真・恋姫†無双(仮)
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「さて、と」

配置につき、諸々の準備を終えて現在の信じがたい状況を整理する。

 数分前…。

 

「で?いい加減教えてもらおうか?」

竹林に入りしばらく歩いたところで声をかけられる。(ちなみに、馬は竹林に入るときに降りてきているので徒歩だ)確かに、追手もまだ近くには来てないみたいだからいいかもしれない。

「わかりました。でも、こちらの質問にもいくつか答えてもらいますよ」

「心得た」

答えると、一緒についてきていた中の数人に辺りの警戒をさせつつ足を止め、僕を含めて三人で向かい合う。

 一人は先程から話をしているガタイのいいつり目の人、もう一人は伏せ目がちで黒い長髪の静かな人だ。(なんとなく薄幸そうな印象を受ける)二人とも武装しているが、僕とそんなに歳が変わらないように見える。しかも、どちらも女の子だった。見覚えのない場所といい、今の状況といい混乱した頭を整理したいのにこれ以上疑問を増やさないでほしいのだけど…

声をかけられて顔を上げる。とにかく、今は状況がわかってそうなこの人たちに話を聞くのが得策なようだ。

「僕は、((柳刀也|やなぎとうや))。しがない大学生です。さっき、学校帰りに行きつけの骨董品店で変な銅鏡を見てたらいつの間にかここにいたんですが、一体ここはどこ…」

「ちょっと待った!」

言い切る前に待ったをかけられる。よく見ると目の前の二人がキョトンとした顔で僕を見ていた。早口すぎて伝わらなかったのだろうか?恥ずかしながら動揺していたらしい。仕方ないから最初からゆっくり説明し直すか。

 しかし、こちらが言い直すよりも先に予想外の返答がかえってきた。

「やなぎとうや?ってどこまでが姓でどこからが字なんだ?それにダイガクセイってのは、どこの国の軍?コットウヒンテン?何の店だそれ?」

え…?

 なんだこの違和感。姓?字?それに大学も骨董品店も知らない?この人が世間知らずなだけ…でもないみたいだ。

 もう一人に目を向けると頭の上に疑問符を浮かべている。

「失礼ですが、先にお二人の素性を聞かせてもらってもいいですか?」

話が噛み合わないことに不安を覚えながらも相手の素性を聞いてみる。こういうときはまず、現状の把握が最優先だ。

 しかし、かえってきた答えで僕はさらに混乱することになった。

「いいぜ。自分は、韓義公。呉で働かせてもらってる者だ。で、こっちが」

「朱義封と言います」

二人ともこちらに向けて軽く頭を下げている。

 …今何と言った?韓義公?朱義封?DQNネームだとしてもおよそ日本人とは思えない名前だ。それよりも、一番気になる単語が出てきた。

 呉?呉っていうともしかして孫呉か?たしか三国志時代の国の一つ…だったよな?いやいや、待て待て。三国志時代っていったら千年以上前の中国だ。僕が居たのは2013年の日本で、気を失っていたとはいえ国境を越えて移動したとは考えにくい。となると、友人達が仕掛けた新手のドッキリか?いやいや、それにしては手が込みすぎてる。いつもならもっと単純でバカバカしいボケをしてくるはずだ。それに、目の前の二人といいその後ろにいる人達といいケガをしている。見た感じ傷口は本物だ。(僕の友人達は物理的に人を傷つけるのは好まない)となると、この人達は冗談とかではなく本気で言ってることになるわけだけど…

「おい、あんた。考え事の最中みたいだけどあんまりゆっくりはできそうにないぞ」

「追いつかれたみたいです」

二人の声に顔を上げると僕達が入ってきた方向から人の声が聞こえてきた。内容まではわからないけど、どうやらさっきの追手の人達だろう。

「お前の言ったとおりここに入ったら追いつかれちまったじゃねーか!どうしてくれんだ!」

幹義公と名乗った人が胸倉を掴んで怒鳴ってくる。確かにこの人達の素性や自分が置かれている状況も気になるけどそれよりも優先すべきことがあるようだ。

 頭を切り替えて、冷静に状況を整理する。正直、追手がここで追いつくのは予想通り。後はこの状況をどう切り抜けるか・・・

「わかりました。僕が何とかします」

胸倉に掛かっていた手を掴み(振りほどこうとしたがビクともしなかった。何て力だ)真っ直ぐに目を見る。

「どうにかできるのか?」

手を離して疑いの眼差しを向けてくる義公さん。まあ、素性も実力もわからない相手には当然の反応だろう。でも、僕だって勝算が無いわけじゃない。

「もちろんですよ。あなた達が協力してくれるならですけどね?」

「何か策があるようですね」

義封さんが僕達の間に入ってきた。あまり表情からは読めないがおそらく彼女も僕を疑っているだろう。

「どちらにしろあまり時間も無さそうですし、あなたに策があるのならそれに頼ってみましょう」

「しかたねぇな。とりあえずお前の策ってのを聞かせてみな」

「わかりました。まずは…」

僕は、とりあえず作戦に必要な準備と大体の配置。それと、相手の戦力を確認し、全員に役割を分担してから予備の武器を一つ借りて自分の持ち場に向かった。

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「報告します」

不意に背後から声を掛けられて我に返る。どうやら、回想に集中しすぎていたらしい。

 振り返ると、片腕を吊った男が一人立っていた。彼にはさっき、各持ち場への伝令を頼んでおいたので顔は覚えている。

「各持ち場の準備が整いました」

「了解しました。あなたはそのまま負傷兵の場所まで下がって見張りと護衛をお願いします」

「はっ!」

こちらに軽く頭を下げて後方に向かって駆け出した彼を見送ってから、目を閉じ深く息を吐く。

 そして、未だに混乱気味の頭を整理して優先すべきことだけを考える。

 自分がどこにいて、どんな状況なのかも気にはなるけど、今はそれどころじゃない。おそらく、そろそろ敵がやってくる。気を引き締めろ。敵に集中しろ。ここは戦場だ!

 自分で思いっきり頬を叩き気合を入れる。ヒリヒリとした痛みを実感して夢じゃないことを再確認。最後にゆっくりと目を開けて周囲を警戒する。ほどなくして、数人の足音と話し声が聞こえてきた。追手の連中は山賊らしい。品のない笑い声が足音と共に近づいてくる。群生している竹のせいで視界は悪く、まだ姿は見えないが呉軍の人達に借りた武器に手を掛け息を潜める。次の瞬間、

「ぎゃああああああ!」

下品な笑い声が苦悶の叫びに変わり、それを聞くと同時に僕は声の方向に走り出した。

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〜作者コメント〜

 どうも作者です。

 前回の投稿から大分間が空いてしまいましたが頑張って投稿しました^^;

 さて、本当なら今回で戦闘シーンまで書きたかったんですが、挫折しましたorz

 まあ、なんとか完結まで書こうと思いますので心優しい方は応援してください^^;

追記

誤字を修正しました

 でわでわ、また次の機会に^^/

説明
久々の投稿です。
BBもBFも書かなきゃなのにこの亀投稿(泣)
とりあえず、文章もまだまだ未熟ですがお楽しみいただけたら幸いです。
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