を阻むだと!?その言葉、後悔させてやる!行け!」

「ガウ!!」

レンの言葉に怒りを抱いた将校の命令によって一匹の軍用犬がレンに向かい、飛び掛かったその時レンは剣と小剣を構え

「――月閃光!!」

剣で三日月を描いて飛び掛かって来た軍用犬を真っ二つに割り、真っ二つに割られた軍用犬は消滅してセピスを落とした!

 

「バカなっ!?」

「あ、あんなガキに特務部隊が直々に育て上げた軍用犬が!?」

「小娘………貴様、何者だ!?」

幼い子供に軍用犬がやられた事に部下達が混乱している中、将校は最大限の警戒を持ちながらレンを睨んで叫んだ。

 

「ただの準遊撃士よ♪」

「貴様のような小娘が遊撃士だと………ふざけるのはたいがいに……!」

レンの話を聞いた将校は一瞬子供の戯言かと思ったが、レンの容姿や装備している武器を見て血相を変えた。

 

「菫色の髪に琥珀の瞳、武器は剣と小剣の二刀流………まさか!ギルドが特例で認めた準遊撃士―――”剣姫”レン・ブライトか!?」

「なっ!?」

「ロレントでカノーネ大尉達の任務を阻んだ連中か!」

「い、一体どうやって王都に潜入したんだ!?」

将校の叫びを聞いた特務兵達が驚いたその時

「大正解♪そんな貴方達には素敵なプレゼントを差し上げるわ♪――――紅燐剣!!」

レンは闘気を溜め込んだ剣を一振りして分け身を数体高速に襲い掛からせ

「!散開しろっ!!」

高速に襲い掛かって来るレンの分け身達を見た特務兵達は散開しようとしたが

「ぐあっ!?」

「がっ!?」

数人は回避しきれず、怯んだ。

 

「ハッ!タイタニックロア!!」

「うわっ!?」

「ぐあっ!?」

そしてオリビエの声が聞こえてきた後特務兵達全員に地震が起こると共に地面から衝撃波が発生して特務兵達を怯ませ

「そこだっ!ロックブレイク!!」

「やあっ!エアロストーム!!」

「がっ!?」

「うわああああああああっ!?」

更にルークの声とシェラザードの声が聞こえた後地面から岩が突如盛り上がったり嵐が発生して特務兵達を空へと打ち上げ

「魔狼の咆哮!ブラッディハウリング!!」

「ぎゃあああああああああああっ!?」

アリエッタの声が聞こえてきた後落下する特務兵達に地面から発生した暗黒の咆哮が襲い掛かり、特務兵達は全て気絶して地面に倒れ

「二の型――――疾風!!」

レンは電光石火の速さで次々と残りの軍用犬達を斬り伏せた!

「え。」

一瞬の内に無事なのは将校だけになり

「ク、クソッ!」

そして一瞬で状況を理解した将校は応援を呼ぶためにレンやその背後にいるルーク達背を向けて逃亡したが

「おっと、ここは行き止まりだぜ。」

なんとフレンがトンファーを構えて将校の進路を塞いでいた。

「ど、どけ――――ッ!!」

自分の進路を阻むフレンを排除する為に将校は鞘からサーベルを抜いて斬りかかったが

「っと、”アイツ”の剣と比べたら遅すぎんだよっ!ゼロ・ブレイク!!」

身体を横に向けて回避した後将校の脇腹にトンファーを当てて零距離で闘気を爆発させた!

「ガハッ!?」

零距離で爆発した闘気によって吹っ飛ばされた将校は近くの木にぶつかった後気絶した!

 

「ありゃ、やりすぎちまったか?」

伸びている様子の将校を見たフレンは気まずそうな表情で頬を指でポリポリとかき

「敵に情けをかける必要は、ありません。」

アリエッタは冷静な表情で指摘した。

「俺とレン、アリエッタは要撃班の援護に行く!シェラザードとオリビエ、フレンは救出班の援護に行ってくれ!途中で特務兵達を見つけたら各個撃破で行くぞ!!」

「わかったわ!」

「フッ……任せたまえ!」

「うふふ、今までレン達遊撃士を舐めたことを後悔させてあげなくちゃね♪」

そしてルーク達は2手に分かれそれぞれの役割を果たすために戦場となっている場所へ向かった。

 

「おのれ、忌々しい遊撃士達に親衛隊共め……!応援はまだなのか!?」

一方バダックやクルツ達―――遊撃士達とユリア中尉率いる王室親衛隊員との戦いによって劣勢に陥っている状況に将校が唇を噛みしめていた。するとその時

「氷の刃よ、降り注げ!………アイシクルレイン!!」

「えいっ!………スパイラルフレア!!」

「ががっ!?」

「ギャンッ!?」

「なっ!?」

将校の背後に控えていた特務兵や軍用犬達の頭上から氷の刃と炎の槍が雨のように降り注いで特務兵達を怯ませ、背後の異変に気付いた将校が振り返ったその時

「紫電の槌よ!スパークウェーブ!!」

「ぐぎゃああああああっ!?」

更に雷の球体が突如特務兵達の中心地に現れて放電して特務兵達を気絶させ

「二の型―――疾風!!」

将校たちの背後からレンが電光石火の速さで襲い掛かって次々と軍用犬達を一刀で斬り捨て

「これで決めてやる!八葉一刀流奥義!―――夢想覇斬!!」

ルークが電光石火の速さで将校に詰め寄ると共に抜刀して将校の背後に立った。すると無数の斬撃が将校に切り刻まれ

「ガハッ!?」

全身の神経に衝撃が与えられた影響によって将校は斬られた部分から血を流しながら気絶して地面に倒れた!

 

「なっ!?」

「て、敵の援軍だと!?」

一方その様子に気付いたバダック達と戦っていた特務兵達は驚き

「あ――――!レンちゃんじゃない!!」

女性遊撃士にして八葉一刀流の剣士であるアネラス・エルフィードはレンに気付いて嬉しそうな表情で声を上げ

「ルーク!それにレン君も!」

「ほう?久しぶりだな、アリエッタ。まさかお前まで一緒とはな。」

ルーク達の姿を見たクルツは驚き、ルーク達の背後にいるアリエッタに気付いたバダックは懐かしそうな表情をし

「いいタイミングで来てくれたね!」

「へっ、中々美味しい登場の仕方をしてくれたな。」

銃を武器とする女遊撃士カルナと大剣を武器にする遊撃士グラッツはそれぞれ明るい表情で予想外の援軍を見つめた。

 

「あの娘は武術大会でモルガン将軍を破ったエステル殿達の妹君………加えて”焔”と称えられているエステル殿達の兄君も一緒か。フフ、これは心強い援軍だ。」

ルーク達の登場にユリア中尉は目を丸くした後静かな笑みを浮かべ

「――敵は我らの援軍に怯んでいる!この隙を逃さず、特務兵達を全員制圧するぞ!」

「イエス・マム!!」

そして号令をかけて親衛隊員達と共に戦闘を再開し

「ルーク達とも連携して周囲の特務兵を一掃するぞ!」

「了解!」

バダックも号令をかけてクルツ達と共に戦いを再開した!

 

その後ルーク達はバダック達と協力して特務兵達を全員制圧すると共に拘束してエルベ離宮に向かうとシェラザード達と合流したエステル達がクローディア姫や人質達の救出を完了していた……………

 

説明
第30話
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