義輝記 雷雨の章 その拾八
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【 黄泉からの援軍 の件 】

 

?劉岱陣営にて?

 

《 劉岱軍 》

 

総大将……劉岱 将……袁遺(伯業)、辺允

 

袁術軍…約五万、劉岱軍…一万五千、他の諸侯軍…約一万

 

元袁紹軍…約二万  ??……二万

 

合計…………約拾壱万五千(115000)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

《 董卓軍 》

 

右翼……織田信長、明智光秀 約五千人

中央……島津義弘、武田信玄、信廉、上杉謙信、山縣昌景 約五千人

左翼……島津歳久、家久 約五千人

後詰め…天城颯馬、足利義輝、華雄、張文遠 約五千人

虎牢関留守隊…島津義久、郭奉孝、陳公台 約二千人

虎牢関左岸……『姜伯約』約千五百 

虎牢関右岸……『百地三太夫』約千五百

合計………約二万五千(25000)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 シュッシュッ!  キン!  キ────ン!

 

劉岱「おのれぇ! おのれぇ!! 小賢しい奴め!!!」

 

三太夫は、周りの劉岱兵より囲まれるが、難なくすり抜け『手裏剣』を投げつけるが、武勇に秀でる劉岱は、易々遮きる。

 

三太夫「そろそろ、準備が出来たようだな! じゃあな!」スッ!

 

劉岱「辺允! 袁遺! 何をしている!! あの不届き者の軍を潰す為、軍を編成し直せ!!!」

 

辺允「まぁ……待てや……大将。 袁伯業…が…呼んで…る! 強力な…援軍…………を……な!」ニヤニヤ

 

◆◇◆

 

【 恋姫達 それぞれの感情 の件 】

 

?虎牢関門前 曹操陣営にて?

 

華琳「……一刀。 凪達の具合は………どう?」

 

一刀「あぁ、頭を強く打ったようだけど、大丈夫だ。 真桜も沙和も大きな怪我を負ってない。 ただ……張勲と袁公路の怪我が酷いな」

 

     ドタドタドタドタドタドタドタドタ!!

 

秋蘭「姉者! あまり暴れるな!! 傷口が開く!!!」

 

春蘭「何を言うか!? これくらい戦場の習い! 傷の数なんぞ入らん!!

 

それよりも……『鬼』に勝つ前に『死人』如きに遅れをとったなど……話にならん!! 再勝負を果たして、あの『死人』に勝ち 《 曹孟徳配下に夏侯元譲あり 》 と思い知らさねばぁ────!」

 

華琳「いい加減になさい!! 春蘭!!!」

 

春蘭「か、華琳様! ですが………華琳様のお顔に泥を塗ったまま、おめおめ生き恥を晒す夏侯元譲だと思われたく「誰がそんな事を思うの!!!」─────!!」ビクッ

 

華琳「私はね……大切な家臣が生きてくれれば、泥など幾らでも被るわ!! 秋蘭も一刀も……居なくなっていい者など……誰も居ないのよ!! 

 

春蘭……『曹孟徳』からの命では無く、『華琳』として命じます! 大人しく身体を休めなさい。 まだ、貴女の武は……我が覇道に必要であり、私の心を支えてくれる大事な者の一人なのだから………」

 

春蘭「か、か〜り〜〜んしゃ〜まぁぁ〜〜!!!」ウオォ─ン!

 

秋蘭「華琳様……私も命ある限り…いえ、例え亡くなっても華琳様を御守り致します! ……ほらっ! 姉者! 寝台に戻るぞ!!」

 

春蘭「かぁぁぁりぃぃぃんさぁぁぁまぁぁぁ!!!」

 

   ズルズルズル ズルズルズル ズルズルズル……………

 

華琳「その忠義……感謝しているわ、春蘭、秋蘭!」

 

     『──────────────!!』

 

一刀「相変わらず───! な、何だぁ!!」

 

華琳「一刀! 急いで将の集合要請! 兵の編成を!!」

 

一刀「判った!!」ダッ!!

 

★☆☆

 

? 各軍師に話し合いにて ?

 

冥琳「…………私達、軍師の『観察』『推察』『読み』を持ってしても、今回の展開は異常過ぎて………追随する自信が無い………」

 

桂花「……奇遇ね。 私も全く手が打てないわ。 

 

華琳様か名を挙げるために参加した反董卓連合………それなのに、敵側の策に散々踊らされて…………軍師としての『自負』が、急激に減少していくわよ………………」

 

朱里「あ、あのう………す、すいましぇん! 孫家で名高い『美周嬢』周公瑾様ですか?!」

 

雛里「コクコク!」

 

冥琳「……んっ? 確かにそうだが。 本来からすれば、聞く前に自分達から名乗り挙げる事が、礼儀ではないかな?」

 

朱里「はわわわ!! 名乗りが遅れてすいません! しょか、諸葛孔明と申します!!!」

 

雛里「あわわわ!! ホウ士元ですぅぅぅ!!!」

 

冥琳「おぉ!! 世にも名高い『臥龍』『鳳雛』か! ここで出会えるとは、光栄極まりない!!!」

 

桂花「………で、私の事は眼中に無いって事?」イラッ

 

冥琳「いや、貴女が誰だか、分かっているつもりなんだが。 『王佐の才』殿? 正式に名乗りを聞いていないので、声を掛けれなかったのでね…………」クスッ

 

桂花「…………『荀文若』よ! これでいいでしょう!! 」

 

冥琳「フフフ……結構。 では改めて名乗らせてもらう、孫家の軍師『周公瑾』と申す。 どこまで一緒か分からないが、宜しく願う」

 

桂花「……ふん! そう長くは続かないわよ!! 各々の君主を名を挙げるためには、他を蹴散らせねば先には進めない!! そうでしょう? 周公瑾!!」

 

冥琳「その通りだ! 君主の考えが同じであれば、協力体制も出来るかもしれないが夢のまた夢。 私達は仕えた君主の為に、全知全能を尽くすのみ!!!」

 

朱里「はわわわわわわわ!!」

 

雛里「あわわわわわわわ!!」

 

桂花「…………だけどねぇ!! そんな私達がいいように翻弄している、あの『天城颯馬』の頭の中は、人を貶める事だけ考えてるの!? 

 

あの用意周到な火計で万人を灰と化したと思えば、人を殺すのが嫌いと嘯き(うそぶき)私達を精神的に追い詰めて……………あいつは、一体どういう神経しているのよ!!」

 

 

冥琳「…………『神の心、悪魔の軍略』」

 

 

三人「「「 ええぇ…………………………!? 」」」

 

冥琳「……すまん、別の事を考えていた。 具体的な事は言えないが孫家としては、董卓や天城に多大な恩情を与えられている。 孫家はその恩に報いるため、手助けしたかったのだが……董卓軍から断ってきたのだ。 『余計な心配はするな』と。 

 

私達は、複雑な心情で、そのまま反董卓連合に参加して、全力で立ち向かって行ったが…………結果はご覧の通りだ………」

 

桂花「………そんな機密事項……私達に喋って大丈夫だと思っているの? 下手をすれば、アンタ達は叛逆罪で死刑になるわよ!?」

 

冥琳「…………この状況で…か? それに、この話が伝わり風評で流れれば、孫家は律儀な軍と信用される。 得も損も考えているさ」

 

朱里「で、でしゅうが〜!! 相手は、『天の御遣い』を名乗る軍勢、しかも春蘭さんに傷を負わせて退ける武人!!」

 

雛里「………そ、それに、董卓軍より遥かに多い軍勢を数万規模の軍勢で……」

 

『───────────────────!!』 

 

雛里「────きゃっっ!!!」

 

冥琳「な、何がぁ………!!!」

 

桂花「何なの!! 何があったというの?」

 

朱里「──────────────!!!」

 

 

★☆★

 

? 孫策陣営にて ?

 

雪蓮「……蓮華! 今の戦いをどう見る!?」

 

蓮華「そうですね。 未知なる技の応酬に興奮しましたが、何か物悲しい雰囲気が漂っていました………敵同士だから、そんな事有り得ないはずなのに…………」

 

雪蓮「二人が二人共、背中に違う『想い』を背負いながらの戦いだもの。 それに気付けるのなら、蓮華に『国』をいつ任せても、大丈夫なようね!!」ニコッ

 

蓮華「???」

 

    『────────────────────!!』

 

蓮華「姉様!!」

 

雪蓮「蓮華!! 急いで皆を集結させなさい!!」

 

蓮華「はい!」ダッ!

 

★★★

 

? 袁紹陣営にて ?

 

麗羽「袁家の者としては、礼を言わなくてはなりませんね。 『百地三太夫』と言う殿方に…………」

 

猪々子「格好いいなぁ───!! アタイも彼奴みたいに戦うんだぁ!! それで斗詩を惚れ直させてやる!!!」

 

斗詩「…………何となく、駄目な気が……………」

 

『────────────────────!!』

 

麗羽「何ですの!?」

 

斗詩「わかりません! 取りあえず皆を呼んで曹孟徳様の元へ!」

 

猪々子「そうだな! あの姉ちゃんとこに、残りの軍勢が集まっているようだし。 よし! 集まり次第向かうぞぉ!!」

 

麗羽「ちょっと!! 命令を出すのはわたくしですわよぉぉ!!」

 

◇◆◇

 

【 召喚術 の件 】

 

? 劉岱陣営にて ?

 

袁伯業は、後方の広い場所で………于吉より授受された『方術』を行っていた。 

 

手前で開いた竹簡を広げ、袁伯業の澄み渡る声が、途切れ途切れに詠唱された後、竹簡を懐に仕舞い込み、手を合わせ最後の詠唱を行う!

 

★☆★   ★☆★   ★☆★   ★☆★

 

袁伯業「 冥君に……願い奉る……天と地の間…に彷徨える魂達…! 業火で燃やされし…強者共!! 今一度……『天の御遣い』に連なる者達に…復讐の……刃で…弑逆奉らん! 袁伯業の名において……英霊達を……再び……この地に……顕現させたまえ……!!! 」

 

    スゥ──────! コオオオォォォ────!!

 

袁伯業が息を吸い込んで思いっきり吹き出した後、叫ぶ!!    

 

 

『 《于吉流 泰山冥君反魂の法》…………急々如律令!!!! 』

 

 

  ──────────────────!!

 

 

袁伯業が詠唱を終えると……辺りに光の輪が無数に現れ……顔を白き布で覆った『元反董卓連合軍 前衛部隊』の将兵が…焼爛れた(ただれた)手に黒ずんだ剣を持ち、火勢でボロボロになった鎧を着けて、肉の焦げた臭いを発しなから……姿を見せた………。

 

袁伯業「『天の御遣い 天城颯馬』の……術中に……陥る者共! 泰山冥君の……力に………より、その…姿は一時的な……もの……だ。我らの……命に……従え!! 従えば……働き次第……で、現世に戻れ………るぞ!!!」

 

元反董卓軍前衛『ウウ……ウウウオオオォォォ─────!!!』

 

★☆★   ★☆★   ★☆★   ★☆★

 

 

袁伯業「劉岱……様、元前衛軍二万……援軍で、参入した。 ……実質……十万以上にな………た」

 

辺允「敵……は、多数を……策で破る……相手……だぁ! 味方は多いのに、越した………事は、無い…………ぜ!」

 

劉岱「ふん!!! 誰が礼など言うものか!? 寧ろ、このような気味悪い軍など、どうして率いる事ができると言うのだ!!」

 

袁伯業「心配……するな。 『天城颯馬』や連なる者…共を殺せば…自ずと………消える者なり。 それに……統率は…辺允に任せること……に、なって………いる」

 

辺允「クッハッハッハッ! あまり……悩むと、禿げる……ぞ?!」

 

劉岱「よ、余計な世話だあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

★☆☆

 

? とある場所にて ?

 

水晶球を見ていた于吉は、劉岱の滑稽な様子を覗き見して大笑いに笑っていた。 少し経ち、笑いの衝動も収まり、袁伯業の召喚術を見て…………嗤いながら呟く。

 

于吉「あははは! ………やはり、あの『劉岱』如きに『天城颯馬』を倒せる事なんて無理なようですね。 ですから……『時間稼ぎ』のため、貴方達には頑張ってもらいますよ? 辺允、袁遺……!」

 

★☆☆

 

? 洛陽陣営にて ?

 

歳久「…………なんですかぁ! アレは!!」

 

家久「嘘!?」

 

霞「うわっ! エグイやんけぇ!」

 

華雄「おのれぇ!! 逝った者達を、更に戦に駆り出してくるなど……武人の矜持にも反する行為!!!」

 

義弘「えぇぇぇ────!! あんな気持ち悪いところに、突っ込むのおぉぉ!?!?」

 

謙信「黄泉路からの戻り人か……! 神仏の定めを逆流させる越権行為! 早急に正せねば!!!」

 

信廉「正直…………嫌ですね」

 

信玄「………仕方ありません。 責任の一端は私達が持っているのです! 逃げるような事を申すなど、言語道断ですよ!!!」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

颯馬「俺の『火計の策』で逝った将兵が……蘇ったと言う事か!」

 

義輝「どうする、颯馬? その殺された者ために…死ぬか?」

 

光秀「義輝様!!!」

 

義輝「颯馬……どうじゃ? わらわの剣術の腕なら一瞬じゃ…。 かの術は、颯馬自身を目標に定めていると思われるからの?」

 

颯馬「………義輝「様」、ありがとうございます! 」

 

信廉「──────!」

 

信玄「……………」

 

颯馬「ですが、謹んで拝辞させていただきます! あの者達の理由はそれぞれあると思いますが、戦を仕掛けて来た時点で、俺を殺しに来たのは明白。 ……そんな輩のために、俺の信念を曲げてまで…情けをかけて潔く殺されてやるなど……到底出来ません!」

 

義輝「うむ! それこそ、わらわが好いた『颯馬』じゃ!」

 

全員『……はい?(……なっ!)(ふぅ〜)』

 

ーーーーーーーーーーーー

 

光秀「…………コホン! 敵の編成が終わったようですね? では、戦術の陣容には変化無し………でいいのですか…颯馬?」

 

颯馬「あぁ………ただ、どんな妖術だが分からないが、大概『頭』を潰せば終わりだ! 『頭』を狙うように全軍に指示を……!!!」

 

義輝「颯馬よ! 相手は尋常な将ではないから、わらわが自ら討ち果たしてやる! …うむ! では、信廉よ! すまぬが…わらわの変わりに颯馬を守ってもらって……よいかの!?」

 

信廉「はい! お任せください!!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

信長「『人間(じんかん)五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり。 一度生を得て滅せぬ者のあるべきか』……。 皆、数に恐れるな! 颯馬の最終戦術を信じよ!! 」

 

歳久「私達も機が満ちるまで防御を優先するのです!」

 

家久「敵が来るよ!! 迎撃準備良し! いくぞぉ!!!」

 

 

◆◇◆

 

【 ある意味予想通り の件 】

 

? 曹操陣営にて ?

 

桂花「か、か、華琳様!!! て、て、敵が!!!」

 

華琳「…………私も、この目で見ても……信じられないわよ。 虎牢関で戦死した鮑信や孔ユウ、王匡の軍勢が劉岱軍に現れるなんて!」

 

ーーーーーーーーーーー

 

愛紗「オオオォォォ! オオオォォォ!」

 

鈴々「にゃははは! 愛紗が雄叫び挙げてるのだぁ!!」

 

星「いや………次の台詞は『お化けだぁ』と叫んで一刀殿に組み付くと見た「お化けだぁ!!」ほらっ──グッ!?」ガキッ!

 

愛紗「お化け、嫌ぁぁ! お化け嫌だぁぁ!!」

 

星「ゴ、ゴラァ! あ、愛紗! く、首をし、絞めるなぁぁ!!!」

 

桃香「あ、愛紗ちゃん落ち着いてぇ!! 鈴々ちゃん! 笑い転げないで、星ちゃん助けて〜〜〜!!!」

 

★☆☆

 

? 孫策陣営にて ?

 

明命「た、大変です────!!」

 

冥琳「大変な状況は把握している! 劉岱軍の事「違うんです!」何だと!?」

 

明命「穏様が──敵の術を見て発情「思春! 例の処置を!」ありがとうございます!!」

 

冥琳「私は、今忙しい! 些細な事で声を掛けるな!!!」

 

明命「わかりました──!」

 

雪蓮「やけに、ピリピリしているわね、冥琳?」

 

冥琳「……董卓軍『天城颯馬』が……この事態をどのように逆転するのか、最後まで観察したいのだ!! 私の考えでは浮かばなかった逆境を打ち破る策を……最初から最後まで……!」

 

蓮華「冥琳は、董卓軍が勝つ事を信じているの!?」

 

冥琳「えぇっ!! 颯馬の策は我らとは違う異質な策。 そのため、曹操軍の軍師達の前で………颯馬を讃えてしまいました。『神の心、悪魔の軍略』と」

 

雪蓮「それって、前に商人に聞いた『西側の国が誇る英雄』を讃えたという賛辞…」

 

冥琳「私は、話だけの英雄より、実際にその策を体験した『天の御遣い』に送ってやりたいのだ。 人の命の重さを尊重する、不思議なあの男に………………!!」

 

蓮華「………………………………」

 

★★☆

 

? 袁紹陣営にて ?

 

麗羽「……………………………」

 

斗詩「姫…………?」

 

麗羽「………私が「袁家」の為に行った行為は、何だったんでしょうね……………」

 

猪々子「─────姫? 姫! 気をしっかり持ってくれ!!」

 

麗羽「ちょっっっと!! 猪々子さん!!! 私には皆さんみたいな黄昏る状況は合わないと言うことですかぁぁぁぁ!!!」

 

  ガシィ!!  ガクガク! ガクガク!

 

猪々子「わぁぁぁい、もとのひめにもどったあぁぁぁ」ガクガク

 

斗詩「はぁぁぁ──────────────!」

 

◆◇◆

 

【『翻竜鳳翼の陣』発動の件 】

 

?劉岱陣営にて?

 

劉岱軍……十万以上が動き出す!

 

劉岱は総大将と動き、右翼に辺允、左翼に袁伯業、中央に召喚されし『前衛軍』が着く。 

 

王匡、鮑信、孔ユウが将として動けそうだからそのまま率いさせたのだが………あの火勢の中に居たため、喉も口も全部焼けたので、発声はとても無理。 それでも意志疎通が取れるのは、団結力か?

 

中央軍が先陣となり先駆けて行く! 

 

その後から右翼、左翼が駆けつける。

 

本陣には、劉岱が包帯から出ている髭を撫でながら、勝利の報告を心待ちしていた…………。 

 

そして、董卓軍側は……虎牢関の前方三里先で鶴翼の陣を構築、劉岱軍の攻撃を待つ!!

 

    ドドドドドドドドドドドドドドドーーーーー!

 

劉岱軍の先陣がある地点に入った時、『音』が響いた!

 

     パアアァァァ─────────ン!!

 

連合軍が一斉に音の出所を探ろうとすると、今度は虎牢関から銅鑼の音が鳴り響く!!

 

   バアアァァァ──ン!! バアアァァァ──ン!!

 

劉岱軍の将兵(僕以外)は、立ち止まり怯えだす! 

 

『また……《天城颯馬》が………《何か》の策を始める………今度は……何を始める気だぁ? 一度目は《大火計》、二度目は《小火計》(表裏暗転の計)、三度目は………………!?!?』

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

王匡『───! ────────!』

 

鮑信『ーーーーーーーーーーーーー?』

 

孔ユウ『………………◆◆◆………!』

 

先陣達の動きが慌ただしい!! 先に進めずオロオロし出す!

 

この者達は、元大火計の被害者! 

 

……死人の仲間入りする原因になった直接要因!

 

そして、無慈悲なる審判の鐘の音が……

 

虎牢関道上の両岸より………鳴り響いた……………!

 

 

  『ゴーン! ゴーン! ゴーン! ゴーン! ゴーン!』

 

 

…………と同時に、劉岱軍が埋まる道の左右にある巨石群。

 

その左右各一カ所ずつに…ひび割れができ、次第に大きく広がっていく。 しかも、ひび割れが広がる事に、中から叩く音が漏れ聞こえる

ではないか!?

    

  『ピシッ!』 『ピシッピシッ! 』 『ガッガッ!!』

 

劉岱軍の将兵が………顔を合わせる。 

 

『これが《天城颯馬》の《策》ではないだろうか……?』

 

慌てて逃げ出す将兵! ………だが、気付くのが遅すぎた……

 

 『ガッコ━━━━━ン!!!』 『バコ━━━━━ン!!!』

 

大岩が破裂して、その破片が辺りの将兵に当たり…阿鼻叫喚の地獄絵図を生み出す!!

 

??「いやあぁぁ──────長かったでござるよ!!」

 

??「……………くたびれた」

 

大岩の中から、二人の将が現れる。

 

一人は、『方天画戟』を小脇に抱えノッソリと現れた『呂奉先』!

 

もう一人は、愛槍『蜻蛉切り』で出口を邪魔する岩を弾いて現れた『戦極最強』の名も高い『本多忠勝』!

 

双方とも体を回して解した後、得物を上段に構えて……目で合図をして、各々の武器を振り下ろした!!!

 

   ボオオォォォコォォォンン!!!!

 

互いの武器の衝撃波が、波のように周りに散開し、顔の穴という穴から血を流して………劉岱兵が倒れていく。 

 

両側が石壁の為、衝撃波が干渉しあい…劉岱兵の身体の内側を傷つけているためである。 

 

今の一撃だけで、数百人が帰らぬ人となった!!

 

☆★☆

 

?洛陽陣営にて?

 

颯馬「義弘殿!! 頼みま……す!!」

 

颯馬は、そう叫ぶと身体が崩れ、片足を着く! 凪にやられた傷は、かなり深く……本来は寝て居なければならない身。

 

少し前に、天水より華陀が来訪して、天水の状況を伝えに来てくれた際に、治療を受けたお陰で、今まで指揮出来ていたのだ。

 

義弘「 ────颯馬!!!  ………うぅん。 島津隊!!! 劉岱陣営後方に向け…突貫突撃!! 」ギリィ!

 

信玄「 信廉…任せますよ! 武田隊! 島津隊に追従せよ!! 」

 

昌景「 颯馬よ……儂より早く……逝くのではないぞ!!」

 

謙信「 毘沙門天よ! 颯馬の守護を!!   上杉隊! 必ず作戦を成功するように………奮迅せよ!! 」

 

義輝「……折角、告白したのだ! 死ぬではなど許さぬぞ、颯馬!

足利軍! 最後の殿じゃ! 一人でも多く生き残り、勝利の祝杯を共に呑もうぞぉぉぉ!!」

 

 『エイトウ! エイトウ!』   『ウオオォォォ!』

『ウオオォォォ!』  『ウオオォォォ!』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

…………虎牢関の戦いに、召喚術持ち込んだ作品って、そうないだろうなと思いながら、書き上げてみました。

 

相変わらずリアルが忙しい…………と言っても、信用されそうもないですが……………。 これでも、勤め人ですよぉ…と。

 

遅れる可能性がありますので、一応ご報告。

 

後、外伝もまた少し書いてみる予定です。 物語の種本が二十年振りに販売しているのを見かけた物ですから。 

 

また、よろしければ読んで下さい!

 

説明
義輝記の続編です。 よろしければ読んで下さい。 颯馬、最後の策となります。 3/17 颯馬と義輝の会話を一部訂正しました! 
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コメント
ふかやん様 コメントありがとうございます! 于吉達から見れば『大局』の中で蠢く『虫』のような存在。 天城達も『小局』なりの見方と価値ありと。 双方妥協点捜さなくては解決出来ない問題ですね。(いた)
于吉…貴様もとんだ愚か者よ!!歴史の見守り役だか何だか知らぬが『天の御使い』と呼ばれる者達とて悩み、迷いながらも懸命に生きる『人』ぞ!!それを歴史を乱す存在だからと言う理由で消滅させようなど、それこそ妄言であると何故分からぬか!!!(ふかやん)
naku様 コメントありがとうございます! 作品の主人公が『颯馬』ですのでw。 実は于吉の計略の種は、もう一つ。 ご存知のように劉岱の服は于吉作成。 若干上半身が余裕ありません。 前からの攻撃には問題ありませんが…………。(いた)
mokiti1976-2010様 コメントありがとうございます! 当分の間…うなされますね。 リアルキョンシー軍団…二万ですから。(いた)
愛紗の反応が…後々トラウマとかになったりして。(mokiti1976-2010)
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