IS 2体の魔神皇帝 |
一夏「嫌だ!」
箒「嫌だじゃない!」
清香「そうだよ!」
一夏「嫌な物は嫌だって言ってるだろう!!」
箒、清香「わからず屋!!」
一夏「どうしてそうなる!?」
剣造「あの3人は何を言い争っているんだ?知っているかい?」
一夏の居る部屋の前を通りかかった剣造はなにやら言い争いが聞こえるので近くに居た所員に聞く。
所員「なんでも箒ちゃんと清香ちゃんが一夏君に何か食べさせようとしたらしいんですが
その食べさせ方が問題だったようで」
剣造「一夏も変な所で頑固だな。彼女達の好意は素直に受け取れば良いものの」
所員「全くで」
科学要塞研究所では一夏、箒、清香が小さな喧嘩をしていたが最終的に一夏が勝ったようだ。
箒「あれ位やらせてくれても良いだろう?」
一夏「こっぱずかしいわ」
清香「変なの・・・」
一夏(女ってやっぱ解らん・・・)
一夏は箒と清香の作ってきた味噌汁すすり、おにぎりを頬張っている。
味噌汁の具は油揚げと豆腐、おにぎりはただの塩結び。しかし一夏が一番好きな組み合わせでもある。
清香「味噌汁はともかくおにぎりくらい良いじゃない・・・」
ムスーっとした顔で清香が不機嫌に言うが一夏は気にも留めない。
味噌汁を味わうので忙しいようだ。おにぎりも味噌汁も表情が柔らかいので美味かった様だ。
一夏「ご馳走様」
食後はしっかりと手を合わせてご馳走様を言う。
剣造に預けられた当初はやっていなかったのだが今ではきっちり行なっているのを見る限り、
食事の礼節を幼い一夏にしっかりと教え込んだ剣造の子育ての手腕が見て取れるように2人は感じた。
雇われている家政婦が食器を片付けた後、清香は一夏の膝の上で昼寝を始める。
箒も一夏にぴったりとくっ付いて眠ってしまった。
当の彼は全く気にも留めず、近くにあった本棚からマフラーを器用に使って本を取り出し、読み始めた。
剣造「なに?また別の正体不明の円盤?」
所員「はい。光子力研究所にも問い合わせた所同じ物を観測しているようです」
剣造「また、一夏達に苦労を掛けてしまうな・・・。聞こえていますか?父さん」
剣造は光子力研究所の十蔵に特殊回線を開いて話を始める。
十蔵『感度は良好じゃ。それで?如何するつもりなのだ?」
剣造「奴等、どうも地球をどうにかしようと企んでいるようです」
十蔵『親交が目的でないのは十中八九間違いないようじゃな』
剣造「はい。親交が目的なら既に私達人類に接触していておかしくないですからね」
この未確認の円盤は数年前から時折、光子力研究所と科学要塞研究所によって発見されており、
未だに地上に降りてこずに居る事。そして一度だけだが生物兵器を送り込んできた事があった。
その生物兵器は千冬のマジンガーZによって撃退されたがZは大破し、
暫くは動かす事すら危険な状態にまで追い詰められた。
剣造、十蔵達は之を重く見てグレートマジンガー、マジンカイザー、マジンカイザーSKLの
開発に取り組んだのだ。
最初に剣造が超合金NZの開発に成功しグレートマジンガーを作り上げた。
そしてそのデータを下に十蔵、剣造、弓、3博士、束の手によって超合金NZαが開発され、
グレートのデータを下に更に精錬され進化したマジンカイザーが、
マジンカイザーより少し遅れてマジンカイザーSKLが十蔵の手によって開発された。
SKLの武器開発にもりもり博士が少々絡んだという噂もあるが真偽は定かではない。
Zは大破後、修理されて研究所の格納庫に一時期収められていた。
余談だがグレートマジンガー一号機は第2回モンドグロッソで使用されようとしていたが
分解整備中に何者かの手によって内部フレームが破壊されてしまい、研究所のZが再使用された。
その後2号機が剣造、十蔵の手によって製作され、それが千冬の使用しているグレートだ。
他にも未確認の情報だが
剣造と十蔵、弓が3号機を密かに製作し、一夏が真のパイロットとなりパワー等が上がりすぎたSKLの代わりの
一夏の手加減用の機体として使用させるという計画もちらほらとある。
之を聞いた一夏本人は本当であって欲しいと思っている。手加減が出来ずに模擬戦などで死人を出すなど御免だからだ。
Zも2号機が箒の手加減用の機体として製作が検討されているとかされていないとか。
こればかりは本人達しかわからないが・・・。
十蔵『わかった。此方も準備を急ごう。マジンガーのOS開発は順調か?』
剣造「えぇ。この前一夏が寝ぼけて何かしたらしいのですが見てみると大方完成していました」
十蔵『寝ぼけてそれかい・・・』
剣造「はい・・・。彼は寝ぼけているとどうも色々驚く事をやってのけますからね」
十蔵『一種の才能じゃな。ガン=カタやあの観察力と記憶力もだが色々と多芸じゃな』
剣造「まったくですね。そういえばこんな噂を最近耳にしたのですが・・・」
剣造がふと思い出したことを話し始めると十蔵は真剣になってその話に耳を傾ける。
側で聞いていた弓や3博士、束、千冬も混ざっている。
清香の親戚に当る者達の話しだが、先の戦いでラウラが手に入れた異星の魔神グレンダイザー
その装甲に使用されている宇宙合金グレン。この宇宙合金グレンがある場所から発掘された事、
さらには宇宙合金グレンを元に紅蓮合金なるものが製作されていたらしい事、
紅蓮合金の性能は変形できない超合金NZクラスらしいという事、
その制作方法の記された置物は形状記憶能力を持たされた宇宙合金グレンで出来ているらしい事、
そしてその形状変化をさせる為の薬剤の制作方法がかかれた巻物が何処かに有るという事。
置物があるらしい場所までは突き止める事が出来たという事を簡単に説明した。
清香「・・・それ本当ですか?」
清香が居た。どうも分身らしいがかなり真剣な表情だ。
剣造「君がその反応ということは・・・事実なんだね?」
清香「はい。確か・・・私達の一族の手によって封印されてきた物らしいんですけど
実物は・・・随分前に外の世界。あ、私達から見た視点ですけどね。
日本政府の持つ権力とかに魅入られた・・・こういうの表現になるのは嫌なんですけど
裏切り者が持ち出したんです。その後、たしかタイ・・・何とかって言う客船にそいつは
乗ったのですが事故により船は沈没。裏切った者は死に、置物も今は海底深くにあるんです」
剣造だけでなく通信の向こうに居た者達も苦い表情になる・
剣造「不味いかもな・・・」
束『Drヘルがこの事を聞きつけたら・・・ううん聞きつけていると見て良いね』
十蔵『一夏はあさってには動かせるか?』
剣造「えぇ、軽いトレーニングなどは日課になっているようで毎日やっていますが
そろそろ疲労も取れているはずです」
十蔵『では一夏と箒、束、そして清香、おぬし達4人に置物と巻物の回収を頼もう』
清香「回収した後は十蔵さんか剣造さんの所で一端厳重に保管していてもらえますか?」
十蔵『構わんぞ。Drヘルとの決着が付いたらおぬしに返そう』
清香「言い伝えだと置物は朱雀の置物らしいです。巻物の場所は今は言いません。
私が一夏達を案内します。」
千冬『解った。此方では休む理由の帳尻を合わせておく。しかし戻ったら少々補修を行なうぞ。
苦労を掛けさせてすまないな』
束『こう言うのは嫌いなんだけど仕方ないよ。ちーちゃんは研究所と学園を護らないといけないんだし。
それに勉強なら私が色々教えておくから問題ないよ〜♪』
千冬『わかった。後で授業の予定を説明するからそれを元に教えておいてくれ。
一夏はもう理解している筈だから箒と清香を頼む』
清香「束義姉さん、お願いしますね」
束『はいは〜い♪』
この後少しの間は他愛ない話しをしてから通信を切った。
清香は分身を解除して箒を起こしてから先程の話を伝えた。
一夏「Drヘル絡みとなると無視できないな。解った」
箒「紅蓮合金が・・・。清香の持っていた手裏剣や短刀もそうなのか?」
清香「そうみたい。苦無はこの前十蔵博士が牙斬刀タイプを造ってくれたし、
剣造さんは変形してマジンガーブレードに出来るものをくれたよ」
箒「叔父さんも大したものだな・・・。それで明日は何処に行くんだ?」
清香「虫が何処に居るかわからないから案内するだけになるよ」
箒「虫?」
一夏「何時だったかやってきたろ?Gが」
箒「了解。理解した」
以前文化祭前に現れた虫型スパイロボを思い出して身震いする箒。清香も箒と一緒に震えている。
一夏は一夏でなんであのロボットを怖がるのか解らず首をかしげているのだった。
彼もGは苦手なのだが機会の物であれば手袋さえすれば全く問題なく扱える。
一夏「で巻物はいいとして置物は如何なんだ?」
清香「タイ何とか号の中にあるって言うだけ解ってるの」
一夏(タイタニックか・・・?)
この頃地獄島では・・・
Drヘル「例の置物と巻物はまだ見つからぬのか?」
ブロッケン「申し訳ありません。しかし兜十蔵の孫達と織斑一夏、魔神の巫女が回収に向う
情報を仕入れることが出来ました。置物の場所は大西洋らしいという事だけは
判明しましたが・・・」
Drへる「今回は少々後手に回ってしまうか・・・。まぁよかろう。
ブロッケン、後の事はお前に一任する。ワシは発掘作業を続けるのでな」
ブロッケン「解りました」
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